おはようございます。
昨日の続きを。
その時、僕は貴島くん(29)と、ユキちゃん(28)と、飲んでいました。
「ソフィー、そんな事になっていたんですね。全然知らなかった・・・」
「多岐川は、最初から知っていたんですってね、ゆるちょさん」
「多岐川に、全部聞きましたよ・・・」
と、貴島くん。
「ゆるちょさんが珍しく塞ぎこんでいて・・・その理由を強引に教えて貰ったんです」
「もう、必死で説得して、キレて、怒ったりもしましたよね、わたし・・・」
と、ユキちゃん。
「自分の事を本気で心配して、怒ってくれる人は大事にしなきゃいけないからね」
「ありがたい人なんだから・・・それで、本当の事を言う気になったのさ」
と、僕。
「もう、半年以上前ですよね。ソフィーが発症したのは・・・」
と、ユキちゃん。
「彼女は人間関係に負担を感じていたからね・・・あれで繊細な女性だし・・・」
と、僕。
「それから、今までゆるちょさんはありとあらゆる事をやって、彼女をサポートしたのに・・・」
「結果がこうなって・・・なにより、ゆるちょさんがかわいそうで・・・」
と、ユキちゃん。
「もう、大丈夫だよ。彼女は遠い異国に旅立ってしまった・・・そう受け取る事にしたから」
と、僕。
「ゆるちょさんが、ブログの更新を急に辞めた日がありましたね・・・あれはやはりソフィー関係?」
と、貴島くん。
「ゆるちょさんは、ソフィーの回復の為だけに、ブログを続けていたんです」
「特に「夜の日本学」は、日本文化の研究者として弟子筋にあたる、ソフィーの為にそれこそ必死で・・・」
「特に山本七平は、ソフィーの研究対象でもあったから・・・」
と、ユキちゃん。
「それで、あれほど、舌鋒鋭く・・・」
と、貴島くん。
「しかし、その僕のブログの存在自体がソフィーの負担になっていると聞いてね・・・もう、ブログの更新が出来なくなってしまった」
と、僕。
「そうか・・・だから、あれほど、御島社長に「ブログは、控えるように」と言われても」
「書き続けていたんですね、ゆるちょさんは・・・」
と、貴島くん。
「僕の文章はどこまでも、リアルライフで輝く人の為のものだ」
「あるいは、輝きを取り戻そうとする人の為のものでもある」
「だが、それがソフィーの気分を悪くしていると知ってね・・・僕は突然、書けなくなった」
「それでソフィーは、今じゃ、パソコンすら立ち上げないそうだ・・・」
と、僕。
「それで、あれ以来、「夜の日本学」は消えてしまったんですね・・・そうだったのか・・・」
と、貴島くん。
「そういえば、貴島くんに僕のブログの管理を頼んでいるけど・・・」
「未だにボルからのコメント来る?」
と、僕。
「いえ、ゆるちょさんが一切コメントを目にしていない事実を知って」
「さすがに撤退したみたいですよ。どうせ書き込んだって、僕が消すだけですから」
と、貴島くん。
「僕と言葉を交わしたければ、リアルライフで僕の友人になればいいだけだ」
「僕の文章はすべてリアルライフの友人の為のモノだからね」
と、僕。
「じゃあ、もう、ブログは辞めるつもりですか?」
と、貴島くん。
「ああ。ソフィーの気分を害するだけなら、辞めるべきだろうね」
と、僕。
「でも、ソフィー、パソコンを立ち上げないのなら、もう、ソフィーの事を気にする必要はないんじゃありません?」
と、ユキちゃん。
「それは道理だけど・・・気分的に、ね・・・」
と、僕。
「ゆるちょさん、こう考えたら、どうです?」
と、貴島くん。
「ほう、新しい提案かい?」
と、僕。
「ゆるちょさんは、今後も恋人は作るつもりでしょう?」
「ソフィーを忘れる為にも・・・今、言うのは、ちょっと、あれですけど・・・」
と、貴島くん。
「ふ。まあ、そうなるだろうね。そういう機会があれば、だけど」
と、僕。
「ゆるちょさんなら、すぐ恋人が出来ますよ」
と、ユミちゃん。
「多岐川・・・それでいいのか、おまえ?」
と、貴島くん。
