オーディオとクラシック

昔からのクラシックファンが最近のオーディオに取り組んでみます。

CD リッピングして聴く  続き

2015-02-25 09:15:57 | オーディオと音楽
 CD リッピングして聴く その二

 リッピングして聴いて良い結果を得た場合もありました。
 CDで聴いて録音が良くないなと思った時、リッピングして聴いてみて、音が蘇ったように感じたことがありました。 そういう例は何回もありました。
 例を上げると、一つは カミラ・ヴィックス の弾いた シベリウスのヴァイオリン協奏曲です。ステレオではなくモノのCDです。
元々これは1950年頃録音の古いLP( モノ )で、輸入盤で購入していたものです。北欧の抒情を情緒豊かに歌い上げて細やかな美しさに溢れる演奏でした。輸入盤は数が少なかったようで一時は貴重品扱いで、数万円以上?の値が付いたとか聞きました。縁あってこの盤は収集家の所に行きましたが、その時CDが出ていると頂きました。CDはLPに比べると細やかな美しさが乏しく、音も貧弱で聴く機会も少なくなっていましたが、今回リッピングして聴いてみました。結果は美しさがかなり出てきたように感じられました。
 シベリウスのヴァイオリン協奏曲は数々の名盤が登場していますが、私にとっては此のヴィックスの演奏が原点となっています。
 もう1枚は バックハウス(P) ベーム指揮ウィーンフィルのモーツァルト、ピアノ協奏曲第27番K.595 です。これは定評のあるCDですが、ブラームスのピアノ協奏曲第2番とのカップリングで再発売されたものです。ブラームスと比べると音の状態がかなり良くありません。今回リッピングして聴いてみると、音の状態がかなり改善され、美しく聞こえるように感じました。これなら時々聞いてみても良いかなと思いました。
 演奏は定評のある通り、二人の巨匠がそれぞれを主張し、しっかりした演奏で堅実ですが厳しい面も感じられます。私はもう少しゆったりとした感じがが欲しく、同じベーム指揮、ウィーンフィルの演奏ですが、ピアノをギレリスが弾いた録音のほうが好きです。今も此のLPを聴くことが多いです。( CD でも出ていますが )
 CDでは内田光子のピアノ、指揮、クリーヴランド管弦楽団の新録音が音も良く、一音一音丁寧に弾かれ、且つ美しい演奏と聴きました。
 
 録音が良くないな と思うCDがありましたら、リッピングして聞いてみるのも一つの方法かな と思いました。


  シベリウス ヴァイオリン協奏曲
    カミラ・ヴィックス( V ) エールリンク指揮、ストックホルム放送交響楽団


  モーツァルト ピアノ協奏曲 第27番
    ハックハウス( P ) ベーム指揮、ウィーンフィル




    エミール・ギレリス( P ) ベーム指揮、ウィーンフィル  ( LP )


内田光子 ( ピアノ、指揮 ) クリーヴランド管弦楽団   ( CD )


CD リッピングして聴く

2015-02-18 08:53:29 | オーディオと音楽
 CDリッピング

 PCでCDをリッピングして聞くと音が良くなると盛んに言われていますが本当でしょうか。
 私のオーディオシステムとPCで試してみました。
 私個人の独断と偏見に基づく感想です。
 
 CDで聴いて高音部が強く鋭くて聞き難く感じている数枚をリッピングして聴いてみました。
 シゲティ演奏のバッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ、クレーメル演奏のバッハ ヴァイオリン協奏曲、ワルター指揮 ベートーヴェン 田園交響曲 などです。
 ALACでリッピング、USBメモリーにコピーし、OPPO105のUSB –A 入力で再生。CD再生と聴き比べてみました。CDプレイヤーはMM39CD です。
 リッピングの音はフラットに伸びる感じで、確かに聞きやすくなりますが、これが良い音と言えるかどうか? 音の熱気というか生気というか、生々しさが失われるように感じました。
 WAVでも聴いてみました。情報量はALACより増している感じですが、傾向としては同じように思われました。
 もしかして此のフラットな音が現在のオーディオが求める方向でしょうか。
 私の聴力の衰えがそう聞こえるのでしょうか。
 聴き馴染んだCDの音が私にとって親しみやすいということかもしれません。
 
 デジタルファイルプレイヤーの中級器で再生したCDリッピングの音は、一昔前のCD高級器のCD再生音には及ばないというのが私の感想でした。
  OPPO105の本領は矢張りBD再生とDVD映像再生にあると思います。DVDの映像もかなり綺麗に見ることが出来ます。

 リッピングしてNASへ収蔵しておけば場所もとりませんし、曲を選ぶのも簡単ですし、利用する価値は大きいのだろうと思います。CDケースからディスクを取り出して、プレイヤーにセットするのも楽しみの一部のようにも思えますが、LPを聴くのも同じようですが、このタイプは古くなりつつあるようですね。未だ無くなるとは思えませんが。

 デシタルファイルプレイヤーの高級器で聞けば どうでしょうか。高級器は数も未だ少ないし、高値過ぎて手も出ませんが。
 良い音の普及器が出てくることを願っています。


  シゲティ  バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ、パルティータ

 


