おはようございます。
とうとう大晦日ですね。
2015年もあっという間だったような気がしますねー。
さて、その時、クリスマス休暇前で・・・僕らは、事務所の大部屋でごく内輪的な忘年会をしていました。
「今年も、もう終わりですね。クリスマスが過ぎれば一気に年末ですよ」
と、貴島くんが白ワインを飲みがながら言葉にする。
「ゆるちょさんは、どうでした。今年はいい1年になりました?」
と、辛辣姫ユキちゃん(28)。
「そうだねえ。割りと仕事の方も納得出来る文章も書けたし、よかったんじゃないのかなあ」
と、僕。
「僕はゆるちょさんの恋愛理論の話が好きです。男性と女性は目と目を見つめ合った、勝負をし・・・男性が勝てば」
「男性は「自分に従わせる人間」になる事が出来て、女性は本能的に「その男性の意思に従う」ってなって・・・」
「「自分の意思に従わせる男性」「その男性の意思に従う女性」の二人の間にこそ、恋が生まれる・・・って話」
「この時大事なのが男性の「サル山のボス力」で・・・「人間性の大きい」「精神的に強い」男性の個体にのみ、そのチカラは宿るんですね」
と、池澤くん(24)。
「それを勉強出来たから・・・女性に恋される男性になるには、どうしたらいいか、理論的にわかりましたし」
「自分を強くする人生修行って、余程大切なんだなって、納得しましたよ」
と、池澤くん。
「ふ。池澤も、やっとやる気になったって事だなあ」
と、貴島くん。
「だって、恋について、こんなにもわかりやすく理論的な説明って、他で聞いた事なかったですから」
「それは、説得されますよ」
と、池澤くん。
「わたしは、その話を聞いて・・・男性に得点をつけました」
「0点・・・これは女性から興味を持たれず、無視されている男性ですね。自分からも女性に声をかけられない情けない男性」
「・・・もちろん、そういう男性は女性から無視されて当然って事ですねー」
と、レイカちゃん。
「ほう、そりゃ手厳しい」
と、僕。
「ふふ。次、50点・・・これは女性から声をかけないけれど、女性に声をかけてもいいくらいに「人間性の大きい」男性かな」
「まあ、有り体に言えば、女性と話す権利を有する男性って事・・・まあ、これは女性が理性的に判断している感じかしら。まだまだ、理性の世界の話なの」
と、レイカちゃん。
「そういう男性がイケメンの男性って事ですか?」
と、ミユウちゃん(25)。
「で、100点は、女性の方から積極的に声をかけていく男性ね。「サル山のボス力」が素晴らしく強い・・・池澤くんの言ってた」
「「自分の意思に従わせる男性」・・・この本能的なチカラは抜群だから、女性は簡単に恋に落ちてしまう」
「やっぱり、恋は本能のチカラなのね・・・」
と、レイカちゃん。
「じゃあ、レイカさんは、男性はすべからく、本能のチカラを磨いて、100点を目指せと?」
と、貴島くん。
「そうね。この事からもわかるように恋は言葉じゃないの。本能のチカラなの。これって、男性の放つオーラで、女性はわかるし」
「男性と目と目を合わせれば・・・女性は恋に落とされてしまうわ。男女は目と目で恋を語り合うモノだもの」
「そういう事になるのね・・・」
と、レイカちゃん。
「なーに、また、恋の話をしているの?」
と、そこへ社長室から出てきた御島さんが割り込んでくる。
「全く年末って、ホント、仕事が忙しいのよね」
と、愚痴る御島さんである。
「でもさー。その話で明らかになったのは、女性と男性の恋の基本条件って・・・男性が女性を外敵から安全に守れる事だった」
「って事よね。だから、男性が女性を外敵から守れなくなったら・・・女性の恋の魔法が当然、解ける・・・」
「だから男性は、本能のチカラである「サル山のボス力」・・・「動物としての本能的迫力」を常に磨いておく必要がある」
「って話になるのね・・・」
と、御島さん。
「僕はその理論が出来た時・・・子供の頃から懸案だった疑問・・・「何故ヤンキーとヤクザ屋さんは女性にモテるのか?」と言う」
「疑問が呆気無く氷解して・・・ちょっと笑ったね。彼らの「動物としての本能的迫力」は・・・仕事の道具みたいなモノだから」
「常に磨いているわけだし・・・そりゃ女性にモテるよね・・・」