「今回、わたしなりにわかったんです。わたしは、ゆるちょさんを別の立場で支える役が似合って、いるって・・・」
と、ユキちゃん。
「だったら、御島さんと同じように、ゆるちょさんを支える側に回ろう」
「そう決意出来たから・・・ゆるちょさんに彼女が出来ても、わたしはそういうカタチで自分の役割を果たせばいい」
「そう、今回思えたから、それでいいんです、わたし・・・」
と、ユキちゃん。
「多岐川・・・オトコマエだな、おまえ」
と、貴島くんは言葉にする。
「・・・で、ゆるちょさんは、僕らへのメーリングリストは、続けるつもりなんですよね?」
と、貴島くん。
「ああ、それはもちろん、物書きとしての体力トレーニングだからね、あれは」
と、僕。
「だったら、そのコピーをブログに載せるだけでいいじゃないですか」
「そして、恋人にしたい女性に新たに出会ったら、そのブログのアドレスを示して」
「ゆるちょさんの価値をその女性に知らしめれば・・・その女性は必ずゆるちょさんの価値を理解して」
「ゆるちょさんに恋に落ちますよ・・・その為の・・・つまり、恋愛装置としてのブログとして、残せばいい」
「僕はそう思うんです・・・」
と、貴島くん。
「確かに・・・それはいい案かも」
と、ユキちゃん。
「ありがとう、二人共・・・今の空っぽの僕に、明るい未来をイメージさせてくれて・・・感謝するよ・・・」
と、僕。
「ゆるちょさんは、常にリアルライフの友人の方々の為に文章を書いてください」
「そして、ブログは将来の恋愛の為に使えばいい。それだけに特化すればいいじゃないですか」
と、貴島くん。
「わかった。そう割り切ろう。まあ、コピペして記事を上げるのは、労力と言う程のモノでもないしね・・・」
と、僕。
「ゆるちょさんは、リアルライフの友人であるわたし達の為だけに文章を書いてくれる」
「わたしは、それが嬉しいの・・・」
と、ユキちゃんは笑顔で言った。
僕は少しだけ、笑顔になれていた。
(おしまい)
昨日の続きを。
その時、僕は貴島くん(29)と、ユキちゃん(28)と、飲んでいました。
「ソフィー、そんな事になっていたんですね。全然知らなかった・・・」
「多岐川は、最初から知っていたんですってね、ゆるちょさん」
「多岐川に、全部聞きましたよ・・・」
と、貴島くん。
「ゆるちょさんが珍しく塞ぎこんでいて・・・その理由を強引に教えて貰ったんです」
「もう、必死で説得して、キレて、怒ったりもしましたよね、わたし・・・」
と、ユキちゃん。
「自分の事を本気で心配して、怒ってくれる人は大事にしなきゃいけないからね」
「ありがたい人なんだから・・・それで、本当の事を言う気になったのさ」
と、僕。
「もう、半年以上前ですよね。ソフィーが発症したのは・・・」
と、ユキちゃん。
「彼女は人間関係に負担を感じていたからね・・・あれで繊細な女性だし・・・」
と、僕。
「それから、今までゆるちょさんはありとあらゆる事をやって、彼女をサポートしたのに・・・」
「結果がこうなって・・・なにより、ゆるちょさんがかわいそうで・・・」
と、ユキちゃん。
「もう、大丈夫だよ。彼女は遠い異国に旅立ってしまった・・・そう受け取る事にしたから」
と、僕。
「ゆるちょさんが、ブログの更新を急に辞めた日がありましたね・・・あれはやはりソフィー関係?」
と、貴島くん。
「ゆるちょさんは、ソフィーの回復の為だけに、ブログを続けていたんです」
「特に「夜の日本学」は、日本文化の研究者として弟子筋にあたる、ソフィーの為にそれこそ必死で・・・」
「特に山本七平は、ソフィーの研究対象でもあったから・・・」
と、ユキちゃん。
「それで、あれほど、舌鋒鋭く・・・」
と、貴島くん。
「しかし、その僕のブログの存在自体がソフィーの負担になっていると聞いてね・・・もう、ブログの更新が出来なくなってしまった」
と、僕。
「そうか・・・だから、あれほど、御島社長に「ブログは、控えるように」と言われても」
