「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

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8月31日 今日の一枚 「夏の終り」

2013年08月31日 | お昼間カフェ
今日の一枚 懐かしの思い出たち!


さて、今日も懐かしい写真から、楽しい記事を書いていきたいと思います。

さて、今日の一枚は、どんな写真かなー!



というわけで、今日は土曜日ということで、懐かしい写真をアップしようかと思います。

まだ、僕が湘南・藤沢に住んでいた頃に撮りためた写真ですね。

というか、今日は8月31日ということで、なんだか、夏の写真をアップしたい気持ちになりました。

「夏の終り」

という感じですかねー。


この写真は、9月になってから撮った写真ですけど、鎌倉は由比ヶ浜の海の家の写真です。

9月になると、海の家はすぐに取り壊され・・・こんな感じになっちゃうんですね。


7月8月は湘南の人間にとって、まるで、毎日が祭りのようです。

たくさんの若者が来て、ひと夏のラブ・ストーリーを楽しむ時間ですからね。そこは・・・。

そして、9月が来ると、ひとは消え・・・静かな時間が復活する。

そこはかとない、寂しさを僕らに感じさせながら・・・。


この写真を撮った時もサイクリストの僕は、寂しい風景に少し哀しくなりながら、シャッターを切った事を思い出します。

134号を走った僕は、鎌倉の海沿いのカフェで、

「静かになったよねー」

と、マスターとしゃべりながら、海を見ながら、カレーを食べていた・・・そんなことを思い出しますねー。

あれから、いろいろなことがありました・・・懐かしい記憶です。

それでも、静かな海を僕らをゆっくりと見ていた・・・。涼やかな風を感じながら。


9月が来ると、少しだけ寂しくなる・・・そんな季節が今年も来るようです。


ではでは。

8月30日 大阪営業物語(5)(宿命!)

2013年08月30日 | お昼間カフェ
おはようございます。

2日間、お休みを頂きましたが、いろいろバタバタとしていて、

物理的に時間が取れなくて、お休みさせて頂きました。

さ、今日から、再開といきましょう。


っつーわけで、僕はSEだっつーに、大阪へ営業サポートという立場で派遣されたわけですが・・・そんな話の続きを書いていきましょうかねー。


ま、前回の続きですねー。


水元は、僕を馴染みのバーに連れてきていた。

「ほう。なんか、静かで雰囲気のあるバーだな。えーと、今日は寒い中、外をたくさん歩いたから身体が冷えてる。ホット・バタード・ラムをくれませんか?」

と、僕は30代後半くらいの渋いマスターに頼んだ。

「承知しました」

と、あごひげが渋いマスターは応答してくれる。

「僕はマティーニで」

と、水元が静かに言う。マスター目で静かに会釈する。

「しかし、このバーの名前、しゃれてるな。和訳すれば「カッサンドラの洞窟」・・・予言は的中するのに、誰も信じてくれない、ギリシャ神話の悲劇の少女の名前だろ、これ」

と、僕が言うと、

「ここでの会話は、だから、すべて意味が生じない・・・そう、僕は相手に説明するんやけどな。今日の会話も、そういうことで、頼むわ」

と、水元は細身の身体で話す。

「ふ。お前らしい、繊細な気遣いだな。で、なんだ、その不穏な話ってのは?」

と、僕は素直に話を聞く。

「今、NBCとT芝、M下と八津菱電機で競っている国内の携帯電話事業・・・その事業からうちが撤退するっちゅー話を聞いたんねん。それ、ほんまか?」

と、水元はズバッと切り込んでくる。

「ああ、それは本当だ」

と、僕は素直に言葉にする。

「なんでやねん。うちかて、そこそこ健闘してるんちゃうんか?もったいない話ちゃうんか、それ」

と、水元は血相を変えて、僕の肩をつかんで、聞いてくる。

「中央の経営判断だ。事業は選択と集中が肝心だ。携帯電話事業は将来的に採算が悪いと踏んだんだろう」

と、僕はにべもなく言う。

「そやかて・・・携帯事業には、今まで、どんだけ投資してきたと思ってんねん」

と、水元。

「インフラからして、かなりの金額投資してきたんやぞ。それをまるまる捨てるっちゅー話になるんやぞ」

と、水元は赤い顔をして言う。

「おまえ、ギャンブルで負けるタイプの人間だろ。元を取らねば・・・そういう発想しているところを見ると・・・」

と、僕はホット・バタード・ラムを美味しそうに飲みながら、少し半笑いで言う。

「そやから、俺はギャンブルはよう、せーへんわ」

と、ふてくされ顔で水元は言う。

「傷口が広がる前に撤退する。ギャンブルの鉄則だぞ、それ」

と、僕は涼しい顔で言う。

「事業も同じだ。もちろん、顔見知りの技術屋さん達は、次の仕事をどうするか、暗い顔をして考えていたけどな」

と、僕は言う。

「せやろ・・・技術屋養成の先行投資も、まるっきり無駄になるやんか・・・」

と、水元は食い下がる。

「そんな事言ってられん・・・事業とは、そういうもんだ」

と、僕。

「今、トップシェアを誇っているNBCだって、いつ撤退に追い込まれるか、わかったもんじゃないさ」

と、僕。

「NBCが携帯事業から撤退なんて、あり得んやろ?今、トップシェアなんだし、美味しい事業やろ、これ」

と、水元。

「事業はちょっと環境が変わるだけで、収益性が激変するもんだ。常に新しい技術は生まれてくる。技術に乗り遅れれば、一気に赤字事業に転落するぞ」

と、僕。

「そうなってからじゃ、遅いんだ」

と、僕は言う。

「ふーん・・・ま、いつ、どうなるか、わからないもんやな。事業なんて」

と、水元。

「そういうことだ。だから、俺だって、いつどうなるか・・・明日は我が身だからな」

と、僕。

「まあ、ええわ。その話をおまえが振るのを、実は待っていたんや」

と、水元。

「何?」

と、僕は水元の方を見る。

「もうひとつの不穏な話・・・実はこの話をおまえに聞きたくて、わざと携帯事業の話を振ったんや。お前にそのセリフを言わせる為になー」

と、水元。

「なんだと?」

と、僕。

「コンピュータ事業部が縮小される。ついては大量のSEを営業にして、システムソリューションを客先に提案出来る、出来る営業にして、全国に展開する話、知ってるか?」

と、水元は言いながら、目がキラリと光る。

「お前が関西支社に来たのも、その可能性を探るためや・・・そう中央に言われて、お前は今、営業活動をしてるんちゃうんか?」

と、水元は言う。

「「俺だって、いつどうなるか」って、お前は確かに言うた・・・それはそのプランを知っているから、つい、言うてしもうたんと違うんか?」

と、水元は言う。

「その噂どっから聞いたんだ?」

と、僕は聞く。

「まあ、ある筋からや・・・この噂、今、関西支社では、営業だったら、皆知っとるで・・・営業の人間から言わせれば、戦々恐々や。皆、不快がっとる」

と、水元は言う。

「システムソリューションの提案力が営業の基礎能力になんか、なったら、お前、俺ら現営業はどうなる。その能力を持った奴らに抜かれて、お払い箱やぞ」

と、水元は言う。

「だから、お前が営業を失敗してもらわんと、困るんや」

と、水元はへーきで、そういうことを言う。

「だから、関西支社の営業は、皆、お前の敵じゃ。皆、やさしい顔をしていても、腹の中では、お前に失敗してくれ、思ってる。それ知らんやろ」

と、水元は僕の顔を見ながら、言う。

「一課の連中、誰もこの話、お前にしてへんやろ?違うか?当たり前や皆、お前に失敗してほしいからや」

と、水元は言う。

「お前は廻り皆を敵に回しとるんやで」

と、水元は言い切る。

「なるほどね。確かに、初めて聞く話だ」

と、僕は静かにホット・バタード・ラムを飲みながら言う。

「だが、言っとくが俺は中央から、そんな話は一切聞いてない。俺達が派遣されているのは、単に今期の収益が悪かったから収益を回復するためだ。それだけの目的だ」

と、僕は言う。

「まあ、お前ならそう言うだろうと思ったわ。お前が簡単にこの噂が本当だなんて言ったら、関西支社はそれこそ、蜂の巣をつついた騒ぎになるからな」

と、水元は言う。

「だが、これだけは覚えておけ。関西支社の営業は全員おまえの敵だ。お前が営業に失敗することだけを皆望んでいる」

と、水元は言う。

「その証拠に、一課の連中がおまえにこのうわさ話をしていないやろ。それが証拠や」

と、水元。

「水元・・・おまえの悪い癖だ。おまえはこの後、俺がどう動くか知りたい。それで持って、この噂が本当かただの噂が知りたいんだろ」

と、僕は言う。

「俺にそういう話をして、俺を疑心暗鬼状態に落として、俺が一課から浮いたところで、どう行動するか、知りたいんだろ?」

と、僕は言う。

「だがなー、俺はまず疑心暗鬼にはならんし、もし、それが本当だったとしても・・・つまり廻りすべてが敵でもだ・・・俺は決めたことは必ずやり遂げる。それだけだ」

と、僕は言う。

「お前は昔から人を不安にさせて、その後の行動で真意を測る悪い癖がある。精神的に強い人間は、そんな手に引っかからんよ」

と、僕は言う。

「ま、おまえは昔から味方のフリして近づいてきて、漁夫の利を得ようとするタイプの人間だからな。俺だって簡単には信じないさ」

と、僕が言うと、

「ふ。まあいい。お前は昔から、精神的にタフな人間だったからな。SEは現場で鍛えられるからな。どうも苦手な人種や、簡単に策に引っかからんわ」

と、水元は諦めたように、白旗をあげる。

「せやけど、お前が、周囲にそう見られているってのは、事実やで。気いつけておいたほうが、ええで」

と、水元はマティーニを飲みながら言う。

「同期のよしみで、話したんや。それだけは本当やで」

と、水元は言ってくれる。

「なるほどねー。そういう噂が流れていたのか・・・中央への反発が俺へのとばっちりになっている・・・そういう話につながったんだな。あの時・・・」

と、僕は思い出す。


あの時、白川は言ってた。

「まあ、もっとも、お前に反発している人間も、けっこういる。顔には出していないけどな。中央に対する普段の反発から、おまえがとばっちり食っているのも事実や」

と・・・。


「なるほど・・・そういうことか・・・」

と、僕はつぶやく。

「まあ、ええわ・・・お前がどこまで本当の事を知っているかは、、永久に謎やろ。お前は強い性格してるから、ゲロすることはないやろ」

と、水元は言う。

「せやけど・・・俺たちやて、一生懸命営業活動してんねんぞ。それをまるっきり捨て去るみたいに・・・血も涙もあらへん。そう思わへんか?あ、鈴木?」

と、水元は言う。

「これも収益性をあげるためには、仕方ないんか?俺達も携帯事業と同じように、あっさり捨て去る気ーか?あ、鈴木!」

と、水元は思わず僕に食ってかかる。

「おい、やめろよ。痛いだろ、水元!」

と、僕。

「おまえには、血も涙も、あらへんのか、あ、鈴木!」

と、水元。

「勘違いするな。水元。俺だって会社の為に働いているに過ぎない・・・会社のコマのひとつだ。お前と同じ立場の人間だ」

と、僕。

「会社の為なら、仲間も売るんか?あ、鈴木!」

と、水元。

「水元、お前、少し飲み過ぎだぞ・・・」

と、僕・・・。

「水元さん・・・」

と、たまらずマスターが飛び出てきて、水元を抑えこむ・・・。


水元の興奮は納まり、水を一杯、マスターから貰うと、一気に飲み干し、一息ついた。

「すまん、鈴木。つい興奮した・・・」

と、水元はぺこりと頭を下げる。

「いや、いいよ。お前にも、興奮する理由があったんだろ」

と、僕。

「マンションのローンが26年分あるんや。子供はまだ乳飲み子や。かみさんとがんばって、ようやく授かった子ーや。俺は、家族を守らねばならないんや」

と、水元がぽつりと言う。

「営業として、定年まで、働かなければならないんや。その地位を俺は守らなければいけないんや」

と、水元が言う。

「誰にも負けるわけには、いかないんや」

と、水元はつぶやいた。

「そうだな。その気持ちは、俺にもわかる」

と、僕は言う。

「だがな、サラリーマン社会は生き馬の目を抜く、そういう社会だ。いつ、どうなるか、わからんぜ」

と、僕は重ねる。

「俺達だって、いつ、どうなるか、わからん。それだけは、覚悟しておくんだな」

と、僕は水元の目を見ながら言う。

「鈴木、それって・・・」

と、水元がつぶやくのに、

「人とは悲しい生き物だ。宿命の為に生きている」

と、僕が言うと、水元は黙った。


夜の闇に、星が一筋流れた。


(つづく)


と、まあ、こんな感じでしょうか。

まあ、懐かしい話ですけど、当時、三菱電機は携帯事業から撤退する前後で、

こんな話がありました。

当時に比べると、携帯事業の環境は激変しましたねー。


ま、今は全く関係ありませんけどねー。

相変わらず、ガラケーだしなあ(笑)。

ま、パソコンあれぱいいです。

キーボード使い慣れしているんで。


さてさて、八月も終りですねー。

夏の終り・・・静かに季節は逝くのでしょうか。


ではでは。

8月27日 大阪営業物語(4)(飛び込み?)

