犬のヤマトと里山散歩をしていると、3週間ほど前から古い倉庫の近くでヤマトは決まって鼻をクンクンさせ興奮した様子を見せていたことから、この倉庫の下には何らかの小動物が住んでいるのだろうと思い、これまで、倉庫近くには、土を掘り返した跡がよく見られたことからアナグマだろうと想像していました。
ところが昨日は、ヤマトが倉庫の奥の方に入って行き、犬に導かれるままについていくと、落ち葉を敷き詰めた片隅にキツネが休んでいました。この倉庫をねぐらにしていたようです。
ヤマトはキツネを発見しても、吠えるわけでも威嚇するわけでもありません。ただただ鼻をピクピクさせているだけでした。これまで、タヌキを目前にしたときはうなりごえをあげたり、吠えたりと威嚇し続けましたが、キツネへの反応は他動物とは違っていて、仲間意識でも感じているのかと思うほどの穏やかな反応でした。
当のキツネも、身じろぎもせず、縦長の目に三角形の形をした知的な顔でこちらを見つめ返していました。
この写真は、初冠雪の15日に残されていた動物の足跡で、倉庫から出てきて林道を歩いて山中へとつながっていました。直線的な歩き方で、キツネの足跡と思われます。
雪の上には真新しい糞が残されており、川にさらして糞の中身を覗いてみると、しいたけ、卵の殻、柿のヘタ、みかんの皮、米、発泡の破片などが消化不良のまま残されていました。
キツネは肉食に近い雑食性ですが、この時期は餌が少なく、人里を徘徊して残飯をあさってきたようです。
この写真は、今夏、裏山に設置したセンサーカメラに写ったキツネです。
キツネは、夜行性で非常に用心深い性格のようですが、意外と人の生活圏近くで暮らしていることがわかりました。
キツネは、民話や伝説にも数多く登場し、稲荷神の使いとする信仰もあり、古くから身近な存在であったことが伺えます。