ある日JIKAD(日本イズミル文化友好協会)宛にこんなメールが届きました(以下一部抜粋)。
ご存知のように「TEMARI」は有名な日本の手工芸ですが、インターネットなどで見る限りトルコでこの工芸に本当の意味で興味を持っている人はいないようです。私の父は昨年から日夜を問わずこの手工芸に夢中になっています、様々なサイズやデザインのTEMARIを作っています。
このメールを書いた理由は、トルコと日本の友好協会として、トルコでこの日本の工芸にかかわっている一人である私の父の作品を通して、共同で何かが出来ないでしょうか、ということです。展示会や講演、教室やワークショップのような形でもどんなものでも可能です。金銭的な利益は決して考えていません。目的はトルコで知られていない日本の工芸をイズミルの皆さんに紹介し、二国間の文化にかかる橋となることです。ちょうどあなたたちがなさっているように。
息子さんからのこの心情あふれるメールに素直に共感し、JIKADの友達4人でTEMARIを愛するHAKKI DASKAN(ハック ダシュカン)さんを訪ねました。奥様のUGUR(ウウル)さんはアクセサリーやインテリアのデザイナーでイズミルの学生街の一角にブティックを持っていらっしゃいます。お店でメールを書いた息子のGORKEM(ギョルケム)さんが一緒に迎えてくれました。
挨拶もそこそこにいきなりHAKKIさんのTEMARIへの情熱が口から言葉となってあふれ出しました。糸のこと、デザインのこと、芯のこと、巻き方のこと、お手本のこと、次から次へとそれこそ糸を紡ぐようにお話はつきません。お邪魔する前に少しだけ手まりについてインターネットで下調べをしていきましたが、教本もないトルコで英語のサイトだけを頼りに試行錯誤を繰り返しながら作った手まりの数々にはただただ圧倒されました。
驚いたことにHAKKIさんの専門は地質学で、TEMARIを知ったのは2012年4月のこと。インターネットだけを頼りに作り上げたTEMARIの美しさはもちろんですが、その数の多さからHAKKIさんがいかに昼夜を問わず夢中になっていらっしゃるかがわかります。
ブティックにはTEMARIを使ったピアスやブレスレットなども置かれ、モダンなアクセサリーと和風であるはずのTEMARIが少しも違和感なく宝石箱のように同居する空間でした。1時間半あまり、HAKKIさんとのおしゃべりは尽きず、私達ももっともっと聞いていたいと思い後ろ髪を引かれながらお店をあとにしたのでした。
どんな形でHAKKIさんの手まりとJIKADがコラボレーションできるでしょうか、乞うご期待。
HAKKIさんのブログ「Temari Sanati Ve Daha Fazlasi/The Art of Temari and More」
奥様のHP「Ugur Daskan」
ブティック外観
☆現在のイズミル☆
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日本にはすばらしいものがたくさんありますね。日本にいたら気がつかずに過ぎていたかもしれません。
てまりは見るだけで、飾るだけでもいいですよね~
すっごくきれいな模様にできていますね。
日本の民芸品を素晴らしいと思っていただけるのは嬉しいですね!
日本では忘れられかけているのに、作ってみようと思う人が遠い国にいるのがうれしいです。
遠い外国の方が自作までしているなんて、なんだか不思議な気分です。
本当に短時間でよくこれだけ作られましたよね。一日中手まりを作っていらっしゃるみたいですよ。夫婦揃って、クリエイティブな趣味があるのも素敵です。
日本人に似ていますか?やっぱり何か血が繋がっているところがあるのかも!
短い時間に、こんなに大量の手毬を作られたハックダシュカンさんの熱意が伝わりました。すごい! 日本とトルコをつなぐということが、思いがけないところで出来ることを知って感動しています。
遠く離れたトルコで、作られる方がいると聞くとほんとに嬉しいのと、日本人として文化の保存伝承が大切だと痛感いたしました。
是非、継続的に紹介してくださいね!
ハック ダシュカンさんのも凝っていますね。引き続いて日本の手まりの柄をネットで見たのですが、どんどん変わったのが出てきて、今はもう凄いんですね。日本の古典的な柄をモチーフにするのも面白いのでしょうが、イズニックタイルの模様のタイルも素敵なんだろうなと思いました。
ハック ダシュカンさん、お顔を見て日本人かと思いました。似ている方は日本にもいっぱいいますよね。