中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

「K」

2011-11-26 11:45:14 | 雑記
 大学時代からの友人の「K」が遊びに来ています。


 「友人のK」と書いてみて、その文字を見ると、どうしても漱石の「こころ」を連想してしまいます。主人公である「先生」が、青春時代に、その友情を裏切ってしまったKです。

 知的で腺病質で、青年独特の臆病な純粋さを持っている・・・。高校生の時に「こころ」を読んで、「こんな性格では、たとえ初恋が成就しても、その他のことですぐに傷ついてしまって、生きていけなかっただろうな」と思ってしまうほど。まあ結局は、「先生」もそうなのですけど。漱石の小説の登場人物は、みんなそういう傾向がありますね。


 今、我が家に来ている「K」は、だいぶ違います。昔から、しょっちゅう山形に遊びに来ているので、家の子供たちからは、実の叔父さん以上になつかれています。そして、顔が猿に似ているので「きいき!」と、パトラッシュかなんかのように、呼びつけられています。


 しかし、昔からの友人というものは、会うと自然にその頃の時代の自分に戻るのが不思議ですね。忘れていた、大学時代のことを思い出します。学生に戻るからでしょう。そういえば、夏に塾講師時代の仲間と会ったときは、「~先生」と呼びあってしまいました。

 残念なのは、同期の仲間の訃報にふれること。自分たちももう、そういう可能性のある世代に入ってしまったのか、と愕然とします。気持ちは大学生に戻っても、お互いに、すっかり「おやじ」ですから、仕方がない。両親の健康状態を心配する話題も多いですね・・・。


 「上喜元」を酌み交わしつつ、しばし若い頃に戻りました。
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