2013年08月27日 | お昼間カフェ
おはようございます。

暑さも少しずつ和らぎ、風が涼しくなってきていますね。

もう、秋の足音が聞こえてきている感じがしますねー。

蝉の音も、やわらぎつつあるし、季節の変わる時期に来ているような気がしますねー。


さてさて、今日も「大阪営業物語」始めていきましょうか。

あの頃の大阪が、懐かしく感じますねー。


「俺の奥さん落とした経緯なあ・・・」

と、白川はすでに日本酒にスイッチして、手酌で飲んでいる。

「大学からずっとつきあっていたんだっけ?」

と、僕が聞くと、

「いや、そうじゃないんだ。逆に大学時代からつきあっている女は、会社に入ると切れることが多いんや」

と、白川。

「ほう。それは俺も同じだったなー」

と、僕。

「相当好きや、言うとったなあ、鈴木は、そのおんなが・・・」

と、白川。

「おかげで、未だにひとりさ。そのおんなを超えるおんなに会ったことも、ないんで、ね」

と、僕。

「それより、白川の話だよ。大学時代、つきあってなかったんだったら、どういう話なの?」

と、僕。

「会社入って、3年目の話だよ。とにかく、毎日きつくてさ。いっつも終電か、あるいは、徹夜なんて事が続いた頃だった」

と、白川は思い出すように話す・・・。

「もちろん、出会いなんて、まったく無かった。合コンに出る時間すら、なかったよ。とにかく、働かされてた、身体がボロボロになるまでな・・・」

と、白川は話している。


会社の寮に居たけど、とにかく、精神的にもボロボロだった。毎日生きる気力も尽きかけてた・・・そんな頃だ、絵美子に会ったのは・・・。


通勤の為に、朝の御堂筋線に乗っていたら、偶然、絵美子に会ったんだ。

俺はボロボロで、全然気づかへんかったんやけど、あいつの方が俺を見つけてくれたんや・・・。

「白川さんですよね?わたし、一個下の三沢です」

って、満員電車の中で言ってくれたんや・・・。

その時の彼女の清楚な感じに俺はすぐにやられて・・・すぐに連絡先交換したんや。

それから、お互い、すぐに惹かれ合って・・・出会って3ヶ月で、もう結婚の話は決まっていた。

まあ、なんやかやで、実際に結婚するまで、一年かかったけど、運命の出会いって、あるもんやで。


運命のおんなに出会ったら、好きで好きでたまらんようになる。


いっつもそのおんなのことが頭から離れないんや・・・だから、そのおんなの為に生きていこうって、自然、そういう気にもなるし、相手もそうや。

だから、結婚って、出来るんや。


結婚って、そういうもんやで・・・。


「ふーん、そういうもんですか・・・」

と、僕は土佐の日本酒「酔鯨」をやりながら、静かに聞いている。

「そうなると、結婚して、まだ、2年そこそこってことになるけど・・・」

と、僕は少し酔った頭で言葉を探す。

「結婚って、いいもん?」

と、僕が聞くと、

「ああ。ええもんやで」

と、破顔する白川だった。


数日後、僕らは朝揃って、堂島の八津菱電機関西支社の営業事務所に顔を出していた。

そこには、営業一課の全員が集められていた。

宇賀神課長が皆にリストを配っていく。

それは僕も例外じゃなかった。

「今日はローラー作戦決行だ。各自、飛び込み営業やってこい。まあ、時期が時期だけにあまり期待は出来ないが、全力を尽くしてやってこい、以上」

と、宇賀神課長が叫ぶと、皆、一斉に外に飛び出ていった。

「鈴木。白川の報告で、お前が結構使えることがわかったからな。今日は営業として、動いてもらう。飛び込み営業は基本中の基本だからな。やってこい」

と、宇賀神課長は、僕にそう言うと、ニヤリと笑った。

と、白川が横に来てくれる。

「鈴木、飛び込み営業初めてだろ?お前なら、大丈夫だよ。なーに、相手の名刺を貰ってくればいいんだよ。名刺集めゲームだと思って気楽にやってこい」

と、白川は言ってくれる。

「お前の相手は、図書館じゃないか・・・課長も気を使ったんだよ。図書館システムなんて、数億するだろ。そんなの簡単に売れないからな。お前の場合、純粋に練習だ」

と、白川は説明してくれる。

「白川のリストは?」

と、僕が聞くと、

「汎用型のパソコン・サーバーだからな。これは売ってこないとあかんかもなー」

と、言いながら、白川は笑顔で出て行った。

僕も腹をくくって、事務所を出ようとすると、執務の島ちゃん(25)が、

「鈴木さん、がんばってねー」

と、笑顔で手を振ってくれた。


「しかし・・・営業をやりたくないから、SEになったようなもんなんだがな・・・」

と、僕は口にしながら、地下鉄御堂筋線に乗り込む。

僕は渡された営業リストを見ながら、最初の行き先を見定める。

「全部で八ヶ所かあ・・・今日中に回れるのかな。ま、回らないとどやされるんだろうけど」

と、僕はぶつぶつ言いながら、最初の飛び込み先を八尾図書館に決める。

「新今宮から関西本線だな。しかし、地図買っておいて、よかった・・・」

と、僕は地図で八尾図書館の位置を調べながら、少しワクワクする自分に気がついていた。

「なんだろう。人に出会えるのが、そんなに嬉しいのかな、俺・・・」

地下鉄御堂筋線は、そんな僕を乗せて、静かに走って行く。


「こんにちわ、どうも・・・八津菱電機の鈴木と言います。あのー・・・」

八尾図書館の館長室に通された僕は、40代後半と思われる品のいい女性を相手に話を開始する。

「まあ、ラインナップとしてはこんな感じで、予算に合わせて、毎年パワーアップも図れるという優れモノなんですよ。これが・・・」

などと、飛び込み営業初体験の僕にしては、セールストークを無難にこなしていた。

「はあ、確かに、今のシステムより、全然使い勝手が、良さそうですけど・・・」

と、女性館長は、それでも、こちらに合わせて話しをしてくれる様子。

それでも、

「ただ、図書館長と言えども、予算決めという話になるので、私の一存だけでは決められないんですの。申し訳ないですけれど・・・」

と、館長はやんわりと断ってくれる。

「いや、それはもう、わかっています。とりあえず、館長さんに、こういうシステムがあるということをアピールするのが、今回の狙いですから、見て頂ければ結構なんです」

と、そこは僕も鷹揚に話す。

「あ、そうですか?そういうことなら、わたしも、興味は、ありますから・・・」

と、途端に姿勢の変わる館長さんです。

「あのー、早速、質問なんですけど、いいでしょうか?」

と、なんとなく、真面目そうな館長さんが上目遣いで、僕に聞いてくる。

「ああ、もちろん、何でも聞いてください。疑問があるのであれば・・・」

と、僕が笑顔で言うと、

「先程、頂いたお名刺なんですけど・・・航空・宇宙システム課の方が、図書館システムの担当も、していらっしゃるんですか?」

と、半分、微笑しながら、館長さんが聞いてくる。

「あ、それですか・・・いやあ、うちの会社の方針として、何時どんな時でも、どんなシステムにも対応するのが、決まりですから、そういうことになっているんです。はい」

と、僕はちょっとしどろもどろになりながら、説明する。

「普段は、どんな仕事をされているんですか?鈴木さんは・・・」

と、少しいたずら好きな女性は、僕に聞いてくる。

「実は僕、普段は、関空の担当をしていて・・・でも、システム提案には、精通していますから、ご心配無く」

と、僕が言うと、

「ああ、関空の仕事・・・そうなの・・・合点がいったわ・・・そうなのね・・・」

と、彼女は言うと、

「お茶、もう一杯お注ぎするわね」

と、笑顔になるのでした。


僕は少しだけ、冷や汗をかいていました。


「ふうー。女性はおしゃべり好きだからな。しかし、初っ端から、ミスったが、名刺はこれしかないし、この手で今日は切り抜けるしかないな」

と、僕は八尾図書館を辞すと、腹をくくるのでした。

「図書館は、あと7箇所か。ま、おしゃべりをあまり盛り上げないようにしなくっちゃな。タイムリミットもあるんだし・・・」

と、ついおしゃべりを盛り上げる癖が出た僕でした。

「まあ、おしゃべり好きな僕の性格は、やっぱり、営業に向いているみたいだ・・・」

と、僕は、そんなことをつぶやきながら、関西本線八尾駅に向かうのでした。


「ただいまー」

と、その日、疲れきった僕は、それでも夕方5時前に、堂島の営業事務所に戻ってきました。

「おかえりなさい、鈴木さん。どうでした?初めての飛び込み営業。緊張しました?」

と、執務の島ちゃんが親しそうに話しかけてくれます。

「いや、おしゃべり好きな性格が功を奏してね。さらに図書館長は、全員女性だったから、女性好きな性格も幸いして、楽しく仕事してきたよ」

と、僕は島ちゃんの隣に腰掛ける。

「鈴木さんは、やさしい雰囲気を持っているもの。だから、そうなるかなって、思ってましたわ」

と、島ちゃんは、笑顔で話してくれる。

「そう言ってもらえるとありがたいね。っと、課長へ報告してこないと・・・」

と、僕はやおら立ち上がると、課長席にいる、宇賀神課長へ早速報告します。

「指定された八ヶ所の図書館、すべて回ってきました。これが、八枚の図書館長のお名刺です」

と、僕がリストと名刺を渡すと、

「ほう。全部回ってきたか。で、どうだった、手応えは?」

と、宇賀神課長が聞きます。

「まあ、おしゃべりは楽しく盛り上げてきましたから、八津菱に対するイメージは、よくなったんじゃないかと・・・いいイメージは持ってもらいました」

と、僕は報告します。

「あとは、予算決めの時期に重点的に営業をかければ、ウチのシステムの採用もあり得るかと、判断しました」

と、僕が言うと、

「うん。なかなか、いい発想だな。ま、基本中の基本は、クリアというところかな」

と、宇賀神課長は言ってくれます。

「まあ、まだ、基本中の基本だからな。手を抜くなよ。下がってよし」

と、宇賀神課長は、機嫌良さそうにオーケーを出してくれます。


僕は、疲れた身体を少しリフレッシュするべく、同じフロアにあるリフレッシュコーナーに出ていきます。

「コーヒーでも飲むか・・・」

と、僕が自動販売機でコーヒーを買っていると、ポンポンと背中を叩かれます。

「おう、鈴木。鎌倉から来てるって話は、本当だったんやな」

と、言葉がしたので、振り返ると、営業部では同期トップの水元(28)がそこには、いました。

「おー、水元、久しぶりだなあ。4年ぶりかあ。前に一緒に仕事してから」

と、僕が言うと、

「大阪空港の仕事やったな。ま、提案だけで、取れはせんかったけどな」

と、水元もコーヒーを飲んでいます。

「実はな、ちょっと不穏な噂を聞いたんで、お前に確認したくてな。中央の話やで。お前も少しは情報を持っているんや、ないか?」

と、水元は、小声で僕に、そうささやいてきました。


(つづく)


ってな感じでしたね。

まあ、今回はいろいろありましたけど、基本中の基本という感じですかー。

まあ、勉強勉強の日々でしたねー。

そんな日々を懐かしく思い出しますねー。


さてさて、今日も暑くなるんでしょうか。

残暑、厳しい折ですが、まあ、楽しくやっていきましょう。

日々精進精進ですねー。


ではでは。

8月26日 大阪営業物語(3)(え、そういうこと?)

