①教皇のスパイ 面白さ:☆☆☆☆
著者:ダニエル・シルヴァ 出身地:アメリカ合衆国 訳者:山本やよい
出版年:2020年 邦訳出版年:2021年 出版社:(株)ハーパーコリンズ・ジャパン
コメント:ローマ教皇パウロ七世が死去した。ローマ教皇の個人秘書のドナーティ大司教は殺されたのではないかと思い、休暇中でヴェネツィアにいたイスラエル諜報機関の長官であり、美術修復師のガブリエル・アロンに相談する。書斎で教皇が書いていた手紙がなくなり、紅茶カップも片づけられ、護衛にあたっていた スイス衛兵が消えている。キリスト教の根幹にかかわるイエスの死の責任がイスラエルの民にあるとする福音書の記述の謎、ナチスのホロコーストに加担したカトリック教会の問題などがあぶり出されてくる。教皇の死の真相をさぐりながら、教会が何百年も隠してきた謎が解き明かされていく。
②あの丘の向こうに 面白さ:☆☆☆☆
著者:スーザン・エリザベス・フィリップス 出身地:アメリカ合衆国 訳者:宮崎槙
出版年:2011年 邦訳出版年:2012年 出版社:(株)二見書房
コメント:裕福な家庭に育ったメグは大学4年の時に大学を中退し、環境保護に関心を持って世界各地を放浪していた。親友のルーシーがテキサスの田舎町のミスター・パーフェクトと呼ばれる町長テッドと結婚しようとしていた。テッドの態度からルーシーがこの結婚で苦しむのではないかと危惧したメグがテッドの真意を問い質した。するとルーシーは結婚式を取りやめて姿を消してしまう。破談の原因はメグにあると町中の人から責められたメグは、両親からいつまでも遊んでいないで自立せよと資金援助を断たれてしまう。ホテル代も払えず、掃除婦として働くことになる。会話が面白い。
③ノーサイド・ゲーム 面白さ:☆☆☆☆
著者:池井戸潤 生年:1963年 出身地:岐阜県
出版年:2018年 出版社:ダイヤモンド社
コメント:ドラマ化されているので、ドラマと比べながら読んだ。自動車会社の経営戦略室にいた君島は横浜工場の総務部長兼実業団ラグビー部GMに左遷された。お荷物ラグビー部を優勝させ年間16億の経費を黒字化することが君島の仕事になった。ドラマでは横浜ではなく、府中になっているし、君島の家庭が出てくるが、本書の中では家庭は一切出てこない。ドラマではのラグビーの試合や練習でルールがわかりやすく描かれていたが、小説では少し難しかった。ドラマでは福島の復興プロジェクトとしてラグビーの試合があり、ラグビーの真正面から勇気をもってぶつかっていくという精神を福島の復興に重ね合わせていた。ラグビーがわかって試合を見たくなった。
④民主 シベリアの陰謀 面白さ:☆☆☆
著者:池井戸潤 生年:1963年 出身地:岐阜県
出版年:2021年 出版社:KADOKAWA
コメント:未知のウィルスに感染して精神が錯乱する人が多数出現した。首相の武藤泰山の不詳の息子の翔がそのウィルスの謎に挑むことになる。シベリアの永久凍土が溶け出してマンモスが現れウィルスも蘇る。いかにもありそうで怖い。