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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

念願の鹿の骨・角探し

2011年12月14日 | 綾里っ子

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一昨日、パチンコを作った二人にソウキ君が加わり、3人でつむぎの家にやって来ました。ソウキ君は「俺もパチンコ作りたい」と第一声、ところがリュウイチロウ君は「鹿の骨を探しに行きたい」と意見が分かれたがソウキ君が「パチンコは明日にする」と言うことで鹿の骨探しに行くことにしました。

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日暮れが早く、暗くならないうちにと、近道の藪をこぎながら山に向かいました。ところがイバラが行く手をはばみ、なかなか進みません。リュウイチロウ君が「痛い!千田さん助けて~」と悲鳴を上げています。背丈の低いイバラは足で踏み倒して歩くことを教え、どうにか乗り切りました。

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山に入るとリュウイチロウ君が早速、鹿の骨を見つけました。(あらかじめ確認しておいた場所)

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ソウキ君も必死になって拾っていました。

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ユウト君は、一つだけ拾ってあとは自分の世界に入ったのか、近くにあったホテイチクを杖にして何やら仙人気分?

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それぞれ袋に鹿の骨を拾い下山、ユウト君は、杖を突きながら「人生苦~もありゃ 楽もある」と歌いだし「おれんとこのじいちゃん、水戸黄門大好きなんだ」とテレビドラマを思い出したようです。

帰りは林道を歩き、「こっちのほうが近い!」と藪こぎの大変さを実感したようです。

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里に下り、拾った鹿の骨を川で洗い始めました。歯のついたあご骨を見つめながらソウキ君はなにやら思いをめぐらしています。リュウイチロウ君は、鹿の骨を集めたものの、家に持ち帰ればお母さんにおこられる不安があるようで「千田さんは、子どもが鹿の骨を持ってきても怒らない?」と質問。「えー?、怒らないよ!」というと「あ~あ、おれ千田さんちの家族になればよかった!」と言うので、「いいよ、毎日つむぎの家で生活する?」と答えると、やっぱり自分の家がよいのでしょう黙りこくってしまいました。

そうこうしているうちにあたりはすっかり暗くなったので、鹿の骨は川に晒しておいて、明日磨くことにしました。この寒い時期、川の水はすごく冷たいのに、素手で一生懸命洗っている子どもたちの血潮の熱さに、ほのぼのとした温かさを感じました。

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ユウト君は「じいちゃんの土産」とホテイチクを杖にし、薄暗い中3人とも「家が近いから大丈夫!」と帰っていきました。

昨日は、用事あり大船渡まで出ていて家に戻ってきたのは午後の4時20分、3人が冷たい川の水で、鹿の骨を懸命に洗っていました。鹿の骨を見つめながら想像の世界に入っている子どもたちの心理が私には理解できません。強くてたくましいという鹿に自分を重ねているのでしょうか?「鹿の骨のどこがいいの?」と聞いても言葉が返ってきません。大腿骨を手に「じいちゃんにもこんなのがあった」とソウキ君、亡くなられたおじいさんのことを思い出していたようです。


色あせた初冬の植物

2011年12月13日 | 里山風景

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アカショウマ

冬枯れの中で葉を落とし、色あせたアカショウマ ですが名前のいわれでもある茎の赤みが残る。

2本並んでいる姿は、まるで双子の兄弟のように似た様相で、果穂が風になびいています。

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ナギナタコウジュ

花穂がそっくり返り、花が片側につく様子が薙刀(なぎなた)に似ていることにたとえ、独特の強い香りがある。葉を落とし花穂の色もあせてしまったが少し触れただけでも強い臭いをだし、いまだ自己主張しています。

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チドリノキ

ほとんどの広葉樹が落葉した中で、チドリノキは、枯葉をつけたまま、さわさわと風にそよいでいます。

「おちない」葉に例え、受験生のお守りになるとか?

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アキノギンリョウソウ

夏にうつむいて咲いていたアキノギンリョウソウは、落ち葉の中で頭を上げ、軽やかに口笛を吹いているようです。昨年は3~4本咲いたのですが、林道で踏みつけられてしまったのでしょうか1本だけでした。

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ウバユリ

横向きに咲いていたウバユリは頭をもたげ、大空を仰いでいます。

果実の中にはたくさんの種を作り、上のほうは開いていますが、側面は格子のような繊維でふさがれ、まだ種子が残っています。吹き荒れる木枯らしを待っているのでしょうか。

裏山の、冬の眠りにつく前の色あせた植物たちですが、旺盛な時期とは違った趣きを見せています。


パチンコを持ってやってきた綾里っ子

2011年12月11日 | 綾里っ子

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一昨日の夕方、ユウト君とリュウイチロウ君が前日につくったパチンコを持ってつむぎの家にやってきました。あたりは薄暗くパチンコをはじいてもどこまで飛んだか目で追うことができません。そこでブロックの倉庫で跳ね返る音を聞きながら玉の行方を確認しています。

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なかなか思い通りにはいきません。3~4発に1発ぐらいの当たる確率です。

