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イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

Sirince(シリンジェ)

2005-10-01 23:12:56 | 
日本で勤めていた会社の同僚が3名、トルコへ遊びに来てくれました。8日間の夏休みで大忙し旅行、それでもイズミル3泊だったので、昨日はエフェス・シリンジェへ行ってきました。
エフェスはどのガイドブックにも載っているので、今日はシリンジェについてご紹介をしてみたいと思います。シリンジェを知ったのは今から約10年前、お正月にトルコへ遊びに来た時に初めて訪れました。セルチュクから約8キロ、オリーブや桃、オレンジの畑を抜けると突然山肌にへばりつく様に並んだかわいらしい家並みが目に入ります。シリンジェ(シリンとはトルコ語で‘かわいい’)と言う名前の通り、昔話に出てきそうな小さなとてもかわいい村です。かつてギリシャ系住民が住んでいましたが1924年の住民交換の際にトルコ人が住む様になったのだそうです。10年前に来た時は、ほんとに何もない村で、食堂も2軒だけ、小さな石畳の通りで村の女性達が編み物や刺繍をしながらその場で売っていたり、通りを歩いていると家の中から声がかかり自家製ワインを飲ませてくれたり、家にくっついた家畜小屋からは山羊や馬が顔を出していたり、畑へロバの背に乗って向う人達がトコトコと歩いていったりとそれはそれはのどかな風景でした。それから約10年後、かわいらしい家並みは変わりませんが、古い家を改装したレストランが増え、道端では工場製品のテーブルクロスやタオルを売り始めたおばちゃんたち、自家製ワインもすっかりシリンジェの産業として根付いたようで、様々なフルーツ味のワインを試飲させてくれるワイナリーやおみやげ物屋さんが増えていました。外国人旅行者も大型バスで乗りつける様になり、昨日は日本のツアーご一行も。私にとっての秘境だったシリンジェ、有名になってしまって少し寂しいような気がしますが、それでもなお坂道をのぼると、笑顔のおばちゃんが「hos geldin(いらっしゃい)」と声をかけてくれたり、山羊や牛とすれ違ったりと、気持ちがふんわりしてくることにはかわりがありません。