と、僕。
「あのー。ちょっと疑問に思ったんで聞くんですけど「動物としての本能的迫力」を磨くって・・・具体的にはどうするんですか?」
と、池澤くん。
「それは、簡単じゃない。毎日の戦い・・・目と目を合わせて、相手の心底を覗く・・・をし続けるって事でしょ?」
「ねえ、ゆるちょくん」
と、御島さん。
「まあ、男女の場合は、目と目を合わせて、笑顔で、目で挨拶って所だろうけどね」
「それ、目の笑う笑顔を貰えるから、お互い、気持ちいいんだ」
と、僕。
「だから、100点の男性のみが・・・女性と目と目で挨拶が出来て・・・女性を目の笑う笑顔に出来る」
「そういう事ですよね?ゆるちょさん!」
と、レイカちゃん。
「まあ、そういう事だね」
と、僕は機嫌良さそうに白ワインを飲んでいる。
「でも、ゆるちょさんって、20代くらいまでは、恋では結構苦労したんですよね?女性に嫌われたり、「近くに寄らないで」っていうオーラを出されたり」
「そういう経験があるって・・・」
と、池澤くん。
「うん。会社に入った頃、25歳から30歳は、僕の暗黒時代だったからね。ストレス太りをしてしまって」
「目にもチカラが無かったから、女性に徹底的に嫌われたよ。そういう時の女性はほんと怖いくらい自分の気持ちに正直だよね」
と、僕。
「その頃ですよね。仕方無くてネットナンパに励んで・・・7,8人の女性と横浜デートしたけど、皆嘘つきで」
「「25歳、独身、ちょっと美人」が「35歳、既婚、ちょっとポッチャリ」・・・みたいな女性ばかりだったって話」
と、貴島くん。
「ああ。懐かしい。9人くらいだったかな。皆、既婚のオバサンでさ。で、僕も聞いたんだ「何故嘘だってわかるのに」」
「「今日、来たんですか?」って。そしたら、「だって若い男の子と横浜でデート出来て、美味しい創作フレンチも」」
「「頂けるんでしょう?そんなデート、わたししたことなかったし・・・」って事だった」
「その時、僕は、女性ってそういう人もいるんだ・・・って勉強したって所かな」
と、僕。
「「何事もやってみなきゃわからない」発想の行動派のゆるちょさんらしい・・・」
と、貴島くん。
「完全なオバサン発想。っていうか、女性はそんな人間ばかりじゃないですよ」
と、辛辣姫。
「そりゃあ、わかってるよ。ただし、その頃の僕はわかりやすい「しずかちゃん症候群」にかかっていたから」
「そこから抜け出るのに、ちょうどいいきっかけになった」
と、僕。
「「しずかちゃん症候群」?」
と、池澤くん。
「自分で名前つけた症状だけどね。「しずかちゃんみたいにかわいい女性は性格もいいはずで、正直だ」って言う、女性に対するただの思いこみで」
「後に転じて「女性は性格もいいはずで、正直だ」と言う変な思い込みに変わっていた。「女性は正直だから太った僕を嫌うんだ」」
「みたいな思い込みで・・・それは正しかったと思うけど・・・いずれにしても、女性に変な夢を持っていた頃だよ」
と、僕。
「それが完全に・・・夢から覚まされた?」
と、御島さん。
「そ。8人も9人も皆嘘つきで・・・その時、僕は「ネットと言う所は外見に難のある人間が自分の弱みを隠す為に」」
「「逃げ込んでいる場所だ。ただそういう場所に過ぎない」と・・・こっちも変な夢を捨てられたよ・・・やっぱ人生経験だよね・・・っていうか、経験からの思考こそ大事って所かな」
と、僕。
「ただし、ネットは、同時に多くの人間に情報を発信出来る手段でもある・・・と言う所だけ、僕は、利用させてもらう事にした。その時からね」
と、僕。
「ゆるちょさんって、ホント、経験するから、その経験から思考して・・・対処方法を考えながら、自分をどんどん成長させていく」
「って事を人生で常にやっているんですよね。その後、ゆるちょさんは、サイクリストになって、体脂肪燃焼も実施して」
「体脂肪率20%以下を実現して・・・その頃から女性に注目されるようになって・・・「ヒカルの君の目」を備えられて・・・」
「その頃から、偶然に「動物としての本能的迫力」を毎日磨く生活に入って・・・今では目の笑う女性に囲まれる生活に入ってる・・・」