  クレーメル   バッハ ヴァイオリン協奏曲






ハイレゾ配信 で聴く  フランク ヴァイオリン・ソナタ

2015-02-10 10:09:58 | オーディオと音楽
 ハイレゾ配信で聴く フランク ヴァイオリン・ソナタ

 若い優秀なヴァイオリニストは次々に生まれているようですね。
 レコード雑誌を購読するのを止めてから数年経つので、最近の情報は知らないのですが、オーディオ雑誌の音楽ディスクガイドに新しいコンビのフランク ヴァイオリン・ソナタが推奨されていました。丁度e-onkyo のセールに出ていましたので購入してみました。( FLAC 96kHz/24bit でダウンロード )
 これがとても良い演奏でした。ルノー・カビュソンのヴァイオリン、カティア・ブニアティシヴィリのピアノ です。ヴァイオリンは細やかで美しく、ゆったりと優美に歌っています。ピアノも落ち着いて包み込むような感じでヴァイオリンを支えています。録音は良好、高音部も爽やかに伸びて美しく倍音も聞こえます。ピアノの音もしっかりと聞こえます。音場感もあります。ハイレゾならではの音と聴きました。
 二人の演奏は競い合うというのではなく、支え合うという感じで安心して楽しく聴くことが出来ました。美しい演奏で綺麗な曲だなーと何回も聴きたくなります。
フランクの他に、グリーグ のソナタ第3番と ドボルザーク の4つのロマンチックな小品が入っています。どちらも美しい演奏です。
 フランクのソナタは大好きで、一頃は11枚のCD,LPを揃えていました。
今残してあるのは、デュメイとピリスのCDとパールマンとアルゲリッチのCDです。デュメイとピリスのデュオは来日公演でも聴いて、CDそっくりの演奏だったと記憶します。二人が程よく調和していて好ましいと思っています。大好きなCDです。ハールマンとアルゲリッチの演奏は二人の特徴が良く出ていて、二人が主張し合っているように感じます。

 ハイレゾ配信はfoober2000 を使いPCからUSBメモリーに入れて、OPPO105 の全面USB A端子に入力しています。OPPOのA入力はハイレゾ 192kHz/24bit に対応しているようですが、他の多くの機器のA端子入力はiPod用でハイレゾには対応していないことが多いので注意が必要と思われます。( マランツのネットワークプレイヤー 最新2機種は対応していますね。)
 OPPO は先ずまずの音をアナログ端子から出してくれるように思っています。
 USBメモリーが使えればPCと離れて使えるので雑音や歪みなどの対策に有利かと思っていますが、どうでしょうか。
 USBコード接続は気が進みません。PCとオーディオシステムが離れていますので。
 ( NAS を使うネットワークを作るのが面倒だというのが本音です。ソースが増えてくるようならNASを考える必要があるかもしれませんが。)

  ハイレゾ配信  
  ルノー・カビュソンのヴァイオリン、カティア・ブニアティシヴィリのピアノ




  デュメイ ヴァイオリン、ピリス ピアノ   CD


ブルーレイ・オーディオ で聴く ケント・ナガノ指揮 ブルックナー

2015-02-04 09:16:24 | オーディオと音楽
 ブルーレイ・オーディオ で聴く ケント・ナガノ指揮 ブルックナー交響曲

 ケント・ナガノ は日系4世の指揮者で2013年までバイエルン国立歌劇場管弦楽団の音楽監督を勤めました。現在はモントリオール交響楽団の指揮者を勤めています。来日公演もありました。
 バイエルンでの成果を発揮したものとして、ブルックナーの交響曲第4.7.8番が録音されました。CDでも出ていますが、ブルーレイ・オーディオ・ディスクでも発売されました。長大なこの3曲が1枚のディスクに収められているのは驚きです。
 聴いてみると録音は流石に良く、弦楽器が細密に聞こえ、オーケストラの音場も広く表現されています。バイエルン管の音は派手でなく渋いですが、それが良く表現されていると思います。
 演奏は極めてゆっくりと丁寧に演奏されています。一音一音、一フレーズ・一フレーズと実に荘重に演奏されます。このゆっくりしたテンポに一糸乱れず演奏するオーケストラも凄いが、それを受け止めて聴く聴衆の音楽性にも感心させられます。その聴衆あってこその演奏なのでしょう。
 第4番と第8番にその丁寧さが著明で、荘重に始まり丁寧なテンポです。緊張感をもって遅くゆっくりと先へ進みます。ブルックナーに馴染みの薄い私にはついて行くのがようやくの感じでした。曲も聴き慣れている曲調と違う感じもしました。これは初稿を用いていることによるためと思われます。
 第7番は比較的聴き慣れたテンポで私も好演と聴きました。ゆっくりと確実な緊張感に溢れる荘重な演奏です。
音も実に立派、第4楽章の金管の咆哮と弦との絡み合いが実に良く伝わってきました。
 録音は鮮明でコンサートホールを想像させる響きですが、ダイナミックレンジが広いので、演奏会場でのフォルテシモを想定すると、弱音部を聞こえるようにする音量の設定が難しいと感じました。

 ブルックナーの交響曲はヴァント、朝比奈など支持者が多いようですが、カラヤン、ベームの名も上がってきますし、古くはシューリヒトも出てきますが、私はハイティンク指揮、ウィーンフィルの演奏が好きです。ゆったりとしながら緊張感を失わず、ウィーンフィルの美しい音色が生きていると感じています。
 第9番は ヴァント指揮の最後の来日公演を聴くことが出来て、聴衆と一体となった緊張感を体験することが出来ました。私の大事な音楽体験の一つになっています。その記念盤CDは大切に持っています。DVDもあるようですが、音だけを選びました。


ブルックナー交響曲第4,7,8番  ケント・ナガノ指揮 バイエルン国立管弦楽団
   ブルーレイ・オーディオ ディスク


 交響曲第4番  ハイティンク指揮 ウィーンフィル   CD



交響曲第9番  ヴァント指揮 北ドイツ放送交響楽団 2000 LIVE CD