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ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

「ロシア」 ~ぱんれぽNo.29~

2007年04月22日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
☆ロシア
この国ではムギが最も重要な作物で、全穀物の半分を占め、そのうちコムギとライムギが製パンに使われる。パンはロシア人の基本的な食糧である。都市の製パン産業は高度に機械化されており、しっかりとした黒っぽい大型パンを中心に焼いている。
「修道院のパン」は、ナポレオンのモスクワ遠征の際、戦場で初めて作られたと言われている。
ボロジンスキーはライムギが60%含まれる。ウォッカのおつまみにもなる。
ベラルーシは楓の葉の上で焼いて香りをつける。
ピロシキは具を包んで揚げた調理パン。
ロシアから来た三つ編みパンは、中央ヨーロッパで好かれている。


「ヨーロッパ⑪」 ~ぱんれぽNo.28~

2007年04月21日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
・ポーランドではコムギ粉とソバ粉の生地にラードを加える。

・スラブの結婚式では、多産を象徴する模様つきのパンを新郎新婦が招待客に配る。

・北欧ではライムギパンの種類が豊富。糖蜜と麦芽エキスを使う。日持ちさせるため、スパイスや脂肪を加えることもある。リンパもライムギのパンで、オレンジやカルダモン、フェンネル、アニス、クミンなどで香りをつける。クネッケブレートは甘味のないラスク。どちらもスウェーデンで最も人気がある。ノルウェーのフラットブローという薄いガレットは前紹介した通りだ。スープの浮き実にもなるそう。

・ポルトガルはアメリカと関わりが深く、パンブロア・デ・ミーリョはコムギ粉とトウモロコシ半分ずつの丸パン。ユーカリの葉の上で焼かれることもある。

・スペインは、オリーブオイルを使ったパンや、キビ、ヒマワリ、ぺぽカボチャの種の入ったパンが名物。マリョルカ島のカタツムリ型のパン、エンサイマダは朝食に、オリーブオイルに浸して食べられる。

・ギリシャではホリアティコという田舎風パンとピタが人気を二分している。


「ヨーロッパ⑩」 ~ぱんれぽNo.27~

2007年04月20日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
・イギリス、正式にはイングランド、ウェールズ、スコットランドおよび北アイルランドからなるユナイテッド・キングダムのパンは、85%がコムギ粉で作る白パンである。気候風土がコムギ栽培に適しているのだ。昔はライムギ、オオムギを混ぜて、家庭またはコミュニティーの共同オーブンで焼いていた。19世紀初頭からコムギ粉のパンが広まった。
今日、都市のパンは大型の機械化された工場で、型に入れて焼くパンが多い。油脂の入ったリッチな原材料を使用する。新大陸への開拓、移住が始まった頃、開拓者のためにパンを配る際に配送や分配に便利な大きなパンを、と考え出されたイギリス食パンのホワイトブレッドが代表的で、日本の食パンのもとになっている。田舎や海岸地域には特殊なパンもある。
醗酵生地を平たく丸く焼いたクランペットは表面に無数の穴がある。
カラント入りで十字の模様のある小さい丸パンのホットクロスバンズは復活祭の2週間くらい前から売り出される。
イングリッシュマフィンはフォークで横に二つ割りにし、軽く暖炉の鉄板上で焼いてからバターやジャムを塗ったり具を載せたりして食べられていた。
スコットランドがルーツのアフタヌーンティに欠かせないスコーン、アイルランドのソーダブレッドは、共に重曹で膨らませている。

なぜアイルランド人だけがソーダブレッドを食べるのか。アイルランドはずっと質素な暮らしを強いられてきた土地で、コムギは貴重品、パンはごちそうだった。1840年代まで小作人は小作料を払うためジャガイモを食べて飢えをしのぎ、イギリス人の不在地主は相変わらずコムギを輸出しつづけた。発疹チフスも流行り、アメリカが緊急の援助を届けたが、それを運ぶ馬も荷車も、焼くオーブンもパン屋もほとんどなく、アイルランド人は鉄鍋の中にパン生地を入れて蓋をし、その上に炭や薪を載せて蒸し焼きにしていたのだ。


