ブレートヒェン(小型のパン)の代表的なものにはゼンメルがある。これは小麦のみの白パンで、表面にケシの実や白ゴマがついた、モーンゼンメルやセーサムゼンメルもある。
↑Mohnsemmel

↑Sesamsemmel

↑Bio-Kornweckerl ↑Kornsemmel
特徴的な形は、押すと切れ目のつく型も売っているが、ドイツの職人試験では両手を使っ
て一気に2個仕上げなくてはならないらしい。外側の生地を5回中央に持ってくるこの成形のせいもあってか、値段が高めのハンドゼンメル(=手―ゼンメル)は特に、皮が軽く香ばしく中の白い生地はきゅっと詰まっている。よく古くなったゼンメルが10個入りになったり刻まれたりして売られている。これは、伝統料理であるクヌーデルを作るのにパン粉のようにして使われたりする。

↑Speckknoedel
ドイツ語圏全体で食べられているパンだが、国や地域によってブロートヒェン(このパンに限定した呼び方として)、ゼンメル、ヴェッゲン、シュリッペなど呼び方が異なる。
ブレッツェルは、中世の時代からドイツで愛されつづけてきたパン。これもクルステンブロートの仲間で、白い小麦粉と酵母菌と牛乳で作られる。焼く前にアルカリ液に浸して海の塩をまぶすので、皮が茶色くこんがりと仕上がり、独特のツヤと癖になる苦味がある。ぱりぱりしたものからやわらかなものまで、さまざまなレシピがある。細長い生地をゆるく結んだユニークな形は、細長い生地をゆるく結んであり、(“腕を組んで手を腕にかけたところ”とか、“3つのうち2つの穴が両親で残りの穴が子供を表す”という説もある)ベッカライ(パン屋)を表す印になっており、今でも多くの看板に使われている。また、ザルツブルグ名物の大きなブレッツェルには、砂糖やチョコレート、チーズなどをまぶしてある。
↑Bretzel

↑Baeckerei

↑Salzburger Brezen
アルカリ液を使ったパンは他にも、コッペパン型のラウゲンシュタンゲルなどがある。
↑Laugenstangel
朝ご飯で特によく見受けられるドイツ語圏人のブロートヒェンの食べ方は、ナイフを横に入れて二つに割り、柔らかくなったバターを塗ってから、ハムとチーズかジャム、またはチョコレートクリームなどを塗って、元の形に戻して食べるというやり方。ハムやチーズの量り売りの店では、中身を選んでピクルス入りのサンドを作ってもらうことも出来る。

↑Semmel mit Wurst und Kaese
また、ドイツの小型のパンは、形も楽しむためちぎらずにかぶりつくのが良いとされる。

↑Salzstangel
菓子パンには、日本の給食の揚げパンのようなクラプフェンという揚げ菓子などがある。

↑Krapfen
クリスマスの菓子パン、シュトーレンはラム酒漬けのドライフルーツ、ナッツ、油脂が多く入っており、砂糖でくるんでいるので長持ちする。

↑私が作ったStollen
ドイツには160種の職種別にマイスター制度があるが、パン職人もマイスターの資格を得ないとベッカライは開店できない。