オーディオとクラシック

昔からのクラシックファンが最近のオーディオに取り組んでみます。

SACDで聴く ヴァイオリン協奏曲

2015-01-28 12:51:10 | オーディオと音楽
 SACD と アナログ で聴く ヴァイオリン協奏曲

 普段聞いているOPPO105よりも高級なSACDプレイヤーを聞く機会がありました。
 ムターのヴァイオリンでチャイコフスキーを、ハーンのヴァイオリンでバッハの協奏曲をSACDハイブリッド盤でSACDを聞きました。
 CDよりは緻密で音場も広く、上下に広くフラットに伸びています。これが現在支持されている音の傾向なのだと思います。私の志向する音は昔風なのか、中音部に艶のある音なので、期待したほど劇的な美しさは得られませんでした。OPPOで聞くSACDよりは細密な音でしょうか。
 私的には、ブルーレイ・オーディオの音の方により多くの良さを感じました。ヴァイオリンの音の美しさがより多く出ていると感じました。スピーカー間に広がるオーケストラの楽器の位置もブルーレイ・オーディオの方がはっきり分かります。ブルーレイ・オーディオでは ダイナミックレンジが広いので、弱音部がより小さく聞こえ、音量を上げないと聞こえ難いのが苦労する点でしょうか。
 SACDの高級機の音はフラットで低音も伸びていますが、中音部の音の艶が聞こえなくて、私の求める美しい音とは違いました。私の聞きたい音が現代的ではないのかもしれません。
 ムターのヴァイオリンは実演も聴きましたが、その音色は豊艷で美しい。SACDで聞くムターのヴァイオリンの音は、音域は伸びていますが、平坦な感じで、私の聴いた美しいヴァイオリンの音が出ていないと感じました。その点ブルーレイ・オーディオの方は美しさを感じさせてくれます。
 ハーンのバッハは伸びやかに歌っています。音はムターと同じ感じ。もう少し繊細に聞こえて欲しいとも思いました。
 LPレコードでスターンのヴァイオリンで同じくチャイコフスキーの協奏曲を聞いてみました。これが実に美しい音で鳴ってくれました。スターンのヴァイオリンにしては少し線が細いと思いましたが、澄んだ綺麗な、しかも艶のある音色でした。
シゲティの弾いたブラームスの協奏曲のLPも美しい音色が聞けました。
一方 オイストラフとフルニエ、ガリエラ指揮のブラームス 二重協奏曲のLPは良くありませんでした。
 この二重協奏曲は同じオイストラフとフルニエでセル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏がハイレゾ配信で聞けます。これは演奏も素晴らしく、音もまずまず良いです。フルニエのチェロが豊かな美しい音で倍音を伴って綺麗に聞こえます。

 高級なSACDプレイヤーは、どの機種も同じような傾向にあるようで、私の聞きたい 中音部に艶があって高音部がスッキリと抜けるような音 は現代の機器から聞くことは難しいように思えました。

 高級なSACDプレイヤーの名誉のために一言追加。
クイケンのフラウト・トラヴェルソで モーツァルト・フルート四重奏曲で SACD は美しいフルートの音、室内楽の楽しさを聞かせてくれました。

 別機種ですが、CDをリッピングしてDSD変換で聞くことも試してみましたが、音が平坦になりすぎて緊張感が薄らぐように感じました。音場は少し広がるようですが。
私の装置ではDSD変換の良さは聞けませんでした。

 プレイヤーにはこの上に更なる超高級器がありますが、それで聞くことが出来ればどうでしょうか?

 CDプレイヤーは現用の MM39CD が私の好みにあっているようです。2009年に購入したので年数も経っていますが、中音部の艶があり繊細な音を聞かせてくれます。新しい録音はそれなりに綺麗に聞こえます。
OPPO よりはかなり上質と思います。何機種か試してみましたが、中々より良い機種は見つかりません。当分今のプレイヤーを愛用することになると思います。

   
   ムター (V) チャイコフスキー、ヴァイオリン協奏曲 SACD

   

スターン (V)  チャイコフスキー、ヴァイオリン協奏曲 LP


ハイレゾ、CD,LP で聴く ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

2015-01-22 11:04:01 | オーディオと音楽
 ハイレゾ配信、CD,LP で聴く ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