「つまり、自分が変われば周囲も変わる・・・自分が成長するからこそ、周囲の女性の表情も変わる・・・って、この事を言ってるって感じですよね?」
と、池澤くん。
「そうだね。あれ程、女性に嫌われた僕が・・・今の状況は、信じられない程、いい状況になれてるって事になるだろうね」
「でも、何事にも、やり方が裏に隠されているって事さ。有り体に言えば、20代までの僕は「動物としての本能的迫力」は、ほぼゼロ」
「だったんだよ。特に25歳から30歳の僕の暗黒時代には。だから、女性は不快な顔をしてた」
「だけど、「動物としての本能的迫力」を日々磨く生活に入ったもんだから」
「シビアにそれは磨かれ・・・僕自身成長する事が出来て・・・女性に笑顔を貰えるようになった・・・ただそれだけの話だけど、要は何事にも因果関係が」
「あるってことさ。「「動物としての本能的迫力」を磨けば、女性を恋に落とす事が出来る」・・・その知恵に辿りつけたから」
「僕的には、ラッキーって事になったってわけさ」
と、僕。
「そういう意味で言ったら、「動物としての本能的迫力」が無い男性の方がこの日本には多いですよね」
「外国の方が「動物としての本能的迫力」がすごい人が多いような気がする。だから、ゆるちょさん、外国に言ってもモテますよ」
「だって、本能のチカラって、万国共通ですもん」
と、辛辣姫。
「僕は日本が好きだから、日本にいるよ。でも、確かに「動物としての本能的迫力」が無い人は多いような気がするね」
「それが日本の出生率を下げている・・・そこに直接つながっているような気がするな」
と、僕。
「日本の男性を見ていて、わかりますもん。「死んだ魚の目」の男性ばかり・・・それって「サル山のボス力」が無いって」
「言う事でしょう?要は「他人の意見に従う男性」って意味だし・・・」
と、辛辣姫。
「若い男性にも「動物としての本能的迫力」を持っている人は少ないですね。むしろ、「他人の意見に従う男性」ばかり」
「それに彼らは、自分が頭がいいと考えているから、要は要領よく生きれば人生しあわせになれると考えている」
「苦労は自らせず、回避すればいいと考えている。だから、自動車のローンさえ、怖がって・・・」
と、ミユウちゃん。
「その結果は、人生修業を回避した人生になるから・・・死ぬまで「動物としての本能的迫力」を獲得出来ない、しあわせになれない」
「人間になってしまうと言う、未来の結果が出ちゃってますよね・・・」
と、ミユウちゃん。
「「自分は他人と違って頭がいいんだ」って考えるお馬鹿な男性が皆、「動物としての本能的迫力」を獲得出来ず」
「自分勝手な人間として周囲に認識され、孤独になっていく風景は・・・今までよく見てきましたからね」
「そういう人間はふしあわせを呼びますよね」
と、辛辣姫。
「うーん、なんか哀しい未来を見ているようだわ。そういう哀しい話は辞めましょう」
「もう、年末なんだし、来年からの明るい話にしなくちゃ」
と、御島さん。
「わたしね。来年からの御島事務所は、さらに明るいと思っているの」
「だって、うちのエースのゆるちょくんは、もう「朝ドラヒロイン」モードに入ってるんだから!!」
と、笑顔の御島さん。
「「朝ドラヒロイン」モード?」
と、池澤くん。
「朝ドラのヒロインは毎週、いろいろエピソードを重ねてその度に知り合いを増やしていくでしょう?」
「もちろん、その知り合い達は、週の終わりの土曜日には、その朝ドラヒロインを好きになっているの」
「まあ、恋に落としているのよ。ある意味「情」が生まれるって事よね」
と、御島さん。
「ゆるちょくんは実社会・・・リアルライフで、その状況を引き起こしている。ゆるちょくんのいい所は、今でも基本的に性格のいい少年の」
「まんまの性格なのよね。社会の荒波をほぼ一通り通り抜けてきたのに、全然、ひしゃげた所なんか無い」
「それでいて、他人の中身、他人の嘘、他人の変なおべっか、すべて見抜くわ。それだけ、信用していた人に裏切られた経験だって持ってる・・・痛みも充分経験しているって事ね」
「その上で、相変わらず性格のいい少年・・・社会の男女はまず、ゆるちょくんのそんな所に感動しちゃうのよね・・・」
と、御島さん。
