オーディオとクラシック

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コンサートホールと録音で聴く  内田光子 と マーラー・チェンバー・オーケストラ

2023-11-05 17:54:37 | オーディオと音楽
内田光子(ピアノ・指揮) と マーラー室内管弦楽団 のモーツアルトのピアノ協奏曲

 11月2日 サントリーホール で 内田光子さんのピアノ と マーラー室内管弦楽団の演奏でモーツアルトのピアノ協奏曲を聴きました。
 先ず感銘を受けた第27番K595 から
第2部 は上皇と上皇后美智子様のご臨席で始まりました。
静かに静かに始まりました。静かな序奏は続きます。そして静かにピアノが入ってきます。
内田さんの指揮も静かです。
美しい音と響きです。曲は静かに進みます。オーケストラは爽やかに鮮明に付けていきます。
単に美しいだけでなく深い精神性を感じました。
 このように静かで端麗な演奏を聴いたことがありません。
 定評のあるベーム指揮ウィーンフィル、バックハウスのピアノの演奏は豪壮な面がありますし、私の好きなエミール・ギレリスのピアノの演奏も美しいですが、精神性の域を感じたことはありません。
内田さんの演奏は一段奥深くに到達した、理想とする方向に進化した と私なりに感じ、感銘を受けながら聴き入りました。これは第2楽章も第3楽章も、最後まで続きました。
 この演奏を聴いて、第1部で感じた内田さんの演奏に関する不安は無くなりました。
第1部は モーツアルトのピアノ協奏曲第25番K.503 です。
始まりから鮮やかに颯爽と演奏されました。オーケストラも小人数を補うかのように力を込めて演奏します。内田さんの指揮も派手で、ピアノも豪快な面を多く含んでいると感じながら聴きました。
新しい録音のCDも聴いていますが、新録音では、旧録音の素直な綺麗な演奏と異なった、深い思い入れがあると私は感じています。 
クリーヴランド管弦楽団と録音した第27番K.595は、その中の1曲ですが、本日の演奏とは異なり、颯爽とした新録音のスタイルそのものです。
 内田さんの指揮は、昔から派手でした。そこから端麗な美しい音が生まれていました。
ユーチューブで見た演奏は新録音のスタイルで、内田さんは派手な指揮をしています。
私は旧録音が好きなので、( 勿論新録音の良さを認めて、CDもハイレゾ配信も聴いています。)
内田さんの演奏がこの先どう変わっていくのか、就いていけるのかと不安を感じいました。
 第2部の演奏を聴いて、感動するような良い演奏が聴けたと嬉しく思うと共に、この先も就いて行けそうだと安心しました。
 昨年、ボストン交響楽団との共演で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を聴きましたが、その時遠くから聴きに来たというご婦人が「昔の内田さんを聴きたかった」と感想を言われたことを思い出しました。自分も一部同感の思いもありました。
そのご婦人も多分この会場の何処かで聴いていて安心されたのではないでしょうか。




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