中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

イスの足跡

2010-06-30 22:26:06 | 危機管理
 昨日は娘の誕生日。もう4歳か・・・あっという間です。本人はこの間、友達が先に4歳になったのをひどく悔しがっていたので大喜びです。親としては3歳ぐらいがまだ扱いやすくて良いんだけど。


 だいぶ前の事ですが、乳幼児用の「イス」を粗大ゴミに出しました。普通のイスに座れるようになる前に、食卓で使うイスです。高さが調節できてリクライニングもできるしキャスターもついていて、とても便利でした。上の息子が生まれた時に、山響の楽団員のみんなからお祝いとして集めて頂いたお金で買ったものです。もう10年前のことです。

 息子がさんざん使って、それから少しの間は、郵便物やら洗濯物やらおもちゃを置いておく「たな」のような使われ方をして、その後で娘のものになりました。備え付けの「テーブル」の役目を果たすトレーは、角度や形がすっかりゆがんで、キャスターのタイヤにもホコリがつまって回らなくなっていましたが、それでもずっと役立ちました。

 そして娘もすっかり皆と同じテーブルで食事ができるようになったので、さすがにもうお払い箱だと思っていたのですが、なかなか捨てる決心がつかなかったのです。こういう「家具」のようなものは、生活空間の一部になってしまうものですから、愛着があるというより「必要な構成要素」のような感じがして、あるべき物がなくなってしまうのが寂しいのです。

 しかし、昔のビデオを見たり、写真を整理したりすると、本当に多くのシーンにこのイスも写っていて、古い写真では新しく、最近の写真ではすっかり古くなっています。もう充分、足跡を刻んでいました。子供達が座らなくなってしまった以上、このイスにふさわしい場所は居間の隅っこではなくて、アルバムの中なのだろうと、そんな気がしました。


 それにしても映像という物は恐ろしい。自分も全然このイスのことを言っていられないほどに歳をとったのがわかります。自分では大して変わってないつもりでも、経過した時間をリアルに突きつけられます。特に白髪の増え方が半端じゃない。案外苦労してるのかな?自分自身も「ご先祖様」みたいに古びた写真に収まってしまう前に、やれることはやっておかないと。

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