goo blog サービス終了のお知らせ 

大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

倉庫をねぐらにしていたキツネ

2013年12月19日 | 動物

2013_1218_074410pc180010

犬のヤマトと里山散歩をしていると、3週間ほど前から古い倉庫の近くでヤマトは決まって鼻をクンクンさせ興奮した様子を見せていたことから、この倉庫の下には何らかの小動物が住んでいるのだろうと思い、これまで、倉庫近くには、土を掘り返した跡がよく見られたことからアナグマだろうと想像していました。

ところが昨日は、ヤマトが倉庫の奥の方に入って行き、犬に導かれるままについていくと、落ち葉を敷き詰めた片隅にキツネが休んでいました。この倉庫をねぐらにしていたようです。

ヤマトはキツネを発見しても、吠えるわけでも威嚇するわけでもありません。ただただ鼻をピクピクさせているだけでした。これまで、タヌキを目前にしたときはうなりごえをあげたり、吠えたりと威嚇し続けましたが、キツネへの反応は他動物とは違っていて、仲間意識でも感じているのかと思うほどの穏やかな反応でした。

当のキツネも、身じろぎもせず、縦長の目に三角形の形をした知的な顔でこちらを見つめ返していました。

Photo

この写真は、初冠雪の15日に残されていた動物の足跡で、倉庫から出てきて林道を歩いて山中へとつながっていました。直線的な歩き方で、キツネの足跡と思われます。


Photo_2

雪の上には真新しい糞が残されており、川にさらして糞の中身を覗いてみると、しいたけ、卵の殻、柿のヘタ、みかんの皮、米、発泡の破片などが消化不良のまま残されていました。

キツネは肉食に近い雑食性ですが、この時期は餌が少なく、人里を徘徊して残飯をあさってきたようです。

Photo_5

この写真は、今夏、裏山に設置したセンサーカメラに写ったキツネです。

キツネは、夜行性で非常に用心深い性格のようですが、意外と人の生活圏近くで暮らしていることがわかりました。

キツネは、民話や伝説にも数多く登場し、稲荷神の使いとする信仰もあり、古くから身近な存在であったことが伺えます。


冬の眠りについた昆虫たち

2013年12月17日 | 昆虫

木枯らしが吹き荒れ、ふきだまりには枯葉舞う寒い冬を迎えました。

玄関先に降り積もった落ち葉を片付けるために、石を持ち上げると、石の下て眠る昆虫達の姿がありました。

1

石のくぼみを利用して、蛹になったモンシロチョウとコカマキリの卵嚢です。


2

コカマキリの卵嚢

草木についたオオカマキリやハラビロカマキリの卵嚢はよく見かけますが、コカマキリは、越冬場所に石を選んだようです。傍には、昨年のものと思われるすでに孵化して破けた卵嚢の殻がついていました。

3

モンシロチョウの蛹

体は、帯糸でしっかり固定され、見つけた時には石の裏側で糸で吊るされた状態でした。

ここを安全な場所と考え、目覚めの日まで、石の下で過ごす昆虫たち、厳しい冬を無事に乗り越えられるでしょうか?

それにしてもモンシロチョウにとってカマキリは天敵、同じ場所で冬越しするということは、コカマキリの産卵後に、モンシロチョウの幼虫が蛹になり、春には、モンシロチョウはカマキリより先に羽化するという自然の流れなのでしょう。


夜中の訪問者 タヌキ

2013年12月14日 | 動物

Photo

タヌキ(イヌ科)

