オーディオとクラシック

昔からのクラシックファンが最近のオーディオに取り組んでみます。

心に残る演奏会 Ⅱ

2018-07-29 09:27:25 | オーディオと音楽
 
  心に残る演奏会 Ⅱ

 オペラは余り聴きませんが、ウィーン国立歌劇場 で見た二回のオペラは印象に残っています。
1. ヨハン・シュトラウス 「こうもり」
 1976年12月31日
 指揮 ジュリアス・ルーデル
 ロザリンデ を エヴァ・マルトン、オルロフスキー男爵を クリスタ・ルードヴィヒ、フランク を エーリツヒ・クンツ が歌う豪華なメンバーでした。クリスタ・ルードヴィヒの熱唱が素晴らしかった。
4階の席から聴く、音響が素敵な響きでした。
 クリスタ・ルードヴィヒ は後年フェアウェル・リサイタルを名古屋で聴けたのも思い出です。
CDも出たのて゛購入しました。
 幕間にロビーに出ると、豪華に着飾った婦人たちに圧倒されました。華麗な衣装、豪華な装身具に只驚くばかりでした。円が360円に固定されていた頃の日本の経済状態が、未だまた゛遠くヨーロッパに及ばないと痛感しました。

2. ビゼー 「カルメン」
 1988年10月22日
 指揮 クラウディオ・アバド
 カルメン アグネス・バルツァー 
  第一幕 アグネス・バルツァー が登場すると、舞台が一斉に緊張感に包まれる、雰囲気が一転するのに驚きました。
 間奏曲でフルートの音が素晴らしく綺麗なのに感動しました。
ウィーンでオペラを観るのに、何で「カルメン」なのか とも思いましたが、日程の都合上、こうなりました。アバドとバルツァーの組み合わせ、良かったと思っています。
 ウィーン国立歌劇場の音響は素晴らしいですね。
 幕間のロビーの婦人たち、大晦日のような豪華な装いは少なかったです。





心に残る演奏会 Ⅰ

2018-07-25 14:09:15 | オーディオと音楽
 心に残る演奏会 Ⅰ 

 終戦後(1945年) の翌年頃から、レコードでクラシック音楽を聴き始めました。
 親友のK君やもう一人のK君とその父上の尽力で、当時珍しかった電器蓄音機でクラシックの名曲を聴きました。当然SPレコードでした。
 モーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」や交響曲など良く聴きました。CDで復刻された ブルーノ・ワルター/モーツァルト名曲集 など懐かしく聴きます。
 東京で大学生活を過ごしました。当時盛んだった映画は殆ど見ず、クラシックの音楽会を聴く費用を捻出していました。外国人の有名演奏家が来日し始めた時期でした。それを聞いたのは殆ど日比谷公会堂の3階、天井桟敷でした。
 この天井桟敷の音が私の音楽体験の基礎になっていると思います。演奏家からの直接音では無くて、ホール全体の渾然とした音を好みます。最近の録音の傾向からは外れているかもしれません。
 かなり沢山聴けましたが、その中で心に残る演奏を振り返ってみます。

1, メニューイン(ヴァイオリン)  ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
 戦後もっとも早く来日したのが、メニューインでした。幸いチケットを手に入れることが出来て、日比谷公会堂で聴きました。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の第二楽章で突然涙が溢れてきました。どうしてだか全く分かりませんが始めての経験でした。この時の公演、吉田秀和さんは褒めておられたようですが、他の評論家の多くは不評だったと聞いています。

2, 暫くしてシゲティが来日しました。協奏曲の夕べで、アンコールに弾いたプロコフィエフの協奏曲第一番の第二楽章が素晴らしかったと印象に残っています。丁度作曲したプロコフィエフが亡くなった後のことで、鎮魂の意味も含めていたのだろう、入魂の演奏と感じました。
( 哀悼の演奏の為、拍手はしないで とコメントされたと記憶します。)

「追加」4月4日朝日新聞夕刊 ヴァイオリニストの前橋汀子さんが小学生だった頃、シゲティのこのコンサートを聴いていて、このアンコールの演奏に感激されて、ヴァイオリニストの道に進まれ、旧ソ連のレニングラード音楽院に留学され、今日に至ると語られたと記載。
 同じコンサートを聴き、私以上に感動されたのだと知りました。
 多くの方が感動されたのだと思います

3, 1958年 チャイコフスキー 交響曲第4番 ガウク指揮 レニングラード交響楽団 
 来日第一回目のレニングラード交響楽団の公演を日比谷公会堂で聴きました。
ムラビンスキーでなく、ガウクの指揮だったのが残念と言う声もあったような気がします。
詳しいことは覚えていませんが、曲が始まると直ぐ、日比谷公会堂の音の届き難い天井桟敷に、金管の大音響が聴こえてきて驚嘆したことを覚えています。
 レニングラード・フィルは弦がいいと聞いていたと思いますが、金管の凄さを感じました。
詳しい状況は覚えていませんが、金管の圧倒的な音量が記憶に残っています。
 当時の録音がCD化されたことを知り、聴いてみたい気持ちもありますが、昔の印象を大事にとっておきたい気もします。
 今チャイコフスキーを聴くとしたら、ムラビンスキーの厳しさでなく、プレトニェフ指揮、ロシア・ナショナル交響楽団のCDで音の良さを楽しみたいと思っています