「書き続けていたんですね、ゆるちょさんは・・・」
と、貴島くん。
「僕の文章はどこまでも、リアルライフで輝く人の為のものだ」
「あるいは、輝きを取り戻そうとする人の為のものでもある」
「だが、それがソフィーの気分を悪くしていると知ってね・・・僕は突然、書けなくなった」
「それでソフィーは、今じゃ、パソコンすら立ち上げないそうだ・・・」
と、僕。
「それで、あれ以来、「夜の日本学」は消えてしまったんですね・・・そうだったのか・・・」
と、貴島くん。
「そういえば、貴島くんに僕のブログの管理を頼んでいるけど・・・」
「未だにボルからのコメント来る?」
と、僕。
「いえ、ゆるちょさんが一切コメントを目にしていない事実を知って」
「さすがに撤退したみたいですよ。どうせ書き込んだって、僕が消すだけですから」
と、貴島くん。
「僕と言葉を交わしたければ、リアルライフで僕の友人になればいいだけだ」
「僕の文章はすべてリアルライフの友人の為のモノだからね」
と、僕。
「じゃあ、もう、ブログは辞めるつもりですか?」
と、貴島くん。
「ああ。ソフィーの気分を害するだけなら、辞めるべきだろうね」
と、僕。
「でも、ソフィー、パソコンを立ち上げないのなら、もう、ソフィーの事を気にする必要はないんじゃありません?」
と、ユキちゃん。
「それは道理だけど・・・気分的に、ね・・・」
と、僕。
「ゆるちょさん、こう考えたら、どうです?」
と、貴島くん。
「ほう、新しい提案かい?」
と、僕。
「ゆるちょさんは、今後も恋人は作るつもりでしょう?」
「ソフィーを忘れる為にも・・・今、言うのは、ちょっと、あれですけど・・・」
と、貴島くん。
「ふ。まあ、そうなるだろうね。そういう機会があれば、だけど」
と、僕。
「ゆるちょさんなら、すぐ恋人が出来ますよ」
と、ユミちゃん。
「多岐川・・・それでいいのか、おまえ?」
と、貴島くん。
「今回、わたしなりにわかったんです。わたしは、ゆるちょさんを別の立場で支える役が似合って、いるって・・・」
と、ユキちゃん。
「だったら、御島さんと同じように、ゆるちょさんを支える側に回ろう」
「そう決意出来たから・・・ゆるちょさんに彼女が出来ても、わたしはそういうカタチで自分の役割を果たせばいい」
「そう、今回思えたから、それでいいんです、わたし・・・」
と、ユキちゃん。
「多岐川・・・オトコマエだな、おまえ」
と、貴島くんは言葉にする。
「・・・で、ゆるちょさんは、僕らへのメーリングリストは、続けるつもりなんですよね?」
と、貴島くん。
「ああ、それはもちろん、物書きとしての体力トレーニングだからね、あれは」
と、僕。
「だったら、そのコピーをブログに載せるだけでいいじゃないですか」
「そして、恋人にしたい女性に新たに出会ったら、そのブログのアドレスを示して」
「ゆるちょさんの価値をその女性に知らしめれば・・・その女性は必ずゆるちょさんの価値を理解して」
「ゆるちょさんに恋に落ちますよ・・・その為の・・・つまり、恋愛装置としてのブログとして、残せばいい」
「僕はそう思うんです・・・」
と、貴島くん。
「確かに・・・それはいい案かも」
と、ユキちゃん。
「ありがとう、二人共・・・今の空っぽの僕に、明るい未来をイメージさせてくれて・・・感謝するよ・・・」
と、僕。
「ゆるちょさんは、常にリアルライフの友人の方々の為に文章を書いてください」
「そして、ブログは将来の恋愛の為に使えばいい。それだけに特化すればいいじゃないですか」
と、貴島くん。
「わかった。そう割り切ろう。まあ、コピペして記事を上げるのは、労力と言う程のモノでもないしね・・・」
と、僕。
「ゆるちょさんは、リアルライフの友人であるわたし達の為だけに文章を書いてくれる」
「わたしは、それが嬉しいの・・・」
と、ユキちゃんは笑顔で言った。
僕は少しだけ、笑顔になれていた。
(おしまい)