「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

この記事一応いいんじゃね?ボタン(作ってみました!) ちょっとさ、押してくれると、うれしいんです!(笑)

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12月31日 今年もいろいろ、お世話になりました。ありがとうございました!(笑顔笑顔で行こう!)

2012年12月31日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

えー、今年も最終日を迎え、2012年も終わっていきますねー。

なんだか、1年が相当速く終わった感じですねー。

呆れるほど速く過ぎていく感じが、ありますねー。

僕もそれだけ、年を重ねた、ということでしょうか。


今年は、僕はとてもいい年になりました。


なにより、僕のライフワークにたどり着いた。

「「しあわせになる為の知恵」を言葉にし、さらに進化させ、発展させる。その知恵を自分の人生に投下し、洗練した人生にしていく」

これが、僕のライフワークになりました。

「しあわせになる為の知恵」というのは、実際、僕の人生を元気づけているし、実際、しあわせを呼んでくれます。シビアにね。

なので、毎日がとても、楽しいです。マジに楽しい。女性からは笑顔を貰えるし、男性からも、

「いい仕事してるじゃん!」

と、いい笑顔を貰える。


人生の歩き方が、やっとわかった感じですねー。


まあ、若い頃、たくさん苦労したかいが、あったもんだって、感じですけど、

大人になると、いろいろなことが、わかっていくようになるんですね。


大人って、楽しい・・・これが、僕の実感ですねー。


今年は、4月に50日近く、トイレ以外寝たきりなんてこともありました。

交通事故を貰って・・・また、女性に殺されかけて・・・どういうんだろうなあ、あれ。

まあ、でも、その時に、足腰の強化の必要性を、強力に感じたおかげで、今年の夏は、足腰強化対策しまくりで、

おかげで、体重は、身長163センチの理想体重、57キロに落とすことが出来て、体脂肪率も16%キープ。

しっかりとおしゃれが楽しめる体型になりました。

サイクリストとしても、強化を図ることが出来て、坂なんかも、それまで以上に楽々に登れるようになって、うれしい限りです。

そういえば、チームのテニス大会で優勝したりしたこともありました。


身体が進化した、1年でも、ありましたねー。


ま、人間万事塞翁が馬、ですよ。くじけても、ただでは起きないですから。

そういう意味では、人間的にも身体的にも、多いに進化出来た、2012年になりましたねー。


まあ、やる気のある、プロの男性、女性の知り合いも増えましたし、

やさしくしてくれる女性の知り合いも増えました。まあ、ブログでは、ちゃずさんとの会話も増えましたし、旧交を暖める機会も増えました。

まあ、記事的には、「しあわせになる為の知恵」が、メインの記事になっちゃいましたけれどね。

「平清盛」記事は、あまり書けませんでしたが、書くという義務から離れることで、コンテンツを思い切り楽しめたので、それはよかったかな。

ハッピーエナジーを出していくことが、自分をしあわせにすることだと思い至ったので、出来るだけ、そのように務めました。今年はね。

負のエネルギーを出すのは、よそう・・・そう思ったので、否定や批判の記事は、出来るだけ、止めました。自分の為にね。


否定とか批判の言葉って、それこそ、誰にでも出来ますから。


そして、そういう負のエネルギーを出している人は、結果的に、自分に負のエネルギーを集めることになって、不幸を呼び込み、不幸にまみれて、消えていくことになる。

僕はそうなりたくはないので、そうしない・・・それだけです。


人間、知恵がないと、不幸になってしまう・・・そういうことですねー。


今年は、女性に関する記事をたくさん書いてきました。

女性って、毎日恋をしている・・・そんな記事もたくさん書きましたねー。

だから、基本、女性は周りの男性に「恋が出来るわ」「興味なし」のレッテル貼りをしていることも、指摘しました。

男性が理性で、女性を平等に扱おうと努力しているのとは、正反対ですけどね。

と、言っても、男性も本能の呪縛からは、逃げられない・・・やっぱり男性も、女性を見ると、「ありやな」「ないない」というレッテル貼りをしちゃう。


結局、男性も女性も同じ、本能に支配された、動物なんですよ。


男性も女性も好きなひとと一緒に笑顔笑顔で、生きていくのが、しあわせなんです。

いいじゃないですか。笑顔こそ、しあわせのバロメーターなんだから。

日々、笑顔で生きていけばいいんです。


「このひとの書くことって、ほんと、毎回、おもしろいんだよねー」

こんな声を聞かせてもらえたら、ほんと、物書きとして、しあわせですけどねー。

そんな言葉を貰えるように、日々精進していきます。


今年もいい一年でした。交通事故も貰ったけど、いい方向に身体も進化出来たし、

体脂肪率を16%にしたおかげで、「見た目年齢」が下がって、

「お兄ちゃんに笑顔を貰えてよかったねー」

なんて、若いママに言われたりするようになりました。

27歳の時、関空で、これも若いママに、

「オジサンの迷惑になるから!」

と、僕に話しかけようとした、5歳くらいの子供を叱ってた、その言葉に呆然としたのを懐かしく思い出します。

うーむ、俺はどこへ向かっているんだ?(笑)。

でも、いい方向に進化出来たことは、確か・・・いろいろいいことがあった、2012年に、なりましたねー。


さて、今日は「年越し蕎麦」の日ですか・・・お昼に食べちゃお・・・そして、いつものように、晩酌して、7時前には、ぐっすり熟睡の予定です。

紅白は録画で、明日超朝で楽しむ予定です。もう、ライフスタイルは、全然変えるつもりありませんから。

もちろん、かみさん迎えて、子供が出来たら、大晦日も夜更かししますけどね。

シングルの間は、好きにやりますよ(笑)。

でも、もうすぐ、それも止めにすることになりそうかな・・・そうしないといけないよねー(笑)。


ま、来年の目標は、今年以上に頑張ること。成果を出すこと。そして、たくさん、笑顔を出せること・・・これくらいかな。


えー、ちゃずさんを始めとして、このブログをいつも覗いてくださる皆さん、今年1年、いろいろお世話になりました。

また、来年も、ゆるちょの、鈴木タケルのこのブログ、よろしくお願いします。


来年も楽しい毎日を!

良いお年を!


ではでは。


今日明日は、「ラブ・クリスマス!」お休みしますね。1月2日より、再開します!

ラブ・クリスマス!(11)「ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!」

2012年12月30日 | アホな自分
クリスマス・イブ5日前の月曜日の夜、午後8時頃。マキとアミは、社の近くのイタリアンレストラン「グラッチェグラッチェ」で、

二人で飲んでいた。

「イブまで、もう5日よ・・・」

と、マキはさすがに焦りの色を隠せなかった。

「そうねー・・・」

と、アミは、どこ吹く風という風に受け答えしている。

「ねえ、アミは、今年のイブ、もう、諦めちゃったの?」

と、マキ。

「諦めたって?」

と、アミ。

「好きな男と過ごす、素敵なイブの夜のことに決まっているじゃない」

と、マキ。

「ああ、それね・・・」

と、アミはあまり乗り気な顔ではない。

「だって、わたし・・・昨日ガオくんとデートしたんだけど・・・その時に気づいちゃったのよ・・・」

と、アミ。

「あ、そうか。昨日、アミは、ガオくんとデートだったのよね・・・で、どうだった、ガオくん。若いマッチョは?」

と、マキは興味深そうに話を聞く。

「ああ、ガオくんね・・・タケルくんに比べると、1万倍くらい子供だったわ・・・まあ、若いマッチョではあったけれど・・・」

と、アミは、ガオを、ばっさり切っている。

「え、そうだったの?アイリの話だと、タケルくんより、大人みたいなこと、言ってたじゃない?」

と、マキ。

「うん。どうも、それ、タケルくん効果みたい。タケルくんと一緒にいると、大人っぽく振る舞えるんだって。ガオくん、自分で言ってたもの」

と、アミ。

「なあんだ・・・もし、アミが「割りといいかも」なんて言ったら、私もガオくん、考えようかと思ってたのに・・・」

と、がっかりな表情のマキ。

「なんていうのかな。私たちタケルくんを知ってしまったじゃない・・・だから、素晴らしいモノを知ってしまったら、それより下がるモノは、価値を感じられないの」

と、アミ。

「そうね・・・でも、アミはタケルくんのことを、今でも思ってるけど・・・そのままだと、今年のイブはひとりでってことになりかねないから」

と、マキ。

「うーん、わたしは、それでもいいと思ってるの・・・タケルくんのことを思って、イブを過ごせれば、それでいいもの、わたし」

と、アミ。

「でも、現実問題として、タケルくんは、アイリの旦那になるひとなのよ・・・いつまで待ったって、手も握ってくれないわよ」

と、マキ。

「それは、そうだけど・・・手くらいなら、握ってくれるんじゃない?タケルくんなら、サービスで!」

と、笑顔になるアミ。

「わたしが言ってるのは、そういうことじゃなくて・・・そんなことを楽しんでいるうちに、ひとり、おばさんになっちゃうってことなの」

と、厳しい表情のマキ。

「それは、わかっているけど・・・今のところ、タケルくん以外を探すつもりには、全然なれないわ・・・」

と、アミ。

「そういうマキはどうなの?今年のイブの相手、探してるの?」

と、今度はアミが聞く方だ。

「まあね・・・電報堂の河田さんに、それとなく、探りをいれてみたんだけど・・・焼けぼっくいに火はつかなかったわ」

と、マキ。

「よく元カレなんかに、いけるわねー・・・そういうところが、マキは行動的なのよねー」

と、アミ。

「だって、タケルくんが私に何かしてくれるわけないし・・・待っても無駄なことはしない主義なの、わたしは」

と、マキ。

「わたしを好きだって言う噂のある子が、今年は3人いるの・・・だから、今日の昼休み、そのひとりに、ちょっと釜かけて見たんだけど・・・」

と、マキ。

「え、誰それ。教えて!」

と、急に目が輝きだすアミ。

「「Boys Be」編集部の柿澤くん(26)・・・」

と、マキは言う。

「え、あー、上智卒のトオルくんだ。知ってる知ってる・・・わたし、何回か誘われて飲んだことあるわよ・・・去年の今頃かな」

と、アミ。

「え?そうなの・・・それで?」

と、マキ。

「ううん、それっきり・・・なんか、わたしに気があったみたいだったけど、まだ、子供だしって、感じだったから」

と、アミの方が一枚上手だったよう。

「やっぱり、そう思う?・・・わたしも今日、ちょっと話してみたんだけど、頼り甲斐がなさそうだったから、バツにしたの」

と、マキも同じ答えだったよう。

「ほんと、今の男たちは、全然ダメよね・・・頼り甲斐はないし・・・女性をリードしようなんて、てんでそんな気ないんだから」

と、マキは、ぷりぷり怒っている。

「ふふふ・・・そういう意味じゃあ、昨日のガオくんは見るべきところはあったわ。わたしをリードしようとしてたもの・・・」

と、アミは思い出し笑い。

「へー、そうなんだ。じゃあ、ガオくんも満更捨てたもんでもないんじゃない?」

と、マキが言うと、

「それが、ガオくん、自分では気づいていなかったけど、ドMなのよ・・・わたしにリードされて喜んでたから・・・だからバツなの」

と、アミはバツの理由を教えてくれる。

「えー・・・ガオくんもそうなの・・・最近の男共は、ほんと、やーねー」

と、マキは口悪く罵っている。

「じゃあ、何・・・マキは、マキに気がありそうな、若い男どもに探りをいれて・・・バツじゃなければ、イブを一緒に過ごす気なの?」

と、アミ。

「そ。でも・・・なんか、先行き不安よねー」

と、さばさばしてるマキ。

「でもさー・・・マキって、青山大輝(45)さんが、あこがれのひとじゃなかったっけ?タケルくんに会う前は」

と、アミはマキの過去を知っている。

「それは・・・今も変わらず、そうよ。今でも・・・エレベーターで一緒になったりすると、笑顔をくれるし・・・それはかっこいいし、頼り甲斐もあるし、素敵な方よ」

と、マキ。

「わたし、大輝さんの方もマキのこと好きなんじゃないかって思ってるんだけど・・・」

と、アミはズバリ言う。

「え?ほんと?」

と、マキはワイングラスを手から落としそうになる。

「うん・・・わたしの目が確かならば・・・大輝さんもマキのこと気に入っていると思う・・・少なくとも大輝さんの、私を見る目とマキを見る目は全然違うもの」

と、アミはズバリ言っている。

「えー・・・ちょっと待ってよーーーー」

と、うろたえるマキ。

「でも、マキは、「大人の恋」は、いやなんでしょ?」

と、アミ。

「それはそうだけど・・・タケルくんの場合は、アイリの将来の旦那だから、諦めてるまでで・・・大輝さんはまた、別じゃない?」

と、マキ。

「そうなの?・・・だって、大輝さんも結婚してるし、子供も確か2人くらい、いたはずでしょ?」

と、不思議そうにアミ。

「離婚する可能性だって、ないわけじゃないじゃない・・・」

と、マキ。

「それは・・・どうかなあ・・・まあ、マキの出方次第だけど・・・」

と、アミ。

「でも・・・そうね・・・あの大輝さんが、家族を不幸にするようなことは・・・しないか」

と、マキ。

「でも・・・マキも相当満更でもない・・・それだけは、今の反応でわかったわ」

と、ニヤケ顔のアミ。

「でも、大輝さんだよ・・・あんな素敵な大人の男性に、嘘でも好きになられたら・・・女冥利に尽きるじゃない」

と、マキ。

「まあ、それはわかるけどね・・・マキも今年は「大人の恋」で、我慢したら?「大人の恋」も、悪くないよ」

と、アミ。

「うーん・・・「大人の恋」か・・・それとも、頼り甲斐のない男の子との「本当の恋」か・・・究極の選択よね」

と、マキ。

「というか、タケルくんみたいに、若くても、頼り甲斐のある男性が少ないのが問題なのよねー」

と、アミ。

「そう。それそれ・・・そうなのよ・・・大人の女性をリード出来る、さわやかな若い男性って、タケルくんくらいしか、いないのかしら・・・」

と、マキは頭を抱えていた。


「大輝さんか・・・」

と、マキは切り替わった頭で、あこがれの男性のことを思っていた。

「頼り甲斐のない、若い男なんて・・・一緒にイブを過ごしても・・・つまらないだけだと、思うけど」

と、アミは白ワインを飲み干しながら、ぽつりとつぶやいた。


そんな風にして、クリスマス・イブ5日前の月曜日の夜は更けていった。


クリスマス・イブ4日前の火曜日の朝、午前6時頃。

ガオは、いつものように、鎌倉の街を走っていた。足取りは軽かった。

「しかし、昨日は、リサさんから電話が来なかった・・・」

と、ガオは走りながら考えている。

「仕事の拘束時間もそれこそ、まちまちのようだし・・・リサさんって、何か強い性格のようだし・・・」

と、ガオはリサのことを考えている。

「なんとなく、女豹を思わせるんだよな・・・俺に襲いかかろうとしている、女豹のような・・・」

と、ガオはリサのことしか考えられない。

「思い出してみれば・・・胸はCカップくらいはあったし、スポーツウーマンのように鍛えられた身体だったし・・・」

と、ガオは考えている。

「さぞや、魅力的な身体なんだろうな・・・リサさん」

と、思いながら、リサの全裸のイメージをいつの間にか考えているガオだった。

「エッチしたら、それは気持ちよさそうな・・・本物の大人の女性の身体だ・・・」

と、ガオは走りながら、考えている。


「ふーん、ガオくん、わたしのこと、抱きたいんだ?」


リサの言葉が、頭の中に、明瞭に、蘇る。

「抱きたいんだろうな、本音では・・・あんな魅力的な女性に俺は会ったことすら、ないからな・・・」

と、ガオ。

「そんな大人な女性が、俺を・・・アミさんより大人な女性が、俺を落とそうとしている?そういうことなのかな・・・」

と、ガオ。

「だったら・・・はっきり言って、一度、寝てみたい・・・俺の人生をかけて・・・」

と、ガオ。


「ただし、寝ちゃダメ。それだけは、なんとしても、回避しなさい。最も、責任は、あなたが取るはめになるのよ。女性は流されやすいんだから」


アミの言葉が、頭の中に、明瞭に、蘇る。

「確かに、アミさんの言うとおりなんだよな。一時の感情に流されるなんて、それは子供と女性のすることだ・・・」

と、ガオ。

「男は理性で持って、女性と子供をしあわせに導く義務がある・・・それが男である意味だ・・・そこは履き違えてはいけない・・・」

と、ガオ。

「俺は理性が強い・・・それが俺の特質でもある・・・その特質で、俺は・・・リサさんをなんらかの形でしあわせにする・・・それが俺に課せられた使命なんじゃないかな」

と、ガオは一応の結論を出している。

「本音は抱きたい・・・だが、抱かないことで、彼女をしあわせにする、なんらかのかたちがあるはずだ・・・それを俺は模索するんだ・・・」

と、ガオは心の中で決意する。

「それが、俺がリサさんに出会った意味なんじゃ、ないだろうか・・・」

と、ガオは結論ずけている・・・。

「ふ・・・走ろう」

と、ガオは思うと、スピードをあげて、鎌倉の坂を登って行った。

ガオは、さわやかな表情をしていた。


クリスマス・イブ4日前の火曜日の午前7時頃。八津菱電機鎌倉華厳寮203号室のイズミの電話が鳴り響く。

「ん・・・ああ、もう、7時か・・・と、誰だろ、こんな時間・・・」

と、イズミは電話に出ると、

「もしもし、沢村ですが・・・」

と、話す。、

「イズミさん?おはようございます。美緒です!」

と、美緒の元気な声が響いた。

「おお、美緒か・・・電話で起こしてくれたのか・・・ありがとう」

と、自然穏やかな笑顔になるイズミだった。

「今朝7時に起きられるかどうか、わからないって言っていたから、少しでもさわやかに起きられるには・・・わたしが電話で起こしたら、いいかなって思って」

と、美緒はイズミのことを思って、わざわざ電話をしてきたのだった。

「ありがとう・・・そんな俺の下らない愚痴にまで、気を使ってくれて・・・」

と、イズミは、少し感激気味。

「だって、イズミさんは、わたしのイケメンの彼氏だもん・・・そんなの当たり前ですよー」

と、笑う美緒は、本当にしあわせそう。

「美緒は、今日は大学は何時からなの?」

と、イズミは美緒が話しやすいように、質問してあげる。

「今日は9時からです。卒論の調べ物があって・・・午前中はそれですけど、午後は私の研究に取材にくるんです。雑誌の記者の方が!」

と、美緒はうれしそうに話している。

「へえ・・・で、どんな研究なんだっけ?」

と、イズミはちんぷんかんぷん。

「「ライネルのねじれ理論」・・・イズミさんも知ってますよね?」

と、美緒はイズミを試している。

「ああ・・・なんか黄金比の比率がねじれた形で続いていくっていう、あれだろ?」

と、イズミもさすがは元数学科だったりする。

「そうです。あれをケーキ作りに応用して・・・そのレシピの分量を「ライネルのねじれ理論」で計算しているんです。そのケーキ、生協で売り出したら大人気で・・・」

と、美緒はうれしそうに話している。

「へー・・・それは珍しいなあ。数学の理論を洋菓子のレシピにかー・・・それはマスコミが食いつきそうな女性向けのネタだね」

と、イズミも感心している。

「ですよね・・・だから、当初の狙い通りに行って、先生もわたしも、嬉しがっているんです」

と、美緒。

「それはよかった・・・たくさんサービスして、記者のひとと仲良くなれれば・・・今後もいい関係が続けられるかもしれないね」

と、イズミ。

「わかりました。そうすることにします。やっぱり、大人の方を彼氏に持つと、いいことばっかり!なーんて言って」

と、ころころと笑う美緒だった。

「今度、大学に行ったら、美緒のケーキを食べて見ることにするよ。・・・さて、俺もそろそろ、出かけるわ」

と、美緒とのおしゃべりを楽しんで、満足そうな表情のイズミだった。

「はい。いってらっしゃい。また、電話するね」

と、美緒は嬉しそうに電話を切った。

イズミは朝から、上機嫌だった。

「今年はいいイブを過ごせそうだ・・・美緒は明るいし、賢い・・・」

と、イズミは笑顔になると、部屋を出ていくのだった。


クリスマス・イブ4日前の火曜日の朝。それぞれに、さわやかな時間が流れていた。


つづく

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→物語の初回へ

→本編「僕がサイクリストになった、いくつかの理由」初回へ

12月30日 僕の恋は、3パターン!(「しあわせになる為の知恵」を人生に投入せよ!)