「その上で・・・抜群の知恵のあるしゃべり・・・ゆるちょくん。例の「ヒカルの君の目」の説明をして頂戴」
と、御島さん。
「はい。「ヒカルの君の目」とは、要は女性を恋に落とす為のマジックアイテムで、かの「源氏物語」で「光源氏」が次々と」
「女性を恋に落とした・・・そのマジックアイテムの事を言っています。よく「源氏物語」の解説書には、「若くて美貌な家柄の」」
「「抜群にいい公達に、女性は次々と恋に落ちた」・・・と見てきたように書いてありますが、女性はそんな理性的な理由で」
「次々とは、恋に落ちません。「ヒカルの君の目」とはキラキラ光るその目に見つめられた瞬間・・・女性に本能的に恋の魔法を」
「かけちゃうので・・・本能的に恋に落としちゃうんです。女性はそのキラキラな男性の目が大好きなんですね」
「だから恋に落ちちゃうわけですけど・・・だから、女性はキラキラなアイテムが大好きでしょう?」
と、僕。
「ちなみに同じキラキラと言う事で言及すれば、よく街で見かけるのは猫よけの為に水をいれたペットボトルを置いている家を」
「見かけますが、あれもカン違いなんですね。あれ、本来は子猫を狙う猛禽類の目がキラキラしているから、猫はそれに怯えるんです」
「ちなみに僕もキラキラな「ヒカルの君の目」を持っていますが、猫は僕と目が合うと完全に逃げ散ります」
「僕は目から「ハッピーエナジー」と言う強いエネルギーを発していますから、そのエネルギーを猫たちは嫌うわけです」
「もちろん、ペットボトルに水をいれていても「ハッピーエナジー」は出ませんから、猫よけにはならないと、そういう話なんですね」
と、僕。
「で、この「ハッピーエナジー」がたくさん目から照射されると・・・女性はそのエネルギーのチカラにほだされて恋に落ちる」
「そういうカラクリになっているんですよ。それが「光源氏」が女性を次々と恋に落とせた真の理由なんですね」
と、僕。
「どうお?こんな聞いたことも無い知恵を、涼しい顔して、目の前で、しゃべられたら・・・ただでさえ、ゆるちょくんの性格のいい少年感と、「ヒカルの君の目」のおかげで」
「女性も男性も好意を持っているのに・・・本能的に説得された上で・・・理性的にも説得されちゃうんだから」
「それは、ファンになっちゃうわよね。まさに朝ドラヒロイン・・・ううん、朝ドラヒロインより、ファンづくりの能力は高いわ」
と、御島さん。
「だから・・・ファンのみなさんはゆるちょくんの話がぜひ聞きたくて、ゆるちょくん・・・つまり、うちの事務所への」
「仕事のオファーは、来年以降も右肩上がりは必定・・・人間しあわせスパイラルに入ると、たくさんの男女に求められる事になるの」
「これが、人生失敗しちゃって、ふしあわせスパイラルに入ると、誰からも興味を持たれず、話しかけられる事も無くなり、孤独化するのね」
「そういう人生は絶対にやっちゃダメよ。特に若い池澤くんは、ね・・・」
と、御島さん。
「大丈夫ですよ。その辺は肝に銘じてありますし、先輩方みなさんの人生の歩き方を参考にさせてもらいますから」
と、池澤くん。
「・・・にしても、そういう事なら、うちの事務所も来年からも安泰ですね」
と、辛辣姫。
「わたしは、ゆるちょさんと仕事が出来ると・・・毎日新しいキラキラな知恵に出会えるんで、ほんと、毎日ワクワクから」
「始まれるんですよね。それが今のわたしのなによりのしあわせかな」
と、レイカちゃん。
「そうですね。今年も毎日、いろいろな事があって・・・知り合いも増えて・・・はは、まさに朝ドラヒロイン状態ですね」
「ゆるちょさん、中心にして・・・」
と、貴島くん。
「まあ、来年も物語は続いて行くと言う事ね。これからもどんどんこの事務所への登場人物は増えていくわ」
「わたし達もどんどん新しい知恵を作りながら・・・さらにしあわせになっていきましょう」
「今年もいろいろありがとうございました。来年もよろしくね、皆!」
と、御島さんは言うと、シャンパングラスをたかだかと持ちあげた。
「がんばりましょう!」「おー」「人生、楽しまないとね」「そうそう」「いい来年になりますように!」
事務所の皆は、口々にそう言いながら・・・いつもの、楽しい時間が過ぎていくのでした。
