著者 西村京太郎<o:p></o:p>
生年 1930年<o:p></o:p>
初版 2005年<o:p></o:p>
出版社 徳間書店<o:p></o:p>
価格 571円(徳間文庫)<o:p></o:p>
受賞歴<o:p></o:p>
1963年 第2回オール読物推理小説新人賞<o:p></o:p>
「歪んだ朝」で受賞<o:p></o:p>
1965年 第11回江戸川乱歩賞<o:p></o:p>
「天使の傷痕」で受賞<o:p></o:p>
1981年 日本推理作家協会賞<o:p></o:p>
「終着駅殺人事件」で受賞<o:p></o:p>
感想
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十津川警部シリーズの中の1冊だ。九州新幹線がまだ部分開通した時期で、新八代駅から鹿児島中央駅までしか走行していない。その新幹線「つばめ」の中で東京から鹿児島の実家に帰省する母に連れられた5歳の子供が消えてしまう。誘拐かと警察も色めき立ったが、身代金の要求もなく、その翌々日の夜遅く5歳の子供は母親の実家の近くで発見される。そして第二の誘拐が東京で起こる。母親と一緒に買い物に行っていたスーパーで4歳の子供が行方不明になる。やはり身代金の要求はなく、同日の夜遅く自宅の玄関に子供は戻される。犯人の狙いは何なのだろうか。<o:p></o:p>
全国の鉄道を使ったトラベルミステリーだが、あまり九州新幹線の様子も鹿児島や熊本の風景も描かれていない。もう少し地方の情緒が感じられると楽しい。<o:p></o:p>
また、前半のスマートな誘拐事件から後半の殺人が多発していく展開が同一犯人とは思えない。スマートにお金を手に入れて犯罪を成立させないことで、警察の介入をできるだけ抑えていた犯人が殺人という警察が必ず介入する犯罪を犯し始める。百億円近いお金を手にしている犯人が金で解決しないで殺人に手を染めるのが非合理的だ。最初の知的な犯罪を支える高度な知性が犯人のプロフィールからは浮かんでこない。途中から犯人が狂ったかと思った。犯人に関しては全体に支離滅裂な印象がある。<o:p></o:p>
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わがまま評価(5点満点)<o:p></o:p>
読みやすさ ☆☆☆<o:p></o:p>
謎解きのむずかしさ ☆☆<o:p></o:p>
旅行の楽しさ ☆☆<o:p></o:p>