2012年12月30日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

12月も30日です。

2012年も、かなり、押し詰まってきましたねー。

まあ、でも、やることは、あまり変わらないというか・・・僕的にはセコセコ仕事をするだけですねー。

帰省という概念がないので、普段とほとんど変わりません。

まあ、せっかく静かな年末なので、のんびり仕事してましょう。


さて、今日は年末も相当押し詰まった、ということで、少し浮かれた話でも、しましょうかー(笑)。


えー、今日もしあわせの為の知恵を作っていきたいんですが、

今日は美人さんについて話してみましょー。


まあ、簡単なところから・・・僕の街にはイトーヨーカドーを初めとしてイオンやら、地方色豊かなスーパーやら、いろいろあるんですけど、

「レジ係が、美人ヒエラルキーの頂点にあり、美人が多い」

という理由で、僕は、歩いて20分くらいにある、モールの中にある、ヤオコーに行くようにしています。


もう、僕は、ここしか、いきませんねー。


もう、僕は美人相手じゃないと、楽しめない身体になっちゃったんですねー。

で、その美人ヒエラルキーでも、一番頂点に立っている、若い頃の羽野晶紀さん似の、スラリと背が高くて、白いワンピースの似合いそうな細身の女性が、

今の僕の一番のお気に入りだったりするわけです。


まあ、もちろん、レジ係というのは、人気商売だったりするわけで、女性は自分が美人である、ということは、しっかり理解しているわけです。

だから、その羽野晶紀似の女性も、

「自分は美人ヒエラルキーのトップにいる」

ということは、重々承知しているわけです。

だから、自分のレジに多くの男性が並ぶのは当然だと考えているわけですね。

で、こういう美人は、自信を持って、往々にして、お気に入りの男性に、「大人の恋」をしかけてくるわけです。


なので・・・僕がそのレジに並ぶと、まあ、一瞬こっちを向いて目が超笑ったりするわけで・・・あの瞬間がいいですね。

それで前の男性のレジが終わると、ちょっとうれしそうにドキドキしながら、僕のレジをやってくれるというわけで、まあ、楽しい(笑)。


まあ、「大人の恋」というのは、お互い恋ゴコロがあるということは、お互い、わかりあっているわけです。

だから、全開の目が笑っている笑顔になるわけで・・・そこは安心しているというか、信頼しあっている。

だから、お互い、いい笑顔になれて・・・心がほっこり暖かくなる。


もちろん、それだけのことなんですけどね。


まあ、年齢的には、29歳くらい・・・結婚して、子供がひとりくらいいる感じですかねー。

細身の綺麗な女性です。

まあ、もちろん、パートさんですから、毎日いるわけではないので、いない日は、美人ヒエラルキー2番とか、3番の女性に対応してもらうんですが、

まあ、それぞれ、顔見知りですからねー。毎日、いい笑顔をもらっています。


だから、最近は、楽しいですね。スーパー行くのだって、それくらい楽しいわけですから、日中、都内のカフェなんか行った日には・・・。

もちろん、僕は若くて美しい女性がたくさん集まるカフェを、いくつも知ってますから、そういう場所で、カフェ飯食べてたり、

・・・そういうお昼も楽しんだりするわけです。

で、そういう若くて美しい女性達は、普通に笑顔をくれるので、僕はそういう場所こそ、安心できますねー。


こう、笑顔で、男女共存している感じですねー。


だから、若くて美しい女性が多い場所が、僕にとっては、安心出来る場所になってしまいましたねー。


もちろん、「恋愛戦略兵器」が、しっかり、「恋愛性能」を出してくれているから、そういう芸当が出来るわけで・・・まあ、毎日が楽しくなってます。

まあ、自分でこれまで作ってきた、「しあわせになる為の知恵」を、自分の人生に投入しているからこそ、いろいろうまくいくわけで・・・完全に平清盛ライクな人生になっていますねー。

つーか、僕的には、織田信長ライクな人生のつもりなんですけど(笑)。


だから、まあ、僕は7、8年前までは、先輩やら、友人やらとキャバクラに出入りしてたんですけど、

全然その必要がなくなりましたねー。


だって、それこそ、キャバクラなんかにいないような美人な女性と楽しくおしゃべり出来ているし、美しい大人の女性に「大人の恋」してもらっているわけですから、

今の方が、全然、気分的に良い・・・まあ、僕も楽しく進化しました。


キャバクラという単語が出たので、ついでに、話しますけど、いいキャバクラの見分け方を、話しましょう!

随分大人な話題ですけど・・・まあ、年末だから、いいことにしましょう(笑)。


ま、これは、簡単で、単位時間の価格が同じなら、店内が明るい店を選ぶのが、賢いやり方ですね。

まあ、商品のクォリティーに自信があるから、店内を、明るく出来るわけで、やたら暗い店は絶対に避けるべきです。


まあ、僕が行ってた頃は、1時間6千円が相場でしたけど・・・今はどれくらいなんでしょうね。

最近は短大生だけでなく、4大の女性も普通にバイトしてたりして、

「自分がどれくらい男性に人気があるか確認したくて」とか「年上の男性とのうまいコミュニケーションのとり方を勉強してる」とか、けろけろ言ってましたからね。

でも、それって前向きだし、それでお金が貰えるんだから、一石二鳥だなあ、と思いましたけどね。

まあ、とにかく、行くなら、明るい店です。これは、もう、大事な知識ですね。キャバクラ選びの・・・。


まあ、僕もサラリーマン時代は、いろいろな女性のいるお店に連れていかれましたが・・・最悪だったのは、27、8歳くらいの時、

大阪は泉佐野という関空のある街で、夜、先輩達と飲んでいた時のことですね。

もう、12時を回り1時近かった時に、何軒か回った後に入った場末のスナックが、ママひとりでやっているスナックだったんですけど・・・。

気がついたら、ママが・・・坂上二郎さんだったんです(苦笑)。

女性なんですけど、もう二郎さんそっくりで・・・御愛想笑いしか出来ないんですけど、その声が二郎さんそっくりで・・・。

「先輩、いくらなんでも、ここは、出ましょうよ」

って、懇願して、出た覚えがありますが・・・今でも、あの御愛想笑いの声、

「イヒヒ、イヒヒ」

という、二郎さん似の声を思い出します・・・いやあ、若い頃とは言え、怖気が立ちますねー。


結局、男性の腕の見せ所って、酒の席で、いかに美しい女性を調達出来るか、にかかってるんですよね。


僕自身は、その坂上二郎さんショックが大きかったおかげで、今は自分で全部調達出来るようになりました。

男性ばかりで飲みにいっちゃったら、僕自身調達係として、飲み屋内にいる、若くて真面目そうで、もちろん美人な女の子を積極的に説得して、

連れてくるようにしてますから・・・そのあたり、「恋愛戦略兵器」の威力をガンガン使ってますねー。


でも、男の力量って、そこですもん・・・坂上二郎さんそっくりの女性の店に連れていかれちゃあ・・・その女性を見る目はどうなの!ってことで、

いかに普段女性チョイス能力が低いか、露呈させているのも、いいところですよね。


それはないんじゃないかなーって思いますよね。


まあ、そういう経験もあったので、反動からか、今は女性に求めるポテンシャルが高くなってしまいました。


例えば、僕の場合、基本条件として、

「細身で、背が僕よりスラリと高く、白いワンピースが似合う女性」

というのが、あります。


まあ、身長に関しては、若干変更もありかな、と思いますが・・・細身で白いワンピースが似合うというのは、譲れない条件ですね。

僕自身、そういう女性に似合うように、体脂肪率を16%・・・来シーズンには、体脂肪率一桁を現実化する予定ですからねー。

そこは、シビアに求めていきたいですね。


僕自身、美人には、3タイプあると考えています。


ひとつは・・・子供の頃から自分が美しいことに気づいていて、大人になって、それにあぐらをかいちゃった女性。

つまり、

「わたしは、美しいのよ。男どもはわたしに貢ぐべきなのよ」

くらい思っている、「俺偉い病」の女性ですね。


ま、こういう女性は、論外ですね。僕的には。


2番目は・・・美しさにプライドがある女性です。ま、ありていに言えば美雪ちゃんタイプ。

自分の美しさを知っているからこそ、勉学に励み、やさしさを発揮し、自分というブランドを洗練させることに重きをおいている。

そして、恋をしたら、自分から動いていく・・・自分に自信がある女性は、それをやるんですね。

こういう美しい女性は素晴らしいですよねー。


3番目は・・・子供の頃や十代は、それほど、美しいとは言えなかったんだけれど、強い性格から、少しずつ自分を改良していき、

いつしか、美しい大人の女性になるタイプ。


こういう女性は話していておもしろいんですよね。苦労も知っているから。

ネガティブをポジティブに変えられた女性ですね。だから、おもしろいんです。話していて。


つまり、相手にしていいのは、2番目と3番目の美人だけなんですね。

1番目は「俺偉い病」ですから、もう、完全に論外だし、人類共通の敵です。最早。


だから、僕は美人さんを見る時、どのカテゴライズに当てはまるか、しっかりと確認しますねー。

ちなみに、ヤオコーの美人ヒエラルキー第一位の若い頃の羽野晶紀さん似の女性は、2番目のタイプのようですねー。


ほんとに、しみ通るような、いい笑顔なんだなー、この女性が。


つーか、「大人の恋」については、大ベテランですよ。僕も。

ただ、そういう美しい大人の女性に「大人の恋」をしてもらっている、ということは、僕の恋愛ポテンシャルも「恋愛戦略兵器」のおかげで、かなり高くなっている!

ということの証左だと思いますね。


まあ、自分自身の客観視ツールです。「大人の恋」の存在は・・・。


まあ、なので、僕的には、普段毎日しあわせを感じられてますねー。

特に都内のカフェで、若くて美しい女性達に笑顔を貰っている時は・・・そういう環境を大人になって現出出来て・・・それはそれは嬉しいです。

だって、子供の頃から夢見てた、「本物の大人の男」の世界ですから、

・・・ポール・ニューマンや、ショーン・コネリーや、ルパン三世の「大人セクシー」の世界ですからね。

カフェのバイトのお姉さんが、また、いい笑顔をくれて・・・まあ、もう、顔見知りだし・・・それが毎日うれしさにつながる。


今の人生そういう意味じゃあ、楽しいです。


大人の美しい女性が自然と笑み崩れる男・・・そうなれたのは、「しあわせになる為の知恵」をたくさん作ってきて、自分に常に投入してきたから・・・。

子供の頃から目指してきた、本物の大人の男に、近づけたのかなーと思って、それは普通にうれしいですね。


僕は大人になると、すべからく、ダサいおじさんになっちゃうのかと長く思っていましたから。

違うんです。大人になると、男性も女性も二極化するだけなんです。ダサいおじさん、ダサいオバサンになるか、そうでないか。

本物の大人の男性と、エレガントで美しい大人の女性になるか・・・その2極化なんですよね。

だから、うっかりしていると、ダサい方面に行っちゃうわけです。本物の大人は、そうなっちゃいけないわけですねー。


ま、これまで、長かったなあって、思いますけど、これからが、大人の男として、本番なんですね。


となると、

「今後、どういう女性と恋愛をしていけばいいのか?」

という話になってきます。まあ、結婚しなければ、いけないですからねー。


僕がこれまで経験してきた恋愛物語というのは、それこそ、いろいろなパターンがあるんですけど、

気に入っているのは、次の3パターンですね。


一番目は、これは、少年が永遠にあこがれる黄金パターン。

「皆があこがれるマドンナのあの美しい女性は、実は僕に恋してる!」

これは黄金パターンでしょう。まあ、僕的に言えば、美雪ちゃんパターン。僕的には、近代の恋愛開始がこれでしたからねー。

こういう物語の進化系も僕は経験していて、

「皆が大好きなあのマドンナ、既婚者の仕事もできて美しい、男女皆が大好きな、あの女性は、結婚してるけど、今は僕に「大人の恋」を、してる」

これは進化系でしょ。まあ、永島さんパターンですねー。


これに近いパターンでは、

「幼馴染のあの仕事も出来て、美人な子は、既婚者だけど、今は僕に恋してる」

というパターンもありました。まあ、同期の女の子、仮名御田さん。

僕が死病で退社した時、泣いてくれましたねー。


まあ、もうひとつの王道パターンがありますねー。

「既婚者のあの女性は、部の男性どもより、バリバリ仕事が出来て、部長すら文句の言えない、すごい女性」

「部の女性は皆尊敬し、部の男性は皆ビビってるけど、僕の前ではただの「恋する少女」」

「しかも、アニメ声」

これは、ツボを押されまくった「大人の恋」でしたねー。美山さんパターン。美しい本物の大人の女性でしたねー。

まあ、他にもいろいろありましたが、この3つのパターンが、僕の恋の黄金パターンですかねー。


なので、このどれか、になるんでしょうかー。

ま、ほんとに「大人の恋」が多いわけですが・・・いずれにしろ、皆仕事が抜群に出来て、美人・・・ここは譲れませんね。


まあ、いずれにしろ、ポテンシャルの高い美人な女性と恋をすることになるでしょう。

僕もいろいろ経験してきたな・・・というか「大人の恋」に至っては、現在進行形ですからね。

まあ、いずれにしろ、今、恋出来てる・・・これが大事かなって思いますね。


「恋って、いいですよ!」

と、原田知世さんが、言ってますが・・・僕もそう思いますね。

むしろ、この年齢で、現在進行形で、本当に美しい女性に、恋してもらってることが、嬉しいかな。


「100歳になっても女性は恋をするの・・・」と、100歳の女性詩人柴田トヨさんもおっしゃっておられる。

ということは、男性だって、100歳になっても、恋されなきゃ、いけないんですよ。


だから、まだ、僕なんて、恋に関しちゃ、ひよっこです。


恋にプライドのある、強くて賢くて仕事のバリバリ出来る、美しい女性とプライドのある、素晴らしい恋をしていきましょう!


それが結論かな。


まあ、僕も進化しました。

こんな文章を書けるようになるとは・・・ま、でも、自分でも、気に入ってる人生です。

ドンドン人生を進化させていきましょう。

いける高みにガンガン登り、さらにその先を見れるように、がんばらなくっちゃ。


人生は一回きりだしね。


さて、今日ものーんびり仕事してきましょうか。

2012年も、もうすぐ終り。そんな時間をのんびり過ごしていきましょう。

楽しい一日が始まります!