(おしまい)
とうとう大晦日ですね。
2015年もあっという間だったような気がしますねー。
さて、その時、クリスマス休暇前で・・・僕らは、事務所の大部屋でごく内輪的な忘年会をしていました。
「今年も、もう終わりですね。クリスマスが過ぎれば一気に年末ですよ」
と、貴島くんが白ワインを飲みがながら言葉にする。
「ゆるちょさんは、どうでした。今年はいい1年になりました?」
と、辛辣姫ユキちゃん(28)。
「そうだねえ。割りと仕事の方も納得出来る文章も書けたし、よかったんじゃないのかなあ」
と、僕。
「僕はゆるちょさんの恋愛理論の話が好きです。男性と女性は目と目を見つめ合った、勝負をし・・・男性が勝てば」
「男性は「自分に従わせる人間」になる事が出来て、女性は本能的に「その男性の意思に従う」ってなって・・・」
「「自分の意思に従わせる男性」「その男性の意思に従う女性」の二人の間にこそ、恋が生まれる・・・って話」
「この時大事なのが男性の「サル山のボス力」で・・・「人間性の大きい」「精神的に強い」男性の個体にのみ、そのチカラは宿るんですね」
と、池澤くん(24)。
「それを勉強出来たから・・・女性に恋される男性になるには、どうしたらいいか、理論的にわかりましたし」
「自分を強くする人生修行って、余程大切なんだなって、納得しましたよ」
と、池澤くん。
「ふ。池澤も、やっとやる気になったって事だなあ」
と、貴島くん。
「だって、恋について、こんなにもわかりやすく理論的な説明って、他で聞いた事なかったですから」
「それは、説得されますよ」
と、池澤くん。
「わたしは、その話を聞いて・・・男性に得点をつけました」
「0点・・・これは女性から興味を持たれず、無視されている男性ですね。自分からも女性に声をかけられない情けない男性」
「・・・もちろん、そういう男性は女性から無視されて当然って事ですねー」
と、レイカちゃん。
「ほう、そりゃ手厳しい」
と、僕。
「ふふ。次、50点・・・これは女性から声をかけないけれど、女性に声をかけてもいいくらいに「人間性の大きい」男性かな」
「まあ、有り体に言えば、女性と話す権利を有する男性って事・・・まあ、これは女性が理性的に判断している感じかしら。まだまだ、理性の世界の話なの」
と、レイカちゃん。
「そういう男性がイケメンの男性って事ですか?」
と、ミユウちゃん(25)。
「で、100点は、女性の方から積極的に声をかけていく男性ね。「サル山のボス力」が素晴らしく強い・・・池澤くんの言ってた」
「「自分の意思に従わせる男性」・・・この本能的なチカラは抜群だから、女性は簡単に恋に落ちてしまう」
「やっぱり、恋は本能のチカラなのね・・・」
と、レイカちゃん。
「じゃあ、レイカさんは、男性はすべからく、本能のチカラを磨いて、100点を目指せと?」
と、貴島くん。
「そうね。この事からもわかるように恋は言葉じゃないの。本能のチカラなの。これって、男性の放つオーラで、女性はわかるし」
「男性と目と目を合わせれば・・・女性は恋に落とされてしまうわ。男女は目と目で恋を語り合うモノだもの」
「そういう事になるのね・・・」
と、レイカちゃん。
「なーに、また、恋の話をしているの?」
と、そこへ社長室から出てきた御島さんが割り込んでくる。
「全く年末って、ホント、仕事が忙しいのよね」
と、愚痴る御島さんである。
「でもさー。その話で明らかになったのは、女性と男性の恋の基本条件って・・・男性が女性を外敵から安全に守れる事だった」
「って事よね。だから、男性が女性を外敵から守れなくなったら・・・女性の恋の魔法が当然、解ける・・・」
「だから男性は、本能のチカラである「サル山のボス力」・・・「動物としての本能的迫力」を常に磨いておく必要がある」
「って話になるのね・・・」
と、御島さん。
「僕はその理論が出来た時・・・子供の頃から懸案だった疑問・・・「何故ヤンキーとヤクザ屋さんは女性にモテるのか?」と言う」
「疑問が呆気無く氷解して・・・ちょっと笑ったね。彼らの「動物としての本能的迫力」は・・・仕事の道具みたいなモノだから」
「常に磨いているわけだし・・・そりゃ女性にモテるよね・・・」
