朝礼の話題

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エンドファイト

2010-11-04 10:35:14 | 21世紀
エンドファイト
2010/11/04
 「戦いの終わり」ではありません。Endo(中に)phyte(植物)で植物の中に寄生する細菌・真菌のことを意味しています。
 NHKのクローズアップ現代11/2でエンドファイトの農業への実用化の放送がありました。
 人間の身体には、大腸菌・乳酸菌など良い菌も沢山寄生しています。病原菌・コレラ菌・チフス菌など宿主の人間を病気にする菌もいます。
 植物にも同じように、宿主に役立つ菌・病気にする菌が同じように寄生しているんですね。
 いもち病というイネの病気は米粒に澱粉が溜らない病気だそうですが、ある菌を寄生させるといもち病にならないと研究され、北海道美唄地区では、苗代の芽の時代にこの菌に感染させることを2012年より実施するそうです。
 バングラデシュなどでは、イネの伸びる時期洪水が来て、イネが水没し枯れてしまうことが多いそうですが、あるエンドファイトに感染させておくと、洪水の水位に合わせて急速に伸びるので収穫出来るのだそうです。これも実用が近いようです。
 ニュージーランドでは、牧草に病原菌が寄生し、羊が狂牛病のような症状になることが多かったそうです。その病原菌を寄生させないエンドファイトが研究の結果発見され、牧草に散布感染させたところ、面積当たりの肉生産量は3割向上したそうです。今では農薬会社がそれを合成出来るようになり、アメリカ・カナダなどに輸出されています。
 青森県のリンゴ農家は、無農薬・無肥料で美味しい大きいリンゴを作っていました。リンゴ畑には、コロニーと言われるほどのエンドファイトの塊がありました。弘前大学ではそれを研究しています。

 生物資源の保護と生物資源から得られる利益を先進国は原産国に還元せよと名古屋で会議が開かれています。
 今は、薬品の原料としての生物資源が主の話題ですが、このエンドファイトも、生物資源に入るのでしょうね?
 インフルエンザウイルスも、予防ワクチンを製造するため必要だ。利用料をインドネシアに払えとの要求もあっているそうです。

 科学の進歩はすごいですね。年よりには理解出来ないものが、実用化され21世紀はバラ色ですね。


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