ではでは。

最終回 サムライ通信 第五十回 「遊びをせんとや生まれけむ」

2012年12月29日 | ゆるちょ!のドラマ・レビュー!
大河ドラマ「平清盛」感想 サムライ通信

「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」

●最終回は泣けた。兎丸の声と重盛の笑顔に。でも、全部を持っていったのは深キョンの凛とした風情!素晴らしかった!弁慶も迫力でした!
えー、久しぶりに、サムライ通信、アップしたいと思います。

えー、さっき、昼の12:00から「平清盛」最終回を見まして・・・最後のテロップのところで、思わず、泣いてしまいました。

「海の底にも都はございましょう・・・」の言葉から、「なんや、来てたんやったら、早く言えや」の兎丸の声に、思わず反応して・・・そして、海の底にほんとに都が・・・。
そして、重盛が、いい笑顔で・・・それに泣けましたね。僕は重盛はほんと、かわいそうで、かわいそうで、見てて辛くなったんですねー。
その重盛が守ろうとした平家が・・・すべて水底に・・・。

まあ、最終回は、なんと言っても、深キョンの演技でしょう。あの凛とした表情・・・なかなか出せませんよ。素晴らしい演技力でした。思わず引きこまれて・・・。
素晴らしい女優さんだなあって、思いましたねー。

そして、源氏も・・・やっぱり、弁慶大往生・・・すごい鬼気迫る弁慶大往生でしたねー。まあ、メイクのおかげもあるんですけど、
ほんと、毎回、青木さんは迫力演技が得意だなあ・・・と感心して、見ました。いやあ、大熱演でしたねー。
弁慶大往生って、今までいろいろ見てきたけど、これは、すごかったですね。なんかリアル感があって・・・いやあ、おもしろかった。

しかし、この脚本家さんは、ほんとに歴史好きな人間を蕩かしてくれますね。

清盛の遺言シーン。ひとりひとりに、清盛が語りかける・・・西行になりかわって。まあ、そうじゃないといけないわけですけど、当然。

時忠に「時忠がいなければ、平家にならずじゃ」なんて言っちゃうわけで、「平家にあらずんば、ひとにあらず」ってな名セリフをいっちゃった史上の時忠に、
敬意を表してますよね。そして、時子に最後に、「お前はわしの紫の上だった」って言っちゃって、源氏物語好き押しできた、時子に与えるべきセリフでしたよ。

こういうのが、ずっと見てた人間にうれしいんですよ。光らない君だった清盛が最後に、「紫の上だった」って言うから、ジーンと来るわけで。

まあ、ある意味、女性を落とす手練手管だよね、これ。

僕は大河ドラマについて、いろいろ勉強してきましたけど、女性を落とす手練手管を大河ドラマで勉強してきましたね。
まあ、これは、女性向け大河ドラマの構造なんかを勉強すると、
「基本すっかすかで、雰囲気や言葉で、相手を説得する。論理なんて関係なし。基本雰囲気押しで、女性は説得される」
ということを知ることになって・・・これは、リアルライフで、随分役だってますけど(笑)。

この「おまえは俺にとって、紫の上だった」っていうのも、要は女性の立場に立って、その女性の好きな世界で、最高の表現をすれば、女性は喜ぶ、という知恵ですよね。

例えば、「八重の桜」を楽しみにしている女性がいたら、「君は正真正銘、僕にとってはジャンヌ・ダルクだ」的に言えば喜ぶのと同じ構造ですからね。
これは、どうにでも、応用出来る、女性を喜ばす知恵ですねー。

まあ、でも、深キョン・・・いい女優さんですねー。当たり前ですけど、あの入水シーンで心が持っていかれました。

若い頃より、年齢を重ねてしっとりしてきてからの表現の方がしっくりきて、よかったですねー。
女性って、こう、年齢を重ねると、二極化するんですよね。ダサいオバサンになっちゃうひとと、しっとりとして、大人の色気の出せる美しい女性との2極に。
深キョンはまだまだ、若いですけど、そういう大人の色気表現が出来ていて・・・ちょっとやられた感じですねー。あの入水シーンは名シーン入りだな。
あの目の演技が、素晴らしかったですねー。女性にしろ、男性にしろ、目が一番大事ですから・・・深キョンに持っていかれましたー。

まあ・・・そして、最後のシーンですが、僕は絶対に頼朝と清盛の会話があると考えていました。
これまで、間接的に会話があったので、それは、最終シーンへの伏線だろうなーと思っていました。
だいたい、僕が書くとすれば、絶対に最後のシーンは、清盛と頼朝をなんかの形で、会話させ、
「こいつやりよるわ」
的に清盛が苦笑して、エンド・・・そんな風に思っていたので、それに近い形で再現されて、正直嬉しかったです。

やっぱり、本当の武士の形の見せっこ合戦だったわけですから、源氏と平家は。

平家も源氏も、自分が大事にする哲学の元、双方都を作っているんですよね。
清盛は、貿易による潤沢な資金をバックに、宋銭を資本流通の手段にし、
公家の文化すら凌駕する文化人こそ、新しい武士の形だと考えて、貿易港神戸に都を開いた。
頼朝は、コメを資本の中心に考え、土地を褒美にして、貧乏武士達を自分の元に団結させ、その仕組みを国中に広めようとした。
やっている事は時期こそ違えど、同じ「本当の武家」の姿の作り合いだったんです。

それが最後の最後のシーンに結実する。そして、出演者テロップもすべて出た後、最後の言葉が、「清盛がいなければ、武士の世の中はなかった」これです。

第一回の初頭、「平清盛」は、この結論のセリフから、はじまったんですからね。だから、最後の「清盛がいなければ、武士の世の中はなかった」は、
「ね、そうだったでしょ、皆さん」
の意味なんですね。全部見たからこそ、つながったんですね。それが全部見た人間へのご褒美なんですよ。大河ドラマからの・・・。

まあ、ひとつ言っておくと、あの第一回の頼朝は、今日の頼朝より、だいぶ老けていた・・・髪の毛や髭に白いモノがだいぶあったような・・・そんな風に覚えています。
どうなんです、そこらへん・・・NHKさん・・・(笑)。

まあ、今回の感想は、そんなくらいですか・・・とりあえず、泣きました。以上かな(笑)。

●んじゃ、この「平清盛」に、今やる価値はどこぞにあったん!
僕は、このドラマというのは、
「未来がわからないからこそ、いや、今がどん底だからこそ、チャンスなんじゃね?全力で戦えば、どんな高みにだって、行けるんだぜ!」
というメッセージを僕らに与え続けた大河ドラマとして、捉えてきました。

第一回なんて悲惨だったじゃないですか。王家の犬として、血みどろの生活を強いられ・・・若い中井貴一さんが、落ち込んだりしてたじゃないですか。
そして、清盛も、平家の人間じゃない貰い子なのに、御曹司になっちゃう。もう、これでもかっていうくらいネガティブ。忠正おじさんには、
ことあるごとに否定される生活・・・でも、若い頃ネガティブなのは、誰でも一緒なんだよね。

大人になれば、わかるけれど、そういうネガティブに負けずに勝っていった人間にこそ、しあわせが来る。

まあ、僕的には、大人になりきれてない、未だに十代の価値観「勉強が出来ればいい。真面目にやっていれば、いい」くらいの価値観から成長出来ていない、
年齢だけ重ねた男性が、多いなあ、と思ってるけどね。
大人の男性の価値観とは、「大人のエレガントな女性が自然と笑み崩れるような大人セクシーを体現した大人の男になること。子供が強く守られるから
安心して、笑顔になる、そんな強い大人の男になること」ですからね。それサボってる年だけ重ねた男がいかに多いか・・・ま、そういうひとは、ダサいおじさんに、
なるだけだけどね。

清盛は、ネガティブにそんなたくさんのネガティブに正面から挑んでいったじゃない。

オヤジの忠盛さんが死んで家中が割れそうになっても、なんとか、まとめあげたじゃない。ネガティブがありながら、必死にやって、それに打ち勝ってきたじゃない。
そのエピソードひとつひとつを見ることは、「大人の男になるには、ネガティブに正面からぶつかってもがくしかないんだよ」って必死に教えてくれてたじゃない。
大河ドラマ「平清盛」が。

さらに、平清盛のような英傑になるには、叡智を作っていけばいいってことも、教えてくれたじゃない。
他人と同じでは、価値はない。他人と違う自分なりの叡智を作り行動すれば、自ずから、頭角を現す、ということを全力で表現してくれてたじゃない。

若い頃、叡山の神輿を射たエピソードを全力でやってたでしょ。
鳥羽上皇をも、射たじゃない。
つまり、それが清盛そのものだったから。

当時、人々はバチのあたるのが怖くて神輿から逃げまわっていたんでしょ。
でも、清盛は、合理的に考えて、神輿を射た。
「仏よ、殺せるなら、仏罰を与えられるなら、与えてみろ。絶対にこの世にそんなものは、存在しない」
と、清盛が確信していたから、神輿を射ることが出来たんでしょ。
ま、後年、厳島神社を造営するのは、皮肉でもあるけれど・・・。

源氏の根拠地、鎌倉に鶴ヶ岡八幡宮があるのと同じで、平家を守る社が厳島神社ということだったんだけどね。

いずれにしろ、叡智をたくさん作っていったからこそ、清盛はあそこまで行ったんですね。

だから、僕らも人と同じになんかならず、自分なりの叡智を毎日作って、自分の人生に投下していけば、いつか、頭角を現し、トップをとれる・・・それを全力で
表現してくれたのが、この「平清盛」です。

まあ、ラストのシーンで思い至ったけど、清盛以後、宋との貿易をするのは、足利義満まで、待たないといけないのね。
あの天皇になろうとした将軍、南北朝を解消した怪人政治家、足利義満・・・この人も叡智を持ったひとなんですね。おもしろいことに。
だから、日宋貿易に目をつける。感覚が清盛や信長と一緒なんですよ。
まあ、義満というひとは、臣源道義なんて中国の家来になることで、日宋貿易を推し進めたので、学者からは甚だ評価が悪いけど、
彼にしてみれば、
「だって、俺日本で一番偉いんだもん。別に宋の部下になろうが、現実的に何の問題もないからいーの。清盛みたいに、金が欲しいの」
という意識でしょう。だから、天下人じゃないとわからない意識もあるわけで、むしろ、貿易が金になることに気がついているのは、
清盛、義満、信長、秀吉まで、なんだよね。
あとは、幕末の薩摩藩と長州藩・・・こちらもまた、天下を取っちゃう。

やはり巨額な資金をバックにしないと天下というのは、とれないもんなんですよ。

だから、僕は、この「平清盛」という作品を通して、平家型武家になろうと思いましたね。清盛、義満、信長、秀吉の系譜ですよ。

あのねー。この作品を見て、気づいたのは、
「日本人の型は、平家型武士、源氏型武士、公家、その他」になるかな、ってことです。
平家型武士は、巨額な資金をバックに、叡智で持って、やりたいことをやっていく人間です。美しいことにも理解があり、いわゆる起業型の社長みたいなもん。
おしゃれだし、スマートだし、なにより、知恵をたくさん持っているから、女性にやさしいし、愛される。イケメン社長みたいなもん。

源氏型武士は、まあ、ありていに言えば、サラリーマンのダサいおっさん。どこにでもいて、金は潤沢でなく、おしゃれはわからず、女性の気持ちすら、わからない。
文化のかけらすらなく、デブサイクでダサい安物スーツを来て、汗かきで、口が臭くて、加齢臭のするオヤジみたいなもん。

公家は、すべて先例主義・・・お役所仕事をやっているひとかな。

普通に働いているひとって、このどれかじゃね?
僕は平家型武士を思い切り目指していますけどね。そういう知恵を作れました。

まあ、確かに「平家物語」は、「盛者必衰の理をあらわす」と言ってるけれど、これ、要は嫉妬だからね。
嫉妬は「負のエネルギー」だから、あまり持ちすぎると、身を滅ぼすよ。
ハッピーエナジーを出して行かなければ、しあわせになれません。

まあ、それはいいとして、男として、生きるヒントをたーくさん貰ったのが、この「平清盛」でした。
「武士は勝ち続けなければならない」と清盛は言いましたが、あれ、誤解されやすいと思います。
というのも、清盛は、ネガティブをポジティブにしてきた、そういう経験があるから、そこから知恵を作り、平家を強くしてきたんだよね。
で、強くなったからこそ、「勝ち続けることの出来る武士」になれたわけ。

だから、そのプロセスこそが、大事であって、結果、「勝ち続けることの出来る武士」になろうね、と、このドラマは訴えているわけ。

これが、
「大河ドラマ「平清盛」でも「勝ち続けることの出来る武士」こそ「本物の武士」と言っていた。だから、成功体験だけを積み上げ素敵なビジネスマンになれ!」
なんて言ったら、おじゃんだからね。失敗体験を一杯したからこそ、成功への知恵をたくさん作ることが出来て、だからこそ、
「勝ち続けることの出来る武士」になれたの。真逆だから、それ。
まあ、こういうことを言いそうなのが、源氏型武士だよね。だせー。そういう適当オヤジ。

大河ドラマ「平清盛」の脚本家的には、
「子供はつらい時も楽しい時も全力で遊ぶ。だから、子供が遊ぶように、すべての時間全力で生きたのが、平清盛だ」
というメッセージでした。でも、僕はそう捉えていなくて、
「ネガティブばっかりだったから、そこから脱出しようともがきまくって、知恵をたくさん作って、その知恵でもって、ネガティブをポジティブに変えてきた」
「失敗を積み重ねたから、成功の為の知恵をたくさん作り出せたからこそ、「勝ち続けることの出来る武士」に進化出来たのだ」
「他人と同じではいけない。自分なりの知恵を作り出し、輝け!それが大河ドラマ「平清盛」に教えてもらったことだ」
と考えていますね。今の自分は。

本当に毎回たくさんの知恵をくれた、最高の大河ドラマでした。

男の生きる知恵・・・それは尊いモノです。それをくれるんですから・・・すっげー大事な時間を過ごさせてもらいましたね。

最高の大河ドラマだったと思います。

●じゃあ、ゆるちょ的、鈴木タケル的すごかったで賞は、誰?
えー、もちろん、すごかったのは、年齢によって、演じ方をちゃんと変えて説得力があがったおかげで、後年の清盛を見るのがつらかった、
松山ケンイチさんでしょう。すごいの一言につきます、このひとは。

気持ちが安定して見れたで賞は、これは、鱸丸こと、盛国さんですね。まあ、このひとは、毎回安定した感じを見せてくれるんですが、
今回は特に荒れた後半でも、このひとが画面にいる限り、安心してみれるという、非常に気持ち的にありがたかった人でしたねー。
鱸丸の頃は、売れないヘビメタ野郎なロン毛で・・・あの姿が懐かしい。

やっぱり武門よ。男は力よ的に魅力的だったで賞は、もちろん、伊藤忠清さんですね。後年、清盛を諌めることまでしましたが、
やはり、平治の乱の指揮ぶりは、かっちょよかったですねー。やっぱり見るものを唸らせる容貌は、これは素晴らしかったです。はい。

存在が辛かったで賞は、もちろん、清盛長男重盛さんでしょうね。もう、最後の方は涙なくして、見られませんでしたから。
だいたい大河ドラマには「早く死なせてやれよ」と感じさせるキャストが出てくるんですけど「龍馬伝」の武市さんとか、以蔵とかね。
この大河ドラマでは、重盛くんでした。だから、今日笑顔で出てきて、泣かされちゃったんですね。

迫力演技すごかったで賞は、今日の働きで、弁慶さんですかね。あのめぢから半端なかったですから。魅了されましたね。新しい弁慶大往生シーンに。

女優陣は、皆さんよかったですねー。今日の深キョンを始めとして・・・池禅尼さんは、登場した時、旺志郎の清盛をはたいちゃって・・・。
息を飲みましたね。あのあたり・・・でも、皆すごかったなー。最初の頃の王朝ラブもよかったですねー。鳥羽上皇を中心に華やかな王朝ラブが花咲いて。
あのあたりもよかったですねー。女優さんは、皆、素晴らしかったです。

ある種の怪物だったで賞は、これは、藤原頼長さんですねー。男色をこなし、日本一の大学生と言われ、鳥好きな頼長さん。悲惨な最後でしたが、
清盛の正面の敵として、確固たるキャラを気づいた頼長さんは前半戦の出色の敵役でした。

最後まで超ライバルやっぱり、このひともすごかったで賞は、それは後白河さんでしょうね。
こういう迫力のある役をイケメンがやると、さらに迫力が増すということが、この後白河さんで再確認できましたから。
上京してきた頼朝に双六用意しているところが、クスリと笑わされましたが・・・こういう所がいいんだよね。この脚本家さん。

一番好きだったキャラで賞は、これは文句なく、変な大阪弁の兎丸ですね。海賊のまんまずーっと突っ張ってきた兎丸のキャラがほんとに好きで。
なんか最近、ああいう突っ張った感じのキャラを見なくなっちゃったんですねよ。僕は好きなんですけどねー。だから、死んじゃった時は、ちょっと悲しかったくらい。
しかも、禿軍団にやられちゃうんだもんねー。あれが、平家の転機になったのは、確かでしたけどね。好きでした。兎丸。


まあ、いいたいことは、たくさんあって、いまいちまとめきれてないかもしれませんが・・・とにかくは、キャストさんに、ほんとに、いい演技を見せてもらいましたねー。

ほんと、お疲れ様でしたー。って、感じですね。

●最後に!!!!
えー。僕は長い間「義朝、頼朝2代物語」を大河ドラマで見たいと熱望していたので、この「平清盛」は、まさにどんぴしゃだったわけです。
だいたい「義朝」の記録って、そんなにないみたいだったし、清盛側から描けば、オリジナルでも楽しく描けそうだったし・・・おかげで義朝物語としても楽しめました。
歴史的にも転換期だった、この時期・・・歴史の中にいると、転換期なんて、全然わからないもんなんですよね。

でも、
「清盛がいたからこそ、武士の世はきた」
というのは、本当ですね。そして、それは、清盛が最初ひどいネガティブにいたからだ。
ネガティブにいたから、脱出しようとして、たくさんの失敗を繰り返しながら、ポジティブにするやり方を覚えていった。そこで知恵がたくさん生まれたからこそ、
その知恵が武士の世に導いた・・・それを映像で見れたのは、僕の人生にとっても、かなりいい影響を与えてくれました。

震災後のこの時代。
人々は天から与えられたネガティブに苦しんでいる。

こういう時代だからこそ、ネガティブを突破し、ポジティブに変えていける知恵をたくさん創りだした清盛の物語が必要だったんです。
視聴率が低かったそうですから、まだまだ、この清盛物語の意味を理解出来ないひとも、たくさんいるんでしょう。
でも、そういう中で、この「平清盛」を心から楽しみ、人生の糧に出来たひとは、ネガティブからポジティブへの脱出の仕方のヒントをたくさん貰えた人なんですね。