2013年08月26日 | お昼間カフェ
おはようございます。

あっと言う間に週末も終り、八月も最後の一週間ですねー。

というわけで、木曜日あたりから始まった、

「大阪営業物語」

始めていきましょうか。ま、こんなことがありましたって感じでー。


僕と白川は、コンビを組んで営業活動を開始した。

僕は白川が担当する会社を一緒に回りながら、その会社の個性を最大限活かせるシステム・ソリューションを次々にプレゼンしていった。

白川にしてみれば、新しいカタチでの新規売り込みになったし、顧客側からすれば、少しお買い得なカタチでシステムイノベーションになる話なので、

食いつきを見せる顧客も少なくなかった。


「ふー。難波で4時半か・・・最近遅くまで根詰めて仕事してきたから、今日はもうあがろか。鈴木も少しガス抜きせなあかんからな」

と、司令塔役の白川がそう言ってくれる。

「そう言ってくれると嬉しいよ。実は冷たいビールが飲みたくてうずうずしていたんだ」

と、僕が笑顔を見せると、

「まあ、ええわ。ちょっとこの界隈にいい店知ってるんだ。いい店を弾としてたくさん持つことも、営業の武器やからな」

と、白川は難波の駅を出ると、少し北上し、法善寺横丁近くの小体な店に入る。

「焼き鳥千石」

と書いた看板が出た店は、なんとなくほっこりとした作りだった。


「おやっさん、とりあえず、生2つね」

と、白川が叫ぶと、

「ほう。白川はんは今日も元気ええなあ」

と、60前くらいのやわらかいあたりのおとうさんがいい笑顔で言ってくれる。

「ここの焼き鳥は、絶品やで。鈴木にどうしても、教えておきたかったんや」

と、白川が上機嫌で言う。

「かんぱーい」「かんぱーい」

と二人とも、ジョッキで生をやると、生気を取り戻す感じだ。

「しかし、いい感じの店だなあ。なんか、雰囲気がいいよね」

と、僕が言うと、

「ここな、3年前に発見したんや。レバー焼いたの、食べてみ。絶品やから」

と、白川は、焼き鳥セットを頬張りながら、そう言う。

「お、おう。そうか・・・」

と、僕もすぐに薦められたレバーを頬張る。

「こ、これはうまい・・・くさみが全然ない・・・こんなレバー初めて食べた・・・」

と、僕が驚くとニヤリと笑う白川。

「営業は食べるのも、飲むのも仕事のうちや・・・こういう絶品の店を知っておかな、営業言えへんからな」

と、白川は嬉しそうに営業哲学を語ってくれる。

「しかし、鈴木は俺の見込み通りや・・・ええ買い物したわ、今回・・・」

と、白川はご満悦。

「俺もこういう営業がしたかったんや。うちの会社はとにかくシステム部が営業に冷たい。だから、逃した獲物もたくさんあるんや」

と、白川。

「え?どういうこと?関西のシステムソリューション提案は、YKCが担当しているんじゃなかったか?うちの子会社の八津菱電機関西コンピュータが」

と、僕。

「それは建前だよ。奴ら、自分の案件が忙しいとかぬかして、ソリューション提案の仕事をさぼりよるんや。最悪やろ!」

と、白川。

「おい、だって、それじゃあ、提案なんて、出来ないじゃん。システム組める人間がいなきゃあ・・・」

と、僕。

「それは何度も言ってる。だから、たまに弾が出てくるけど・・・それもかなりギュウギュウ言って、それでやっと出てくる感じやからなー」

と、白川。

「それにあいつらは、こういう言い方もする。F通やNBCは営業自体がシステムソリューションの提案能力を持っている。お前らは勉強不足だ、って、こうだ」

と、愚痴る白川。

「まあ、確かに彼らが忙しいのは、僕も知ってる。殺人的に忙しいのも、わかってるけど・・・それだと営業力に差が付いちゃうだろ」

と、僕。

「まあな。だから、1億以上の案件だったら、中央に言って、SEを派遣してもろて、システムソリューションを組んでもらうし、客先提案もしてもらう」

と、白川。

「だが、一億以下の案件じゃあ、中央は相手にしてくれないし、YKCはそんな感じだろ・・・自然、パソコンだったり、サーバーだったりの個体売りの手法になるんや」

と、白川。

「でも、個体売りだったら、F通やT芝、NBCのマシンの方が圧倒的に強いだろ。戦いになるのか、それ?」

と、僕。

「まあ、国や地方自治体は、一社に独占させることはしない。なんらかの利益供与があったように取られてはいけないからな。だから、戦うことは出来る。だが、不利だ」

と、白川。

「6割がF通で、残り4割を3社に割り振り・・・みたいなことばっかりだ。俺はメインを取りたいんだ」

と、白川。

「俺は勝つために営業をやっているんだからな・・・」

と、白川は強い表情を見せる。

「そうか。一億以上の案件は、中央が本気で取りに行くけど、それ以下は相手にしないのか・・・まあ、そうしないとウチも食えないけどな・・・」

と、僕。

「SEは時間単価が高いからなあ・・・自分で言うのもあれだけど、見積もり書いていて、自分の人件費が高すぎるのに、辟易することがあるよ」

と、苦笑する僕。

「まあ、でも、今や不況風が激しくなっているから、中央もそのうち、そうも言ってられなくなるはずや。鈴木が、派遣されてきたのも、それを見越してのテストケースやろ」

と、白川。

「だから、俺は最初にその話を聞いた時、お前の性格と能力を勘案して、俺が貰い受けることに決めたんだ。宇賀神課長に俺の方から先に申し入れたんだ」

と、白川。

「え、じゃあ、何?宇賀神課長は、最初から俺が贈られた経緯も知ってたんじゃん?この間怒り狂ってたのは、あれは俺の能力を測る芝居だったのか!」

と、僕。

「ああ。まあ、もういいだろ。あれはうちの課全員がお前を試す為の芝居・・・お前がどういう挙に出るか、どういう考えで来たか、あれで皆一発でわかったよ」

と、白川。

「そういうことかー・・・・」

と、僕はびっくりしてしまう。

「ま、俺たち、大阪で働いているからな。それくらいじゃないと、この世界で、のしていけんのや。金曜日の会議で、宇賀神課長が怒りまくるシナリオを書いてくれてな」

と、ビールを飲みながら白川。

「え、ってことは、宗像さんも、そのシナリオ通り、動いてたってこと?」

と、僕がびっくりすると、

「そ。そりゃ、そうだよ。でも、宗像さんも俺も、お前を信用してたから、皆にそのポテンシャルを説明するのは、簡単になるから、安心してたよ」

と、へーきな顔して、ビールを飲む白川。

「お前ら、食えねーなー・・・。いや、そういう組織じゃないと、やってげないってことだな。この関西では」

と、僕が改めて言うと、

「そ。同業他社も倒していけないってことさ・・・」

と、しれっと言う白川でした。

「まあ、もっとも、お前に反発している人間も、けっこういる。顔には出していないけどな。中央に対する普段の反発から、おまえがとばっちり食っているのも事実や」

と、冷静に白川。

「だから、最初が肝心・・・お前のSEとしての能力と、お前の人間力で、味方の中にいる敵を、味方につけていけ・・・それが肝心やで」

と、白川。

「ああ。それはわかってる」

と、僕が強く頷くと、

「まあ、でも、ええやん。俺はお前を手に入れることが出来た。顧客たちだって、いろいろなソリューションの提案を受けて、いい感じだろ」

と、白川。

「お前だって、手応えを感じているはずだぜ。結果、俺の顧客からの信頼もかなり上がっている。お前のウケだっていい。それに俺はそのことを宇賀神課長に報告してる」

と、ニコニコ顔の白川。

「宇賀神課長、何だって?」

と、僕も興味があったので聞いてみる。

「そうか。あいつ機能してるか・・・だってさ。ありゃあ、相当喜んでるな」

と、白川。

「ま、宇賀神さんが、ガミガミ言ってくれるおかげで、たまにYKCも機能するんやけど、それにも限界があるんや」

と、白川は言う。

「だから、宇賀神さんもお前に期待してるんや。どこまで、鎌倉の青二才が出来るか・・・宇賀神さんの言い方だぜ。だが気をつけろ。宇賀神さんは人を切るのも早い」

と、白川は言ってくれる。

「ああ。諸刃の剣だ、あのひとは。俺にはそう見える・・・」

と、僕は言う。

「思った以上に怖いおひとやで。あのひとは・・・」

と、白川。


二人共気持ちよく酒を飲み進めていた。

「しかし、この土手焼き美味しいなあ。関西は美味いもん、多いよなあ。明石焼きも美味しいし、たこ焼きも美味いし」

と、僕が言うと、

「まあ、関西人は食いしん坊なんやろな。しかし、京都も美味いで。一度、連れてってやろか、京都の旨い店」

と、白川は言う。

「そっか。白川は、ラグビーの名門、同志社大学だったもんな。最も白川はテニス同好会だったみたいだけど・・・学生時代は京都住まいか・・・それも羨ましいなあ」

と、僕。

「京都はええ街やで。綺麗な女の子も多かったし」

と、白川。

「そういえば、白川の奥さん、大学の後輩だったよな?」

と、僕が振る。

「どんな経緯で、かみさん、口説き落としたん?」

と、僕が聞くと、色白の顔を少し赤くしながら、白川は語り出すのだった。


(つづく)、


まあ、ストーリーを書くのはおもしろいですね。

まあ、冬のお話ですから、夏の終りには、いいかなあと。

少し涼しさを感じながら、夏の終りを楽しんでいきましょう。


さてさて、夏の暑さも弱まりつつありますが、

逝く夏を楽しみながら、楽しく仕事をしていきましょう。

元気に、ね!


ではでは。

第三十三回 乙女通信 「尚之助との再会」

2013年08月25日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
大河ドラマ「八重の桜」感想 乙女通信

「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」

●さらば川崎尚之助!八重さんの夫であったことは、私の誇りです!それしか言えないんだよね!それが男!政治家とは、巌のようでなければならない!今、日本に新たな時代が来ようとしている!覚馬がそれをやるのだ!