と、僕。
「あのー。ちょっと疑問に思ったんで聞くんですけど「動物としての本能的迫力」を磨くって・・・具体的にはどうするんですか?」
と、池澤くん。
「それは、簡単じゃない。毎日の戦い・・・目と目を合わせて、相手の心底を覗く・・・をし続けるって事でしょ?」
「ねえ、ゆるちょくん」
と、御島さん。
「まあ、男女の場合は、目と目を合わせて、笑顔で、目で挨拶って所だろうけどね」
「それ、目の笑う笑顔を貰えるから、お互い、気持ちいいんだ」
と、僕。
「だから、100点の男性のみが・・・女性と目と目で挨拶が出来て・・・女性を目の笑う笑顔に出来る」
「そういう事ですよね?ゆるちょさん!」
と、レイカちゃん。
「まあ、そういう事だね」
と、僕は機嫌良さそうに白ワインを飲んでいる。
「でも、ゆるちょさんって、20代くらいまでは、恋では結構苦労したんですよね?女性に嫌われたり、「近くに寄らないで」っていうオーラを出されたり」
「そういう経験があるって・・・」
と、池澤くん。
「うん。会社に入った頃、25歳から30歳は、僕の暗黒時代だったからね。ストレス太りをしてしまって」
「目にもチカラが無かったから、女性に徹底的に嫌われたよ。そういう時の女性はほんと怖いくらい自分の気持ちに正直だよね」
と、僕。
「その頃ですよね。仕方無くてネットナンパに励んで・・・7,8人の女性と横浜デートしたけど、皆嘘つきで」
「「25歳、独身、ちょっと美人」が「35歳、既婚、ちょっとポッチャリ」・・・みたいな女性ばかりだったって話」
と、貴島くん。
「ああ。懐かしい。9人くらいだったかな。皆、既婚のオバサンでさ。で、僕も聞いたんだ「何故嘘だってわかるのに」」
「「今日、来たんですか?」って。そしたら、「だって若い男の子と横浜でデート出来て、美味しい創作フレンチも」」
「「頂けるんでしょう?そんなデート、わたししたことなかったし・・・」って事だった」
「その時、僕は、女性ってそういう人もいるんだ・・・って勉強したって所かな」
と、僕。
「「何事もやってみなきゃわからない」発想の行動派のゆるちょさんらしい・・・」
と、貴島くん。
「完全なオバサン発想。っていうか、女性はそんな人間ばかりじゃないですよ」
と、辛辣姫。
「そりゃあ、わかってるよ。ただし、その頃の僕はわかりやすい「しずかちゃん症候群」にかかっていたから」
「そこから抜け出るのに、ちょうどいいきっかけになった」
と、僕。
「「しずかちゃん症候群」?」
と、池澤くん。
「自分で名前つけた症状だけどね。「しずかちゃんみたいにかわいい女性は性格もいいはずで、正直だ」って言う、女性に対するただの思いこみで」
「後に転じて「女性は性格もいいはずで、正直だ」と言う変な思い込みに変わっていた。「女性は正直だから太った僕を嫌うんだ」」
「みたいな思い込みで・・・それは正しかったと思うけど・・・いずれにしても、女性に変な夢を持っていた頃だよ」
と、僕。
「それが完全に・・・夢から覚まされた?」
と、御島さん。
「そ。8人も9人も皆嘘つきで・・・その時、僕は「ネットと言う所は外見に難のある人間が自分の弱みを隠す為に」」
「「逃げ込んでいる場所だ。ただそういう場所に過ぎない」と・・・こっちも変な夢を捨てられたよ・・・やっぱ人生経験だよね・・・っていうか、経験からの思考こそ大事って所かな」
と、僕。
「ただし、ネットは、同時に多くの人間に情報を発信出来る手段でもある・・・と言う所だけ、僕は、利用させてもらう事にした。その時からね」
と、僕。
「ゆるちょさんって、ホント、経験するから、その経験から思考して・・・対処方法を考えながら、自分をどんどん成長させていく」
「って事を人生で常にやっているんですよね。その後、ゆるちょさんは、サイクリストになって、体脂肪燃焼も実施して」
「体脂肪率20%以下を実現して・・・その頃から女性に注目されるようになって・・・「ヒカルの君の目」を備えられて・・・」
「その頃から、偶然に「動物としての本能的迫力」を毎日磨く生活に入って・・・今では目の笑う女性に囲まれる生活に入ってる・・・」
