イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

OTELLER SOKAGI(ホテル通り)

2011-12-20 20:50:29 | イズミル暮らし・イズミル案内

イズミルの古い町並みが残る地区BASMANE(バスマネ)、トルコ国鉄の駅があり駅舎に入ると大きな荷物を持った人や見送りの人たちが行き交い旅情満天。100年以上もずっとこの駅から色々ないでたちをした人たちが、イズミルの見本市やケメルアルトゥの商店街へ向かって歩いたり馬車に乗ったりしていた、そんな光景を想像することもそれほど難しくはない佇まいのBASMANE地区、駅を出てから数メートル歩くとそこに全長320mあまりの通称OTELLER SOKAGI(ホテル通り)があります。本当の名前は1296通り。くねくねとカーブを描く石畳の両側には、パステルカラーに塗り替えられた小さなホテルが軒を連ねています。

BASMANEはイズミルで一番古くから居住が始まった地区、19世紀初頭にできたOTELLER SOKAGI(ホテル通り)は当初住宅として建設されたものでしたが、この辺りを商用で訪れる人たちが増えて、宿泊施設への需要が増えたことからホテル街へと変わりました。しかし火災や社会情勢の変化、移民人口の増加と共に、OTELLER SOKAGIは再び住宅街へ、しかも中・下級層の居住区になってしまいました。

手入れされることなく、住民達による増改築が繰り返された結果、建築の特徴も失われかけていたところへイズミルの再開発プロジェクトが始まり、電話、電気のケーブルは地中に、後から外付けされた建物は撤去、屋根や軒、ひさしなどはオリジナルに合う形で修復され、今日の新OTELLER SOKAGIが復活したのです。 

ホテルと言っても、星のあるようなホテルではなく、部屋にTVとお湯の出るシャワーがあることが売りになる程度、ツアーでトルコを訪れるツーリストたちは間違っても足を踏み入れることのなさそうな場所です。

夕暮れ迫り小路を行き交う人も稀な時間、写真を写しながらきょろきょろしていると「Buyrun buyrunnn(ブユルン、ブユルーン=どうぞどうぞー)」とドアの外に飛び出してきたおじさん三人組。まるで中東の映画にでも出てきそうなお顔ではありませんか。何年このOTELLER SOKAGIを眺めてきたのでしょうか。色々話を聞いてみたかったけれど横でせかす人が1名いるので、やむなく記念撮影だけさせてもらいました。

ホテルの外で、ぼんやり座っていたこの女性、緑の毛糸の帽子がかわいらしいと思って望遠で写してしまったのですが、スーツケースにビニール袋、これがすべての家財道具なのでしょうか。あとで見てちょっぴり後悔。この日ホテルに泊まるお金はあったのでしょうか。一人で何やらぶつぶつつぶやいていました。

きっとホテルのそれぞれの部屋には、それぞれが映画の主人公になりそうな長逗留の住人もいるかもしれませんね。 

 

 

 折り紙で作った六角形の箱。

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