ありがたいことです。

そういう知恵をドラマに再構築して、映像化してくれた、全スタッフの方達にありがとうを言いたいです。

ありがとう、スタッフの方たち。僕は毎週興奮し、楽しみました。
そして、このドラマを、人生への糧にしました。最高でした。

また、新たな男性向け全力大河ドラマ、期待してます。
次は、黒田官兵衛物語かな。三英傑も登場だし、これは、期待ですね。

大河ドラマは、日本の宝です。

以上

ラブ・クリスマス!(10)「ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!」

2012年12月29日 | アホな自分
クリスマス・イブ5日前の月曜日の朝、午前6時。ガオは、いつものように、鎌倉の街にジョギングに出ていた。

ガオは昨日、寝る前にリサに電話をかけていた。

しかし、電話は留守電で、リサは出なかった。

ガオは、月曜日の夜に電話する旨をメッセージに残しただけだった。

「とにかく今は、アミさんのアドバイス通り、リサさんとの恋に突き進んでみよう。すべては、それからだ」

そう腹をくくったガオは、物事が整理されたように感じていた。

「とにかく、突き進むことが大事だ。リサさんとの恋を楽しんでみよう・・・もちろん、旦那がいることは、忘れないが・・・」

と、ガオは考えている。

「リサさんの旦那さんって、どんな奴なんだろう・・・って、考える必要ないか。むしろ、俺は何も知らない方がいい・・・」

と、ガオは考えていた。

「でも・・・リサさんのことを考えるだけで、今も、胸がドキドキする・・・アミさんの言うように、僕らは、「いい組み合わせ」のカップルなんだろう」

と、ガオは考えている。瞬間、アミの少女のような表情を思い出す。


「この恋は、最早、わたしの知ってる「大人の恋」じゃない・・・「本当の恋」そのものだわ・・・あなたは、その魔性に耐えられるかしら・・・」


アミの言葉を思い出す。

「魔性・・・か・・・」

と、ガオは一瞬気持ちが凍りつく。

「アミさんでさえ、知らない魔性の恋・・・リサさんって、どんな女性なんだ?」

と、ガオはさらに興味深くなっていた。

「アミさんを超える女性・・・だったら、最早、身体ごとぶつかっていく以外手はない。ま、柔道で鍛えてきた動物的勘が、俺を支えてくれるだろう」

ガオは少しだけニヤリとすると、朝の鎌倉を気持ちよく走り抜けていった。


クリスマス・イブ5日前の月曜日の朝、午前8時。イズミは徹夜明けで華厳寮203号室に帰ってきていた。

「さて、寝る前に・・・美緒に電話でも、するか・・・」

と、イズミは、自分の電話機から、美緒のアパートに電話する。

「はい、もしもし」

と、美緒の明るい声が聞こえてくる。

「あ、おはよう・・・イズミです。美緒、起きてた?」

と、イズミが言うと、

「あ、イズミさん・・・おはようございます。起きてましたよ。わたし、朝早いの好きなんです」

と、美緒はうれしそうに話す。

「昨日はごめんね。途中で会社に戻るはめになって・・・」

と、イズミが言うと、

「ううん・・・だって、お仕事ですもの、仕方ないですよ・・・それより、もしかして、今帰宅したんですか?」

と、美緒

「ああ・・・これから、寝て、午後2時くらいに出社予定。サラリーマンは辛いよ」

と、苦笑するイズミ。

「大変ですね。でも、身体に気をつけて、ゆっくり眠ってください、イズミさん」

と、美緒。

「ああ、寝る前に、美緒の声が聞きたくてね。元気な声を聞かせてくれて、ありがとう」

と、イズミ。

「わたしも、イズミさんの声を朝から聞けて、ラッキーな気分で一杯です。じゃあ、お休みなさい・・・」

と、美緒。

「お休み。大好きだよ、美緒」

と、イズミ。

「わたしも・・・好きです。イズミさん。おやすみなさい・・・」

と、少し恥ずかしそうに、美緒。

「おやすみ」

と、イズミが言って電話は切れる。


「ふー」

と、少しため息のイズミ。

「しかし、美緒って、なんか、若いというか、幼いというか・・・まあ、でも、恋はいいな・・・」

と、イズミは言いながら、すぐに布団に入って寝てしまった。


クリスマス・イブ5日前の月曜日の朝、午前8時頃。

こちらも朝帰宅のリョウコだった。

「はあ・・・今日も激闘だったわ・・・」

と、リョウコは、自分の仕事部屋にバックを置くと、そのまま、風呂に直行する。

すぐにリョウコは裸になると、シャワーを浴びる。

鍛えあげられたリョウコの身体は美しい。色白の肌がシャワーに洗われて、ピンク色に美しく光る。

「ああ・・・シャワー大好き・・・一日の疲れが消えて行くようだわ・・・」

と、気持ちのいい表情のリョウコ。

「今日はうちのエース、リサさんは、チーム涼に同行・・・突然の作戦変更だったけど、何かあったのかしら・・・」

と、リョウコはリサのことを考えている。

「リサさんに会ってから、まだ、1年足らず・・・過去の記録は抹消済み・・・性格的には掴んでいるつもりだけど・・・そもそも、どんな役割でチームにいるのかも・・・」

と、リョウコは、リサに関して何か引っかかるものを感じていた。

「他の職員とは明らかに違う匂い・・・なんだろう」

と、リョウコは気持ちよくシャワーを浴びながら、リサの世界に入りこんでいく。

「リサさんを見ると・・・どこか遠くで感じた、何かを思い出している・・・何を、思い出しているのかしら・・・わたし」

と、リョウコは、シャワーを止めると、身体を拭き、バスローブを羽織りながらダイニングに移動する。

スムージーなジャズを低音量でかけながら、ダイニングを幾分暗くする。

冷蔵庫から冷えたスパークリングワインを出してくる。スペイン産のカヴァだ。「リクオロス」。マドリードに旅行した時に気に入った現地のワインだった。

「リサさん、格闘技はマーシャル・アーツ系だって言ってたけど・・・」

リョウコは、冷蔵庫からウォッシュタイプのチーズ「エポワス」を出してきて、香りを楽しみながら、口に含む。とろりと溶ける味わいは相変わらず口の中に官能をもたらす。

「国際機関からの鞍替えかしら・・・それとも、私たちの組織を見張る役?・・・まさか、敵側からのスパイじゃ・・・」

と、リョウコの発想は止めどない。

「いずれにしても、過去6ヶ月間・・・通常の職員の動き方ではないのは、確かね・・・」

と、細めのワイングラスに、「リクオロス」を注ぎ、気持ちよく飲み干す。身体中に官能が広がる。

スペインで彼女を抱いた、スペイン人の彼を思い出す。カルロス・ゾネ・・・日に焼けていつも精悍な身体をしていた・・・。

「太くて、長くて、ヴァギナが痛いくらいだった・・・でも、いつも気持ちよくしてくれたっけ・・・」

と、リョウコは、若き日々を思い出していた。


彼はいつも日なたの香りがしていた。

彼の素朴な笑顔を見るのが好きだった。人懐っこくて、笑顔の素敵な男だった。


「その彼を一発の銃弾が・・・その銃弾が私から彼を奪っていった・・・そのことが、ひとつのきっかけになって・・・わたしは公安に入った・・・」


二人のしあわせな時間を奪っていった敵が憎かった。

二人でいられた時間は、決して長くはなかったけれど・・・でも、恋は時間の長さじゃない、愛の深さだ。しあわせの深さだ。


「リョウコ、大丈夫だ。俺は死なないから」

最後の日に、素朴な笑顔で、わたしに言ってくれた、ゾネの最後の言葉・・・そうだ。あの時に感じた、漠然とした不安・・・虫のしらせに似た不安を、

「リサさんに感じてるんだ。わたし・・・」

リョウコは、自らが出した結論に怯えた。

「なにか、いやなことが、近々、あるかもしれない・・・見たくもない・・・何かが・・・」

リョウコは、リクオロスをグラス一杯に注ぐと、一気に飲み干した。

「こういう日は、早く寝てしまうのが、一番だわ・・・」

リョウコは、少し怯えていた。


クリスマス・イブ5日前の月曜日の夕方、午後5時半頃。東堂エイイチは、自宅マンションにたどり着いていた。

疲れた身体で、ダイニングに腰を降ろすと、なんとも言えない寂寥感がエイイチを襲った。

「いやな季節だ・・・」

エイイチはカーテンを全部閉め、暗めの照明にすると、音楽をかける・・・「Sleepless in Seattle(めぐり逢えたら)」のサウンドトラック。

ナット・キング・コールの「スターダスト」が悲しく響く。

「あの頃・・・この映画にアイリくんを誘いたくて・・・誘って断られて、大学の別の女の子を誘って見たっけ・・・少しの間だけつきあったけど、結局別れた」

と、エイイチは思い出す。

「アイリくんは、すべてにおいて、パーフェクトだった。俺にとって・・・でも、僕は・・・彼女にお似合いじゃなかったってことだ・・・確かに奴の方が似合ってる」

と、エイイチは思う。鈴木タケルのニヤリとした表情が思い浮かぶ。

「はー、こういう時は、スコッチでも飲むか・・・」

と、エイイチはシーバス・リーガルの12年ものを出してくる。肴はピスタチオとベルギーチョコレートだ。

「おっと、チェイサーも必要だな」

と、エイイチは軟水のペットボトルから、グラスに水を移す。

「将来、成功した、未来の俺に乾杯!」

と、エイイチはつぶやくと、静かにシーバス・リーガルを喉に放り込む。

熱い液体が喉の粘膜にひりつくように通過していく。

エイイチはベルギーチョコレートを一欠片、口に入れる。陶然とした甘さが口に広がる・・・悪くない。

「アイリくんに初めて出会ったのは、小学3年生の頃だった・・・彼女は一年生で・・・あの衝撃は今でも覚えている。まるで欧州の伝説にある聖少女だった」

と、エイイチは思い出す。

「素直で聡明で、それでいて、美しかった。彼女が笑顔になると、皆息を飲んだ・・・」

と、エイイチは思い出す。

「誰もが彼女に恋をした・・・それくらい彼女は美しくて、聡明だった。決して掛け替えの無いモノ・・・僕は最初、そんな彼女の前に出るのさえ、嫌だった」

と、エイイチは思い出す。

「僕のこころが醜かったからだ・・・彼女の前に出ちゃいけない・・・彼女の前に出られる程、美しいこころを持っていない・・・それはわかっていたんだ・・・」

と、エイイチは思い出す。

「それがある時・・・小学5年生の時だ。そんな僕に恋してくれた子が出来た。三沢百合さん・・・彼女も美しかった。彼女のこころも・・・」

と、エイイチは思い出す。

「彼女は同い年だったけれど・・・すべてを僕に捧げてくれた・・・その頃調べた知識で・・・彼女を気持ちよくさせたくて・・・男と女のすることを、初めて試した」

と、エイイチは思い出す。

「彼女は最初は痛がっていたけれど、僕のために、我慢してくれた・・・そのうち、よくなってきて・・・僕らは両親が共働きの彼女の家でよく楽しんだ・・・」

と、エイイチは思い出す。

「彼女は僕に勇気をくれた。愛をくれた。優しさをくれた・・・僕は彼女の為なら、もう何もいらないと思った・・・けれど・・・」

と、エイイチの思考は、そこで、立ち止まる。

グラスにあるシーバス・リーガルを飲み干し、改めてグラスに注ぐ。

「彼女が次の年の夏に、海の事故で死ななかったら、あるいは、僕の人生は、変わっていたかもしれない・・・」

と、エイイチは思い出す。

「僕はあれから、変わってしまったのかもしれないなあ・・・それから、僕は、アイリくんを神聖視しすぎた・・・」

と、エイイチは思い出している。

「僕は勉強では次々と成功したけれど・・・人間として、いや、男として、成長出来ていなかった・・・」

と、エイイチは結論にたどり着いている。

「家族にも迷惑をかけたけど・・・一番精神的に迷惑をかけたのは、アイリくんだろうな・・・悪いことをした・・・それでも彼女は笑顔で・・・何も言わないでいてくれた・・・」

と、エイイチはそこにたどり着いた。

「これから、僕が何をするかだ・・・それで、償おう。それしか、ないんだ」

と、エイイチはポツリとつぶやいた。

「それしか・・・」


独身男の静かな時間・・・寂しさの時間が、そこには、流れていた。


クリスマス・イブ5日前の月曜日の夜、午後7時頃。東堂賢一は、妻の愛美とおでん鍋を囲みながら、晩酌をしていた。

日本酒の熱燗を愛美にお猪口に注いでもらいながら、うれしそうにする賢一だった。

「やっぱ、この季節はおでんだな・・・この大根のだしをたくさん吸った味・・・最高だなあ」

と、日本酒に顔を赤くした賢一は愛美のおしゃくに、少しデレデレする。

「愛美の手は暖かいなあ・・・適度にやわらかくて、春の日の日なたのような匂いがする・・・」

と、賢一は、愛美の右手に頬をこすりつけている。

その賢一の様子をやわらかい表情で見つめている愛美。

二人は、しあわせの絶頂にいた。


と、そこへ賢一の携帯が鳴る。

ギョッとする賢一。少し顔が白くなる愛美。

「はい。もしもし・・・ああ、塩川不動産の塩川社長・・・こんな時間にどうしました?」

と、やわらかい笑顔になる賢一。愛美の表情も和らいだ。

「相談がある・・・ああ、明日の午前中なら・・・11時から空いてます。はい。お時間は、内容にもよりますけど、はい」

と、賢一は弁護士の顔に戻って、誠実に電話で対応する。

「はい。それでは明日の11時に、事務所の方でお待ちしています。はい。よろしくお願いします」

と、言って電話を切った賢一は、うれしそうに、

「いやー、仕事の話だ。こんな時間にかけてくるとは、よっぽど切羽詰まってるのかなあ・・・」

などと言葉とは裏腹に嬉しそうな賢一。

「あなた、ホッとしているんでしょう・・・」

と、さらりと言葉にする愛美。

「いや、わたしも仕事が忙しいから・・・」

と、笑顔で卵を頬張る賢一。

愛美は、そんな無邪気な賢一を嬉しそうに眺めていた。

「愛美・・・その・・・なんだ・・・」

と、賢一は無邪気な顔をしながら、愛美を見ている。

「今日は早く寝よう・・・いいだろう、たまには・・・」

と、賢一が言うと、

「そうね・・・たまには、いいかもね」

と、言って笑顔になる愛美だった。

と、そこにまた、賢一の携帯に電話。

驚く賢一が、携帯に出ると・・・。

「だから、昨日も言ったじゃないか・・・レナちゃん・・・いや、俺が好きとか言われても、えー、俺そんなこと言ったっけ?」

などと、やっている賢一に向かって、愛美は構わず、

「あなた、わたしは、今日から別の部屋で寝ます。お休みなさい」

と、行って出ていく愛美だった。

「あ、愛美・・・ちょっと・・・」

と、賢一が慌てても、あとの祭りだった。


つづく

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12月29日 涙ながらに歌う朋ちゃんを見て、思ったこと!(仕事してるだけじゃ、ダメ!)

2012年12月29日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

12月も29日ということで、今日あたりからお休み、という方々も多いんじゃないですかね。

今日あたり、家族総出で大掃除とか・・・まあ、僕の家はもう終わらしてしまったので、

今日もあいも変わらず、セコセコ、一日仕事をしていようと思いますね。

まあ、いわゆる年末年始ですけど・・・僕的には今のところは、あまり、普段と変わらず・・・静かに過ぎていきそうです。年末年始が。


だいたい大晦日もいつも通り、7時前には寝ちゃいますから・・・まあ、紅白歌合戦は、録画して、1月1日の超朝で、

仕事をしながら、流しておくつもりで・・・そんな感じです。

まあ、僕は依存関係にあるものをほとんど、関係解消をしましたから、とにかく毎日の仕事が第一な生き方になっているわけですねー。


もちろん、今は家庭が父親の病気療養が第一になっているから、そういう感じになっているだけで、

僕がかみさんを貰って子供が出来たら、完全に季節感重視第一主義にしますから、

正月はちゃんと行事を目一杯こなすし、大晦日もかみさんと子供達と紅白歌合戦を存分に楽しむつもりですけど・・・あまり甘い夢は見ていない・・・そういうことです。


だって、僕の人生で一番大事なのは、

「しあわせの為の知恵を作り、深めていく」

という行為に集約されているので、それをセコセコやり続けることが、僕のライフワークですから。


それが、僕の人生の中で、最も重要なことだと決定しているので、それ以外は、優先順位が低い・・・それだけのことです。


まあ、人生がシンプルになりました。

だから、生きてて、楽ですね。ほんと、毎日、楽ですねー。


そんな感じで、今日も始めていきましょう。


さて、今日もしあわせになる為の知恵を作っていきたいんですが、

えー、少し前の話になりますが、あの華原朋美さんが、ライブに復活して涙を流している様子が各局で流れていましたねー。

まあ、7年ぶりのライブだそうですから・・・厳しい時代を過ごしてきたんですね。

華原朋美さんも38歳になっていて、その歌唱力の素晴らしさにも驚いたんですが、

彼女自身が発生させている、「人間力」オーラが半端無かったですね。

まあ、僕的には、

「復帰までの苦労が、朋ちゃんを輝かせているんだろうなあ」

とは、推測していたんですけど、ちょっと前に、「FNS歌謡祭」での復活までのプチ・ドキュメンタリーをやっていたので、

それを見たら、かなり壮絶でしたねー。


まあ、薬物中毒を直す為に、隔離施設のある病院に強制入院させられ・・・トイレと水の飲める施設しかない独房のような病室・・・。

むき出しの洋式トイレが壮絶さを物語っていましたが、そういうネガティブな状況から復活してきたから、「人間力」がついたんでしょうね。


そういう風景を見ると、僕自身も、底辺に押し付けられ泥水をすすりながら、暗中模索してきた過去があるから、

そういう絶望感が手に取るようにわかるんですね。


だから、それが、どれだけ辛いことで、どれだけ絶望感に打ちひしがれて、朝起きた瞬間に吐き気だけの生活・・・もう二度と戻りたくない、

地獄のような日々を僕自身も経験してきましたから、その悲壮感は、痛いほどにわかりますねー。


もちろん、そのすべてのネガティブをポジティブに変えてこれたからこそ、大きなパワーを今手にしてるわけです。

朋ちゃんも、僕も。


やっぱり、そういうネガティブをポジティブに変えてきた過去を持つ人間って、強いし、大人の美しさを身につけるんですよね。

人間力というパワーと共に。


なんていうのかな。朋ちゃん自身、全然違う人間になってるし、なにより、普通でいられることに、毎日感謝の気持ちがある。

前回、

「人間奢ったらダメですね」

という記事を書きましたが、あれとは正反対のあり方になるんですね。

「普通でいられることの喜び、そして有難味、感謝の気持ち」

これを、普通に毎日感じられる。

だからこそ、毎日を大切にするし、仲間を大切にするし、自分を慕ってくれる相手に対して、精一杯サービスに務められる。

僕自身、やはり、悲惨な過去を経験しているし、死病にかかり、死の一歩手前まで、いきましたから、

今は毎日生きていられることにすら、感謝の気持ちで一杯だし、

悲惨な経験があるからこそ、

「しあわせとはなんだろう?やっちゃいけないこととは、なんだろう?しあわせになる為の知恵って、どんなだろう?」

という意識が強くて・・・だから、毎日それを追求しているんですね。


それはやはり、毎朝吐き気を感じて生きていたあの時代に戻りたくないから・・・今この時間を大事にしたいから・・・そういう思いがエネルギーを生んでるんですね。

膨大な、それこそ、膨大な人間力を生んでくれるんです。


これは、人生から逃げて逃げて逃げまくってきた人間には、絶対にわからない感情です。


「仕事さえがんばっていれば、それでいいんだ」

と浅く考え、人間的成長を遂げられなかった人間には、絶対にわからない感情です。


だからこそ、朋ちゃんは、大きく成長したんだと思いますねー。


僕は何も不幸になれ、と言ってるわけじゃなくて、

「大人に成長する為には、ぶつかって行かなければいけない、大きな壁を乗り越える必要がある」

ということを主張しているんです


大人へと成長していくには、階段を一段一段登っていかなければいけない。


絶対にその途上に乗り越えなければいけない、大きな壁が立ちはだかりますよね?