おはようございます。第三十三回 「尚之助との再会」のレビューとなりますねー。

まあ、尾羽打ち枯らした男とかつての妻との再会・・・まあ、似たような境遇を僕も経験したことがありますが、尚之助の気持ちが痛い程わかりますねー。

彼にはもう男の矜持を保つことしか、出来ないんです。もう、彼には何も残っていない。だから、男のプライドを守る、八重さんを放流してあげることしか、

彼には出来ることはない・・・運命というのは、時に残酷です。彼には妻を養うことすら、出来ないでしょう。

そういう厳しい境遇での再会がいかに男の気持ちを傷つけるか・・・それでも、尚之助は最後まで尚之助でしたねー。

というか、二人共どうすべきかは、最初からわかっているんですよ。八重にしたって、

「妻じゃなくていいから、世話をさせてくれ!」

と言うくらいしか、出来ないことは、わかっているんですね。

お互い、もう一緒に住めないことは、わかっているんです。最初から。

でも、八重さんも、ああ言ってあげることが、必要だった。

ああ言って・・・それでも聞き届けられないことは、わかっていても、最後のやさしさを八重さんは尚之助に届ける必要があった。


男と女というのは、時に哀しいもので・・・答えがわかっているのに、それでもやさしさを贈らねば気が済まない・・・それが男と女のストーリーなんですね。

尚之助の立場からすれば、それを言ってもらっただけでも、ありがたい、という気持ちがある。

だから、八重の夫だった、という事実を自分の誇りだと・・・そういう言い方になるんですねー。


3000両という借金は、自身の再興という気持ちを男から失わせるのに、十分な金額です。

彼は自分が八重の人生にもう関わってはいけないことを知っていたんですよね。

だから、八重の夫だった過去だけが、彼のプライドの拠り所になる。

あとは、八重の人生から消え去り、別の場所にソフトランディングすることだけが・・・彼の今後の人生の課題になるんですねー。


すべては運命の成せる技・・・というとキレイな言い方ですが、尚之助にしてみれば、どうしてこんなことになってしまったのか・・・そういう思いでしょうねー。

だから、彼は泣いた・・・どうすることも出来ない自分に、思い切り泣いたんです。

八重も、どうすることも出来ない自分に泣いた・・・でも、思うけど、八重さん程の女性を妻に出来るってのは、やっぱり誇りですよね。


結局、男の価値というのは、もちろん、その成した仕事によって評価されるものですが、どんな妻を娶ったかによっても評価されると思います。

どんな女性に愛されたのか・・・ここにこそ、男性の真価というのは、表現される・・・そう思いますねー。

そういう意味では、川崎尚之助は、確かに一級品の男だったんですねー。


どんな女性に愛され、どんな女性に助けられているか・・・そういう意味では、覚馬は、素敵な女性達に助けられている。

みねもいい笑顔をしていたし、時栄さんも家事のしっかり出来る素敵な女性だし、相手を思うやさしさに溢れている。

母の佐久さんも、嫁とうまくやれているし、しあわせのカタチがここにあるなあって、思いますね。


考えてみれば、皮肉ですよ。覚馬も、尚之助も、能力としては、それ程違いはなかった。

尚之助は、幕末の会津藩で、頭角を表したばかりに、3000両の借金を背負ってしまった。

片や、覚馬は、戊辰戦争の間、薩摩藩に囚われ、目の光すら失った。


それを考えると、覚馬と尚之助の違いはなんだったんだろうと思わず考えてしまいますね。

覚馬は、藩という考えに固執すること辞めた。しかし、尚之助は、斗南藩の為に自分を捨てた・・・結局、その違いに帰結するんですよね。この物語では。


何かの為に、身を捨てることは絶対にするな・・・この物語はそれを僕らに教えてくれます。


自分に価値を作りこめば・・・いつか、その価値に気づいてくれる人達が現れる。

自分の価値を作りこめば、いつか、その価値を愛してくれる人たちが現れる・・・覚馬の今のしあわせな状況は、そうやって生まれてきたものなんですねー。


価値のある人間とは、価値のある人間こそが、理解するものです。

だから、価値のある人間は、お互いの価値を理解しながら、一緒に仕事をしていくカタチになるんですねー。


そういう意味では、覚馬と槇村というパートナーシップは、お互いがお互いを利用しながらも、無くてはならない存在なんですよね。

だから、覚馬は、槇村を助けに遠く東京まで行くわけです。


しかし、今回おもしろかったのは、槇村の維新の元勲達に対する解釈ですね。

「彼らは徳川幕府を倒してくれた恩人だ。しかし、彼らは壊しただけだ。新たな日本を作り上げたわけじゃない」

つまり、言外に、

「壊すくらい誰にでも出来る。新たな日本を作り上げることこそ、自分たちの役目なんだ」

と、言っているんですね。それが出来るのは、自分たちだけだ・・・と。


その言葉を聞いた上で、維新の元勲達に会いに行く、八重と覚馬なわけで、槇村赦免をお願いすると、木戸孝允が、

「佐賀藩の江藤新平に頭を下げるわけにはいかない。長州藩の悪しき前例になる」

と言い捨てるあたり、おもしろくて、

「あなた達は藩を破壊しておきながら、まだ、その藩に固執するのか」

と、覚馬に皮肉を言われるあたり、ちょっと笑っちゃいましたね。

維新の元勲達は、未だに藩閥政治をしているわけですからね。

会津藩出身で京都再生にかけている覚馬にすれば、そりゃ滑稽だったでしょうねー。

だから、八重の

「岩倉様はどこを向いているか、わからねえ」

というセリフにつながってくる・・・どこを向いて、日本の政治をしているか、わからねえ・・・それを表現したんでしょうね。

実際、征韓論さわぎの最中ですから、薩摩に至っても、大久保と西郷の間にも亀裂が入っている。


というか、征韓論に押されて、天皇に奏上しない手で逃げていた三条実美公が、江藤新平らに決断を迫られて人事不省になる・・・おのお約束のシーンが見られて、

楽しかったですねー。いやあ、三条実美さん、上手いですよねー。さすがに・・・。

もう、楽しくてしょうがありません。あのシーンは征韓論の話になると決まって出てくるシーンですからね。


さすが三条実美さん、やりますねー。あのうろたえぶりは最高でした。やっぱり、三条実美さんは、ああでなくては(笑)。

そして、ふてぶてしさでは、一枚も二枚も上の岩倉卿・・・征韓論は奏上するが、延期しろという自分の意見も合わせて奏上する・・・さすがの岩倉です。

彼のふてぶてしさには、板垣退助も江藤新平もどうにも手が出ないわけで、政府は分裂しちゃうんですねー。

三条実美と岩倉の対比がおもしろかったですよねー。うん、十分楽しめました。


征韓論の本質というのは、大久保、岩倉ら、非征韓論派の主張は、

「戦争する金もないし、日本国内がまだまだ、安定していないこの時期に外征など、もっての外」

という極めて合理的な判断です。

それに対して征韓論派の主張は、

「維新を中心になって推し進めてくれた士族に対して、今の政府の士族削除とも言える政治は苛烈すぎる。彼らの功に報いる為にも、彼らの不満を征韓することで」

「ガス抜きを図り、日本国内に充満する不平不満を沈静化させる」

という、国内問題を外征することで、なだめる、という極めて不合理な発想と言えるでしょう。


だいたい金が無いのに戦争なんて出来ないでしょ・・・という問題がまず大きくありますからね。

だいたい征韓論なんて、武士の不満をガス抜きするための発想であって、本質的解決には、なりません。

だから、国の取る政策としては、発想からして、幼稚と言わざるを得ませんね。


西郷は自分を全権大使として、渡韓させ、彼の地で自分が殺されることで、征韓のきっかけとする案を持っていたと言われていますから、

そんなことしたら、収拾がつかなくなります。


まあ、かなり乱暴な政策だと言えると思いますねー。

ですから、今の僕の立場で言えば、大久保岩倉の立場を支持する立場になりますねー。

実際、この案の根源にあるのは、士族の持つ負のエネルギーをどう処理するか、という課題なんですよね。

実際、明治4年から、日本の各地に日本陸軍の鎮台が置かれています。

これは、外征用の組織ではなく、あくまで、日本国内での武力蜂起に対する鎮圧組織であり、日本政府が士族の負のエネルギー対策として、

設置した組織であることが明白なんですねー。


あくまで、それこそが法治国家としての合理的な対応策であるし、外征してガス抜きなんて発想は、法治国家として甚だ恥ずかしい発想だと僕は思いますねー。

というかそれは西郷の人としてのやさしさから来ているんだと思います。

実際に彼は士族の窮状を肌で感じていたんでしょう。


ただ面白いのは、この征韓論は、大久保達が外国を視察している間に留守政府によって提出された案なんですよね。

法治国家としての列強のありようを肌で感じてきた大久保達からすれば、その案は到底受け入れがたし、と感じたはずです。


欧米列強の進んだ文明を肌で感じてきた人間と、士族の窮状を肌で感じている人間達の発想の違いが、征韓論論争を生んだと言えるんでしょうね。やはり。


政治というのは、時に苛烈な処理も必要になります。大久保のように巌のような冷たさが政治には必要だと僕は思いますね。

西郷は政治をやるには、優しすぎた・・・僕はそう思います。たとえ一人になっても、どんなに非難されようと、巌のようにただ結果求めていくのが、

優れた政治家だと、僕は思っていますねー。


そういう意味では、大久保利通は、日本の傑出した優れた政治家のひとりだと僕は思いますね。


さて、話を覚馬、と八重に戻しましょう。

覚馬にすれば、京都をどう再生させるか、こそが課題ですから、使えるモノは何でも使う意識だったでしょう。

かつての会津藩の敵、岩倉にも親炙する・・・長州の木戸をも利用する・・・まあ、八重は少し反応していましたけどね。かつての敵!的に。

まあ、覚馬にしてみれば、司法卿、江藤新平が失脚して、槇村が戻ればそれでいいわけです。

そして、川崎尚之助の居場所も探しておく・・・さすが覚馬ということになるでしょうか。


覚馬の生き方というのは、非常に、参考になりますねー。

というか、「八重の桜」には、毎回勇気をもらいます。

覚馬の生き方、八重の生き方・・・どちらにも背中を押される。


いずれにしろ、自分の中に価値を作ること・・・これに専念して、毎日を生きていこうと思いますね。

もちろん、自分の感情も他人の感情も楽しくしながら、ね。


●わたすが女紅場を守る!二人の男なんて、軽くひねる八重さんは、すっげーつええ!人間活躍の場を与えられれば強くなる!この子達を守るためにわたすは強くなる!さすが八重さんです!