「ヨーロッパ⑨」 ~ぱんれぽNo.26~

2007年04月19日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
・フランスはコムギの輸出国である。コムギのたんぱく質含量はカナダ産の強力コムギに比べると少ないが、醗酵性は充分である。
フランスパンはコムギ粉にイースト、水、塩を加えたシンプルなものだ。バゲットの誕生は、産業革命以後四角い鉄の窯が出現してからで、その前は丸パンだった。
現在バゲットを中心とする同じ生地のパンには小型のタバチェから大型パンのパリジャンなどいろいろある。大きさ、形が違うだけで、風味が違ってくるのだ。他にもカンパーニュ、ライムギパン、くるみ入りパン、ふすま入りパン、小麦胚芽入りパンなどがある。
加糖生地のパンには、食パン、トウモロコシパン、ウィーンタイプのバゲットなどがある。
リッチな配合のクロワッサン、ブリオッシュは各地方にバラエティーがあって、これらはブーランジェリー(パン屋)とパティスリー(菓子屋)の両方で売られている。

↑(奥)baguette     ↑viennoiserie
日本のフランスパンは1954年来日したレイモン・カルベル氏によって普及された。


「ヨーロッパ⑧―オーストリア生まれのパン」 ~ぱんれぽNo.25~

2007年04月18日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
しかし、三日月型のクロワッサンは、ウィーンで生まれた。1683年、トルコはオーストリアを攻め、夜仕事をしていたパン職人が異様な物音に気付き、オーストリア軍に知らせたおかげで撃退することができた。皇帝はパン職人を称え、パン屋は「トルコを食ってしまえ」とトルコの旗印の三日月形をしたパンを作ってこれを祝った。これがフランスへ伝わり、今はすっかりフランスのパンになっている。

↑Croissant
また、フランスで定着しているドロドロした醗酵種を作っておく製法、「ポーリッシュ法(水種法)」もウィーン生まれだ。
デンマークのペストリーも同じ製法を利用している。

そしてオーストリアの三日月型のパンはキプフェルと呼ばれている。
 
↑Kipfel

「ヨーロッパ⑦―オーストリアのパン屋」 ~ぱんれぽNo.24~

2007年04月17日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
同じように、オーストリアのパン屋を見ても、ドイツ・スイス・イタリアのパンとほとんど変わらない。各方角から伝わってきたパンが並んでいるだけあって、その数は本当に多い。
 
↑↓インスブルック市内のパン屋。このくらいの品揃えが普通。写真を撮ってもいいか尋ねると、不思議そうな顔をしながらも「どうぞ」と言ってくれた店員のおばさん。
 
 

ライムギ入り、全粒粉入り、サワー味など大型のパンだけでも30種はあり、小型のゲベック(焼き物)類には、キプフェル、センメル(ドイツでは同じパンをゼンメルと発音する)の他に、チーズやレーズン、けしの実やクルミ、カスタード入りの甘いパンなどがある。

↑Nussschnecke          

↑Topfentasche


「ヨーロッパ⑥―オーストリアという国」 ~ぱんれぽNo.23~

2007年04月16日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
・オーストリアは良質のコムギ生産国である。

ここでは
少し、私がこの国に住んでいて感じたこともまじえてお話しようと思う。
オーストリア人は国名をよくオーストラリアと間違えられたり、ドイツ語を話すからといってドイツと同じに見られたりすることに強く反発する人が多い。(実際同じドイツ語を話すといっても地域によって方言がかなり異なるし、例えばチロルの人々はチロル人としての誇りがあって、どちらかといえばお堅いドイツよりイタリアの太陽への愛が大きかったりする。)ヨーロッパのそれぞれの国民性をちょっと皮肉っぽく比較したりするのも会話でよくあることだが、それを聞いていても、とてもはっきりとしたイメージの違いを持っているようだ。