 ブラームスのヴァイオリン協奏曲は数多くの名録音があります。
 オイストラフの弾くこの曲、セル指揮、クリーヴランド管弦楽団の録音は名演奏として定評のある録音です。CDでも持っていましたが、e-onkyoからハイレゾで配信されたので聴いてみました。FLAC 96KHz/24bit です。
 演奏は落ち着きのある堂々として立派です。
期待した音はCDよりは良いと思います。ヴァイオリンもオーケストラも細密でクリアに聞こえます。倍音も聞こえますが、生々しさは少し足りないように思いました。中音部の艶が聞こえると好みの音になりますが、それは現在のオーディオシステムとは違う方向かもしれません。私のシステムではこの位まで聞こえれば良しとすべきでしょうか。
 他にクレーメルのヴァイオリン、アーノンクール指揮、コンツェルトヘボウのCD。新しい演奏スタイルでテンポが早く、アクセントも少し私の好みにマッチしません。録音はCDとして良いと思います。
 ヌヴー,ドブロウエン,フィルハーモニア 。ハイフェッツ,ライナー,シカゴ交響楽団 もありますね。録音が古いのが難でしょうか。 
 ムター、カラヤン指揮も支持者が多いようです。綺麗な演奏ですね。
 私はシゲティが好きです。1953年の来日公演で協奏曲を聴きました。丁度プロコフィエフが亡くなった時で、急遽第1番協奏曲の第2楽章を弾きました。素晴らしい熱演で感動しました。
 シゲティはベートーヴェンの協奏曲も録音しているのでCDを聞きますが、高音部が強く聞こえ、美しさが損なわれているように感じていました。
LPレコードを整理していたら、シゲティが弾いたブラームスの協奏曲のレコードが見つかりました。聴いてみると、とても美しい音が聞こえてきて、びっくりしました。ヴァイオリンの音も美しく一音一音艶があって、シゲティの音は美しくないと言われていたのは何だったのだろうと思いました。内田光子さんがシゲティの音は美しいと思うと言っていたのを思い出しました。緊張感のある演奏に美しさが加わって最高の時間を堪能することが出来ました。
 LPが上手く再生出来た時には素晴らしい音が聞こえると再認識しました。
 ハイレゾもこの位美しいと嬉しいのですが。
今もオイストラフ演奏のブラームス・ヴァイオリン協奏曲をハイレゾで聴きつつ、安定した音を安心して聴けることは良いことだと思っています。

この配信には、フルニエのチェロが加わって、ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲も入っています。
 フルニエのチェロも素晴らしい演奏で、音も倍音がしっかりと聞こえ、とても良いと聴きました。


  ハイレゾ配信の再生 画面




  シゲティ ヴァイオリン協奏曲  ステレオLP



ハイレゾ と アナログ

2015-01-16 09:04:22 | オーディオと音楽
ハイレゾ と アナログ について気のついたこと

 ブルーレイ・オーディオのカルロス・クライバー指揮、ウィーンフィルのブラームス交響曲第4番を感心して聴きましたが、それまで私はカルロス・クライバーの演奏を支持していませんでした。
 どうしてだろうと思い、同じ演奏のLPがあったのを思い出し、探し出して聴いて見ました。デジタル録音と強調してある輸入盤です。
聴いてみると高音部が張り出し、音が繋がらない感じで、デジタルらしさが強調してあります。私はもっと滑らかに流れる音が好みです。このせいで他の録音にも良い印象を持てなかったのかな と思います。ニューイヤー・コンサートの録音もあまり好きになれませんでしたし、来日公演の「ボエーム」の会場でも集中出来ませんでした。
ブルーレイ・オーディオで他の曲を聴き直してみると、彼の良さが少し分かったように感じられています。
 これも私一個人の感想なので、その点ご了解をお願いします。

 ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」ワルター指揮コロンビア交響楽団の録音が、SACDで出ているので聴いてみました。
 期待して聴きましたが、高音部が強調して聞こえ、滑らかさにも欠け、デジタル臭さが抜けない感じで残念という思いで聴きました。プレイヤーがOPPOでは役不足かもしれません。
 CDはSBM盤で高音部はやはり強め、SACDよりも一層デジタルらしさが強まります。
 リッピングして( Appleロスレス ) 聞いてみましたら、大分おとなしく聴きやすく聞こえました。
 LPレコードを聴きました。日本コロンビア初発売の全集の一枚です。これが素晴らしく良い音で鳴ってくれました。緻密な音で高音部も綺麗、倍音もきれいに聞こえました。丁度装置の状態が良かったのかもしれませんが、LP・アナログ はこんなに良い音で聞けるのかと再認識しました。
 第7番も聞いてみましたら、やはりかなり良い音で再生されました。ワルターの演奏は温厚で美しいです。
 気を良くしてブラームスの交響曲を、同じくワルター指揮コロンビア交響楽団のLPで聴きましたら、こちらは思ったほど良い音では再生出来ませんでした。
 LP ( アナログ ) の再生は難しいですね。
 デジタルかアナログか という話しは大分以前には問題になりましたが、今はデジタル全盛ですね。CDが普及してLPは出なくなりましたが、最近になってアナログレコードが見直されて来たという話も聞かれます。新しいLPプレスのニュースも聞かれます。極く一部の人だけかもしれませんが、アナログの良さが語られているように聞きました。
 アナログの良い録音を聞くと、デシタルは何か連続性に欠けるように思えるのは私の感じだけでしょうか。
 SACDを超高性能のプレイヤーで聞けば、又違った印象を持てるでしょうか。
DSD ならばナチュラルに聞こえるのでしょうか。