さて、女紅場の舎監となった八重さんですが・・・八重さんは、目標を持つと、決然と歩いていくひとですよね。

怖いもの無し、というか、槇村のところに乗り込んでいく八重さん・・・男二人を軽々と投げ飛ばしたりしていましたよ(笑)。

あれには、笑いましたねー。あれじゃあ、もう、誰も止められない・・・ちょっとあれには笑いましたねー。


女紅場は、無料で女性に教育を施すところだったんですね。

そうでなければ、女性に教育を与えることが出来なかった・・・まあ、いかに先進的な教育だったかがわかりますし、覚馬の発想のすごさがわかりますねー。

八重さんも、頼られるとすごい力を発揮しますね。


まあ、槇村も八重には勝てない・・・というか、八重の言うことは、正論だし、正論だからこそ、ぐいぐい押してくるんですね。

最も税収はあまりないでしょうから・・・槇村みたいな豪腕なやり方が正攻法になっているんでしょうね。あの時代・・・。

それをやらなければ、何も出来ない時代・・・だからこそ、槇村の自負、

「俺達が新しい日本を作り始めているんだ」

につながってくるんですね。


人間ってのは、自分の活躍の場を与えられて、頼られると、勇躍して、働くもんです。


そういう意味では、八重の立場と槇村の立場は、似ているんですね。

「自分こそがこの仕事が出来るんだ」

そういう自負を持っているからこそ、勇躍して活躍出来る。


でも、それを言ったら、大久保だって、自分なりの確信があるからこそ、ああいうあり方になっていく。

もちろん、西郷だって、自負があるから、大久保と対立する・・・自分に自信があるからこそ、そういう生き方になっていくんですね。


八重さんは、女紅場の女性たちを守ることに自分の価値を見出した。

だから、ハンサムガールになっていくわけですよ。

しかし、まあ、楽しくなってきましたね。


覚馬の家で、八重さんがくつろいでいるシーンがありましたが、皆充実した笑顔で、みねの笑顔なんかも見れて、充実した日々を感じられて、

楽しくなってきますねー。


まあ、八重さんも尚之助様と別れて・・・ま、今回は、新島襄との出会いのための別れですからねー。

そうとらえて、前向きに生きていきましょう。


政府の混乱をよそに、京都は文化都市として、発展していく、

なんか、おもしろくなってきました。


また、今日が楽しみになりますねー。


今週の喜び

やはり、平和ってのは、いいなって、本当に思いますねー。

先月のあの会津戦争あたりの話の頃は、ひりつくのような思いばかりしていましたが、

やはりモノを作っていく話は、いいですよ。

維新の元勲達は、モノを壊しただけ・・・この言葉はよく理解出来ます。

新たにモノを作っていくということは、0からの出発になるし、それこそ創造力が問われますからねー。


でも、作っていくという事は、結果になっていくわけで、うまく行くとこれほど楽しいことはありません。

まあ、そういう意味では、こうやって言葉を作っていく作業も超楽しいですけどね。


しかし、この乙女通信は、ほんとに労力を使うので、日曜日の朝に書く以外、今のライフスタイルでは、ちょっと無理です。

まあ、平日は仕事もありますからねー。

これ、書くの・・・2時間くらいかかりますからねー。

ま、でも、真剣に書いていますけどねー。

なんか、毎週、卒論を執筆しているような、そんなイメージがありますね。


さて、話を戻せば・・・槇村や覚馬は非常に先進的な都市づくりをしているわけで、確かに日本はまだひよこなわけです。

京都が現在文化都市だと言われる元を作ったのが、この覚馬槇村コンビだったとは、僕は知りませんでしたけど、

企業だって、京セラを始めとして、非常にユニークな企業が京都に集まっていますよね。


その元になったのが、覚馬の発想、槇村の果断だったんだから、どうしてもこれからを期待しちゃいますねー。

まあ、それに次回は、山川浩さんや、佐川官兵衛さんなんかの懐かしい面々も出てくるようですから、楽しみですねー。

もちろん、新島襄も出てきて・・・なんか年表的には、電撃恋愛、電撃結婚みたいな感じ?それもおもしろそうです。


大河ドラマには、よくあるパターンで、突然恋愛に落ちるのは、よくある話ですよねー。


「龍馬伝」では、今は時尾さんをやっている、おさなさんが、龍馬に電撃的に恋に落ちていたし・・・懐かしいなあ。

というか、世間はきな臭くなっていくんでしょうね。西南戦争に向かって・・・そのあたりもおもしろそうです。


結局、誰もが、自分の信じた道を歩いていくから、出会いもあるし、別れもある、ということでしょう。


でも、僕的には、覚馬に背中を押されますね。

ある意味、理想的な結婚風景じゃありませんか。

やさしい時栄さんを娶り、家族関係をうまくやるお母さん、満ち足りた表情のみね、そして、便りになる八重・・・あの風景こそ、しあわせのカタチ・・・そう見えます。


人は自分の中に価値を作りこめば、やがて、その価値に気づいた人が集まってくる。

活躍の場を提供してくれる。

その価値を愛してくれるひとが、愛してくれるし、協力してくれる。

人生とは、そうあるべきなんでしょうねー。


覚馬が、そして、八重がそれを教えてくれます。


自分を決して捨ててはいけない。

今回、川崎尚之助さんに、それを教わりましたね。

川崎尚之助さん、お疲れ様でした。

いろいろ見せてもらいましたよ。人生とは、生き方とは・・・いろいろ教わりました。


大河ドラマだからこその醍醐味ですねー。

うん。今回も為になりました。

僕らもモノを作りながら、自分の正しいと踏んだ道を歩いていきましょう。

しあわせなカタチを求めて。


ではでは。


今週のあれ、どうなん?
この大河ドラマは一瞬だけ出てくる偉人が多いですよね。今回は佐賀の乱でお馴染み、司法卿、江藤新平さんでした。銀ちゃんこと、山崎銀之丞さん、よかったねー。

8月24日 ゆるキャラは異形の神様か?(柳田国男が!)

2013年08月24日 | お昼間カフェ
おはようございます。

昨日は一日雨でしたねー。

まあ、たまのお湿りということで、気温的にも抑えられてて、静かな一日でしたけど、

さて、今日はどうなるんですかねー。

まあ、土曜日だし、雨でもいいか、のんびり出来るしー、と鷹揚に考えていますねー。


週末は気持ちがのんびり出来て、やっぱりいいですねー。


さて、先日、テレビを見ていたら、ゆるキャラの名付け親、みうらじゅんさんが出ていて、ゆるキャラについて、話されていたので、

興味深く見てしまいました。いやあ、いつも独自な観点でお話をされるので、楽しいですよねー。


「ゆるキャラが、日本で受け入れられているのは、八百万の神の文化が日本にあるからだと思う」


という指摘をされていて、興味深かったですね。

あと、僕的におもしろかったのは、


「ゆるキャラも、あと100年もすると、柳田国男が研究して本にすると思います」


という言葉で、柳田国男は、やっぱり、民俗学の祖ですから、そういうことを言いたくなるキーパーソンですよねー。

だから、「遠野物語」のカッパみたいなもんですよ。ゆるキャラは・・・ねえ。鋭い指摘です。はい。


そういう意味では、江戸時代からいた「お化け」なんてのも、異形の神々的な存在なのかもしれませんね。

江戸時代は、トイレにも、キッチンにも、神様がいましたからねー。

長く使った鍋や釜に精霊が宿り、お化けとなる・・・という考えは、すごく日本的に感じますね。

愛情を込めて使う道具達だからこそ、意思が宿る・・・そう考えた方がいいのもしれませんね。

というか、むしろ、意思を持たせたいんでしょうね。長くつきあった鍋や釜にも・・・。


江戸時代、紀伊国坂に出ると言われたムジナ・・・のっぺらぼうの事ですけど、子供の頃は、怖いお話でしたけど、

貞子がいる現在では、やっぱ貞子の方が何倍も怖いなって、普通に思いますよねー。


髪の毛って、人間の本能を攻撃するアイテムだったりするんですよね。

だから、ボリューミーな髪の毛というのは、人間を畏怖させるアイテムだったりするわけですよ。

これ、逆に髪の毛が無い状態・・・つまりハゲに対するひとの感情って、笑いになるわけじゃないですか。

髪の毛ボリューミーだと畏怖の対象であって、髪の毛無しだと、笑いの対象になる・・・どうしてか?


僕が印象的に覚えているシーンは、サル山で年寄りのサルが若いサルにボスの座を奪われた直後のシーンなんですね。


その年老いた元ボズ猿は、ボスの座を奪われた直後、頭の毛が全部抜けちゃったんですね。

つまり、自分に自信を無くすと、髪の毛が抜け去るという外見的特徴が現れる・・・それを人間は経験的に知っているから、人間はハゲな人を見ると、

「この人は自分に自信を無くしているんだ」

と、本能的に理解し、自分より下の立場の人間だと、本能的に理解するから、嘲笑を浴びせる・・・そういうことになるんですね。

だから、髪の毛ボリューミーな貞子を見ると、本能的に畏怖する・・・自分より立場が上だと本能的に理解して、怖がる・・・そういう本能的攻撃を受けている、

そういうことになるんですねー。


髪の毛をボリューミーにすることで、周囲に畏怖させるということは、日本では古くからやられています。


例えば、武田信玄の川中島の合戦のシーンでは、武田信玄は必ず髪の毛ボリューミーな白髪のカツラを被っていますね。

幕末、政府軍は、髪の毛ボリューミーなカツラを被って、行軍してましたね。土佐は赤、薩摩は黒という色分けもあったようです。

だから、貞子が本能的に怖いのも・・・髪の毛ボリューミーだから、なんですねー。


もちろん、顔を見せない・・・日本の強調表現として、隠すというのは、よく使われれる最強の強調表現なんですよね。

なにしろ、隠してしまえば、そこは個人の思い込みになりますから、どれだけでも、怖く表現出来たりするわけです。

だから、貞子が怖いのは、髪の毛ボリューミーと顔をあえて隠すという2大強調表現のキャラだから、なんですねー。


まあ、夏には恐怖でもって納涼とする、というのは、歌舞伎の世界から起こったんだそうですね。


江戸時代、夏の歌舞伎小屋は暑かった・・・当たり前ですよね。クーラーなんて無い時代ですから、暑くて当たり前。

だから、そんな中でも歌舞伎を見てもらう為に、夏の歌舞伎は外連味を出すことで、お客を呼んだんですね。

この外連味・・・要は見映えを第一に考えた、特殊部隊装置を駆使して、やる演劇の事なんですよね。


からくりをたくさん駆使して・・・あるいは、実際の水を舞台で使ったり、とにかく、見たことのない特殊部隊装置を毎年使ったのが、夏の歌舞伎だったんだそうです。

客もそういう外連味を夏の歌舞伎で楽しんだ・・・だから、幽霊のお話、お菊さんやお岩さんのお話をやって、宙乗りなんかも、だいぶやっていたようですねー。

恐怖が納涼につながるという・・・日本文化ですよねー。それも。貞子の映画が夏にやるのと、同じ理由なんでしょうねー。それも。


まあ、話をゆるキャラの世界に戻すと・・・恐怖とは全く逆で、くまモンなんてのは、人気ナンバーワンのキャラですよねー。


ゆるキャラをひと通り見てみるとわかるんですけど、主張が絞られているキャラの方が人気がありますね。

くまモンなんて、イケメンなクマ・・・くらいの主張ですよね。

くまモンで、特徴的なのは、めぢからのある目・・・これに尽きるんじゃないでしょうか。

まあ、ある意味、瞳孔開いちゃってる的にも見えますが、あれはめぢから極大の表現なんでしょうね。


だから、自然、目が行くというか・・・これも本能を攻撃されているカタチになるんですよね。


だから、知らず知らず好きになってしまう。


そういう意味では、キャラ造形で大事なのは「かわいく思わせる」というところなんですよね。

これ、僕は以前、親友の瀬名くん一家とよくサンリオ・ピューロランドに行く機会があって、たくさんのキャラに出会った時に思ったんですけど、

かわいいキャラって、赤ちゃんライクなんですよね(笑)。


赤ちゃんって、やっぱりかわいいんですよ。


例えば、つかまり立ちが出来るようになった赤ちゃんが一生懸命歩こうとするんだけど、なかなか出来ない・・・微笑ましいですよね。

それと同じ構造を持つと・・・赤ちゃん的に、微笑ましく見えるんですね。


まあ、そういう意味では、今はふなっしーですかねー。

股上が短く、歩くのにまったく適していない・・・のに、ジャンプしたりもしちゃう。

出来そうにないのに、やっちゃうっていうところに、ギャップがあって・・・歩くのへたな赤ちゃん感が感じられて、その赤ちゃんがジャンプしたり、トークしたりする

わけで、思わず微笑ましく感じちゃうわけですねー。


さらに外見のやっつけ仕事感も、いい味出しているわけで、B級テイスト満載なのも、親しみやすさを表現していて、さらにゆるキャラとして、

人気を博している理由でしょうねー。


もちろん、しゃべりもおもしろいわけで、さかなクンのぎょざいます攻撃じゃないけど、「そうだ「なっしー」」とわざわざナッシーをつける言葉遣いも、

お約束的でおもしろいですよね。


くまモンが正攻法なキャラ造形だとしたら、ふなっしーは、B級グルメ的なキャラ造形でしゃべりもお約束的なそれでいて、超動けるというギャップによる、

強調表現を成功させている、キャラかなーという感じで、非常に考えられたキャラなんですよねー。


もちろん、ギャップってのは、最強の強調表現ですからねー。


動けそうにないのに、超動けるとか・・・まあ、はるな愛さんみたいに、見た目美人なのに、中身おっさんとか・・・まったく逆ベクトルなモノを、

同じ場所に置くことで、お互いがお互いを強調する、強調表現なんですねー。


だから、ツンデレなんかも、最強のギャップ表現になります。

見た目怒っているように見えて、内容的には、全力でデレデレしちゃうわけだから。


だから、よく出来たキャラは、強調表現を含んでいる・・・と言うことも出来そうですね。

ギャップだったり、貞子のように、顔を見せないという、隠すことによる、強調表現・・・。


室町時代、能を大成した世阿弥は、著書、「花伝書」の中で、

「秘すれば花」

と、隠す強調表現について、そういう表現をしています。


だから、くまモンが言葉を出さない、というのも、ある意味、強調表現なのかなーって、思ったりもしますねー。


あえて言葉にしない・・・それこそが、重大なメッセージになるのかもしれません。


それは受け手が自由に考えるべき内容になりますからねー。


ある意味、最強のメッセージになっているのかもしれませんねー。


貞子がしゃべらないのも、そういう恐怖感を煽るカタチになっているのかもしれません。


しかし、いろいろなキャラがいますねー。日本には。


それこそ、100年後には、柳田国男が、ゆるキャラや貞子について、本を書いているかもしれませんね。


貞子やふなっしーは、新たな時代のカッパなのかもしれませんねー。


ムジナやカッパと同じように、貞子やふなっしーのような新たな異形の神様は、僕らを楽しませる為に、生まれてきたんでしょう。


それが日本文化のお約束なんでしょうねー。


それが結論かなー。


さてさて、今日も天気が悪いみたいですが、


のんびりと家で仕事をしていましょうか。


のんびりと時間が過ぎていきますねー。


ではでは。

8月23日 大阪営業物語(2) (おまえ!)

2013年08月23日 | お昼間カフェ
おはようございます。

今日も暑くなるんでしょうか。

少し雨模様だったりしそうですか、どうなんでしょうね。

というわけで、前回の続きだったりするわけで、

大阪で営業の手伝いをするように言われた僕ですが・・・さあ、どうなることでしょう?