森と里地の境界に設置したセンサーカメラに映っていたタヌキです。

普段は森で暮らしていますが、夜になると里山に降りてきて活動しています。冬眠の習性はなく、雑食性で小動物や木ノ実などいろんなものを食べるようです。

この時期のタヌキは、冬毛がフサフサとして丸い体つきになってきました。目の周りと足は黒っぽく胴長短足の体型をしています。

Photo_2

ほとんどの小動物は夜行性ですので、他の動物の動きに警戒している様子です。

Photo_3

耳は丸みのある三角形で縁は黒く、顔は丸型でどことなく親しみを感じる動物ですね。

タヌキは、昔話やことわざ、童謡や植物にとあらゆるものに登場してきますが、それだけに人の暮らしと関わりの深い身近な動物なのでしょう。

人間どもが眠りについた月夜の晩に、里に降りてきて「ポンポコ ポンポコ ポコポン」と自慢の腹鼓を打ちながら狸囃子を楽しんでいるタヌキたちの様子が目に映るようです。


ザトウムシ

2013年12月10日 | 生き物

Photo

先日陽だまりで、小豆の選別作業をしていると、豆粒のような小さな体に糸のように細くて長い脚をしたザトウムシが、体を揺らしながら竹かごに上ってきました。

ザトウムシ(座頭虫)は、盲目に近く、明暗しか認識できないために長い脚で探りながら歩く様子から、この名があり、メクラグモの仲間だそうです。

4対の脚のうち第2節が最も長くその先端は触覚のような働きがあり、しきりに長い脚を左右に動かしていました。この脚は、音や味、匂いも感知できるそうです。


Photo_2

体を拡大して見ると、頭胸部と腹部の境がはっきりせず全体的には楕円形をしていて、頭胸部の真ん中に左右一対の目があります。雑食性で、通常は昆虫やミミズなどの小動物を食べているようです。

Photo_3

これまでも、野山を歩いていてよく見かけたのですが、素早い歩きでじっくり観察できませんでしたが、この時期は動きが鈍く、手のひらに乗ってくれました。歩き回る姿は、少々不気味な感じでしたが目線を変えると、しなやかで美しい脚線美に感動。

どうして、体に似合わずこんなにも長い脚を備えているのか疑問に思いますが、外敵より高い位置から獲物を捕ることができる利点や足はとれやすく、敵に捕まえられた時には足を離し、その足がしばらく動いていて、その間に逃げるという作戦のようで、とれた足は、その後再生するそうです。

一見クモのようでクモではない、小さな体にしなやかな長い脚をしたザトウムシの知られざる世界を覗くことができました。


アルマンモモアカアナバチの行動の謎は?

2013年12月06日 | 昆虫

Photo

昨日、庭の隅に動物の糞?と思われる塊が目に入り、一瞬クマ?を想像しましたが、よく見ると筒状の固まりのコケのようです。

家人に話すと、「パイプを使おうとしたら、中が詰まっていたのでパイプの中のものを突っついて押し出したもの」とのこと、目を凝らすと、アルマンモモアカアナバチがパイプの中に作った育室でした。


Photo_2

コケの塊を板の上に移動し、広げてみると繭に包まれた蛹の姿がありました。しかし突っつかれた衝撃で繭が破けたのでしょうか。そこから蛹の体の一部が見えていました。

Photo_3

繭から、体を引き出してみると、明らかに越冬中の蛹でした。

Photo_4

入口と出口をふさいでいた、コケの塊は硬くしっかりしていて、育室はしっとりと、湿度も温度も保たれている構造です。コケの量も半端ではなく、クマの糞と見まごうほどのコケを集めて作った労力と技に驚かされます。


Photo_5

コケの中には、食べ残した寄生昆虫の足や羽などが混じっていて、アルマンモモアカアナバチがキリギリス類に産卵し、卵から孵った幼虫が寄生昆虫を餌に成長し、蛹になったと思われます。

9月12日のブログで紹介しました”アルマンモモアカアナバチの不思議な行動”の謎が解明できそうです。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20130912

私が、アルマンモモアカアナバチの蛹と思っていたものは、実はヤドリバエの蛹であって、アナバチは、ヤドリバエにすでに寄生された昆虫を捕まえてきてしまったことに気づき、巣の中で孵ったヤドリバエの蛹を掻き出している様子ではないかと推測しました。

ウジ虫の形に似た小さな蛹であることや数の多さ、そして今回であった本物のアルマンモモアナバチの繭に包まれた蛹からも、アナバチの不思議な行動を裏付けられるような気がします。あくまでも推測の域を出ない素人の考えですが・・。

それにしても、ヤドリバエはどのようにして寄生昆虫に卵を産んだのでしょう?

ヤドリバエの成虫が産んだ卵を寄生昆虫が食べ、その寄生昆虫をアルマンアナバチが巣穴に運び、その中で孵化したヤドリバエが蛹になったのでは・・・?。必死にコケを掻き出していたアルマンモモアカアナバチの姿が目に浮かびます。