例えば、それがかみさんを迎えるイベントになるかもしれない・・・そこで、本能婚でなく、打算で理性婚など選んでしまったら・・・簡単に結婚出来るかもしれないけれど、

大きな幸福感に浸ることは、絶対にない。


すぐにセックスレスがやってきて、「お互い離婚しないこと!」が合言葉になり、恋愛弱者スパイラルが始まり、

気づいた時には、ださいおっさんとださいおばさんの夫婦になっている。


つまり、美しい女性との結婚という人生の大目標から、逃げて、安易な打算で理性婚をしたから、結果として出ちゃうわけですよ。

ださいおじさんとださいおばさんの夫婦という形に。


すべて形に現れちゃうから、怖いんですねー。


先日、僕は若い頃つきあっていた女性からメールを貰い、

近況報告的に今の彼女の写真も送られてきました。


その彼女が美しいんですよ。けっこうな年のはずですが、朋ちゃんと同じように、人間力を兼ね備えた、大人の美しさをたたえていた。

もやに霞む湖のように、力強さを持ちながら、優美・・・そんな大人の美しさでしたね。

僕が付き合っていた頃評価していた、若いからこその美しさではない、さらに円熟した、大人の美しさを、彼女に見て、僕は正直嬉しかった。


まあ、彼女がこれまで、どういう風に生きてきたか、わかりませんし、今、どういう状況なのかも、わかりませんが、

戦友が美しいまま、いてくれるって、やっぱり嬉しいんですね。

お互い肌を許しあった仲だし、それはやはり、同じ時代を生きてきた戦友ですよね。


その戦友が今でも、いや、若い時以上に、大人の美しさをたたえている。

人生の結果が、彼女の大人の美しさに現れているから、僕も嬉しくなるんですね。


そうです。人生の結果が、外見に出ちゃう・・・それが僕らの年代だと思いますねー。


一方で、昨日問題にした、

「成功者による、鼻高々病」

で、安易な道を選び、ダメになっていく人たち・・・結局、ネガティブに向き合ったか、ネガティブから逃げたか、で、結果が違ってくるんですね。


だから、僕らの世代って、ほんとにその違った結果を見せつけられるんですよ。


ダサイおっさんや、おばさんになっているだけの人と、

魅力的な大人のかっちょいい男性と、魅力的な大人のエレガントな女性と、言う外見に・・・。


その鍵は、自分がネガティブに陥った時に、逃げたか、向き合ったかの違いだと、ようやく、朋ちゃんや、僕の昔の彼女の写真を見た時に、

理解したんですね。


僕は実家のある街に住んでいるので、十代の頃、好きだった、あるいは、恋してくれた女性に、唐突に街の中で、何十年ぶりで出会っちゃったりするんですね。

多くの場合は、僕がサイクリストの格好をしているお陰で、相手は僕のことをわからないんですけど、

僕はわかる・・・ださいおばさんになっちゃったなー・・・あの頃は、かわいい少女だったのに・・・なんてことが、時たまあるわけです。

だから、少女が、おばさんになっちゃう確率は高いのかな、なんて思ってたりしたんですね。


でも、朋ちゃんの様子や、美しいままでいてくれた・・・むしろ、大人の魅力すら兼ね備えた僕の昔の彼女の現在の写真を見た時に、

「生き方の違いなんだ。ネガティブに向き合えた人間こそが、ネガティブをポジティブに変えることが出来て、その体験が、人間的魅力に変わるんだ!」

と、理解出来たんですねー。


これって、やっぱり、大切な「大人の知恵」だと思いますね。

もちろん、しあわせになる為の知恵、そのものです。


ネガティブに向き合えた経験こそが「大人の魅力」に変わる。

ネガティブから逃げた人間は、結果、スポイルされる。


この大事な「大人の知恵」を理解しましたね。今回。


だから、大切なことは、どんなネガティブな状況に陥っても、自分を最後まで信じる、ということなんでしょうね。

僕自身も、どんなに悲惨な、かわいそうな、哀しい状況に陥っても、僕だけが僕を信用していた。

いや、三菱時代、僕の復活を信じていた、僕の仕事仲間たち・・・僕は何度も休職しましたが、その度に強くなって、スタイルがよくなって復活しました。

そんな僕を、あの時、僕の周りにいてくれた女性達が信じていてくれたからこそ、僕は何度も復活出来たと思っています。


そんなネガティブな状況から、僕は僕自身がやるべきことを見つけ、脱サラし・・・ライフワークを見つけることが出来て、今に至っています。


僕は絶対に逃げなかった。

とにかく毎日自分に向き合い・・・特に休職している時は、毎日自分に向き合い、どうすべきか、どこに向かうか、徹底的に自分の中で議論してきた。

その結果、自分の中に、ひとかけらの輝きを見つけ・・・その光を少しずつ大きくしていって、今、毎日輝くことが出来るようになったんです。

ここまで、来るのに、どれだけ、血を流してきたか。涙を流してきたか。

他人には、やさしいかみさんがいるのに、かわいい子供達がいるのに・・・なぜ俺だけが、こんな不幸のどん底にいるんだ・・・?

そんな気持ちになったことも、100万回以上あります。

でも、そこで、僕は自分を見失わなかった。

自分を信じて、自分を信じてくれる仲間たちの暖かい声援を信じて・・・やってこれたからこそ、今がある。


だから、僕は、毎日、感謝の日々なんです。

パワーがたくさん出せるんです。辛い毎日を、たった一人で、通り抜けてくることが出来たから。


女性たちに嫌われた過去があったから、女性を研究しぬき、女性を笑顔に出来るようになったんです。


ただ仕事だけやっていたら、それは、出来なかったでしょう。

だって、それは大人への成長を自ら止めていることになるから。

ただ仕事をやっていれば、ただ毎日生きていれば、しあわせになれるほど、世の中甘くありません。

ただ毎日仕事に流されていたら、周りを不幸にする、「逃げ込み者」になるだけですから。


やっぱり、生き方が、大人として、年齢を重ねた男女の外見に現れちゃうんです。リトマス試験紙のように、シビアに。


まあ、これは簡単なことで、自分を鏡に映してみればいいんです。

まあ、まず、自分が朝から笑顔か、どうか、調べれば、そんなのわかってしまう。


いや、毎日が自分にとって、しあわせかどうかを考えれば、すぐにわかることです。

人生はシビアです。だから、日々楽しく出来ているかどうかで、そのひとの人生の向き合い方がシビアにわかっちゃう。


毎日会社にいくのが、苦痛なひとは・・・そういう人生を歩んで来ちゃったってことですよ。

僕は毎日しあわせを感じています。ライフワークをセコセコやっていれば、しあわせですからねー。僕自身。


人間、なんでも、自分を磨く、磨き砂になるんです。

特にネガティブな状況は・・・女性も男性も数段美しくし、人間的魅力もプラスしてくれる。


そういう知恵、というか、見方が確立されると、さらに、人間をシビアに見ていけるようになる。

大人の価値とは、何か?

それは、「大人の知恵」をどれだけ身に着けてきたか・・・そこに尽きます。

そして、人生の中で、ネガティブにどれだけ、立ち向かえたか・・・逃げずに、立ち向かい、最終的にそれに勝ったか・・・それが人間的魅力を生み、大人の価値となる。


これが、唯一の、大人の価値になるんですねー。


これが、大人のものさしです。唯一の。

だから、僕は朋ちゃんのあり方にも、若い頃の彼女の現在のあり方にも、感動したんだな。


やっぱり、美しいまま・・・むしろ大人の魅力をプラスしたあり方で、いてくれるというのは、戦友としてありがたいことですよ。

美しいものが壊れていく姿は見たくない・・・昔、天地真理さんがおばさん化した映像を見て、若い僕は、相当ショックを受けましたからね。

ああいう安易なあり方は、僕的には許せない。

美しさで多くの少年のハートを掴んだのなら、最後まで、美しいままでいて欲しかった。


だから、僕は、男性の厄年という年齢は、最後の審判だ、としているんです。

外見に、その人の人生への向き合い方が、素直にディスプレイされてしまうから。


となれば、男性の厄年での自分の状態で、次の3ケースに識別されちゃいますね。大人としての価値が。


Aケース・・・人生への向き合い方が、安易なひとは、天地真理ちゃん状態になる。

まあ、ださいおっさんや、ださいおばさんになっちゃう人たちのカテゴリーですね。


Bケース・・・ネガティブに対して、

「成功者による、鼻高々病」

を発症した人々は、

「人生の失敗者」

になって・・・結果、不幸な道を辿る・・・周りも不快な気持ちにします。毎日・・・最悪ですね。これ。

こういう人たちは、美しくありませんね。変に痩せてたり、不健康に太ってたり、怖がりで、ちょっとしたことにも、神経質になっていたり。

要は、怖がり・・・だから、逃げ込んじゃうんですよね。まあ、基本ブスかブサイクですね。こういう人たちは。


唯一、価値があるのは、

「ネガティブに負けずに、正面から向き合い、それをポジティブに変えてきたひと」

ということになります。

こういう人たちは、人間的魅力がプラスされ、さらに美しい男性や、女性になる。


やはり、そういう美しい本物の大人の男性、大人の女性とつきあっていきたいですね。


まあ、こういう大人の見方が確立出来たので・・・さらに辛辣に、大人の男性や女性を見ていくことになりますねー。



かつて、その美しさを愛し、肌を交わした女性が、年齢を重ねてさらに人間的魅力をプラスし、大人のエレガントな美しい女性になっている。

やはり、嬉しいですよ。

そんな美しい大人の女性とまた、違った物語が始まろうとしている。


まあ、僕も大学時代は、謹厳実直・品行方正の「学級委員脳」のつまらない人間でしたが、

今じゃ、いろいろ駆使できるようになりましたからね。色っぽい話でさえも(笑)。


過去のエッチがありながら、時が経てば、また、新しい出会いになる。


そういう物語も、大人だからこそ、体験出来る、大人の楽しさなんじゃないですかね。

なんだろ、

「いくさが終わってみたら、久しぶりに出会った戦友が、価値ある女性になっていた」

そんな気分です。


だって、たくさんの戦友が討ち死にしましたから・・・。

人生を安易に考えたり、「成功者による、鼻高々病」を発症したりしてね。


だから、一緒に生きていける戦友とだけ、楽しく生きていきたい・・・今後の僕の生き方は、そういう生き方になりますね。

人生を安易に考えたり、「成功者による、鼻高々病」を発症したひとは、最早、僕の世界から消えたひとだから。


それが結論かな。


人生というのは、シビアです。

生き方が、外見として、ディスプレイされちゃいますからね。


そこからは、誰も逃げられない・・・シビアな現実なんです。はい。


しかし、なんだか、シビアな話ですねー。

まあ、でも、ちゃんとやってきた人間は報われるという話ですね。

というか、ちゃんとやってこなかったら、わかっちゃう、ということです。

天網恢恢疎にして漏らさず、ということかな。


さて、毎日毎日、自分が進化していきますねー。

やるべきことが、わかっているって、素敵なことです。

とにかく、日々、いろいろな経験をして、進化していく・・・それが外見に表れるから、女性も笑顔をくれる。

いいスパイラルにいるなあ、俺・・・って実感出来て、2012年は、ほんとに、僕にとっていい年になりました。


知恵は、僕を毎日、進化させてくれる。


それを理解した、2012年でしたねー。


さ、今日も仕事仕事。

セコセコ仕事を続けて、夜は、楽しく晩酌・・・静かに年末を楽しみますかね。

静かに年末を過ごすのも、また、楽しからずや!

今日も一日を楽しんでいきましょう。


ではでは。

ラブ・クリスマス!(9)「ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!」

2012年12月28日 | アホな自分
クリスマスイブ6日前の日曜日の午後6時頃、東堂賢一は、夫婦揃って牡蠣鍋を囲んでいた。

「いやあ、やっぱり、冬は牡蠣鍋だねー。牡蠣の美味しいこと・・・ハフハフ・・・美味い!」

と、日本酒をやりながら、の牡蠣鍋はやはり堪えられない。

「あなた・・・今日エイイチさんと電話で話したんだけど・・・」

と、愛美が話しだす。

「おお、なにかあったか?」

と、賢一は、普通に返す。

「エイイチさんが、お詫びを言ってきたの。キャバクラであなたの携帯の電話番号を教えるようなことをしてって・・・」

と、愛美は話している。

「おお、そのことか。なんて言ってた、エイイチは?」

と、素直に聞く賢一だった。

「少し酔っぱらい過ぎてたって、申し訳ないって言ってたわ・・・女の子にどうしても教えてほしいって言われて、つい教えちゃったんだって」

と、愛美は話している。

「あいつ、普段は謹厳実直な癖に、酒と女に弱いからな・・・まあ、俺もそれを知っていて、ああいうところに連れていったんだから、自業自得でもあるがな」

と、賢一は鷹揚に話している。

「でも、なんとなくだけど・・・」

と、愛美は何かを言いたげ。

「なんだ、お前が言い淀むなんて、珍しいな」

と、賢一。

「エイイチさん、アイリに失恋したのは、仕方ないとして・・・誰か、エイイチさんに良い相手、いないかしら。気のつくような女性・・・」

と、愛美は言う。

「季節的にも、クリスマス・シーズンだし・・・なんか、しょんぼりしてたわ、エイイチさん・・・」

と、なんとなく弱っている男性にやさしくしてしまう愛美だった。

「うむ、そうだな・・・元はといえば・・・俺の策につきあわせたのが、いけなかったんだからな。エイイチくんの気持ちを弄んだ形になってもいるからな、俺は」

と、タケルとエイイチの対決を組んだ張本人の賢一だった。

「そうよ・・・責任は、あなたが、とらないといけないんじゃないかしら?」

と、さらりと賢一を見る愛美だった。

「う、うん・・・まあ、こころあたりでも・・・」

と、賢一が言ったところへ、携帯が鳴る。

「ったく、また、こういう時間に・・・」

と、携帯へ出ると、賢一の顔が見る見る青くなる。

「だから、レナちゃん、困るんだよ、この電話にかけられると・・・この番号は、顧客に連絡してある番号だから、おいそれとは変えられないし・・・」

と、賢一は電話をしながら、目の前の愛美の表情が、どんどん白くなっていくことに気づいていた。

「ね、お願いだから、もう、ここに電話しないで、ね。お願いだから、ね」

と、電話を切った、賢一だが・・・白い顔をした愛美は、すぐに席を立ち、ダイニングから出ていった。

「まずいなー・・・いかんぞー・・・」

と、頭を抱える賢一だけが、ダイニングに残っていた。


同じ頃、イズミと美緒は、居酒屋「楽静」の個室で、差し向かいでお酒を飲んでいた。

美緒が、イズミのお猪口に日本酒を注いであげて、イズミがその日本酒を飲み干していた。


二人とも差し向かいで、お互い、やわらかい表情だった。


そのうち、美緒がせつなそうな表情をすると、イズミは立ち上がり、美緒を抱きしめ、お互いの目を見つめるようにしながら、目を閉じてキスをした。

長い長いキスだった。

キスが終わった時、美緒は、少し恥ずかしそうにしながらも、はにかむような、笑顔になった。

そして、今度は、美緒の方から、イズミの唇にキスをした。


と、そんな時に、イズミの胸ポケットに入っていた携帯電話が鳴り出した。

「う、会社からか・・・」

と、イズミは舌打ちしながら、携帯に出る。

「沢村です。はい・・・え、本当ですか、それ・・・わかりました。すぐ行きます。1時間以内に。はい・・・」

と言って、イズミは、携帯を切ると、

「美緒ちゃんごめん。会社に急遽戻らなくっちゃ・・・でも、僕はこの携帯に電話してくれれば、いつでも捕まるから、安心して」

と、イズミは、携帯電話の番号をさらさらと手帳に書き、それを破ると、美緒に渡した。


美緒は、そのイズミに抱きついて、

「強く強く抱きしめて・・・」

と言った。

イズミは、何も言わず、無言で、美緒を強く強く抱きしめた。


クリスマスイブ6日前の日曜日の夜、午後7時頃。その日一日、アミと横浜デートをしていたガオは、自宅アパートにたどり着いていた。

「ふー」

と、ガオはため息をついていた。

アミに言われたダメ出しに、けっこう傷ついていたガオだった。

「アミさんから見たら、俺って、まだまだなのかー」

と、時間が経つにつれて、アミから言われた様々な言葉が、リアルな駄目だしとなって、ガオの心を傷つけていた。

「アミさんって、本当の大人の女だったな・・・俺がドMだったなんて・・・今まで誰にも言われたこと無いのに・・・それをあの短い時間で見抜いてた・・・」

と、ガオは、アミのすごさを素直に認めていた。

「外見は、あんなに少女のような外見なのに、中身は、本当の大人のおんな・・・素敵なひとだ、アミさんって・・・」

と、ガオは素直に思う。

「俺、あんなひと、今まで見たことがない・・・というか、話したことすら、なかったもんな。俺の逢ってきた女達とアミさんは、レベルそのものが全然違う・・・」

と、ガオは思い至る。

「男は女性に因って変わる。女性はつきあう男に因って変わるとは、言うけれど・・・アミさんみたいな大人の女性とつきあっていたら、大きくもなるだろうな・・・」

と、ガオは素直に思う。

「というか、アミさんのポテンシャルが、そもそも半端ないし・・・彼女の求めている男のポテンシャルも半端ない・・・俺は逆立ちしたって、無縁の世界だ」

と、ガオは思う。

「俺は、今まで、何をやってきたんだ・・・」

と、少し落ち込むガオ。

「あーダメだ駄目だ。こんなことで、落ち込んでいては・・・酒でも飲もう」

と、ガオは赤ワインを出してきて、昨日の残りのバケットにローストビーフを乗せて食べ始める。

赤ワインで流して・・・チーズも食べる。

「しかし・・・そのアミさんが、夢中になっている鈴木って、どんだけのポテンシャルを積み上げてきたんだろう・・・」

と、ガオは思う。

「アミさんから見れば、俺と鈴木には、天と地ほどの差があったんだろうな・・・だから呆れてたのか・・・」

と、ガオはそこに思い至る。

「俺は今まで、何をやってきたんだろう・・・会社で仕事ばかりしてきたから・・・大事な男性としての修行を怠ってきたということか・・・」

と、ガオは哀しい。

「俺はこれから、どうやって、男性としての修行をやっていけばいいんだ・・・」

と、ガオは頭を抱えて悩む・・・。


「あなた、もう一回りも二回りも大きくなる為に、このミサって女との恋を思い切り利用しなさい」


アミが言った言葉が、ガオの心の中に蘇る。

「そうか・・・そうだ。アミさんが答えをくれてたじゃないか」

と、ガオは気づく。

「それに、アミさんだって、僕に、アドバイスをしてくれるんだから・・・」

と、ガオの表情が晴れやかになっていく。

「よし。俺はリサさんとの恋と、アミさんのアドバイスで、一回りも二回りも大きな男になってやる!」

と、決意を固めるガオだった。

「やってやるんだ!」

と、気合をいれるガオだった。


同じ頃。東堂エイイチは、都内のとあるフレンチ・レストランで、お見合いパーティーに出席していた。

華やかな服装をした紳士淑女が集い、それぞれが思い思いの相手と談笑していた。

「あ、あのー、僕、弁護士をやっている東堂エイイチというものですが・・・」

と、エイイチは必死に自己紹介を試みるが・・・。

最初こそ、エイイチのイケメンな見た目と、弁護士という肩書きに女性の目はハートマークになるが・・・話している内に女性がフェードアウトしていくのが常だった。

そのうち、エイイチはワインをがぶ飲みし・・・酔って椅子に座っているのが、精一杯という感じになっていた。

「大丈夫ですか?ご気分でもお悪いの?」

と、ひとりの小柄な女性が話しかけてくる。

「少し酔ったみたいで・・・僕、こういうのに、慣れていないんです。恥ずかしながら」

と、エイイチは、少し酔っているせいか、自然と話すことが出来た。

「あなたも・・・。わたしも、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、今日、来たんですけど・・・わたしも慣れなくて・・・」