まあ、暑い夏の終りに、そんな話をするのも、いいかなあ、って感じですかねー。


じゃ、早速始めてみましょうかー。


八津菱電機関西支社は、大阪は堂島に建つ12階建ての最新のビルでした。

僕は、関西国際空港の担当SEとして、営業との打ち合わせに何度も訪れたビルでした。

「まさか、ここで営業の仕事のサポートをやるとは・・・」

僕は社員証でゲートを通りながら、僕の所属する官公庁向け営業第一部の部屋に顔を出した。

「1月から3月・・・その3ヶ月で、鈴木、カタチを出せよ」

林さんの言葉を理解しながら、僕は素直に思った。


まだ、始業の時間には、15分ほどあるはずだった。

「宗像さん。もう来てたんですか?」

と、僕は部屋の中央付近の席で新聞を読んでいる、旧知の先輩営業、宗像さん(36)を見つけていた。

彼は僕がシステムエンジニアとして関西国際空港を担当した最初から営業として担当してもらっていたので、

お互いの力量をよく知っている仲だった。

「白川(28)もおっつけ来るだろう。あいつにも、少し早く出るように言ってあるから」

と、宗像さんは、僕と同期で、これまた関空担当当初から僕の営業担当をしてくれている白川の名前をあげた。

「ま、お二人がいて、僕も心強いです。知り合いがひとりでもいてくれれば、まあ、なんとかやっていけるし・・・」

と、僕が少しホッとしたように言うと、宗像さんは少し顔を暗くして僕を見る。

「それが・・少しまずい方向に事態は進んでいる。ボタンの掛け違いというか・・・課長が今回の事で怒り心頭らしいんだ・・・」

と、宗像さんは、ズバッと言う。

「まあ、とにかく、俺がどうにか、いろいろやってみるが、鈴木も腹くくってくれ」

と、神妙な顔で言う宗像さん。

「まあ、鈴木とは、いろいろやばい橋を渡ってきたから、まあ、いつものように、鈴木なら大丈夫だと、俺は思っているけどね」

と、言う宗像さんは、いつになく、弱気に見えた。


「と言うわけで、関空担当のSEをやってくれている鈴木くんが、営業の支援というカタチで3ヶ月間、ここに来ることになった」

と、宗像さんが営業一部第一課のメンバー10名を会議室に集めて、説明してくれる。

「あのー、僕も何が出来るか、まだ、よくわかりませんが、精一杯がんばって、みなさんのお力になれるよう努力しますので、どうか、よろしくお願いします」

と、僕が皆に向かって神妙に挨拶をするが、特に反応はなく、なんとなく、どんよりとした雰囲気が広がっている。

「おい、あのさー、中央はわかっているのか?1月から3月が営業にとって、どれだけ大事な時期かって、事を、よ!」

と、急に強い口調で吠え出したのは、宇賀神課長(38)だ。

「こんなトウシロウを現場に押し付けて、それで、あんたんとこの部長は本社に鼻高々で「対策打ちました」的に報告書を書くだけだろうがよ、あ、違うか?」

と、強い口調の宇賀神課長は、僕を冷たい目で見る。

「な。しかも、あんた、さっきなんつった?「何が出来るかわからん」だと?鎌倉のSE様はそれで済むかもしれねえが、営業は全部自分で考えてやるんだよ」

と、宇賀神課長は、強い口調でまくし立てる。

「あんたは、俺達が手取り足取り教えてくれると勘違いしているみてーだが、営業はそんな甘い世界じゃねー。自分の事は自分でなんとかしてくんな!」

と、宇賀神課長は、強いめぢからで僕を見下ろすと、そう言い捨てて、部屋を出ていこうとします。

「ちょっと待って下さい。宇賀神さん!」

と、僕が立ち上がってそう叫ぶと、宇賀神課長は、出ていこうとする歩みを止めます。

「僕だってこれでも、現場で叩き上げのSEだ。今回の為に何の用意もしてこなかったわけじゃあない」

と、僕が言うと、宇賀神課長は、くるりとこっちを向き、それでも、目は怒ったままです。

「僕が来たのは、これまでのやり方を変える為だ。確かに八津菱電機は端末の弾も少ない。性能の割に値段が高い。営業として厳しいのはわかります」

と、僕は説明する。

「F通やNBCと戦っていくのは圧倒的に不利だ。皆さんが不満に思っているのも、理解しています。だからこそ、僕が来たんです」

と、僕は説明する。

「顧客の我が社に対する営業イメージを劇的に変える。顧客満足度を一気に高め、端末の値段や性能で売るのではなく、八津菱電機のイメージで売るようにするんですよ」

と、僕は説明する。

「お客さんの対面に立つ皆さんと、一緒に僕が行動することによって、多くのソリューションを提案することが出来る。しかも、即座にだ」

と、僕は説明する。

「お客さんは端末だけが欲しいんじゃない。ソルーションも含めて欲しがっています。だから、僕が営業に駐在していれば、いろいろな便宜も図れます」

と、僕は説明する。

「サービスの最短化及び充実化・・・これまでにないパワーアップした営業を八津菱電機として、この3ヶ月間で完成させましょう。その為に僕は来たんです」

と、僕は説明する。

「全国の営業に僕の仲間が飛んでいます。まずはそこで一位になることを考えましょう。もちろん、同業他社をたくさん打ち負かすんです」

と、僕は言う。

「今日から劇的に営業を変えるんです!」

と、僕が言うと、立ったまま黙って聞いていた宇賀神課長は、静かに席に座ります。

「よーし、わかった。あんたの言うことにも一理あるようだ。さすが林さんだ、ここ大阪で使える人間をわざわざ選んだようだな」

と、宇賀神課長は、僕を見据えていいます。

「まあ、あんたの言った説明はわかったが、あんた具体的に弾はあるんだろうな?営業で使える、具体的なアイデアをたくさん持ってきたんだろうな?」

と、宇賀神課長はニヤリとしながら、僕の目の奥底を確認するように言います。

「まさか、丸腰で戦場に乗り込んでくるようなヘマはしねーよな?」

と、宇賀神課長はさらに僕の目を覗き込みます。

「もちろんですよ。僕も叩き上げの「鎌倉から来た男」だ。アイデアはたくさん用意してきました。全部、ここに入っています。まあ、安心してください」

と、僕は頭を指さし、ニコリと笑います。

その僕の表情をずーっとシビアに見ていた宇賀神課長ですが・・・一瞬だけ、ニヤリと笑うと、

「まあ、いいだろう。今日のところは、大目に見ておこう」

と、宇賀神課長は、立ち上がります。

「だがな、あんたが使えないおもちゃだったっら、俺は、すぐに見向きもしなくなるぜ。営業ってのは、そういう厳しいところだ。覚えときな!」

と、宇賀神課長は言い捨てると、

「おい、おめえら、いつまで座ってるんだ。もう営業開始の時間はとっくに過ぎてるんだぞ!早くいけ!」

と一喝し、営業メンバー達は、それを合図に会議室を出て行くのでした。

宇賀神課長は、最後にもう一度僕を睨んでから、鼻で笑うと、少し笑顔になって会議室を出て行くのでした。


「はー・・・」

と、僕も思わずため息をつきます。

「すずきー・・・・お前、相変わらず、すげー度胸だなあ。見なおしたよ。宇賀神さんと一騎打ち出来る人間なんて、この会社にだって、そうそういないぜ」

と、横に座ってくるのは、ギリギリになってから会社に来た白川でした。

「確かにそうだなー。ま、鈴木くんは、窮地に追い詰められれば追い詰められるほど、頭もくるくる回って、行動的になる人間だからな」

と、言ってくれるのは、宗像さん。

「しかし、最初はどうなることかと思ったよ。まあ、部長のところには、林さんから電話があったらしいけど、宇賀神課長にはメール一本だけだったらしいから」

と宗像さん。

「それであんなに荒れてたん?そういうあたり厳しい人だからなー、宇賀神さんは・・・」

と、白川。

「ひどいとばっちりだったな、鈴木。でも、安心したよ。具体的なアイデアもいろいろ用意してきたって言うし・・・」

と、宗像さんが言うと、

「え、宗像さん、ずるいな。あんなの、全部はったりですよ。SEが客先でよくやる手です。それくらい、知ってるじゃないですかー」

と、僕は涼しい顔で、宗像さんに言う。

「え?やっぱり、そうか・・・まあ、そうだろうとは、思ったけど・・・これから大変だぜ、それ・・・」

と、宗像さん。

「大丈夫ですよ。宇賀神課長だって、それには気づいてます。気づいているから、許してくれたんですよ」

と、僕は涼しい顔で言う。

「宇賀神さんが、「だがな、あんたが使えないおもちゃだったっら、俺は、すぐに見向きもしなくなるぜ」って言ってくれたじゃないですか」

と、僕は説明する。

「確かに」「そうだった」

と、宗像さんと白川は言う。

「あれは「今後は行動で示せ」ってことですよ。前口上は、わかった。今度は行動で示せ。それが出来たら認めてやろう。そういう意味だな。あれは」

と、僕が言うと、

「さすがタケルだ。初対面の宇賀神課長の真意まで見ぬくとは、ね・・・」

と、白川は言ってくれる。

「ただひとつ言えることは・・・これから気が抜けないってことですねー」

と、僕が言うと、二人は、

「そうだな」「そうだね」

と、顔を見合わせる。

と、そこへ、宇賀神課長が再登場。

「おい、鈴木。まずは、白川と組んでやってみろ。新しい八津菱電機の営業力ってのを作り上げてみるんだな。まずは俺を納得させろ。わかったな」

と、宇賀神課長は怖い顔で僕を見ながら、どこかやさしげな表情で僕に言ってくれた。

「わかりました。「鎌倉から来た男」は、白川と営業活動を開始させます」

と、僕が言うと、宇賀神課長は、満足そうに部屋から出て行った。


(つづく)


ってな感じですかねー。まあ、遠い昔の話ですが、こんな感じのことがありました。

しかし、懐かしいですね。その場所にいた人間達はもう誰もいない。

その瞬間だけ、その人間達のストーリーになる。

そんなことを思い出させてくれますね。


懐かしい話をするのも、楽しいことですからね。


楽しく生きていきましょう。


ではでは。

8月22日 僕は何故こんなことに?(2)

2013年08月22日 | お昼間カフェ
おはようございます。

8月も第4週ということで、少しずつ夏が消えていく感じですねー。

僕は夏が好きなだけに、少しさびしい思いをしています。

なので、終りの夏を楽しんでいる感じですけどねー。


さて、昨日の続きということになるんですが、

僕は今、何故、こんなことになっているか?ということを検証しているわけです。はい。


自分がコンピューター技術者には、向いていないということをはっきり認識していた僕は、

三菱電機入社を、

「自分の脱サラまでのモラトリアム期間」

と位置づけて、とにかく自分の価値は何なのか?を見極める為の期間として、日々を送っていました。


まあ、だから、最初の5年間は、それこそ、暗黒の5年間でしたねー。


大学時代つきあっていた彼女にはフラレてしまったし、仕事はそれこそ毎日忙しいし、もう、毎日をこなすだけで精一杯でしたね。

それでも、三菱電機社員としては、一人前になる必要がありましたから、毎日が一杯一杯でしたねー。


そんな中、瀬名くんは比較的早い時期に、

「社交ダンス教室のオーナー兼先生」

になる夢を確定させて、それに向かって走りだしていましたから、僕は正直焦りましたねー。


ま、僕の方はまだ自分が何になるべきか、まったくわかっていませんでしたね。


ただ、自分なりに、

「このまま、サラリーマンでいちゃダメだ・・・」

と、思わせるエピソードに出会うのですが、それは僕がある程度一人前になり、ひとりで仕事を任せられるようになってからでした。


それは入社して、4年目くらいの頃でした。


僕らの仕事は公共工事なので、3月末で契約期間が終了します。


その時、僕はひとりで関空の工事を任せられていたんですが、3月の20日頃に風邪をこじらせて病院に入院しちゃったんですね。

もちろん、僕の担当していた工事は別の人間に任されることになり・・・僕はそれを気にしながら病院に入院したのでした。

時は流れ、4月の10日頃会社に復帰した僕は・・・僕の担当していた工事が何事もなく無事に終了したことを知らせられるんです。

当たり前の話です。僕の代わりくらい、うようよいるのが、会社という所であり、またそれが出来なければ会社とは呼べません。


でも、僕はその当たり前の事実を前にして、

「俺の代わりなんてたくさんいるんだ・・・俺って価値ないじゃん。だって代わりはいくらでもいるんだもの・・・俺、早くこの会社辞めよう」

と、僕は決意するんですね。


「僕の価値って、そんなもんだったのか・・・僕の価値って、一体何なのだろう?」


と、僕はそこで改めて考え始めるんですね。自分の価値は何か?