4, 1959年東京の デル・モナコ 「オテロ」
 東京 宝塚劇場で テノール デル・モナコのオテロを聴きました。
出だしの声の大きさ、素晴らしさに圧倒されたことを思い出しました。ゴッビとの掛け合いも見事でした。
テバルディがいないのが残念と言う声もありましたが、トゥッチも良かったと思います。
詳しいことは忘れ、素晴らしかった、凄かったという思い出が残っています。
CDが出た時に購入しましたが、印象が変わるのを恐れ、聴かずじまいです。

5, 1986年 サントリーホール 内田光子 モーツァルト ピアノ協奏曲
 東京 サントリーホールのこけら落とし公演で 内田光子のピアノ・指揮、イギリス室内管弦楽団 がモーツァルトのピアノ協奏曲の全曲演奏をしました。この中で第22番を聴きました。あまり有名ではない曲ですが、演奏は素晴らしく、きらきら光る派手な服装で登場した彼女は、踊るような身振りで颯爽と演奏しました。この時から私は 内田光子さんのファンになりました。
後日、リサイタル( 元気な頃の皇太子夫妻も来場された ) のアンコールで弾いたモーツァルトのピアノソナタの緩徐楽章も素晴らしい響きでした。

6, ギュンター・ヴァント  ブルックナー 交響曲第9番
 2000年 待望の ギュンター・ヴァント が来日しました。オーケストラは 北ドイツ放送交響楽団、シューベルトの「未完成交響曲」とブルックナーの第9番。素晴らしい演奏会でした。
ヴァント指揮の最後の来日公演を聴くことが出来て、聴衆と一体となった緊張感を体験することが出来ました。私の大事な音楽体験の一つになっています。その記念盤CDは大切に持っています。DVDもあるようですが、音だけを選びました。

 ガウク指揮 レニングラード・フィル のレコードジャケット 別の日の演奏会ですが


ハイレゾ配信で聴く 再聴  グリモー(P)  ブラームス ピアノ協奏曲第2番

2018-07-19 14:19:12 | オーディオと音楽
 ハイレゾ配信で聴く 再び聴く グリモー(P) ネルソンス指揮ウィーンフィル ブラームス ピアノ協奏曲第2番
 
 グリモー のピアノでウィーン・フィルの演奏の ブラームスのピアノ協奏曲第2番 を再び聴きました。何回も聴いていますが、とても良い演奏だと思っています。私が好きな演奏です。
 大分以前に、この欄に印象を書きましたが、今も変わりません。

要旨を載せておきたいと思います。
 flac 96kH/24bit

 第1楽章 出だしから ゆっくり目に壮大な表情を持ちながら、叙情豊かに演奏されます。
 ピアノの音も迫力がありながら美しく、ウィーンフィルは優美に歌います。
 この曲は壮大且つ厳粛に、豪華に演奏されることが多かったと思いますが、抒情を感じさせる、優雅とも感じさせる グリモーのこの演奏には、新しい目線での理解を得られるように思いました。
 第2楽章も美しく続き、第3楽章の有名な美しいチェロの独奏は、特別に強調されることなく、オーケストラの弦の中から自然に浮かび上がってくるように歌います。それがとても好ましいと思いました。
 ピアノも格調高く美しい。
 第4楽章は壮大に締めくくられます。

 録音もとても良好。ピアノは迫力がありながら美しい響き。
ウィーンフィルの弦・管 共に鮮やかに歌っているのが良く聞き取れます。S/N比も良好ですし、空気感、臨場感も十分に感じます。
 素敵な 演奏・録音 と聴きました。

 リッピングで バックハウス(P) ベーム指揮 ウィーン・フィル の演奏を聴くと、壮大な演奏が響き渡りますが、好きかどうか と問われれば、私は平常は グリモー を聴きたいと思います。


ハイレゾ配信で聴く  ベーム指揮 ウィーン・フィル ベートーヴェン交響曲「田園」

2018-07-01 10:30:09 | オーディオと音楽
 ハイレゾ配信で聴く カール・ベーム指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン交響曲第6番 「田園」

 60年来のブルーノ・ワルター ファンで、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」は、ワルター指揮・コロンビア交響楽団の演奏を第一に聴いてきました。SACD盤が出ましたので早速聞いてみました。しかし期待した程の音の良さを感じませんでした。CDで聴く高音部の音のきつさは解消されていません。LPの全集もあるので聴きました。爽やかな音が聞けますが、矢張り高音部が強めかな。それに演奏が昔感じていたよりも早く強めに聞こえます。

 最近は「田園」の演奏に穏やかさを聞きたくなってきているので、ベーム指揮ウィーン・フィルのCD全集を聴くことが多くなっています。

 ハイレゾで配信されましたので聞いてみました。録音は1971年とのことで、全集と同じでしょうか。
音は鮮明で美しく聞こえます。臨場感もあります。
 演奏はゆったりと、しかも緊張感を持ち、ウィーン・フィルらしい艶やかな表現です。「田園」の名に相応しい穏やかな美しさを楽しむことが出来ました。
 CDよりも聞きやすいと感じました。

 シューベルトの交響曲第5番も入っています。