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その後、ユウト君が図書室から借りてきたと昆虫図鑑を読み始めました。もう野外に昆虫は見当たりませんので、図鑑を見て楽しもうと思ったのでしょうか。二人は、長屋の明かりのもとで図鑑を開き、チョウの翅の模様の見方にうなずいてます。

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ふと、縁側の片隅にカマキリの卵があったのを思い出しました。

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「カマキリの卵があるけど見に行く?」というと二人は即座に動き出しました。

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卵を見た二人は、お家に持ちかえって育てたいというので、カマキリの卵がついた枝ごと捕りました。

「どうやって育てればいいの?」「春までは、このまま花瓶にでもさしておけばいいけど、卵がかえるとたくさんのカマキリの赤ちゃんが出てくるので暖かくなったら虫かごのほうがいいかな」「えー10匹ぐらい?」「10匹どころではない、100匹も200匹も出てくるよ」「餌はどうすればいいの?」「昆虫を食べるけど、餌が大変だから、卵からかえったら外に逃がしたほうがいいよ」「うん わかった!」と興味津々。

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ユウト君とリュウイチロウ君は、カマキリの卵がついた枝をそれぞれ手にして、家路に向かいました。

月明かりと一番星が綾里っ子の行方を見守っていました。


繁殖力に辟易していた「コクサギ」の果実の「美」

2011年12月10日 | 樹木

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コクサギ(ミカン科) 雌雄異株の落葉低木、写真は落葉後の果実。

全体に強いにおいがあり、葉が展開した春には、森はコクサギの臭いで埋め尽くされるほどです。

繁殖力が旺盛で、幹を切っても残った根から萌芽更新し、繁殖を広げ、長年放置された大小迫山の沢沿い、林道沿いはコクサギが藪を作っています。

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視点を変えて、コクサギの実の一つ一つをじっくり観察すると、コクサギの外皮は、腎臓形で曲線模様があり、4個に分かれた果実が何とも愛らしい。

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上のほうから果実をのぞくと、黒い種とそれを囲む二重の果皮が梅の花のようにも見える。

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コクサギの外果皮(上)とよじれた内果皮。

内果皮は実が熟し、乾燥するとよじれて種を遠くに飛ばす働きがあるそうです。

果実の中をみると思いがけない表情でした。

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コクサギの種。

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「師走花」と称してもいいほど、コクサギの実の美しさに魅せられました。

森の整備を怠ると旺盛な繁殖力で藪をつくり、厄介な樹木ですが、果実が熟す冬枯れ時期の楽しみを見つけました。


初冬の風物詩-木グワによる脱穀と唐箕による選別-

2011年12月09日 | 里山風景

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秋(10月)に収穫したエゴマ、母屋の軒下に立てかけて乾燥させました。

不思議なことに、里山を荒らす鹿も、このエゴマには手を付けず、今年もたくさんの実をつけました。

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エゴマ(シソ科)

別名ジュウネンとも言われこれを食べると十年長生きできるほど体に良いそうです。

一つの鞘に白い実が3個づつ入っていますが、刈り取りが遅れたためすでに畑で大分実を落としてきました。

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乾燥したエゴマを「木グワ」でまんべんなくたたいての脱穀作業です。

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また、ササゲやそば、キビの脱穀をしました。あずき色のササゲは、煮豆だけではなく赤飯などにも使います。

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脱穀に一役買っている先祖代々から使われてきた「木グワ」。

一本の木からできており、柄の角度や形に温かみがあり私の大好きな農機具の一つです。

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唐箕(とうみ)

収穫した穀物を脱穀した後、クズやごみを風力によって選別する農具で、納屋の片隅に残っていました。脱穀した穀物の精選には欠かせない優れものです。

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まず、漏斗状の口からエゴマを入れています。

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左手でストッパーを調節しながら、少しずつエゴマを落下させ、右手で起こした風力によってエゴマと殻やクズが選別されます。重い実は手前の一番口へ、未熟な実は反対側の2番口から、殻やクズは大口から出てくる仕組みになっています。

2年前まではサラリーマンであったと思えないほど巧みに、夫は一人で唐箕を使いこなしています。

ハーベスターや籾摺り・精米機の普及で、今は米の選別には使いませんが、雑穀の選別にはいまだ活躍中です。

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1番口から出てきたエゴマ、細かいクズやごみが取り除かれ、きれいになりました。この後水で洗い沈殿した小石などの重いものを取り除き、洗ったエゴマを乾燥させて出来上がりです。

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脱穀作業中、木グワでたたいていたササゲから蛾が飛び出してきました。毛皮の襟巻をまとい、かかとの高いブーツをはいた気品のある貴婦人のようです。

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まとっている衣装も土色をベースに、多彩でかつ溶け合った色彩や文様と、とてもおしゃれが上手です。

越冬するためササゲの殻の中に入っていたのでしょうか。生き物のうごめく姿がほとんど見られなくなった冬に入り、越冬する生き物たちはどうやって寒さをしのいでいるのでしょうか。

師走に入いってしまいましたが、ようやく秋の収穫物の始末を終えました。