と、女性は安心したように、横に座ってくる。

「わたし、美田園美奈、と言います。27歳。家事手伝いなんです」

と、その女性は自己紹介してくれる。

「僕は東堂エイイチ。30歳。弁護士やってます」

と、自然な笑顔で笑うエイイチ。

美奈も自然な笑顔だった。


クリスマスイブ6日前の日曜日の午後8時頃。リョウコはアイリのマンションにまだ居続けていた。

「リョウコちゃんは、何時頃、ここを出ればいいの?」

と、夕飯の後片付けをしながら、アイリが普通に質問している。

「えーと、ここからなら、今日は30分程度でいける場所ですから・・・8時15分に出ます」

と、リョウコは話す。

「じゃ、お茶一杯くらいは、飲めるわね。ほうじ茶で、いいかしら?」

と、アイリは笑顔になりながら、お茶の用意をしている。

その瞬間、アイリの電話機がルルルルと鳴り出す。

「こんな時間に誰かしら・・・」

と、アイリが電話に出ると、

「もしもし、アイリ?おはよう・・・っていうか、そっちは夜か。こんばんわだな」

と、相手は鈴木タケルだった。

「もしもし、タケル!タケル逢いたいよー。もう、半月も会ってないんだよー。もう、寂しくて死にそうだよー」

と、アイリは、それまでの冷静さ、お姉さん的振る舞いはどこへやら、完全にひとりの少女に戻っている。

「そう言うだろうと思ってさ。元気か、アイリ?泣くなよ、寂しいからって」

と、タケルは冷静に話している。

「あ、そうだ。リョウコちゃんも来てるんだよ。ねえ、リョウコちゃん、ほら、タケルタケル」

と、アイリはリョウコをすぐに呼ぶと電話を代わる。

「あ、もしもし、タケルさんですか?元気ですか?タケルさんのお姿が早くみたいですー」

と、リョウコも、そこは本音で話してしまう。

「いやあ、今日はアイリのマンションに、リョウコちゃんが来てるかな、と勝手に思ってねー。祐の告白レッスンしてくれた?」

と、タケルはペンディングを冷静にフォローするシステムエンジニアのように冷静にリョウコに話を振る。

「あ、そうでした。ちゃんと見てあげましたよ。良い感じに仕上げましたから、バッチリです」

と、リョウコもうれしそうに報告する。

「うん。それは良かった。まあ、祐も、美人な大人のお姉さん2人にレッスンされれば、まあ、本番は問題ないだろう」

と、タケルはそこを心配して電話したのだった。

「タケル、リョウコちゃんは、それはそれは熱心にがんばってくれたのよ。それと、わたしも、がんばったからね!」

と、アイリはタケルのお褒めの言葉が欲しい。

「ああ。アイリはそれこそ、一生懸命がんばってくれると思ってたから。ありがとな、アイリ。そして、リョウコちゃんにも、そう言っておいて」

と、タケルは鷹揚に話す。

「おっと、そろそろ仕事行かなきゃ・・・また、電話するから」

と、タケル。

「ちょっと待って・・・やっぱり、年末は帰ってこられないの?」

と、アイリは哀しそうに質問する。

「うん、今のところ無理だなあ・・・スガさんが帰って来いって言うなら話は別だけど、それもなさそうだし」

と、タケルはしれっと話している。

「そうか・・・そうよね・・・身体に気をつけてね、タケル」

と、アイリはタケルのことを心配している。

「ああ・・・リョウコちゃんにも、よろしく」

と、タケルが言うと、すぐさまリョウコに代わるアイリ。

「もしもし、タケルさん、タケルさんの方こそ、身体に気をつけてくださいね」

と、リョウコも話す。

「お、リョウコちゃん・・・アイリ寂しがってるから、リョウコちゃん、話し相手になってあげて・・・悪いね」

と、タケルはリョウコにだけ、こそっと話す。

「はい、わかりました・・・アイリさんに代わります」

と、受話器をアイリに渡すリョウコ。

「とにかく、アメリカは、風邪も流行っているっていうから、気をつけてね。タケル」

と、アイリが言うと、

「おう。また、電話するから。じゃね」

と、タケルが言って電話は切れた。

アイリとリョウコは、なんとなく疲れて・・・椅子に座りこんだ。


「なんか、疲れましたね」「そうね」

と、それでも、タケルの声を久しぶりに聞けた二人は微笑んでいた。


同じ頃。アミは、自宅のマンションで静かに音楽を聞いていた。

アミは、スズキのマリネと、タコのトマトソースパスタを肴に白ワインを飲んでいた。

ダイニングテーブルの上には、タケルとアミの二人で撮った写真が飾ってあった。

「アイリもお人好しすぎるわ。こんな写真も撮ってくれるし・・・」

と、アミは、白ワインを飲みながら、考えている。

「でも、それは、タケルくんが、絶対に浮気しないっていう、アイリの確信でも、あるか・・・」

と、その写真の隣に飾ってある、アイリとマキとアミの写真を見ながら思うアミ。

「タケルくん、今頃、ニューヨークで、どうしてるかな・・・」

と、アミは、タケルの面影を思い出し、少し嬉しくなりながら、ワインを飲み干し、満足気な笑みを浮かべた。


クリスマスイブ6日前の日曜日の夜は、そんな風に更けていった。


つづく

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12月28日 人間奢ったら終りですね。盛者必衰の理!(仕事だけしてちゃ、ダメ!)

2012年12月28日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

今日は12月28日。

いやあ、押し詰まってきましたねー。

僕的には、特に毎日、やることが変わるわけではないので、そんなに押し詰まった感がないんですけど、

でも、もう、2012年も終りなんだなーって、なんとなく、寂しく思いますねー。

ま、新たな年、2013年を楽しみにしますかねーって感じですかねー。

さ、今日も普通に仕事仕事。


さて、今日もしあわせになる為の知恵を作っていきたいんですが、

まあ、僕は男子ですので、自然、子供の頃から、

「女性を笑顔にするには、どうしたら、いいのだろう?」

という疑問について、毎日考えてきました。


というのも、以前にも、話しましたが、僕は小学6年生、中1、中2、と3年間、モテ期だったんですね。

成長期に、たまたま交通事故的に外見が整備されたことが原因で、

昨日まで敵だったはずの女子が・・・僕が横にいくと、なにやら、はにかんだり、もじもじしたりしている。

「どういうこと?」

と、頭の中は、

「??????」

となっていましたが、まあ、同級生の女の子のみならず、別のクラスの女の子からも、

「お前が好きじゃけん、このシール、大量にやるわ」

みたいなことをされたので、半年くらいかかって、やっと自分が女性にモテていることに気づくんですね。


まあ、この時に、僕の恋愛パターンのひとつが出来て

「女性の多くが僕のことを好きになっている時に、その中で僕が一番好きな女性を彼女にすれば、自然両想いになる」

という法則を見つけるんですねー。


で、実際、小6の時に初めての両想いを経験するわけです。


まあ、今現在やっている両想いの女性を探す手法も、モロこれですから・・・あの時とつながっているんだなあ、って感じですね。


で、そのモテ期は、中2の終りで、それこそ波が引くように去ってしまい・・・無くしてからわかる、その大事さ・・・女性を笑顔にすることの大事さを痛感するわけです。

ま、そこから予備校時代に4キロ程ダイエットをして、また、恋される身体に戻り、20歳で美雪ちゃんに恋される・・・そこにつながっていくんですね。


だから、

「女性を笑顔にする方法」

については、ずーっと研究してきた、というわけですねー。


モテ期の楽しさを知っているから・・・その再現をずーーーーっと夢見て来たわけです。


まあ、今はその方法の解析を終え・・・「恋愛戦略兵器」という知恵に結実しましたけどね。


まあ、それとは別に、以前、おもしろい実験を見たので、その話をしましょうか。


その実験は「所さんの目がテン!」で行われていたのですが、

以前ここでも書いたような気がしますが、

「韓流ドラマは、なぜ、女性にウケるか?」

というテーマでいくつかやった実験のひとつです。


同じようなイケメン具合の、日本人と日本語の出来る韓国人を連れてきて、年齢層の違う7,8人の女性の前で、それぞれ話をさせるんですね。

で、どちらが好感触だったかを聞くと、ほぼ全員韓国人の方が好感度が上だったりするわけです。


次に、先ほどとは違う別の、年齢層の違う7,8人の女性のグループを連れてきて、さっきの日本人と韓国人に話をさせるんですが、

この時、韓国人には、あるコミニュケーションの手法を禁じ、日本人には、そのコミニュケーションの手法を使わせたんですね。


したら、なんと、日本人の方が絶対的に評価された・・・ということで、女性が好感を持つのは、そのコミニュケーションの手法だったんですね。


それは、オーバーなジェスチャー・・・まあ、オーバーなボディ・ランゲージだったんですね。


もちろん、メラビアンの法則では、ボディ・ランゲージはコミニュケーション全体の55%を示しますから、

メッセージが伝わりやすいのは、確かなんですが、僕の経験上では、女性は特にボディ・ランゲージに弱いですね。


まあ、これ、韓流がなぜウケるか・・・という切り口から話せば、

韓国は大陸に属しますから、各種の民族がいるわけで、元々多民族な場所ですから、言葉では、なかなかメッセージが伝わりにくかった。

おかげで、非言語メッセージである、ボディ・ランゲージが発達した・・・そういうことなんですね。


日本は島国ですから、言葉や微妙な表情でメッセージを伝えていたから、むしろ、ボディ・ランゲージは暑苦しいイメージがあって、

これ、日本の男性は嫌ったりしますね。暑苦しいから。


だから、女性を笑顔にするには、ボディ・ランゲージが、むっちゃ、いいわけです。


これ、僕は経験的に、それを知っていたので、まあ、飲み会で・・・やっぱり20歳くらいから、ボディ・ランゲージを多用していたのを覚えていますねー。

だから、それが当時の美雪ちゃんに、大ヒットして、恋された・・・そういう経緯だと思いますねー。


まあ、だから、今でも、女子と飲む時は、ボディ・ランゲージを多用しますし・・・女子は、特に、揺さぶられると快感を感じるみたいですね。

女子がジェットコースターを好きなのは、物理的に胸が揺さぶられるからだそうだし。

反対に、男子は、足元が安定していないと恐怖を感じるので、ジェットコースターが駄目な男子が多い。

飲み会でのネタ的にも、あっちに行ったり、こっちへ持ってきて、そこからの、ここ・・・みたいに牛若丸的にあっちこっち行くネタを女子は相当喜びますし、

逆に男子は、疲れちゃうみたいですね。そういうネタ。


そういうネタは、頭の切り替えがパッパと出来る、切り替えの速さ勝負なので、女子は楽しくついてこられるけど、

男子はむしろ熟慮型の人間の方が多いので、処理しきれなかったりするんですね、これ。


僕はお酒を飲むと、普段でも頭の切り替えの速いタイプの人間なのに、さらに10倍な感じですからねー。


だから、僕と飲むと、女子から見ると、圧倒的に頭の回転の速い人間に見えるから、

「この人だ!この人だったんだ!」

と恋に落ちちゃうパターンなんですね。


で、その価値の分かる人ほど恋に落ちちゃうわけだから・・・僕に恋に落ちる女性は、皆、仕事のバリバリ出来る、周りの女性や男性に愛される美人な女性に特定される、

・・・そういうことになるんですね。


まあ、恋されるには、ちゃんと意味があったんですねー。


って、このあたりは、僕が飲み会で、女性を気持ちよくする手法を、自ら体験し、その謎を、僕に教えてくれた女性がいたからで、

「タケルさんは、他の男性にはない稀有な能力を持っています!」

と、報告してくれた女性がいたからこそ、僕もその経緯を理解出来ているんですねー。


まあ、それに、僕自身、たくさんの失敗の経験から、多くの知恵を獲得してきましたから、

おしゃべりのネタなんて、それこそ、無限に作ることが出来る。

しかも、目の前の女性を喜ばせるくらい、その知恵を応用すれば、朝飯前ですからねー。


まあ、だから、男子はとにかく、たくさんの経験、しかも、失敗の経験から、成功する為の知恵を創りだしておくこと・・・ここですね。大事なところは。


以前、僕の大学時代の恋愛相手だった相田の話をしましたね。


大学時代は僕が恋焦がれるくらい優秀だった彼女が、なぜ、「人生の失敗者」になってしまったか・・・。


これ、僕は大学時代に優秀だったからこそ、だと思っています。

人間は成功体験をすると、その成功体験の源泉は何かを考えます。

まあ、「成功の為の知恵」を獲得するわけですね。成功者だけが味わえる甘美な果実・・・ではなくて、失敗者の方が、より大きな情報を獲得出来るので、

成功者以上に「成功の為の知恵」は獲得出来るんですけどね。

でも、成功者は、それを知らない・・・知らないどころか、成功者は、一瞬、鼻高々になっちゃうんですよ。

これが、人生最大の墓穴を掘るんですけどねー。


相田は、大学時代、優秀で皆に愛された・・・その源泉は、彼女が優秀な女性だったから・・・これだと思ったんでしょうね。

事実、優秀な女性である・・・ということだけで、男性より、やさしく扱われたし、男子から、かなり人気が高かった・・・それが彼女を喜ばせたんでしょう。

でも、この鼻高々な思い込みが・・・これが彼女を誤らせたんです。

彼女は・・・会社に入り、「自分は、優秀な女性である」という権利を使うことを、覚えてしまった。

何かあると、彼女は会社側と交渉し、

「自分は優秀な女性である」という権利を最大限行使した・・・結果、誰も何も言ってくれないし、守ってもくれないし、叱ってもくれない状況に陥ってしまった。

人間、ある権利を使えば、楽が出来る・・・という知恵を知ってしまうと・・・水は低きに流れるものです。

そうなっていった人間を、僕はたくさん見てきました。


まあ、だから、この病気を僕は、

「成功者による、鼻高々病」

と、名づけますね。


例えば、少し前に「本能婚、理性婚」の記事で、引用した佐藤くんの例だって、

「成功者による、鼻高々病」

です。彼はそれは優秀な人材でした。会社に入社した時は。十分成功者だったんです。大学においては。

それが今では、三菱電機社員という既得権益に逃げ込んで、ほとんどまともに働かない人間になってしまった。

それでも、社員として、強制的に辞めさせられない、という知恵を掴んでしまったから。

禁断の果実を食べてしまったんですよ。彼は。


相田と同じパターンです。


もう少しいえば、相田と一緒に仕事をした、おたんちんな40代男のひとりは、島くんと言って、大学時代は、僕の親友でした。

しかし、彼も、今や、佐藤くんと同じで、会社では、仕事をしない厄介者として、毎日会社側から肩叩きに会っている始末。

かみさんとも家庭内別居状態で、唯一週末に子供と遊ぶのが楽しみという、マンションのローンを払うために退社も出来ない地獄状態の男ですね。


他の2人の40代男も、仕事はそれなりに出来るでしょうが、人間として、というより、男として、まったく成長していない。

「大人の知恵」を持たない、「人生の失敗者」です。

結局、この男たち3人も、大学時代はそれなりに優秀だったわけですから、

「成功者による、鼻高々病」

なんでしょうね。


彼らは、

「大学で優秀と認められたのは、真面目に勉強していたからだ。だったら、会社に入ったら、仕事をかんばればいいんだ」

という「成功の知恵」を獲得し、仕事に励んだ。

結果、サラリーマンとしては、ある程度認められたのかもしれないが、人間として、男としての成長をしてこなかった。

島に至っては、佐藤くんと同じ、禁断の知恵、

「最低限の仕事をしていれば、社員として、強制的に辞めさせられない」

という知恵を掴んでしまったから、そんな社員になってしまった。

彼もまた、禁断の果実を食べてしまったんです。

そして、周り全員から徹底的に嫌われている。

でも、マンションのローンの為には、会社を辞めることは出来ない。

地獄です。そんなの・・・まあ、生きるセンスがまったくない・・・終りです。人生の。


つまり、大学時代優秀だった為、変な知恵がつき、まともに成長せず、いびつな道を選び、禁断の果実を食べてしまう人間まで現れる。

「成功者による、鼻高々病」が、「人生の失敗者」を次々に作る・・・そんな怖いストーリーを今、僕らは知った、ということです。


大人になる、ということは、失敗体験を繰り返しながらも、その失敗体験から、成功する為の知恵を作り上げ、

ネガティブな状況から、ポジティブな状況を作り上げ、その過程で、多くの「大人の知恵」を獲得し、順調に、成長していくことです。


大人になりきれない、「人生の失敗者」は、大学卒業時に作ったちょっとした成功で「成功者による鼻高々病」にかかってしまった。

だから、「楽」に逃げ込んだ「逃げ込み者」なんです。


やっぱり、「逃げ込み者」は、自分だけでなく、周りも不幸にするんですねー。


まあ、これね・・・僕は会社を退職した人間です。

人間、会社を退職したら、どうなると思います?

