公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

JRAは解体が望ましいか?

2006-07-06 00:01:03 | 競馬

特定ファミリー企業への随意契約が何と95%近く。他の「天下り団体」よりもひどい現状が今のJRA。

Yahoo地方公営ギャンブル経営より

<JRA>94%が随意契約 ファミリー企業12社と

 特殊法人・日本中央競馬会(JRA、東京都港区)が05年度にファミリー企業12社に発注した清掃や警備などの契約金額のうち随意契約が94.8%に達していることが分かった。12社の社長ら51人がJRAからの「天下り」だった。随契率が平均約8割に上るとして問題が指摘されている中央省庁と比較しても、その高さは際立つ。政府が中央省庁と公益法人との随意契約削減に取り組む中、馬券(勝ち馬投票券)の収益を運営経費に充てているJRAについても論議を呼びそうだ。

 JRAは競馬法などに基づき、刑法の例外として地方自治体とともに競馬の開催が認められている。日本中央競馬会法の規定では、売上金の75%を馬券の払戻金、10%を畜産振興などの目的で国庫に納付、残り約15%が競馬開催のための運営経費に充てられる。この運営経費の剰余金も国庫納付金や畜産振興の助成金となっており、運営経費が割高になれば、国庫納付金などが減ることになる。

 JRAによると、05年度の契約総額は1893億円。うち随意契約は1288億円(68%)だった。「日本トータリゼータ」などJRA子会社4社と、JRAとの取引に経営を依存する「日本競馬施設」など関係会社8社の計12社に限ると、契約額は711億円に上り、随意契約は674億円(94.8%)を占めた。また05年10月現在で12社の役員67人中、社長全員を含む51人がJRA役職員からの「天下り」だった。

 JRAの収入は97年に4兆円を超えたのをピークに年々減少。05年度は2兆9025億円だった。01年12月に閣議決定した「特殊法人等整理合理化計画」で「一般競争入札等の大幅拡大と、関係会社に対する委託費の削減」を求められた。だが契約全体の随契率は02年度の72.8%から4・8ポイントしか減少せず、12社との随契率も98.2%(02年度)から3.4ポイントの低下にとどまっている。

 05年12月の閣議決定でも「公正・中立性の確保上支障のない契約については、10年までにすべて競争入札に移行させる」と求められていた。

 JRA経理部の話 公正確保が前提になる競馬興行の特殊性のため、実績とノウハウを持つ信頼性のある業者との随意契約が多いが、閣議決定の趣旨に沿うべく精査・検討している最中だ。【斎藤良太】 

 

◇解説…契約見直し徹底を

 ファミリー企業との随意契約率の高さが明るみに出たJRAは「軽々に競争入札に移行して興行に影響が出た場合、競馬離れにつながる」と反論。そもそも「国の助成、補助を受けず、不安定な馬券収入に依拠し独立採算で運営しており、国の機関などとは性格が違う」と主張する。

 しかし、刑法で禁じられている賭博行為を運営できる特権があるのは、JRAが「畜産振興に寄与する」との事業目的に基づき、馬券の売り上げの1割以上を国庫に納付しているからだ。競馬ファンの「寺銭」はJRAが徴収する「税金」とも言え、その運用方法についても、国の予算と同等の透明性と公正さが求められる。「天下り」先のファミリー企業の優遇こそファンの信頼を失い、競馬離れを招くのではないか。

 かつては旧道路4公団とファミリー企業との随意契約が問題となった。最近では、中央省庁の随意契約のうち、公益法人と天下り先企業への発注額が6割を占めたことなどが判明し、政府は削減に乗り出している。

 割高な契約による無駄遣いは、結局、国民の利益に反する。JRAはこれまで以上に契約を見直す必要がある。【斎藤良太】

(毎日新聞) - 7月5日3時4分更新

『軽々に競争入札に移行して興行に影響が出た場合、競馬離れにつながる』

という論理が一体どこから出てくるのか?疑問でならないが、そもそも清掃業者に「公正確保が前提になる競馬興行の特殊性」なるものが関係するのだろうか?

