中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

上喜元「限定大吟醸」

2022-10-11 22:51:00 | お酒の話し(山形県)
 ずいぶんと酒が弱くなりました。年齢はもちろん、やはり肝機能のせいでしょうか。

 アルコール関係の自己採点で「酔って記憶をなくすことがある」というのがありますが、細かいことを含めると、最近はほぼ毎日「あてはまる」。

 このページも夜、寝る前に書くことが多いのですが、正直なことを言いますと、翌日になって昨日何を書いたのか、まったく思い出せない日がわりとあるのです。

 …様子がおかしかったら、失言が炎上する前に、すぐに教えて下さるよう、よろしくお願いいたします。

  さて昨日、靴などのつまらない話をしましたが、本当は「上喜元」のレビューの前おきだったのです。

 今年も、山形Qのサポーターにもなってくれている「ワラヤ酒店」の限定頒布会が始まりました。第一弾がこれ。酒田の銘酒「上喜元」の限定の純米大吟醸。

 最高グレードなのはもちろん、蔵のこだわりの逸品です。さて、どんなこだわりか。飲んでみると…

 …ん?特段のこだわりを感じない。スッと口に馴染んで、まろやかに消えてゆくだけ。もう一度感じたくて、もう一口。すると、心地よさだけを残して、またスッと消える。まったく「こだわり」を残していかない。

 これなのでしょう。これこそが、この酒の「こだわらない事へのこだわり」なのだと思います。蔵の美学を感じます。

 それが伝えたくて、つまらない靴の話をしました。本当に良い靴は、履いていることを感じさせない。「どうだ良い靴だろう」という主張をしてこない。

 この酒も同じです。「すごい酒だぞ」の圧が無くて、ただただ良い気分にさせてくれて、爪痕を残そうとしない。

 本当は、音楽もそうであるべきだとも思うのです。スーパープレイで圧倒させたり、学術的に「この時代はこうであったはずだ」と啓蒙するなど色々あるでしょうが、それとはまた別の、音楽がもたらす心地よい時間というものだけが残る演奏会もあって良いと思うのです。そんな演奏会がしてみたい。…それでは人気が出ないからチケットが売れないでしょうけど。

 実に気持ちの良い酒でした。

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