一昨日、パチンコを作った二人にソウキ君が加わり、3人でつむぎの家にやって来ました。ソウキ君は「俺もパチンコ作りたい」と第一声、ところがリュウイチロウ君は「鹿の骨を探しに行きたい」と意見が分かれたがソウキ君が「パチンコは明日にする」と言うことで鹿の骨探しに行くことにしました。
日暮れが早く、暗くならないうちにと、近道の藪をこぎながら山に向かいました。ところがイバラが行く手をはばみ、なかなか進みません。リュウイチロウ君が「痛い!千田さん助けて~」と悲鳴を上げています。背丈の低いイバラは足で踏み倒して歩くことを教え、どうにか乗り切りました。
山に入るとリュウイチロウ君が早速、鹿の骨を見つけました。(あらかじめ確認しておいた場所)
ソウキ君も必死になって拾っていました。
ユウト君は、一つだけ拾ってあとは自分の世界に入ったのか、近くにあったホテイチクを杖にして何やら仙人気分?
それぞれ袋に鹿の骨を拾い下山、ユウト君は、杖を突きながら「人生苦~もありゃ 楽もある」と歌いだし「おれんとこのじいちゃん、水戸黄門大好きなんだ」とテレビドラマを思い出したようです。
帰りは林道を歩き、「こっちのほうが近い!」と藪こぎの大変さを実感したようです。
里に下り、拾った鹿の骨を川で洗い始めました。歯のついたあご骨を見つめながらソウキ君はなにやら思いをめぐらしています。リュウイチロウ君は、鹿の骨を集めたものの、家に持ち帰ればお母さんにおこられる不安があるようで「千田さんは、子どもが鹿の骨を持ってきても怒らない?」と質問。「えー?、怒らないよ!」というと「あ~あ、おれ千田さんちの家族になればよかった!」と言うので、「いいよ、毎日つむぎの家で生活する?」と答えると、やっぱり自分の家がよいのでしょう黙りこくってしまいました。
そうこうしているうちにあたりはすっかり暗くなったので、鹿の骨は川に晒しておいて、明日磨くことにしました。この寒い時期、川の水はすごく冷たいのに、素手で一生懸命洗っている子どもたちの血潮の熱さに、ほのぼのとした温かさを感じました。
ユウト君は「じいちゃんの土産」とホテイチクを杖にし、薄暗い中3人とも「家が近いから大丈夫!」と帰っていきました。
昨日は、用事あり大船渡まで出ていて家に戻ってきたのは午後の4時20分、3人が冷たい川の水で、鹿の骨を懸命に洗っていました。鹿の骨を見つめながら想像の世界に入っている子どもたちの心理が私には理解できません。強くてたくましいという鹿に自分を重ねているのでしょうか?「鹿の骨のどこがいいの?」と聞いても言葉が返ってきません。大腿骨を手に「じいちゃんにもこんなのがあった」とソウキ君、亡くなられたおじいさんのことを思い出していたようです。