小沼啓二氏が書いた、「競馬のからくりが怖いほど分かる本」(三笠書房)によると、1日にかかる競馬開催費用はなんと5億円。年間にして千数百億円にも上ると記している。

中央競馬の昨年の売り上げは上記に示す通り、2兆9025億円であるが、JRAの実質の「取り分」はそのうち15%にあたる約3100億円である。

これも上記の本によれば、中央競馬の取り分の使途は、

① 競馬事業費

② 競走事業費

③ 業務管理費

に三分化でき、主に開催費用は①にあたる。

②は主に賞金、③は主に役職員の給与である。

ちなみに上記の本は6年前に発刊されたものなので、「取り分」が約5500億円強(1999年)のときのデータであるが、それによると、

① 約2500億円

② 約1500億円

③ 約1200億円

となっている。

そう考えるともし①~③の数字がそのまま当てはまるとすれば、昨年の中央競馬の実質収支は「大赤字」ということになる。

そんな大赤字収支のJRAなのに、結局は割高な業務契約に繋がる、「随意契約」が大半というのはまったくもっておかしな話ではないのか。

もしこのままの状態が放置されればJRAは第二の国鉄、道路公団とかいった形になりかねない。手を打つなら今である。

いわゆる参与会議の諮問においては、日本中央競馬会は実質そのままの形で残すことが閣議決定されている。

しかしこれまた上記の本に、中央競馬の出資関連団体の構図が図示してあるが、組織についてはその当時からほとんど変わっていない。

ということは、中央競馬会の外郭団体の改革、統合には一切手が付けられていないばかりか、そのまま野放図にされ、挙句、「公正・中立性」の大義名分のもと、ファミリー企業が跋扈するという、「骨太の改革」に相反する状況となっているわけである。

確かにJRAは無駄にカネを使いすぎている感が否めない。いまだ有名タレントを駆使して大金投じてCMを流したり、競馬場に行っても、他競技ならば明らかに合理化が進んでいる部分においても人の手を使って行っているものがいろいろとある。

他にも、「競馬のからくりが怖いほど分かる本」には、いろいろなJRAの「無駄使い体質」の内容が書かれているが、このことは今も全く変わっていないのだ。

一方で、JRAは旧来の流れが変わることを嫌う。

先日、ダーレージャパンファームの馬主登録が却下された。理由は財務状況が基準に達していないとのことであったが、シェイク・モハメド殿下といえば世界屈指の大金持ちといわれているのに、財務状況もへったくれもあるまい。だったら中小牧場主が馬主となっているケースもあるが、それは財務状況が果たしていいのか?

外見はいかにもオシャレな感覚が売りのJRAだが、中身はン十年一日、ちっとも変わっていない。当然、天下り体質とその利権団体の構図も。

だが、こうした構図をこれまで追及するマスコミもなかった。

はっきりいって今こそチャンスといえよう。究極はJRA組織解体。

でないと、買った馬券は一体どこに消えていくのか今の構図では分からないよ。


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2 コメント

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公正確保のために多くなる? (Bank of Dream)
2006-07-07 18:38:15
JRAの言い分として



「公正確保が前提になる競馬興行の特殊性のため、実績とノウハウを持つ信頼性のある業者との随意契約が多い」



というものがありますが、所詮は「天下り先」を確保するための「隠れ蓑」になっているといわれる団体が多く、それをなくされたくないための「大義名分」ともいえるわけです。



一方、競輪やオートレースも「公正確保」が原則ですが、包括的民間委託化されているところがいくつかあるし、今のところ民間委託化されたことによる問題点というのは話には上がってきていません。



結局、おいしい利権団体があればそれをそのまま残してしまおうという思惑が見え隠れしています。同じ競馬でも地方競馬もまた、包括的民間委託を模索しているところがあります。
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Unknown (右打ち職人)
2006-07-07 12:08:55
政治やサッカーの事になると容赦なく無節操に叩く日刊ゲンダイも競馬の事になると単なるJRAの御用マスコミですよね。



競馬の場合はそれだけJRAからの圧力が強いので、書きたくても書けない事が多いのでしょう。



競馬中継を放送していないテレビ局あたりに期待したいですが、競馬って(ほか公営ギャンブルもそうですが)関心を持つ人と関心を持たない人の差が激しいですからね。



JRAとファミリー企業との癒着を暴いたところで、視聴率はあまり期待できないかもしれません

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