猛吹雪の大山 その3
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ところどころに青空が見えてきた。
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八合目を過ぎて尾根道に出ると、風が物凄い。
しっかりと踏ん張りながらゆっくり歩かないと、風で倒されそうだ。
巻き上げられた雪の地吹雪も凄い。
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「大山キャラボク」の原生林だ。
ホワイトアウトに巻き込まれてこの中に転落し、命を落とされた
ベテランの方もいらっしゃる。
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ようやく山頂が見えてきた。
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山頂避難小屋に入り、休憩と食事だ。
時刻は午後1時30分。スタートしてちょうど3時間だ。
小屋の温度計はマイナス12度だ。
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食事休憩後弥山山頂へ行き、そして下山。
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弥山山頂、頭のすぐ上に雲が勢いよく流れる。風も凄い。
ストックなしではまっすぐに立っていられない。
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すぐ下の避難小屋は氷の塊に見える。
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剣が峰が少し見えるようになってきたけど、このナイフリッジの氷の尾根を
強風に負けないで歩くことは非常に難しい。
もともと弥山から先へは 立ち入り禁止なので ここで引き返し
直ちに下山することにした。それにあまりにも寒く、汗ばんだ手袋の
中の手がキリキリと痛む。
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下山開始。地吹雪で足跡が消されているが、ところどころのポールが
道案内してくれて、非常に助かる。
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歩いていると、突然黒い雪雲がやってきて雪を激しく撒き散らす。
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危険ポイントだ。元谷への急斜面で春スキーのシーズンには
沢山の山スキーヤーがここから元谷へ飛び降りている。
慎重に一歩ずつ降りる。
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吹雪になると道が見えない。木道の上の雪はカチカチに凍っている。
非常に危険だ。アイゼンを装着する。
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弥山、剣が峰は再び吹雪いているようだ。全く見えない。
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突然雲が取れて、下界が遠くまで見えた。
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新雪の上を滑りながらどんどん降りる。早い早い。
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あっという間に、三鈷峰の高さを下回った。
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この急斜面も転ばぬように慎重に降りる。
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樹氷のトンネルを滑りながら降りる。
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時々立ち止まり、周りの景色を楽しむ余裕も出来た。
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あっという間に三合目まで降りた。
周りはいつしか大きな樹林帯だ。
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駐車場に帰着したら宅配便の車が止まっていた。
二台ともゴム製のキャタピラを履いている。
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