山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

妙見山(“ヤマシャクヤク”を求めて山中を彷徨う)

2023年05月31日 | 山野歩
2023年05月04日(木)
『山野歩』
<妙見山>
<“ヤマシャクヤク”を求めて山中を彷徨う>
[コースタイム]
◆[妙見口駅] 9:10 → (初谷川沿い) → 12:00 [緊急通報ポイント7(タマゴとキバ)] → (踏み跡を辿る) → (踏み跡消滅) → 11:53 [尾根道(昼食)] 12:40 → 12:51 [上杉尾根・分岐] → 13:16 [天狗山・P444] → 13:58 [秋葉山] → 14:25 [尾根コース・登山口] → 14:41 [妙見口駅]
◆所要時間:5時間31分
“タマゴとキバ”がある“緊急通報ポイント・⑦”より山側に踏み入る。
クマガイソウを育成している処を、まだ開花している“クマガイソウ”を左手に見て上って行くと、奥へと踏み跡が続いている。
その道は、初谷川沿いの道を歩き始めて、山側に入ることが出来る最初の踏み跡であった。
このまま初谷川沿いの道を進んでも、“ヤマシャクヤク”には出合えないかも知れないと思い、山側に踏み入る必要があるのではないかと考えたからだが、
それは、吉川自治会の掲示板に記してある“ヤマシャクヤク”の解説文に、「山の木陰に群生する多年草、花は5月」とあったからだ。
暫くの間は、踏み跡らしき道はあったのだが、何時しか無くなる。
しかし、戻っても仕方ないだろうし、上部に位置するであろう上杉尾根を目差して、道なき道を進むことにする。
“ヤマシャクヤク”を探しつつ、終始木陰を眺めながら、
しかし、前進が不可能になったときのことを想定して、戻るときのことを考え、時折後ろを振り返りながらゆっくりと足を運ぶ。
新緑が輝く森中は至極美しい。すべてが僕の独り占めだ。
だいぶん上った頃、上部の林中を、チラッと横切る1頭の鹿の姿を目の当たりにするが直ぐに消え失せる。
その後も懸命に上る。もしかしたら“ヤマシャクヤク”と、樹木の幹下辺りを特に注視しながら、輝く新緑の中を只管上る。
そして、見え始めた尾根までの、最後の10㍍余りの斜面が、僕にはきつかった。
スリップしないように、樹木やその根っこをしっかりと捕まえながら懸命に上るが、トレイルラン用の運動靴ではかなり厳しかった。
やっとのことで辿り着いた尾根で、何事もなく何とか上り切ったよなと安堵しつつ、倒木に腰掛けお昼にしていると、独りの方が尾根道を下りて来られた。
そこで、「この道は上杉尾根ですよね」と訊ねると、「いや違う、上杉尾根はこの向うだ」とおっしゃる。
僕が利用している昭文社の“山と高原地図”には、初谷渓谷と上杉尾根の間には尾根道はない。
あるのはピークらしき“・444”と“・349”という数字だけだ。この尾根道を下っても何処に出るのかが分からないゆえ、
時間はたっぷりあるので、下山するのではなく、上り返すことにする。
10分程歩くと、見覚えのある道標が現れ、“P444”と秋葉山を通って、吉川保育所経由で妙見口駅に至るとあった。
3度歩いている“上杉尾根”ではなく、歩いたことがない尾根道を歩いてみたいと思い、“P444”を目指すことにする。
初谷川沿いの道から尾根までの上りで、かなり脚力を使ったゆえ、こむら返りが生じるかも知れないと思い、
脚を踏ん張ることがないように至極ゆっくりと歩くと、25分程で“P444”に到着。
樹木に掛けてあった“天狗山444”の名札を眺めて、次は“秋葉山349”だよな、
かなり早い時刻に下山出来るよなという安堵感と同時に、残念ながら“ヤマシャクヤク”に出合えなかったよなという思いが我が脳裏を過った。
併しだ、鹿にも出合ったし、クロアゲハ始め、コミスジやテングチョウにも出合ったし、初谷渓谷や道なき道で“フジ”の紫花にも出合ったし、
尾根筋で開花していた“フジ”が左巻きで“ヤマフジ”であることも確認出来たし、満開のゴマギやガマズミの白花にも出合ったし、
“タニウツギ”の紅花を楽しむことも出来たし、輝く新緑を眺めることも出来たし、
その新緑中に映える“ヤマツツジ”の華やかな姿を観ることも出来たし、道なき道を無事に完歩出来たし、
今までに歩いたことがない道を歩いて楽しませてもらったし、なんて一つひとつの出合いを振り返るとき、
この歳になっても山を楽しむことが出来る心身を、僕がまだ保持していることを、父母に感謝するばかりであった。





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