それにしたって、オーストリアは昔からヨーロッパにおける交通の要衝であったし、1273~1918年までオーストリアのハプスブルグ家はドイツ国王やローマ皇帝ともなり、オーストリア・ハンガリー帝国にも君臨、姻戚関係は全ヨーロッパに及んでいたため、伝統文化は各隣国から、(つまり、どうしても隣国と似ている)ということが多くある。そのことが特にはっきりと表れているのがオーストリアの伝統料理で、シュニッツェル・フリダッテンスッペ←イタリアから、グーラーシュ←ハンガリーから、ノッケルン←チェコから、という具合だ。また、前章でも説明した通り、アプフェルシュトゥルーデルの生地は東の平焼き文化の影響を受けており、とても薄い。

↑Apfelstrudel

↑Wiener Schnitzel           

↑Gulasch


「ヨーロッパ⑤」 ~ぱんれぽNo.22~

2007年04月15日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
・イタリアは2400年前、古代ローマ帝国は東西に分かれた後滅びている。その後1000年間、ルネッサンスまで、イタリアは暗かった。各王国に分かれていたイタリアが統一されたのは1861年である。このような歴史的背景と特徴的な地形により、食文化が交流する機会が少なかったため、イタリアは地方性が強く、さまざまなパン(パーネ)がある。
原料コムギは自国産であるが、シチリアでは、パスタ用のデュラムコムギを作り、パンにも用いられる。北部ではバター、南部ではオリーブ油をパンにつけて食べる。
バラをイメージした小型パンのロゼッタ、スリッパを意味するチャバッタ、平たく焼くフォカッチャ、固く細長いグリッシーニ。
ピザはナポリで生まれた。かつてのナポリ王国は統一後衰え、アメリカへ移民が増えた。彼らはアメリカでピッツァを広めた。醗酵生地を丸く伸ばしトッピングを載せて高温で焼くピザは、便利でおいしく、栄養的であるが、もともとはずっとシンプルで、熱いパンにオリーブオイルを垂らし、つぶしたトマトとチーズのかけらをのせたというようなものだった。パン屋では四角く天板いっぱいに焼き、切り売りする。
大型の菓子パン、パネトーネは15世紀にイタリア北部の商業都市ミラノで生まれた。バター、卵黄、レーズン、砂糖漬けのレモンの皮がたっぷり入った醗酵菓子で、クリスマスを中心に全イタリアに普及している。同じ醗酵生地にアーモンドが入っている鳩の形のコロンバは、復活祭に食べるならわしがある。パスタ、コメを食べる国民だが、パンは主要な主食である。

「ヨーロッパ④―ドイツのパンいろいろ’」 ~ぱんれぽNo.21~

2007年04月14日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
ブレートヒェン(小型のパン)の代表的なものにはゼンメルがある。これは小麦のみの白パンで、表面にケシの実や白ゴマがついた、モーンゼンメルやセーサムゼンメルもある。

↑Mohnsemmel

↑Sesamsemmel

↑Bio-Kornweckerl ↑Kornsemmel  

特徴的な形は、押すと切れ目のつく型も売っているが、ドイツの職人試験では両手を使っ
て一気に2個仕上げなくてはならないらしい。外側の生地を5回中央に持ってくるこの成形のせいもあってか、値段が高めのハンドゼンメル(=手―ゼンメル)は特に、皮が軽く香ばしく中の白い生地はきゅっと詰まっている。よく古くなったゼンメルが10個入りになったり刻まれたりして売られている。これは、伝統料理であるクヌーデルを作るのにパン粉のようにして使われたりする。

↑Speckknoedel
ドイツ語圏全体で食べられているパンだが、国や地域によってブロートヒェン(このパンに限定した呼び方として)、ゼンメル、ヴェッゲン、シュリッペなど呼び方が異なる。