「つまり、自分が変われば周囲も変わる・・・自分が成長するからこそ、周囲の女性の表情も変わる・・・って、この事を言ってるって感じですよね?」
と、池澤くん。
「そうだね。あれ程、女性に嫌われた僕が・・・今の状況は、信じられない程、いい状況になれてるって事になるだろうね」
「でも、何事にも、やり方が裏に隠されているって事さ。有り体に言えば、20代までの僕は「動物としての本能的迫力」は、ほぼゼロ」
「だったんだよ。特に25歳から30歳の僕の暗黒時代には。だから、女性は不快な顔をしてた」
「だけど、「動物としての本能的迫力」を日々磨く生活に入ったもんだから」
「シビアにそれは磨かれ・・・僕自身成長する事が出来て・・・女性に笑顔を貰えるようになった・・・ただそれだけの話だけど、要は何事にも因果関係が」
「あるってことさ。「「動物としての本能的迫力」を磨けば、女性を恋に落とす事が出来る」・・・その知恵に辿りつけたから」
「僕的には、ラッキーって事になったってわけさ」
と、僕。
「そういう意味で言ったら、「動物としての本能的迫力」が無い男性の方がこの日本には多いですよね」
「外国の方が「動物としての本能的迫力」がすごい人が多いような気がする。だから、ゆるちょさん、外国に言ってもモテますよ」
「だって、本能のチカラって、万国共通ですもん」
と、辛辣姫。
「僕は日本が好きだから、日本にいるよ。でも、確かに「動物としての本能的迫力」が無い人は多いような気がするね」
「それが日本の出生率を下げている・・・そこに直接つながっているような気がするな」
と、僕。
「日本の男性を見ていて、わかりますもん。「死んだ魚の目」の男性ばかり・・・それって「サル山のボス力」が無いって」
「言う事でしょう?要は「他人の意見に従う男性」って意味だし・・・」
と、辛辣姫。
「若い男性にも「動物としての本能的迫力」を持っている人は少ないですね。むしろ、「他人の意見に従う男性」ばかり」
「それに彼らは、自分が頭がいいと考えているから、要は要領よく生きれば人生しあわせになれると考えている」
「苦労は自らせず、回避すればいいと考えている。だから、自動車のローンさえ、怖がって・・・」
と、ミユウちゃん。
「その結果は、人生修業を回避した人生になるから・・・死ぬまで「動物としての本能的迫力」を獲得出来ない、しあわせになれない」
「人間になってしまうと言う、未来の結果が出ちゃってますよね・・・」
と、ミユウちゃん。
「「自分は他人と違って頭がいいんだ」って考えるお馬鹿な男性が皆、「動物としての本能的迫力」を獲得出来ず」
「自分勝手な人間として周囲に認識され、孤独になっていく風景は・・・今までよく見てきましたからね」
「そういう人間はふしあわせを呼びますよね」
と、辛辣姫。
「うーん、なんか哀しい未来を見ているようだわ。そういう哀しい話は辞めましょう」
「もう、年末なんだし、来年からの明るい話にしなくちゃ」
と、御島さん。
「わたしね。来年からの御島事務所は、さらに明るいと思っているの」
「だって、うちのエースのゆるちょくんは、もう「朝ドラヒロイン」モードに入ってるんだから!!」
と、笑顔の御島さん。
「「朝ドラヒロイン」モード?」
と、池澤くん。
「朝ドラのヒロインは毎週、いろいろエピソードを重ねてその度に知り合いを増やしていくでしょう?」
「もちろん、その知り合い達は、週の終わりの土曜日には、その朝ドラヒロインを好きになっているの」
「まあ、恋に落としているのよ。ある意味「情」が生まれるって事よね」
と、御島さん。
「ゆるちょくんは実社会・・・リアルライフで、その状況を引き起こしている。ゆるちょくんのいい所は、今でも基本的に性格のいい少年の」
「まんまの性格なのよね。社会の荒波をほぼ一通り通り抜けてきたのに、全然、ひしゃげた所なんか無い」
「それでいて、他人の中身、他人の嘘、他人の変なおべっか、すべて見抜くわ。それだけ、信用していた人に裏切られた経験だって持ってる・・・痛みも充分経験しているって事ね」
「その上で、相変わらず性格のいい少年・・・社会の男女はまず、ゆるちょくんのそんな所に感動しちゃうのよね・・・」
と、御島さん。
