裏庭の寒々とした景色の中に、葉脈のはっきりした一枚の枯れ葉が目に入りました。ほとんどの葉が落葉し、あるいは縮れて形を変えているのに、不思議に思いました。
よく見ると、2枚の葉に包まれた中に、まゆが見えました。ヤママユの幼虫が紡いだまゆです。
ヤママユは夏は緑色をし、冬は薄い黄色に変わりますが、覆われた葉の色に同化し区別がつきません。鳥などの害虫から逃れるためにうまくカモフラージュしているようです。
真上から覗くと蛹が羽化して成虫になり、既に脱出した穴が出来ていました。
葉の中を見ると、成虫になった蛹の抜けがらと巧みに糸を紡いだまゆが、葉にしっかりと包まれていました。
葉っぱの中に繭を作ることで、自然に同化し、捕食者から逃れようとするヤママユの知恵に、毎度のことながら胸打たれます。