元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

悪霊にさいなまれる世界〈下〉を読んだ

2012年04月27日 00時05分23秒 | アレコレ鑑賞
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 ドラクエは義務なのでやる。

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 カール・セーガンの遺作「悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学」としての科学」を読んだ。

 科学が優れているのは「エラー訂正機能が備わっている」点とカール・セーガンは語っている。その通りだと思う。科学ではどんなに権威がある人物が語ったとしても、間違いだったら正される。ニュートンはアインシュタインに正された。結局は誤りのようだったが、ニュートリノが光速を超えたという実験が正しければアインシュタインだって正されることになる。

 科学の対極として取り上げられることが多い宗教が、エラー訂正機能が備わっていない典型。教義が絶対として扱われ、疑うことすら許されない。ガリレオの地動説を正式に認めたのが異端裁判から400年後というのだから、えらいこっちゃ。

 宗教の話の流れで、カール・セーガンがダライ・ラマに面会した時の話は良かった。カール・セーガンはダライ・ラマに「もしチベット仏教の教義の誤りを科学が証明したら、教義を捨てますか?」と質問した。カール・セーガンは色々な宗教指導者にこの質問をしたのだが、全員から「No!」と言われたらしい。

 しかしダライ・ラマは違った。

「もし科学がそれを証明できるなら、私は経典を捨てる」と言ったらしい。ただし「チベット仏教の教義は生まれ変わりにあります。それが存在しないことを証明するのは科学でも難しいでしょう」と。

 他にも色々と興味深い話が書かれていた。

 自分の考えを変えたり補強してくれたりする本は、それほど多くない。この本は僕にとっては大事な本の一つになった。ちなみに奥さんも読んでいたが上巻で挫折していたので、人を選ぶらしい。色々な人に読んで欲しいなぁと思うのだが。

 ひとつ気に入った言葉があった。

「真実を知らなくても楽しい方が良いという考えは、汚い金でも構わないという発想と似ている」

 そんな風になりたくないと思う。死ぬまで色々なことを経験して学んで生きたいと思う。


悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
クリエーター情報なし
早川書房
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