「その上で・・・抜群の知恵のあるしゃべり・・・ゆるちょくん。例の「ヒカルの君の目」の説明をして頂戴」
と、御島さん。
「はい。「ヒカルの君の目」とは、要は女性を恋に落とす為のマジックアイテムで、かの「源氏物語」で「光源氏」が次々と」
「女性を恋に落とした・・・そのマジックアイテムの事を言っています。よく「源氏物語」の解説書には、「若くて美貌な家柄の」」
「「抜群にいい公達に、女性は次々と恋に落ちた」・・・と見てきたように書いてありますが、女性はそんな理性的な理由で」
「次々とは、恋に落ちません。「ヒカルの君の目」とはキラキラ光るその目に見つめられた瞬間・・・女性に本能的に恋の魔法を」
「かけちゃうので・・・本能的に恋に落としちゃうんです。女性はそのキラキラな男性の目が大好きなんですね」
「だから恋に落ちちゃうわけですけど・・・だから、女性はキラキラなアイテムが大好きでしょう?」
と、僕。
「ちなみに同じキラキラと言う事で言及すれば、よく街で見かけるのは猫よけの為に水をいれたペットボトルを置いている家を」
「見かけますが、あれもカン違いなんですね。あれ、本来は子猫を狙う猛禽類の目がキラキラしているから、猫はそれに怯えるんです」
「ちなみに僕もキラキラな「ヒカルの君の目」を持っていますが、猫は僕と目が合うと完全に逃げ散ります」
「僕は目から「ハッピーエナジー」と言う強いエネルギーを発していますから、そのエネルギーを猫たちは嫌うわけです」
「もちろん、ペットボトルに水をいれていても「ハッピーエナジー」は出ませんから、猫よけにはならないと、そういう話なんですね」
と、僕。
「で、この「ハッピーエナジー」がたくさん目から照射されると・・・女性はそのエネルギーのチカラにほだされて恋に落ちる」
「そういうカラクリになっているんですよ。それが「光源氏」が女性を次々と恋に落とせた真の理由なんですね」
と、僕。
「どうお?こんな聞いたことも無い知恵を、涼しい顔して、目の前で、しゃべられたら・・・ただでさえ、ゆるちょくんの性格のいい少年感と、「ヒカルの君の目」のおかげで」
「女性も男性も好意を持っているのに・・・本能的に説得された上で・・・理性的にも説得されちゃうんだから」
「それは、ファンになっちゃうわよね。まさに朝ドラヒロイン・・・ううん、朝ドラヒロインより、ファンづくりの能力は高いわ」
と、御島さん。
「だから・・・ファンのみなさんはゆるちょくんの話がぜひ聞きたくて、ゆるちょくん・・・つまり、うちの事務所への」
「仕事のオファーは、来年以降も右肩上がりは必定・・・人間しあわせスパイラルに入ると、たくさんの男女に求められる事になるの」
「これが、人生失敗しちゃって、ふしあわせスパイラルに入ると、誰からも興味を持たれず、話しかけられる事も無くなり、孤独化するのね」
「そういう人生は絶対にやっちゃダメよ。特に若い池澤くんは、ね・・・」
と、御島さん。
「大丈夫ですよ。その辺は肝に銘じてありますし、先輩方みなさんの人生の歩き方を参考にさせてもらいますから」
と、池澤くん。
「・・・にしても、そういう事なら、うちの事務所も来年からも安泰ですね」
と、辛辣姫。
「わたしは、ゆるちょさんと仕事が出来ると・・・毎日新しいキラキラな知恵に出会えるんで、ほんと、毎日ワクワクから」
「始まれるんですよね。それが今のわたしのなによりのしあわせかな」
と、レイカちゃん。
「そうですね。今年も毎日、いろいろな事があって・・・知り合いも増えて・・・はは、まさに朝ドラヒロイン状態ですね」
「ゆるちょさん、中心にして・・・」
と、貴島くん。
「まあ、来年も物語は続いて行くと言う事ね。これからもどんどんこの事務所への登場人物は増えていくわ」
「わたし達もどんどん新しい知恵を作りながら・・・さらにしあわせになっていきましょう」
「今年もいろいろありがとうございました。来年もよろしくね、皆!」
と、御島さんは言うと、シャンパングラスをたかだかと持ちあげた。
「がんばりましょう!」「おー」「人生、楽しまないとね」「そうそう」「いい来年になりますように!」
事務所の皆は、口々にそう言いながら・・・いつもの、楽しい時間が過ぎていくのでした。
(おしまい)