 一人の老クラシック・ファンの感想です。

  CD 盤 ベートーヴェン 「田園」 ワルター指揮 コロンビア交響楽団
      ( 第2番 も入っています )



  SACD盤  同上
 

ブルーレイ・オーディオ で聴く  カルロス・クライバー指揮 ウィーンフィル

2015-01-09 09:20:28 | オーディオと音楽
  カルロス・クライバー指揮、ウィーンフィル 

 若い頃、正月には良くベートーヴェンの第五交響曲「運命」を聴きました。
 一種の高揚感を得る感じがしていました。
 暫く「運命」は聴きませんでしたが、ブルーレイ・オーディオのディスクに入っていたので聴きました。
 カルロス・クライバー指揮のウィーンフィルの演奏です。
 昔良く聴いた トスカニーニ指揮の激しい演奏に比べると、おとなしく優雅な演奏に聴こえました。
フレーズも良く聞こえ、楽器の動きも良く聞こえます。美しい旋律も聞こえます。
 ブルーレイではCDよりもより一層繊細な音が聞こえ、臨場感も良く出て素晴らしい説得力のある美しい演奏と聴きました。
 第7交響曲も美しい演奏です。昔聞いていた時よりも、より美しさを感じました。

 シューベルトの「未完成交響曲」も第3番交響曲も美しいですね。
 ヴァントの来日公演で「未完成」を聴きましたが、その厳しさに比べれば、美しさが際立つように思いました。優雅とも言えるのでしょうか。

 ブラームスの第4番交響曲も聴くことが出来ます。これも美しい演奏ですね。
時々微妙な旋律の歌わせ方があって、これが素晴らしいと聞くか、少し煩わしいと感じるか、評価の別れるところでしょうか。私は好ましく感じ、この曲の美しさを聴いたように思いました。
 録音もとても良くなっています。弦も管も微妙な音の動きが聞き取れますし、立体感・臨場感が充分聞こえます。CDも同梱されているので聞き比べると違いは明らかでブルーレイに軍配が上がります。ブルーレイを聴いて始めてカルロス・クライバーの凄さが少し分かったような気がしました。
 ファンの多いのも納得しました。
 今までのカルロス・クライバー観を見直すことになるかもしれません。

  ピンク色のディスクがブルーレイ・オーディオで1枚に全曲入っています。


ブルーレイ・オーディオで聴く  シャイー指揮、ブラームス Ⅱ

2015-01-01 10:43:49 | オーディオと音楽
   明けましておめでとうございます
       本年も宜しくお願いいたします。

  ブルーレイ・オーディオで聴く シャイー指揮のブラームス Ⅱ

 ブルーレイ・オーディオ・ディスクには交響曲4曲の他、「悲劇的序曲」や「ハイドンの主題による変奏曲」「大学祝典序曲」などが収録されています。この中 トラックNo.39 の「大学祝典序曲」は渋い音色も感じられて、昔のゲヴァンドハウス管の面影を少しですが残しているように聴きました。
 シャイー指揮のブラームス交響曲を聴いている間に、他の指揮者の演奏も聴いてみたくなりました。
 ブラームスを聴く機会の少なかった私ですが、クラシックのブログを見ていると、多くの録音があることが分かりました。
 評判の高い演奏を聴いてみます。
 先ず第1番を幾つか。
  クルト・ザンデルリング指揮、ドレスデン・シュターツカペレ
  ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  ギュンター・ヴァント指揮、北ドイツ放送交響楽団
  ワルター指揮、コロンビア交響楽団 ( LP )
前3枚はリマスター盤です。
  ワルター指揮のアナログ盤の音が意外に素晴らしいのに、改めてびっくりしました。高音部が透き通るように歪み無く聞こえます。演奏は悠揚迫らずというのでしょうか。
今聞いてもいいですね。
 これに比べるとデジタル盤は何処かで切り取られている感じがします。リマスター盤は一般に高音部が強調されているように私のシステムでは聞こえます。細部まで明瞭に聞こえるようになっている感じはしますが、どうでしょうか。
 ベームとベルリン・フィルのCDは若い頃の演奏でかなり厳しさを感じさせます。
 ウィーンフィルとの演奏は緊張感があるものの悠揚迫らぬ見事な演奏と聴きました。
 ヴァント指揮のCDは情熱を感じさせる好きな演奏です。音もかなり鮮明です。

 第4番はブルーレイ・オーディオで再発された カルロス・クライバー指揮、ウィーンフィルの演奏がありました。ここでは臨場感が素晴らしく、楽器の微妙な表現を聞くことが出来、CD以上の美しさを聴くことが出来ました。

 始めは音の美しさ、拡がりに気を取られていた ブルーレイ・オーディオ の音も、聴き慣れてくるにつれ、最初の感激は薄れ、当たり前になってきました。
そうなると自分の好みに合う演奏が重視されてきます。そういう頃合いにたどり着いて来たのかなと思う時もあるこの頃です。
 
 ベーム指揮 ウィーンフィル  CD