「かけがえの無い、僕の価値。代わりがいない、僕の価値を探さなければ・・・そのヒントは、何だ?」


僕はそれを考えながら、冷たいビールを飲んでいました。夏の静かな夕方でした。


僕はその時、大学時代の自分を思い出すんですね。輝いていた頃の自分を。


僕と一緒にお酒を飲んで楽しそうにしている友人達。


笑顔で僕を見ている女性達がいました。飲み会大明神状態になっている僕を嬉しそうに見ている女性たち。


そして、そんな僕を愛してくれた恋人の笑顔を・・・。


その時、僕の周囲に流れていた暖かい空気感を思い出したんですねー。


「あの時、彼女は嬉しそうに笑ってくれた・・・僕って、周囲を笑顔にさせる、自分独自な思考やしゃべりにこそ、価値があるんじゃないだろうか?」


僕はふと、そんなことを思ったんです。


「僕の独自な思考やしゃべりは、僕だけのモノだ。それを皆認めてくれていたじゃないか・・・」


僕はそう自分に答えを出しました。そして、それを証明するような出来事がまたやってくるんですねー。


数年後の1月。その年はいつもよりかなり寒い冬がやってきていました。

その出来事をちょっとストーリー風に書いてみましょう。


鎌倉の八津菱電機、コンピューター製作所に勤務していた僕、鈴木タケル(30)はいつものように事務所の机に向かい、パソコンを操作していました。

「えーと、この後工程にこいつをいれておけば・・・ええと、あと上流に必要な工程は・・・これか」

と、僕がプロジェクト管理の仕事をしていると、自席から課長が僕を呼びます。

「おーい、鈴木。ちょっと!」

と、僕を手で招くので、僕は仕事をそのままにして課長の席に向かいます。

菅原課長は40歳、東大卒のキレ者で、僕の入社当時から兄貴分として、僕を見守ってくれています。

「鈴木、急なプロジェクトを担当してもらうことになったから、今やってるプロジェクトはこちらで別のメンバーをアテンドする。いいな」

と、課長は僕を見つめながら言います。

「はあ。それはいいすけど、急なプロジェクトって、何すか?」

と、僕が言うと、

「お前が一番必要とされるプロジェクトだ。部長が呼んでる。顔出してこい」

と、課長は僕の肩を叩くとニンマリと笑うのでした。

「部長すか・・・」

と、僕は部の中央にある部長室へと早速向かうのでした。


少し広めの部長室では、林部長(50)が一人で仕事をしていました。

フロアにいる150名近くのシステムエンジニア達を統括する林部長は、厳しい面差しを持った、細身のビジネスエリートでした。

林部長は、僕が配属となった関空プロジェクトのプロジェクトマネージャーをやっていたこともあって、僕の事を入社当時からよく知ってくれている人物です。

「林さん、なんか、お呼びだって聞いたんで、ちょっと来てみました・・・」

まあ、このひとは鬼のように厳しいひとですが、僕にはいつもやさしい笑顔で話してくれます。

まあ、僕が相当のビビリだと言うことを林さんはよく知っているわけです。

「おう。鈴木くん、ちょうど良かった。今説明資料があがったところだ・・・」

と、林部長は、自席を立つと会議用の大机に僕を座らせ、説明資料を僕に配ってくれます。

「うちの事業部は今期、相当厳しい状況だ。で、本社から対策を要求されてね。で、うちから相当数のSEを出して、営業に張り付けることにした」

と、林部長は笑っていない目で真面目に話してくれます。

「機動SEと名づけた。営業と連携して動き、現場での営業力を強化するのが狙いだ。全国にうちのメンバーを出すんだが商売の街、大阪には、鈴木に行って欲しいんだ」

と、林さんは言います。

「まあ、鈴木には、今年は東大出の田中さん(23)の教育担当もやってもらっているからな。おんぶに抱っこ状態だが、やってくれるよな?」

と、林さんは笑っていない目でそう言います。

「女性で、しかも東大出の教育担当なんて、どうなることかと思いましたけど・・・まあ、部長のご指名ですから、仕方ないですけど・・・」

と、僕はつぶやきながら、

「営業ですか・・・出来ますかね、僕に」

と、僕が言うと、

「君はひとをホッとさせる稀有な才能の持ち主だ。真面目だし気も配れるし、その上、空気を読むのが上手い。だから、田中さんを頼んでるんじゃないか。大丈夫だよ」

と、林さんは言ってくれます。

「エースとして、大阪に行ってくれ。鈴木なら、大丈夫だ」

と、林さんの目がきらりと光ります。


それから、数日後の日曜日の夕方、僕は心斎橋にホテルを取り、最上階のバーでカクテルを飲んでいました。

キリリと冷えたマティーニは、相当美味しい部類に入ります。

「マティーニ美味しいね」

と、僕が言うと、

「ありがとうございます」

と、20代中盤のイケメン・バーテンダーが笑顔で言います。

「お客さんは、東京の方ですか?」

と、バーテンダーが聞きます。

「鎌倉から来たんだ。いつも関空の仕事で来てるんだけど、今回は営業をやらなきゃいけないらしい・・・」

と、僕は言い、

「正直、途方に暮れているよ。商売の街だろ、大阪は。皆手強そうで、鎌倉の田舎者には、手に余る感じだよ」

と、顔をしかめて僕が言うと、

「でも、お客さんなら、大丈夫だと思いますよ」

と、バーテンダーは、少しにこりと柔らかい表情になりながら言ってくれる。

「うまく言えないけど、お客さんはやさしく接したくなる、特別な雰囲気がある感じで・・・それになにやら、ユーモアもある」

と、バーテンダーは、後半は大阪弁で説明してくれる。

「大阪は、おもろい奴には、やさしい街ですから」

と、やさしい目でそのバーテンダーは言ってくれるのでした。


「大阪で営業ですか・・・でも、タケルさんなら全然大丈夫ですよ」

と、研修生の田中さんが言ってくれる。

東大出の彼女は帰国子女でもあって、部の宝物の女性だ。

「タケルさんは雰囲気を読むのが上手いし・・・関空さんだって、タケルさんの事気に入ってるし・・・」

と、彼女はあくまでやさしい。

「ただ・・・ひとつ心配なのは、味方を敵に回さないようにしないとって、事かしら・・・」

と、彼女が思案顔になった時・・・目覚まし時計が鳴り出し朝が来た。


「味方が敵か・・・彼女も思わせぶりな事を言う・・・」

と、一階の喫茶店でモーニングを済ませた僕はコーヒーを飲み干すと、大阪の街に出て行くのでした。


(つづく)


いやあ、久しぶりにストーリーを書くと楽しいですねー。

もちろん、脚色はしてありますけど、元ネタありなので、楽しく書けますねー。

銀河系の果ての、遠い昔の遠い記憶ですが、けっこう覚えているもんです。


まあ、ちょっとしたストーリーですから、楽しんで頂けると幸いです。


さてさて、静かに夏が過ぎていく感じですが、

今日も1日を楽しんでいきましょう。

笑顔で一日を終える為に。


ではでは。

8月21日 何故に僕は今こんな道を歩いているのか?(自分を知る!)

2013年08月21日 | お昼間カフェ
おはようございます。

今日は変わりやすい天気みたいですねー。

まあ、たまの雨もいいかもしれません。

最近、暑かったからなー。


えー、さて、まあ、僕も昨日、街を歩いていて、

「なぜ、今、僕はこんなことになっているのだろう?」

と思ったりしたので、少しそのあたりを書いてみたいなあと思っています。


少し長くなるかもしれませんが、ちょっとそのあたり、整理してみたいんですねー。


まあ、僕の子供の頃というのは、ごく普通な少年・・・だったような気がします。

ただ、一度思い込むとそれを最後まで通しちゃうという頑固な性格・・・それは少年の頃から、変わっていないような気がしますね。


僕が小学生の頃、よく言われた特徴的な事は、東京に住んでいるいとこに、

「なぜに、ゆるちょくんだけ、なまっていないの?」

ということでした。


僕の住んでいる地域は、茨城県西部地域ですが、文化圏としては、栃木県的な場所で、言葉的には、「U字工事」的なしゃべりになるんですよね。


だから、かなり訛っているんですけど、子供の頃の僕は、

「訛ってしゃべりたくない。それはかっこ悪い」

と感じていて、断じて訛らなかったんですね。


まあ、頑固でしたね。


まあ、それにテレビっ子でしたから、テレビ発の標準語をしゃべる子供でしたねー。

その頃から、

「かっこ悪い生き方はしたくない」

と思っていたんですね。頑固に・・・。


まあ、思ったら一途というこの頑固さが、僕の人生を決定づけているような気がしますね。今でも・・・。


さて、子供の頃の僕はというと、いわゆるSF好きな少年でした。

「2001年宇宙の旅」や「スターウォーズ」の好きな子供で、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」が大好きな少年で、まあ、ある意味、ヲタクな少年で、

