桜の、国宝松江城 (2016.4.9 撮影)
高校に進学した孫兄ちゃんの入学式に参列した折、予定した行事は午前中で全て終了した。
お天気は最高、桜もまだ見頃。そのまま真っ直ぐ帰るには少しもったいない気持ちになった。
朝早く起きて、153kmという長距離を運転してきたのだ。飽くまでも本命は入学式参列である。その要件をクリアーした後は自由時間にさせてもらってもお咎めはないだろう、と勝手に決め込んで・・・。
兄ちゃんの学校から日本海側を目指して、国道54号の一般道路をひた走る。約70kmばかり走って宍道湖畔に出る。
そこからさらに松江市を目指して数キロ。目標の国宝に指定された松江城に到着。カーナビが迷うことなく道案内してくれた。
花見客で狭くなったお城前広場を、桜を眺めながらそぞろ歩き。見上げる天守閣は、黒を基調にした重厚感あふれる見事さ。
どうしても一緒に行きたいというカー君の希望に合わせてゆっくり城内見学。
コンクリート造りの岩国城では味わえない、古きよき木造建築の粋を見せつけられる。柱の1本1本にも深い趣を感じながら。
国宝に指定される決め手となった、2枚の「祈祷札」が打ちつけられていた箇所や、兵糧攻めに対応する城内の井戸など、しかとこの目で。
『弁当忘れても傘忘れるな』と言われるほどに、曇り空、雨や雪の多い山陰地方。
それでも、宍道湖や日本海に近づくと、雪の量も多少は減るのだろうか、道路わきの雪の深さを示すポールが見当たらなくなる。
兄ちゃんの学校に行くまでには、間違いなく道路両サイドに紅白のポールが立っていて、積雪量がひと目でわかるようになっている。
学校から数十メートルの位置に、スキー場がいくつもある雪深いところ。
縁あって島根県を身近に感じるようになった。その代表が松江城、というわけでもないが、「一度はご覧なさい」と言っておこう。
一日の走行距離としては過去最高の460km。いささかお疲れ。翌日はお尻の周りが重かったような。
でもそんなことを言ってはいられない。いつ応援に駆け付けることになるのやら。
兄ちゃんのいない寂しさを一番感じているのは、ほかでもない「おとうさん」と、娘が笑う。