残るのは、人間として、男性として、成長した自分だけです。

だから、定年退職した後、あの「人生の失敗者」達の元には、何も残らないことになる。

だって、仕事しかしてこなくて、人間的に成長してこなかったんだから。


怖いですねー。だからこそ、人間として、男性としての、成長は必須なんですよ。


そういう「人生の失敗者」は、今、この瞬間、大人の女性を笑顔に出来るでしょうか?

できるはずがないんです。

だって、こういう人たちは、「大人の知恵」がない人たちなんだから。


「大人の知恵」を獲得してきた、「本物の大人」こそが、「本物の大人の女性」を全力の笑顔にすることが出来る。


であれば、大人の男性の価値は、

「本物の大人の女性」を全力の笑顔に出来るか、どうかにかかっている・・・そういう結論になりますね。

笑顔に出来る「本物の大人の男」か、笑顔に出来ない「人生の失敗者」か・・・まるで、人生ゲームの「億万長者」か、「貧乏農場」か、の結論みたいです。


これもまた、厳しい「大人の知恵」ですね。


だって、年齢を重ねた男の価値が、一発で、わかってしまうんだもの。

ま、大人になることって、そういうシビアに厳しい道を歩いてきたか、大事なことから、いつも、逃げてきたか、で判定されちゃうもんです。


厳しい世界なんです。


それが結論かな。


大人の男性にとって、女性、は、磨き砂でもあり、自分を評価してくれる、暖かい存在でもあります。

でも、一歩間違って、「人生の失敗者」になると、最大の批判勢力に早変わりです。それは、娘もかみさんも含めてね。


奢ったら人間終りです。盛者必衰の理をあらわず・・・一瞬でも鼻高々になったから、必衰になったんですね。


それも結論ですね。


シビアな現実です。


えー、厳しいことを書いたあとは、少し甘い話でも。

最近の「ラブ・クリスマス!」で気に入ってるのは、やはり、アミちゃんですかねー。

まあ、登場する女性は、出来るだけ魅力的に描こうとがんばっているわけですが、今の僕的に魅力的なのは、外見はあどけない少女にして、

中身は、スパルタンな大人の女性、アミちゃん・・・ということになりますかねー。

もちろん、リサさんや、美緒ちゃんも、ガンガン魅力を盛っていこうと思いますけどね。

まあ、それはこれから・・・でも、女性がたくさん出てくる物語は、楽しいですね。

まあ、来年に向けて、ドンドン恋愛模様を盛り上げていく予定でーす。


さて、今日も普通にセコセコ仕事してきましょう。

もう、すっかり、年末ですけどねー。

やれるだけのことをやって、夕方から晩酌。

いつもどおりに、楽しくやっていきましょう!


ではでは。

ラブ・クリスマス!(8)「ボクとワタシのイブまでの一週間戦争!」

2012年12月27日 | アホな自分
クリスマスイブ6日前の日曜日の午後4時頃。ガオとアミは、横浜の「港の見える丘公園」に来ていた。

冬至が近いこともあって、もう、すでにその時間は夕景になっていた。

「ふふ。そうなの。ここで、タケルくんとアイリが、ファーストキスしたのね・・・タケルくんの好きそうな場所だもん」

と、アミは、いつになく、はしゃいでいた。

「実は、ファーストキスをしたのは、アイリさんの方からだったそうですよ。あれ?違うな。あの時は、アイリさんに頬にキスされたって言ってったんだっけ」

と、記憶が混乱するガオ。

「確か、「港の見える丘公園」からの帰りに、アイリさんが、鈴木の唇を奪ったんでした」

と、ガオが説明すると、

「ガオくんは、真面目なのねー・・・そんなに細かいこと説明しなくてもいいのに・・・」

と、やわらかい笑顔のアミ。

「私の中では、もう、タケルくんのファーストキスの場所に確定しちゃったの。この場所が!」

と、嬉しそうに、はしゃぐアミ。


ガオは、その姿に、何か眩しいモノを見ていた。

それは、アミのタケルに対する思い、そのもののようだった。


その時間から遡ること、4時間前・・・元町の創作フレンチの店「Le compositeur」で、ガオとアミは、打ち合わせた。

「あのー、お恥ずかしい話なんですが・・・今朝、僕、ミサさんに電話したんですけど、軽く弄ばれまして・・・」

と、ガオは、今朝あったことを、洗いざらい、アミに話した。

「え?そんなことがあったの?・・・そのミサっておんな、相当なやり手ね・・・というか、完全にドSだわ・・・」

と、アミは推測する。

「だから、そのー、彼女、アミさんの言う平和な「大人の恋」とは、まったく違う「大人の恋」をしかけてくるんじゃないかって、思ってて・・・」

と、ガオは説明する。

「ただ、一方で、僕、そのー・・・その時のドキドキを忘れられないっていうか・・・さらにその恋に幻惑されているっていうか・・・」

と、ガオは説明する。

「まー、ドMなガオくんじゃ、仕方ないでしょうね・・・多分、いい組み合わせなのよ。そのミサって女性と、ガオくん・・・」

と、アミは大人の女として、答えを出している。

「え、僕がドMですか?」

と、ガオは驚いている。

「自分で気づいていなかった?ガオくんは、女性にリードされる方が嬉しく感じるタイプよ。自分が女性をリードするのは、苦手なタイプ。それ知らなかったの?」

と、アミの方が驚いている。

「だって、ここに歩いてくる間だって、ガオくん、私をリードしてなかったじゃない。私がリードし始めたら、安心した顔してたでしょ?すぐわかるわよ、それくらい」

と、アミは、大人の女性として、ガオに言っている。

「そうでしたか・・・いや、自分は女性をうまくリードしていると、ばかり・・・」

と、ガオが冷や汗をかくと、

「うーん、ガオくんは、知識が知性を邪魔するタイプねー。「男性は女性をリードしてなんぼ」こんな、死んでる知識が、あなたの恋愛を邪魔してきたんじゃない?」

と、アミは、さらりと言う。

「ガオくんに教えておくけど、女性は、生きる知恵で毎日を生きてるの。自分で獲得した知恵でね。だから、ガオくんがドMだ、なんて、すぐ見抜けるのよ」

と、アミは言う。

「そのミサって女も、生きる知恵で、ガオくんが、自分にピッタリ合っていることを、瞬間的に理解したのよ」

と、アミは言う。

「ドSの自分には、ガオくんのようなドMのマッチョがお似合いだ・・・そう理解したから、ドンドンその道を歩いてる。そして、ガオくんも嬉しがってる。違う?」

と、アミはガオの目を見るように言う。


ガオは、理解不能という表情で、アミを見ていた・・・。


アミは、そのガオの表情を見ると、フランス料理を食べる手を止めて、腕を組みながら、改めてガオを見る。

ガオも手を止めて、アミの視線を静かに受け止める。


「そうねー・・・あなた、もう一回りも二回りも大きくなる為に、このミサって女との恋を思い切り利用しなさい」

と、アミは結論的に言う。

「ただし、寝ちゃダメ。それだけは、なんとしても、回避しなさい。最も、責任は、あなたが取るはめになるのよ。女性は流されやすいんだから」

と、アミは言う。

「それから、わたしの探偵ごっこも取りやめ。その女は、もうどこまで行くか決めているはず・・・それを決めているから、今朝、手練手管を開始したんでしょ」

と、アミ。

「あなたは・・・自分との我慢合戦ね。この恋は、深入りすれば深入りするほど、大きな快感があなたを襲う。どこでUターンするか、あなたが決めることよ」

と、アミは真面目な顔をして、ガオの目を見つめながら、一言一言、言い聞かせるように言った。

「この恋は、最早、わたしの知ってる「大人の恋」じゃない・・・「本当の恋」そのものだわ・・・あなたは、その魔性に耐えられるかしら・・・」

と、アミは真面目な顔をして、ガオを見つめる。

「あなたは、これから経験することを、逐次わたしに報告しなさい。アドバイスするわ。でも勘違いしないで、これは、あなたが、タケルくんの親友だから、してあげること」

と、アミは言い切る。

「そこは、しっかりと抑えておいてね。勘違いされても、困るから」

と、アミは言う。

「申し訳ないけど・・・恋愛に関しては、あなたは、タケルくんの理性に遠く及ばない。もし、タケルくんが、その魔性の女に魅入られても私、安心して見ていられるもの」

と、アミは言う。

「あなたは、その恋を利用して、もう少し、大人になりなさい・・・それこそが、タケルくんに近づく唯一の方法だわ」

と、アミは、言う。

「あなたは知らないかもしれないけど、タケルくんは常に戦ってきたの。大きな存在とね・・・だから、彼は理性の素晴らしい、女性に愛される男になったのよ」

と、アミは言う。

「成長したから、愛されているの。あなたは・・・わたしから見ても、かなーり、まだまだよ」

と、アミは言う。

「ま、それでも、ガオくんは、普通の男どもに比べれば、なかなか、魅力的だけどね」

と、アミはぺろりと舌をだして、そう言ってくれた。


「タケルくんは、こういう場所を女性と歩くのよねー。理性的な癖に、大人の女性を喜ばせるのすら、お手の物だからなー」

と、アミは「港の見える丘公園」に来てから、タケルの話ばかりだ。

でも、そのアミの天真爛漫さは、かわいい少女のような外見と相まって、ガオには、とても魅力的に見えた。


4時間前、ガオに究極の駄目だしをした、同じ女性とは、とても思えなかった。


「夕日が落ちていくわね・・・」

と、夕日を見ながらアミは、はしゃいでいた。

「ガオくん、落ち込んじゃった?ちょっと強い事、言い過ぎちゃったかな、わたし?」

と、くりくりとした目でガオを見つめる、そのアミの表情に、ガオは苦笑する。

「いや、勉強になりましたよ。なんとなく人生の方向を変えちゃうくらい・・・」

と、ガオは口にした。

「鈴木に負けないように、いや、鈴木に追いついて、アミさんの僕を見る目を変えるくらい、俺、がんばってみます」

と、ガオはアミに言った。

「がんばりなさい。いつでも報告いれていいから」

と、アミは自宅の電話番号を教えてくれた。


ガオとアミは、いつしか笑顔になっていた。



クリスマスイブ6日前の日曜日の午後5時、少し前。イズミは中王大学後楽園キャンパスの近くにある、野島ゼミ行きつけの居酒屋「楽静」の個室にいた。

黒いデニムに、黒いファー付きのハーフコート姿だったイズミは、コートをコート掛けに掛けて、田中美緒(22)が来るのを静かに待っていた。

田中美緒は、午後5時ちょうどに、個室に現れた。

キャメル色のAラインのダブルのコートを着てきた田中美緒は、その下はベージュのブリーツスカート姿に、白いサテンブラウス姿だった。


田中美緒は、少々緊張した面持ちで、イズミを見ていた。

イズミは、少し笑顔を出して、大人の余裕を感じさせた。

人生経験の差が如実に現れていたが、イズミとすれば、好感触だった。


「あのさ、言葉が出るのを緩やかにするために、ビールを一杯くらい飲んでもいいかな?」

と、イズミが幾分やわらかい表情で言うと、田中美緒は、

「いいですよ」

と、コクリと頷いた。


中生をゴクゴクと飲んで、気分のよくなったイズミは、笑顔になりながら、ゆっくりと、ジョッキを置き、田中美緒の方をゆっくりと見る。

「じゃあ、正々堂々、論争を始めようか」

と、イズミが言うと、美緒もゆっくりと頷く。美緒も、けっこうジョッキを空にしている。

「君がやっていることは、河西に洗いざらい聞いた。聞いたからこそ、僕は腹が立った。それはもちろん、確信があるからだが・・・まず、その前に、しっかりと論争しよう」

と、まず、イズミが口火を切る。

「はい」

と、田中美緒も目に力をこめる。


「君はまず、自分は絶対に間違っていないと考えている。同級生の告白は受けるし、その場でお断りするけれど、それは自分に与えられた権利だと、君は思っているだろ」

と、イズミは話す。

「思ってますよ。それは、当然の権利じゃないですか?」

と、美緒は少しキレ気味に言う。

「権利には義務がつきものだ。その義務を君は果たしていない・・・だから、君が一番悪いと僕は言っているんだ」

と、イズミ。

「どういう義務が、あるっていうんですか?わたしは、告白してくれる男性達に感謝しているし、一緒にいられる時間があれば、出来るだけいられるようにしているし・・・」

と、美緒は話す。

「君は何もわかっていないな・・・よく僕の後輩でいられるね」

と、イズミは辛辣な言葉を吐く。

「じゃあ、その義務について、説明してみてくださいよ!」

と、美緒は、さらにキレ気味に叫ぶ。

「君は同級生達にフリーだって、言ってるそうじゃないか。だが、それは全く違う。要は、嘘だ。君は同級生に嘘をつき、告白してもらって、楽しんでいるだけなんだ!」

と、イズミが本質を言い抜くと、美緒はさらにキレた!