そのあたりの世界観にやたら影響を受けた少年でした。


だから、頑固で、SF好き・・・そういう要素なんですよね。僕は。子供の頃から。


僕は中学2年生の時、曽野綾子大先生の著書「太郎物語 大学編」という本に偉く感動して、

「僕はこの本の主人公、太郎くんになる。だから、大学に行くんだ」

と決意するわけですが、まあ、とにかく、大学に行くことだけは、決心するんですね。この時に。何をやるかは、別として。


この太郎くん、まあ、大人な要素をたくさん持っていて、それで素敵だったんですが、天火でキャセロール料理なんかも作っちゃう、そういう大学生だったんですね。

そのあたりも僕は感動して、例えば今では、クリスマスに天火で、ローストビーフを作っちゃうくらいで、僕は、この本にはかなり影響を受けていますねー。


で、この主人公の太郎くんは、大学受験をして、東京のいわゆる有名私立大学に補欠合格をして・・・もうひとつ名古屋の南山大学をモデルにした、

北川大学にも受かる・・・で、メジャーに背を向けて、真に行きたい北川大学に入学する・・・そういうストーリーだったりするわけです。この本は。


僕はこの本を人生の羅針盤だと考えていたので・・・そのあたりのストーリーにやたら影響を受けていますね。


そういうあたりを中学2年生の柔らかい脳みそで受け止めたものですから・・・自分の進路決定に大きな影響を及ぼすんですね。


僕が進路決定をしたのは、高校2年生の頃でした。


その頃、僕は、

「僕は文系だし、大企業の営業職こそが、僕の才能を活かせる場所なんだろうな・・・でも、接待ゴルフとか接待麻雀とかは、絶対やりたくない!」

と頑固に思っていたわけです。


大学は家計の都合で、国立大学しか許されませんでしたから、

「一橋大学あたりに行って・・・政治経済あたりを学んで、企業勤めか?いやだなあ、それ・・・」

と、思っていたわけです。


一生の話ですから、嫌な道には、絶対に進みたくないわけです。それは当たり前ですよね。


で、ですよ。

「僕は将来、どういう人間になりたいんだ?」

と、自問自答した時、思い浮かんだシーンがあったんです。


それは、笑っちゃいますが、僕が人生で最も影響を受けた、「機動戦士ガンダム」の一シーンでした。


主人公のアムロ・レイくんの乗るガンダムを高速化してくれたモスク・ハン博士という電磁工学の先生とアムロくんとの会話のシーンですね。

「生き延びてくれよ」

と言うモスク・ハン博士ですが、

「データを取るためですよね。それ」

とアムロくんは博士の真意を見ぬくわけで、

「そうだ。よくわかってるな。そういうことだ」

と笑うモスク・ハン博士の表情が、やたらよかったんですよね。


そういう本音の会話が出来る大人になりたい・・・僕はそう思っていたんですね。

つまり、何かのプロになりたい・・・それも理系的なコンピューターやロボット工学的なことを修めたい・・・そういう思いにつながったわけです。


多分、僕はアムロ・レイくんになりたかったんです。


そして、太郎くんのように、真に行くべき大学を探していたんです。


そして、僕は、多くの資料から、

「コンピューター技術者を即戦力として養成。卒業後は、一流企業へ就職可能。ロボット工学も勉強出来る」

という記事を見つけ、そこを進学先として、定めるんですね。


その記事の出所こそ、国立東京農工大学工学部数理情報工学科だったんですね。


なにしろ、僕は、高2の秋まで、文系として生きていましたから・・・そこから勉強をやり直して、理系に変わるのは至難の業。


東大や東工大などの旧一期校は無理として、でも、国立の、それなりの大学には入りたい・・・そういう条件に農工大の数理情報工学科は完全に向いていましたからね。


なので、一浪は想定範囲内・・・そこから、数理情報工学科に入学するわけです。狙い通りです。僕としては。


大学に入学してから、ロボット工学を勉強出来るのは、46名の数理情報工学科のうち、2人だけ・・・そういう話も知るわけです。


だいたい、他のメンバーは、理系の学科が得意で入って来ているメンバーですからね。

僕みたいに、文系から無理して理系に変更して入ってきた人間なんて、あまりいないわけです。

その中で、46分の2に入ることは、これまた、至難の業でした。


でも、結局、僕はその2名のうちに入ることが出来て、ロボットの研究に打ち込むことになるわけですが、

これは実を言うと、

「コンピューターの研究だけでも大変なのに、その上にロボット工学を修めるなんて、どう考えたってキツイだろ」

という判断があって、皆が敬遠した結果でした。


結局、一番厳しい道を歩いちゃうんですねー。僕は・・・。


まあ、だから、大学時代、そして、マスター時代大変でしたけど、今はそれをやってよかったと思っていますねー。


ゼロからコンピューターを勉強出来たので・・・確かに一週間に6本のレポートを書く生活は相当きつかったですけど、

なんとか、それをこなせる身体に進化出来たので、今は良かったなって思いますね。


先生達も厳しかったですけど、まあ、耐えぬくことが出来たので、それに比べれば今の生活なんて・・・ねえ(笑)。


まあ、でも、6年やって、わかったことは、

「僕はロボット工学にも、コンピューター技術者にも向いていない。ましてやサラリーマンには、全く向いていない」

という事実でした。


まあ、唖然とする事実でしたけど、僕と瀬名くんはそれを理解して、脱サラを指向して、準備していくんですねー。


まあ、でも、今考えると、コンピューターの教育も、ロボット工学の教育も経験出来たからこそ、そういう判断が出来たわけで、

経験した上での判断なんだから、むしろ良かったと思っていますねー。


むしろ、大学時代に僕の本質がわかってくるわけで・・・僕の価値がどこにあるか、見出してくれる人が現れてくるので、

僕独自な価値はそこなのね?的なことが、わかってくるのが、この時代なんですね。


そうか・・・そういう意味じゃあ、僕の大学時代って、自分の中の、かなりいろいろな事が明らかになった時代だったんだな。


まあ、初めて好きな女性が出来た時代でもあったし・・・自分にとって、大学時代マスター時代というのは、自分が明らかになった時代と考えるべき時代でした。


まあ、アムロ・レイくんになりたかったけど、なれない自分に気づき、新たな自分を模索し始めた時期・・・それが僕の大学時代マスター時代だったんでしょうね。


でも、太郎物語の太郎くんには、なれていますよ。僕は、今でも料理は得意だし・・・。


そういう中から、僕的に、新しい時代が始まっていくんですね。厳しい暗黒時代が到来するわけです。はい。


「自分の価値とは、何なのだ?」


そういう疑問を自分にぶつけ始めた時代・・・そうとも言えるのが、僕の大学時代マスター時代でした。


まあ、でも・・・マスター卒業時に自分全否定でしたから・・・けっこうキツイものがありました。


でも、そこで、自分に対して、正しい理解をしたからこそ、日々楽しく生きていける今がある・・・そういうことでしょうね。


自分なりに整理してみると案外わかりやすいですね。


ま、頑固な僕でも、生き方を変えてきたからこそ、今がある・・・そういうことでしょうか。


人生間違っていると思ったら、間違いを直せばいい・・・そういうことです。


ということで、僕の苦闘はまだまだこれからなわけですが、今日はこのあたりにしておきましょう。


今日はくもりときどき雨ということですが、どうなるんでしょうか。


ま、家でのんびり仕事していましょう。


静かに夏は過ぎ去っていきます。


ではでは。

8月20日 僕が恋しない理由!(そういう女性(ひと)!)

2013年08月20日 | お昼間カフェ
おはようございます。

8月も第四週になって、夏休みも先が見えてきましたねー。

ま、この頃から、夏休みの宿題をやるのが好例でしたけど、

今頃は、絵日記書いてたかなあって、そんなこと、思い出しますねー(笑)。


さて、僕がまだ藤沢に住んでいた頃、夏のこの時期は、江ノ島から逗子や葉山あたりを抜けて三浦半島に至る、海を見ながらのコースを、

トレーニングコースにしていました。

それが秋になってくると横浜は元町から山の手に上がっていく坂・・・通称フェリス坂をトレーニング対象として、よく使っていましたね。


まあ、僕の住んでいた藤沢から僕のロードレーサーで、1時間半くらいの場所にありましたかねー、フェリス坂。


フェリス坂は、サイクリストには有名な激坂で・・・フェリス女子大学に至る途中の道には小田和正さんの「秋の気配」のモデルになった、

「港の見える丘公園」

もあったりして・・・外人墓地や洋館が立ち並び、おしゃれなカフェもたくさんあって・・・まあ、完全なデートコースでしたねー。


ま、そのフェリス坂をサイクルウェアをバリバリに着込んで登っていくわけですから、けっこうキツイトレーニングになりましたねー。


だから、あのあたりのお店の配置とか、よく頭に入っているわけで、

「いつか彼女が出来たら・・・絶対に来よ・・・」

と決意していましたが、残念ながら、ただの一度も、そういう機会はありませんでしたねー。


まあ、なにしろ、

「脱サラが完成するまでは、恋はしない・・・」

と決意しているもんだから、そりゃー、そういう機会はないわけです。


つって、チャンスが無かったわけじゃないですよ。


サイクルウェアを着て、お店に出入りしていたりすると、店員の女性に笑顔で声をかけられたりしますからね。


こう、女性って恋をすると、自分の情報を相手にプレゼンしだすわけですよ。

「わたし、こういう映画が好きで、こういう場所に住んでいて、こういう花が好きで、こういう店が好きで・・・」

まあ、女性が笑顔で、こういう話をプレゼンしてきたら、

「なんでこの女性は突然自己紹介を始めたのだ?」

なーんて思わずに、

「ほう、僕に恋をしているのか・・・」

と判断してあげないとかわいそうですね。


まあ、最近わかったことですが、僕の恋のストライクゾーンって、えっらく狭いんですよ。これが。

だから、そこに入らないと、恋出来ないんです。そういうやっかいな身体なんですね。


まあ、女性の外見のお話になるんですが、わかりやすく説明するんだとしたら、ヲタクな男性と女性に人気の、

「新世紀エヴァンゲリオン」

に出てくる二大ヒロイン、綾波レイさんと惣流・アスカ・ラングレーさんの造形を引っ張ってくる必要がありますね。


いやあ、この作品・・・最初はハマったもんですが、制作側に「ローレライ」や「日本沈没」監督の樋口真嗣さんがいるんですよね(笑)。

あの主人公碇シンジくんの名前の元になった人物ですが、このひと、僕の中学と高校の美術部の直接の先輩だったりするわけですよ。


中学時代から美術部の部室で、アニメの設定とか、日本のSF特撮映画の話とか、してくれましたからねー。

ま、彼、高校の時も映画作ったりしてましたから・・・僕のコピーバンドの映像を撮ったりもしてくれました、樋口先輩・・・。

だから、感覚的に、

「あれは、樋口先輩の作品なわけだ・・・」

という思いになっちゃって・・・ちょっと距離を置いていたりするわけです。


つーか、自分も作家になっちゃったから、観客側にいられなくなっちゃったんですね。実際は。

どうしても、作る側の意識が強くなっちゃって・・・それでそういう感じ・・・ちょっと脱線しました(笑)。


もちろん、アニメのヒロインというのは、多くの少年に愛される要素を表現するために設定されるわけです。


例えば、惣流・アスカ・ラングレーさんは、碇シンジにツンデレの、女性顔の色白で茶髪の髪の毛の長い少女です。

もちろん男性に大人気。


しかし、その上を行くのが、これまた碇シンジを好きになる、いっつも怪我している、碇シンジのためなら死を厭わない、綾波レイちゃんなわけです。

男性顔の色白で目の綺麗なショートボブの美少女です。


まあ、もちろん、作品の構成上、彼女が真のヒロインと言ってもいいのですが、ここでは作品論を話すわけじゃないので、

それは置いておきましょう。


男性顔の色白で目の綺麗なショートボブの美少女・・・これが僕の恋のドストライクなんですねー。


さらに言えば、二人ともボディラインを思い切り強調したブラグスーツを着ているわけですから、

人間は、美しいボディラインを強調されると、まあ、本能に直撃を受けて、恋に落ちやすくなるわけです。

もちろん、制作側はそれを知っていて、そういうヒロインを設定しているわけで、

これは男性も女性も同じ本能的反応なんですねー。


まあ、だから、ボディラインって、ほんとに大切です。

すらりとしたボディラインは、一度獲得したら、死守しなければ、なりませんよ。


で、話を戻しますが、

「男性顔の色白で目の綺麗なショートボブの美少女」

僕が恋に落ちる女性は、こういう特徴を持った女性なんです。


つまり、過去を考えてみたら・・・僕が恋に落ちた女性は、こういう女性だったんです。


まあ、そんじょそこらには、いませんよ。こういうタイプ。

で、おもしろい事にその後、僕に恋してくれた女性が何人かいたわけですが、みなさん、

「男性顔の色白で目の綺麗なショートボブの美少女」

に近いタイプの女性達でした。


だから、僕は恋には落ちないけれど、

「まあ、きれいなタイプだよね」

とは、思っていた・・・その理由は、

「男性顔の色白で目の綺麗なショートボブの美少女」

に近かったから・・・でも、違う部分があるから、僕は恋しなかった・・・そういうことなんですね。


まあ、もちろん、

「脱サラするまで、恋はしない」

と決めてましたから、理性で止めてた部分は大きかったですけどね。


これねー、大問題ですよ。


だって、

「男性顔の色白で目の綺麗なショートボブの美少女」

なんて女性はそうそういませんよ。


さらにボディラインが美しいなんて・・・さらに見つけるのは、難しいですよ。


だって、綾波レイちゃんを探すようなもんですからねー。


まあ、だから、僕が恋をしなかった理由も明確になりましたけど、これ、俺、将来、結婚出来るのかなー。

急に心配になってきましたねー。


ま、自分のことが、わかるのは、大切なことです。


さて、顔という話で、話を横浜元町に戻してみましょう。


というわけで、よくサイクリストとして、元町周辺を走っていた僕ですが、当時よく背の高い美しい女性に声をかけられました。

まあ、それこそスラリと高い女性達でしたけど・・・笑顔で僕に話しかけてくるわけです。


そのセリフは決まって、

「バックのキタムラって、どこだが、知ってます?」

という言葉でした。


そして、声をかけてきた女性全員が決まって、オネエ・・・声を聞いてはじめてわかるくらい綺麗なオネエの方達でしたねー。


のべ7、8人に聞かれましたねー。つーか、彼らは僕がお人よし顔をしているので、同じ男なんでわかるんでしょうね。

「あ、このひとなら、やさしく教えてくれるに違いない」

そういう確信が、彼女達の全開の笑顔に現れていましたねー。


キタムラのバックがオネエの方達の間で流行っているのかどうかは知りませんが、どうも僕はモノを聞きやすい顔をしているようです。

あるいは、サイクリストでボディラインをバリバリに見せつけていた僕と少し話をしたかったのか・・・あのオネエの方達は・・・。


そういう発想もアリかもしれませんねー。だってサイクルウェアは、プラグスーツと同じですからね。知らず知らず、同じ結果を生んでいたのかも(笑)。


と、楽しい結論にして、今日は終りましょうか。


横浜山の手地区。いつか、お気に入りの女性とデートしたい場所です。


さてさて、今日も暑くなるでしょうかねー。

この時期、夏の暑さも一段落する、そんな時期ですが、まあ、どんな感じですかねー。

暑さが一段落すれば、雨が多くなるこの時期ですが、

ま、少し見守りますかねー。

涼しい飲み物で、一段落しながら・・・。


ではでは。