ブレッツェルは、中世の時代からドイツで愛されつづけてきたパン。これもクルステンブロートの仲間で、白い小麦粉と酵母菌と牛乳で作られる。焼く前にアルカリ液に浸して海の塩をまぶすので、皮が茶色くこんがりと仕上がり、独特のツヤと癖になる苦味がある。ぱりぱりしたものからやわらかなものまで、さまざまなレシピがある。細長い生地をゆるく結んだユニークな形は、細長い生地をゆるく結んであり、(“腕を組んで手を腕にかけたところ”とか、“3つのうち2つの穴が両親で残りの穴が子供を表す”という説もある)ベッカライ(パン屋)を表す印になっており、今でも多くの看板に使われている。また、ザルツブルグ名物の大きなブレッツェルには、砂糖やチョコレート、チーズなどをまぶしてある。

↑Bretzel

↑Baeckerei

↑Salzburger Brezen
アルカリ液を使ったパンは他にも、コッペパン型のラウゲンシュタンゲルなどがある。

↑Laugenstangel  

朝ご飯で特によく見受けられるドイツ語圏人のブロートヒェンの食べ方は、ナイフを横に入れて二つに割り、柔らかくなったバターを塗ってから、ハムとチーズかジャム、またはチョコレートクリームなどを塗って、元の形に戻して食べるというやり方。ハムやチーズの量り売りの店では、中身を選んでピクルス入りのサンドを作ってもらうことも出来る。

↑Semmel mit Wurst und Kaese

また、ドイツの小型のパンは、形も楽しむためちぎらずにかぶりつくのが良いとされる。

↑Salzstangel

菓子パンには、日本の給食の揚げパンのようなクラプフェンという揚げ菓子などがある。

↑Krapfen

クリスマスの菓子パン、シュトーレンはラム酒漬けのドライフルーツ、ナッツ、油脂が多く入っており、砂糖でくるんでいるので長持ちする。

↑私が作ったStollen


ドイツには160種の職種別にマイスター制度があるが、パン職人もマイスターの資格を得ないとベッカライは開店できない。



「ヨーロッパ③―ドイツのパンいろいろ」  ~ぱんれぽNo.20~

2007年04月12日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
ドイツのパンの種類は多く、菓子パンも含めて知られているものだけで300種類はある。名称は原料、製造方法、原産地などによって付けられることが多い。例えばBerlinerlandbrot=ベルリンの田舎のパン、Schwarzwaelderbauernbrot=黒い森の百姓のパン、Roggenvollkornbrot=ライ麦全粒粉パン、Kuerbisbeisser=かぼちゃ噛み人(かぼちゃの種がのっている)など。

↑Kuerbisbeisser

型に入れて蒸すカステンブロートと皮のあるクルステンブロートの大きく2種類に分けられる。
100%ライムギ粉のプンパーニッケルは、四角い型に入れて少なくとも16時間以上、100~180℃という低温で焼くカステンブロートの一つで最も色が濃い。加熱中に粒の中のでんぷんがカラメルに変化し、黒っぽくなるからだ。30年戦争中、戦闘が始まったので村の窯にライムギパンを入れたまま逃げ出した農民が、翌日戻ってくるとパンはすっかりこげていたが、空腹に耐えられず、その出来損ないを食べてみるとおいしかったというのが始まりだ。
ミッシュブロートは、コムギの割合の方が多い場合はヴァイツェンミッシュブロート、ライムギの方が多い場合はロッゲンミッシュブロートという。
ランドブロートはクルステンブロートで、牛乳の変わりにバターミルクを使うので、ほろ苦い甘みがライムギによって引き立つ。

↑Landbrot  

↑大きいパンを買って切り分けて食べる

いわゆるライムギパンは、身がずっしりと詰まっていて、酸味のあるしっかりとした味が特徴。

↑Roggenbrot mit Kaese
他に、カラス麦、大麦、とうもろこし、米、きび、丸麦、押し麦、かぼちゃやひまわりの種などの穀物を入れた歯ごたえを楽しむパンも多種ある。これらはビタミンやミネラルを多く含むことからも自然・健康志向のドイツ人に人気である。

↑Koernerl

↑Sportbrot