「わたし、そんな最低な趣味を持った、最低な、おんなじゃありません!」

と、美緒は大きな声で、叫ぶ。

「そうかな。じゃあ、なぜ、君はフリーだと言いながら、同級生の誰とも付き合わないんだ?いや、先輩達にも人気があるそうだけど、それもすべて断ってるそうじゃないか」

と、イズミは指摘する。

「昨日、君が僕にしたように・・・嘘をついて、その場を立ち去る・・・それを繰り返しているそうじゃないか!違うかい?」

と、イズミが指摘すると、

「それは・・・そうですけど・・・」

と、確かな事実に、美緒は否定出来ない。

「君は蟻地獄と同じなんだ。フリーと宣言し、自分の美貌に寄ってくる男性達を、先輩達をも、騙し、食指を動かした先輩達を馬鹿にするように、その場を立ち去ってる」

と、イズミは事実を指摘する。

「そうやって君は食指を動かした先輩たちの方がいかにも悪いと思わせ、気分を害させ、自分は、その成果に満足し、喜んでいる。最悪だよ。だから、僕は最悪だと言っている」

と、イズミは、自分が、

「美緒は最悪だ」

と、午前中に指摘した理由を説明している。

「だから、それは・・・だって、食指を動かす方が、悪くありませんか?」

と、美緒は苦しい言い方だ。

「恋愛に悪いも悪くない、もない!」

と、イズミは恫喝するように、美緒の目を射抜くような激しさで叫ぶ。

「恋愛を馬鹿にするな!」

と、イズミは再度恫喝するように、叫ぶ。


美緒は、イズミの迫力に黙ってしまう。


「恋というのは、運命なんだよ。そして、その運命に気づけるか、どうかが、その人の人生が輝くか、輝けないかの差を作るんだ」

と、イズミはやわらかい表情で、静かに言う。

「だから、男たちは真面目に恋している。毎日、恋できる女性を探しているんだ。その尊い作業を馬鹿にしたら、女性として、いけないんじゃないかな?」

と、イズミは、静かに言う。

「わたし、馬鹿にする気なんてありません」

と、美緒は真面目に言う。

「その気が無くても、結果そうなってるだろ」

と、イズミが強い口調で言うと、美緒は、何も言えなくなる。

「僕も昨日、同じ思いだった・・・せっかくの一年に一回の集いも、心から楽しめなかった。君に、馬鹿にされたと感じたよ。他の先輩たちも、きっとそう感じてるはずだ」

と、イズミは静かに言う。

「君は多くの男どもの尊い恋を食い物にしてきた・・・そう言われても仕方ない結果を残してきたんだ・・・これについて、どう思うんだ?」

と、イズミはやわらかく言う。

「それは・・・そのう・・・申し訳ないと思いますけど・・・」

と、美緒は、少しうつむきながら、静かに言う。


「まあ、いい・・・僕が朝、君が一番悪いと言った理由は、これで、わかってくれたね。間違ったことを言っていたわけじゃないこともわかってくれるね」

と、イズミが言うと、

「はい・・・わかりました・・・」

と、美緒は不承不承頷く。


イズミは美緒を、やさしく見る。

「ごめんね。大人げもなく、大きな声を出したりして」

と、やさしい表情で、イズミが美緒に言うと、

「いえ、いいんです。大人げなかったのは、わたしの方ですから」

と、少しうつむきがちに話す美緒。

「えーと・・・少しビールを飲もう。頭を冷やそうぜ、お互い」

と、イズミが言うと、

「そうですね・・・せっかくのビールがぬるくなっちゃう」

と、少し笑顔の美緒。


美緒は、イズミを信頼し始めていた。イズミは、単に言いがかりを言ったのではないことも、彼なりに正論だったことを、美緒は認め始めていた。


二人は、ジョッキのビールを飲み干し、お代りを貰う。

「美緒ちゃんは、けっこう、いける口なんだ?」

と、イズミがやさしく言うと、

「そうですね。大学1年生の頃から、彼に鍛えられたから・・・」

と、美緒は、言う。

「なるほどね。それなら、強くなるはずだ」

と、イズミはやわらかい笑顔。

「わたし、先輩方が思っているような、そんな真面目なおんなじゃないんです」

と、美緒は思いつめたような表情で、イズミに言う。

「どういうこと?」

と、イズミは聞く。

「わたし、勉強は真面目にするけど・・・あとは・・・ひとに自慢できる程、真面目じゃ、ないってことです」

と、美緒はうつむきがちに、言う。

「そうなの?」

と、イズミが言うと、美緒は、コクリと頷く。

「だから、先輩方は買いかぶり過ぎで・・・わたしって、そんな真面目なおんなじゃ、ないんです・・・」

と、美緒は、言う。


「うーん、それって、あれかなー」

と、イズミは言う。

「え?」

と、美緒はイズミを見る。

「「わたしって実は相当エッチなんです。皆さんが知らないだけなんです。だから、ふしだらな女なんです。皆さんに声をかけてもらう資格はないんです」って、そういう奴?」

と、イズミは口にする。

と、美緒はその言葉に驚きながら・・・静かにコクリと頷く。

「なるほどね・・・あのさー、そういう思いこみ、20代前半の真面目な女子に多いんだよね。大学1年生でエッチを開発されちゃった、真面目な女子に、さ」

と、イズミは口にする。

美緒は、そのイズミの言葉に驚きを隠し切れない。

「あのさー、言っておくけど、女性って、男性の10倍はエッチだから。それ、全員そうだから。美緒ちゃんだけじゃ、ないから。まず、それを知っておいて」

と、イズミはしれっと言う。

美緒は、目を見開いたまま、イズミを見つめている。

「まあ、難しい理屈は、ここでは、話さないけど・・・人体の構造上、女性は男性の10倍はエッチにならないと・・・赤ちゃんを作れない・・・そういうことなの」

と、イズミは言う。

「女性は皆そうなんだ。だから、美緒ちゃんが特別なわけでも、なんでもない・・・買いかぶってるのは、むしろ、美緒ちゃんの方だと思うけどな。俺は」

と、イズミが言うと、美緒は、さらに目を見開いたまま、イズミを見ている。

「君はいたって、普通の女の子、ということだ。そのめんどくさい思い込みは、今日を限りにやめた方がいい」

と、イズミがビールを飲み干しながら言うと、美緒は、コクリと頷き、そして、うっすら笑い・・・笑顔に変わる。ゆっくりと。


「さて、納得してもらったようだから・・・話を元に戻そう・・・」

と、イズミは、ギラリと目を光らせる。


「さっきの続きだが・・・君の隠してきた真実は、こうだろう」

と、イズミはいきなり言う。

美緒は、少し驚くように、イズミを見る。


「君は大学1年生の時に恋をした・・・その後、その彼と正式につきあって楽しい日々を過ごしていた・・・その彼が君をフったあの時までは・・・違うかい?」

と、イズミは、静かに言う。

「・・・」

と、美緒はイズミを見つめたまま、口を開くことが出来ない。

「君は、素晴らしい女性だ。彼にフラれたのに、それでも彼のことが忘れられない・・・二人で裸で寄り添い暖めあった、あの素晴らしい時間を君は忘れられなかった」

と、イズミはさらりと言う。

「・・・」

と、美緒は、イズミを見つめたまま、言葉にすることが出来ない。

「でも、その君の行動は間違っている。もう、彼のことを許してやりなよ。彼を放流させてやるんだ。大きな大きな海原へ」

と、イズミは言う。

「それがかつて、君を愛してくれた、やさしい男性への、せめてもの、はなむけなんじゃないかな。餞別の気持ち、なんじゃないかな」

と、イズミは静かに言い抜く。

「君はもう、間違いを続けちゃいけないんじゃないかな?どう思う、美緒ちゃん?」

と、イズミは美緒に振る。イズミは、やわらかな眼差しで美緒を見つめる。美緒は・・・その眼差しに背中を押されるように・・・言葉を出し始める。

「わたし・・・」

と、美緒は・・・考えをまとめきれないでいる。

「焦らなくていい・・・自分の気持ちに正直になるんだ。今まで、自分の気持ちを偽ってきたんだろ。だったら、すぐに心が溶けるわけがないからね」

と、イズミはやさしく言ってやる。

「イズミさん・・・」

と、美緒は、イズミを強く見ながら、少しずつ、本音を、しゃべりかけている。

「なんだい?」

と、イズミは、やさしく言ってやる。

「イズミさんの言うとおりです・・・わたし、これまで、自分を偽ってきたんです。ずーっと、ずーっと・・・彼にフラれてから・・・」

美緒の中に、今まで、我慢してきた悔しい思いや、情けない思い、寂しい思い、そして、迷惑をかけてきた、先輩達や仲間たちへの後悔の思いが、一気に渦巻いた。

「わたし・・・何をしてきたんだろう・・・今まで・・・」

と、そのないまぜになった、思いが、美緒の胸に一気に広がった。

「イズミさん・・・」

と、美緒は、思わず立ち上がると、立ち上がったイズミの胸に飛び込んだ。

「わたし・・・わかってくれるひとが欲しかったんです。どこにも逃げ場がない、八方塞がりの中で、イズミさんのように、すべてを理解してくれるひとを探していたんです」

と、美緒は泣きじゃくりながら、イズミに言う。

「彼のように、大人な男性が欲しかった。この私の辛い立場をわかってくれる、大人な・・・そんな男性を探していたんです!」

と、美緒は泣きじゃくりながら、イズミに抱きつき、イズミの胸で思い切り泣いた。

「美緒・・・」

イズミは、やさしく、そんな美緒を抱きしめた。

「わたし、あなたのようなひとを、探していたんです」

と、美緒は激しく言うと、思い切り、泣きじゃくった。


イズミは、何も言わず、やさしく、美緒を抱きしめていた。


その音は、店の喧騒にかき消されて、外には聞こえなかった。


つづく

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12月27日 僕自身を進化させてきた「しあわせになる為の知恵」!(男は皆7歳の少年!)

2012年12月27日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

今日は12月も27日ということで、

なんだか、押し詰まって来た感がありますねー。

もう、年賀状も出しちゃったし、イブもクリスマスも終わっちゃったし、

大掃除も終わっちゃって、後は毎日セコセコ仕事をしていくだけです。


というか、本ブログ上では、まだまだ、クリスマスが来てないことになってますから・・・。

いやあ、これから、ドンドンいろいろな展開が出てくるわけですが、まあ、楽しいですね。こういうのは。


さて、今日も、しあわせになる為の知恵を作っていこうと思うんですが、

前回の記事を書いている時に思ったんですが、


僕はちょっとしたセリフから、その背景にあるモノを、手に取るように想像出来るようになってしまいましたねー。


例えば、前回、

「最近、皆冷たいの・・・何も言ってくれないの・・・怒ってくれるひとすら、いないの・・・」

という相田本人の言葉と、

「移動が多い」

と、こぼしていた、その状況だけから、

「彼女は、すでに女性サラリーマンとして、最低の評価になっており、各部署たらい回し状態に陥っている」

「彼女の為にリスクをとって、忠告をするような人間は、誰一人いない状態に陥っている」

というところまで、見抜けちゃったわけですから・・・。


まあ、僕自身、いろいろな状況を三菱電機時代に見てきて、それが相当な財産になっているからですねー。


それと、やっぱり、ここまで、たくさんの知恵を言葉にしたおかげで、自分自身多いに成長したってのもあります。確実にねー。

だから、女性サラリーマンが置かれやすい状況にも詳しいし、なにより、僕は物語作家ですから、

「言葉の背後にある思いに敏感」

なんですね。

実際、僕らは、

「こういう思いがあることを、言葉にするとしたら?」

という視点で、毎日のように、物語を書いていますから・・・やはり、セリフと思いの関係性を見ることについては、日々精進していますからねー。

なので、セリフと、ちょっとした状況さえわかれば、物語がわかっちゃう・・・そういうことなんでしょうね。


ちょっと前回の記事を書きながら、自分の進化に呆れるくらいでしたね。

それくらい、相田の状況がさらさらと頭に浮かんできて、笑っちゃいましたねー。


まあ、僕自身、今の相田の状況と同じことをやっていた女性を見ていたことがあるんです。

その女性は、三菱電機の子会社の女性でしたが・・・やはり、

「女性は弱いんだから、守られるべき」

という考えのもとに、うまく大変な仕事から逃げてばかりいる女性でした。

男性は、そういうのをシビアに見ているんですよね。特に技術者は、技術を売っている、という意識が強いですから、

「女性だって、むしろ、同格だろ」

という意識が強い・・・少なくとも、うちの会社では、そういう文化でしたねー。

「権利が同格なら、義務も同格!」

そういう意識で、皆働いていたと思いますねー。


そういう中で、

「私は女性なんだから、守られるべき!」

なんて発想をして、責任の重い仕事から逃れてばかりいたら・・・誰も相手にしなくなりますよね。

本人にとっては、賢いやり方だと思っているのかもしれないけれど・・・結果、バチが当たる・・・その女性も、退社するはめになってましたけどね。


まあ、だから、過去の経験というのは、すごい財産なんですよ。


ちょっとしたセリフから、データベース的に、背景がわかってしまう。

もちろん、僕が作る物語が、基本明るいのも、僕が暗い時代も、明るい時代も過ごしてきたからですね。

だから、出来るだけ、明るい物語にするように、いろいろな知恵を投入して・・・明るい物語を作っている。

暗い時代を歩いてきたから、どうしたら、明るくなるか、必死で考えぬいたし、それを知恵にして、それを自分の人生に投入してきた。

だから、人生が明るくなったんですね。

暗かったからこそ、明るくするための知恵を作り、自分の人生に知恵を投入してきた。そして、明るい人生になったんですね。


大事なのは、人生を、明るくする「知恵」なんです。


だから、僕が三菱電機で過ごしてきた10年以上の年月、というのは、作家としての僕の大きな財産になっていますねー。

「こういうことをやったら、こうなる」

「これだけは、やっちゃだめ」

「こうすると、女性は、こう考える」

そういうあたりは、すべて、長年の経験があるからこそ、わかるわけで・・・このデータベースは、僕独自に作り上げたもんですから、

そりゃあ、僕的な進化を遂げたデータベースですよ。

女性からもたくさん恋されたし、男性からも、たくさん愛されたからこそ、今の自分がある・・・それが、データベース化され、

そこから、「知恵」が、生まれてくるんですねー。


その「知恵」を使って、物語を書いていく・・・いわゆる僕の作家としての源泉に他なりませんね。この三菱電機での経験は。


だからね。社会に出てから、の方が大切なんですよ。社会人にとっては。

どう成長してきたか?そこで、どんな人生を歩んだか・・・それがモロ、その人の人生に影響する。


だから、逆に、いくら大学生の頃、輝いていたとしても・・・どう成長してきたかによって、その人間は、輝きもすれば、スポイルされる人間もいる、

という怖い現実があるんですね。


まあ、僕自身も、三菱電機での経験は、素晴らしいデータベースと化しましたが、


じゃあ、例えば、男性が、男性に愛されるには、どうしたらいいでしょうか?


やっぱり、性格が良くて、真面目で、誠実で、一生懸命で、正直で、他人思いで、自分のことは後回し・・・これがすべて外部記憶装置に書き込まれるんですよね。

上司とか、お偉いさん、という、外部記憶装置に、ね。

そして、上司とか、お偉いさんってのは、自分より経験がありますから、目の前の男性が今、どんな心の状況にあるかなんて、完全にわかっているわけですよ。

だから、仕事に対して、どれくらい一生懸命か、すぐに理解しちゃう。

ごまかしなんて効かないわけです。だから、裸一貫でぶつかるしかない。

そうすると、その男性の一番いいところを、上司は、すぐに、理解するんですね。

僕自身ひしゃげたところがないので・・・それでいて基本楽しいことしか考えていませんから・・・ある瞬間わかってくれるわけです。同じ男として。

やっぱり、男同士って、わかりあえた瞬間、いーですよね。

だから、わかり合えてる男同士の酒は、美味い・・・あれは、わかりあえてるからこそ、美味しいんですね。

まあ、男性同士、お互いわかりあえるってのは、なかなかないですから。


だからこそ、貴重なんですね。


それは生き方の問題でもあるし・・・お互いの目指しているモノの問題でもあるし・・・。

だから、未熟な人間同士だと、わかりあいやすい・・・でも、大人になればなるほど、わかりあえる人間は少なくなっていく。

だって、自分の道を、こう、と理解しちゃった瞬間、その道は、その人間しか、歩けなくなったりしますからね。


だから、自分が行くべき道を見つけたひとは幸運だし、しあわせだけど・・・たったひとりで、向かい風に向かって歩いてく必要がありますねー。

自分一人で切り開いていく必要がある。

でも、そういう時に、経験という仲間が、自分を助けてくれる・・・男の一生って、そういうもんだと思います。


だから、男は、「過去のおんなの記憶」と遊べるんですよ。


ひとと同じことをしてたって、なーんの価値もありませんからね。

「独自の道を行くことこそ、価値そのものだ」

こういう考えを、子供の頃から、持っていたから、僕としては、サラリーマンで一生を終わるなんてことは、考えられなかったんですね。


っていうか理系に進路変更したのだって、

文系の大学の学科って、政治学部とか、経済学部や、文学部でしょう。

なんか、

「そういう大学を卒業しても、将来は、営業になるくらいか?」

みたいに見えてたんですよね。高校生の頃の僕には。


それに対して、うちの大学の当時の数理情報工学科の紹介は、魅力的でした。

「コンピューターの実践教育。卒業後は、一流企業への入社が基本。ロボットの研究も」

なんて書いてあって・・・実際、うちの学科で、ロボットの研究が出来るのは、45人中、2人だけだったんですけど、僕はその2人のうちの1人になっていて、

言わば、高校生の頃の夢を、僕は、しっかり実現したんですよねー。


ま、それが問題だったんだけど(笑)。


文系から理系に、高校2年生になって進路変更したもんだから、物理と数学の実践演習が足らず、一浪・・・そうやって、夢が叶ってロボットの研究にまで、

たどり着いたのに、結果、

「俺たち、コンピューター技術者にまったく向いていない。ましてや、サラリーマンになんて、さらに向いていない」

という結論が、マスター卒業時に出る始末・・・ま、でも、とことんやって出した結論だから、よかったんですよ。


そして、三菱電機で長年がんばって、そこで得た教訓は、

「周り皆に愛されろ。そして、仲間につけろ。仲間たちは、自分を守ってくれる。そして、自分の価値を発揮し、輝ける世界で、輝いて、クライアントを笑顔にしろ!」

「そして、女性達は、出来るだけ全員味方につけろ!本気の笑顔を貰うようにしろ!女性達は、おまえを最高のしあわせに導いてくれるだろう」

こういうアドバイスでした。


そして、僕は脱サラし、この教訓を現実化するために、「恋愛戦略兵器」を始めとして、様々な、

「しあわせになる為の知恵」

を今日まで、作ってきたんですねー。


まあ、脱サラ後の、この3年で、多くの「しあわせになる為の知恵」を自分の人生に投入した僕は、

男性の考えていることも、女性の考えていることも、よーくわかるようになっちゃって・・・。


あれ、ダメになる人間に共通しているのって、

「他人は容易に自分の中身を見透かすものだ」

という知恵がないことですねー。


ちょっとしたセリフで、その男性が何を考えているのか、なんて、軽くわかります。


そういう簡単な知恵さえ無くて・・・社会から、ドンドンどこかへ、逃げ込んでいくんですね。

家庭だったり、子供だったり、・・・ま、そういう「逃げ込み者」は、かみさんとの仲をダメにしているひとが、ほとんどですけどね。

そういうひとをたくさん見てきました。


大学時代は、素晴らしいと感じてた、人間も、社会に出て、劣化していく人間もいるんだ、

という普通の事実に触れて・・・いや、むしろ、そういう人間が多い、という現実を見させられましたね。


まあ、僕自身、だから、価値観が進化しましたね。


例えば、大学時代は、

「勉強の出来るひとは、すごい」

とか、

「絵のうまいひとは、すごい」

とか、

「大学教授の息子は、サラブレッドですごい」

とか、そんなことを考えていました。


でも、今はまったく違いますね。


「「大人の知恵」を身に着けている人間こそ、素晴らしい!」


それだけです。それだけになってしまいました。価値観が。

だから、僕は毎日、「しあわせになる為の知恵」を作り続けているんです。

だって、その行為が、今一番、おもしろいし、最高の価値を感じるから。


逆に言えば、それにしか、価値を感じなくなってしまったんですねー。


もちろん、物語を作ったりすることだって、ある意味「しあわせになる為の知恵」作りですから、楽しんでるんですけどね。

まあ、毎日の仕事としては、です。

もちろん、女の子とお酒を飲んだり、お茶飲みながら、おしゃべりするのは、楽しいですよ。

できるなら、毎日やりたい・・・それが出来る環境にあるのが、今の僕としては、最高のしあわせを感じますねー。


だって、サラリーマン時代に得た教訓を現実化しているわけだから。


「タケルさんって、なんか、いつ会っても、楽しそうにしていて、機嫌がいいですね」

って、よく女性に言われます。

「ん?そう。それは、若い頃に一杯いっぱい苦労したからさ。苦労から脱出する方法を学んだのさ。だから、いろいろ上手くやれるんだ」

と、そういう時は、そんな風に返しますね。超笑顔で。僕は。

「でも、タケルさんって、苦労が顔に出ないタイプですね。なんかいつも機嫌のいい、少年みたいな雰囲気!」

なんて言われて、

「少年?俺、けっこう大人なんだけどなー」

って、笑うと、

「でも、少年・・・タケルさん、雰囲気、若いですから」

と、女性は、笑ってくれる。


この笑顔で、女性が、僕のことを、

「好き」

にカテゴライズしてくれていることが、わかりますねー。


笑いには、2種類ある。

「太っているから、ほほえましくて、笑われている」のと、「「好き」にカテゴライズされているから、女性が、本能的に上機嫌になり、笑顔になる」のと。


もちろん、これ、最近、自分で作った「しあわせになる為の知恵」ですからねー。

女性の中身を知るのに、ほんとに、使える「知恵」です。


そういう女性の中身さえ、わかれば、

「自分は、7歳の少年ってことにして、少しくらい甘えたっていいかな」

という判断だって、出来る。


「ねえ、由美ちゃん・・・前にも言ったことあるけど、男は皆、7歳の少年なんだ。だから、由美ちゃんも、僕のこと、中身は、7歳の少年ってつもりで、対応してよ」

なーんて、甘えたことも言えたりする。


この呪文、女性には、効きますよ。

なにしろ、女性の「母性本能」を直接攻撃するわけですから。


好意を持っている相手の男性が、こんな呪文を唱えたら・・・女性はさらに上機嫌になります。


「ふふ・・・タケルさんって、おもしろいことを言うのね・・・いいですよ。7歳の少年くん、じゃ、チョコレートケーキ食べまちゅかー!」

なんて、ケーキをたべさせてくれたりする・・・なかなか、甘い時間ですねー。


そんな時間を楽しんだら、マスターに言って、隠しておいた花束と、その女性の好きな種類のアクセサリーをへろっと持ってきて、

「はい、これ、贈り物。今日は、僕と由美ちゃんが、2年前に初めて会った記念日だから」

なんて、昼間の明るいうちになんか渡したりすると、

「え?は?あらー」

ということで、由美ちゃんは、一気に、テンションマックスになって・・・。

「ありがとー、タケルさーん。そんな記念日、覚えててくれたんだー」

と、言いながら、抱きついてきちゃう勢い・・・ま、ハグくらい、いいでしょう。


ま、これも、自分で作った、「しあわせになる為の知恵」ですねー。


ま、そんなことを豆にやってりゃ、かみさんも、すぐ見つかるってもんです。


いやあ、ほんと、自分で作っておきながら、「しあわせになる為の知恵」は、使えるなあ。


というか、僕自身を毎日、進化させてくれています。

「しあわせになる為の知恵」明日以降も、楽しく作っていきましょう!


それが結論ですかね。


さてさて・・・2012年も年末を迎えて・・・。

まあ、セコセコ仕事していきましょう。それが一番楽しい時間ですからねー。

いつものように、都内で取材して、打ち合わせして・・・帰って来てから、晩酌です。

あんまり、普通と変わらないんだなー。

まあ、今日も楽しく過ごしていきましょう!


ではでは。