濁れる水の流れつつ澄む
2013/01/03
年末に、種田山頭火を紹介するNHKの番組がありました。
まつすぐな道でさみしい
水音の絶えずして御仏とあり
ほろほろほろびゆくわたくしの秋
生死の中の雪ふりしきる
おちついて死ねそうな草萌ゆる
濁れる水の流れつつ澄む
歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、私である。
うしろすがたのしぐれてゆくか
だまって今日のわらじ履く
どうしようもない私が歩いてゐる
朝は晴れ夕べはくもる旅から旅へ
山頭火は、山口県の庄屋の家に生まれました。お母さんは山頭火が小さい時、井戸に飛び込んで自殺しました。結婚し子供も生まれましたが、仕事で失敗し、すべてを奪われ、家族も離婚し妻の実家に引き取られ、本人は、漂泊の詩人・雲水生活です。
現在の読者で、山頭火の俳句に救われて、仕事も出来るようになったと言う人がテレビで語っていました。だまって今日のわらじ履くの句を読むと、行きたくない出勤の靴を履く自分のようで、他人も苦しいのだ、私だけでないのだと安心する。その他、失敗した人、うつ病になった人、いじめられている人、達が救われたと感想を述べ、番組の扱いは、山頭火は人類の苦労を独りで背負ったキリストのイメージでした。
観ていて、不健康な考えだと、私は寂しくなりました。
自分の廻りは迫害者ばかりで、私は不幸だ。この不幸は私の運命だ。私は耐えるだけだ。そう言っているように聞こえます。
自分の境遇は自分で作ったものです。神の計らいで、苦労して成長する修業をしているのだ。大損して失敗者として生活しているのは、そう言う生活は神様の計らいだ、と考えるべきと、私は思います。
皆がエリートではありません。エリートは数少ないからエリートです。
大多数の人間は、現状に満足するか、我慢して生活しています。何とか生活しようと努力し昨日より今日は少しらくになったと晩酌を飲んでいます。
他人を恨みながら、濁れる水の流れつつ澄むと考えても、濁水は静止しなければ澄みません。海に入って沈殿し澄むと考えるべきでしょう。
2013/01/03
年末に、種田山頭火を紹介するNHKの番組がありました。
まつすぐな道でさみしい
水音の絶えずして御仏とあり
ほろほろほろびゆくわたくしの秋
生死の中の雪ふりしきる
おちついて死ねそうな草萌ゆる
濁れる水の流れつつ澄む
歩いて、歩いて、歩いて、歩いて、私である。
うしろすがたのしぐれてゆくか
だまって今日のわらじ履く
どうしようもない私が歩いてゐる
朝は晴れ夕べはくもる旅から旅へ
山頭火は、山口県の庄屋の家に生まれました。お母さんは山頭火が小さい時、井戸に飛び込んで自殺しました。結婚し子供も生まれましたが、仕事で失敗し、すべてを奪われ、家族も離婚し妻の実家に引き取られ、本人は、漂泊の詩人・雲水生活です。
現在の読者で、山頭火の俳句に救われて、仕事も出来るようになったと言う人がテレビで語っていました。だまって今日のわらじ履くの句を読むと、行きたくない出勤の靴を履く自分のようで、他人も苦しいのだ、私だけでないのだと安心する。その他、失敗した人、うつ病になった人、いじめられている人、達が救われたと感想を述べ、番組の扱いは、山頭火は人類の苦労を独りで背負ったキリストのイメージでした。
観ていて、不健康な考えだと、私は寂しくなりました。
自分の廻りは迫害者ばかりで、私は不幸だ。この不幸は私の運命だ。私は耐えるだけだ。そう言っているように聞こえます。
自分の境遇は自分で作ったものです。神の計らいで、苦労して成長する修業をしているのだ。大損して失敗者として生活しているのは、そう言う生活は神様の計らいだ、と考えるべきと、私は思います。
皆がエリートではありません。エリートは数少ないからエリートです。
大多数の人間は、現状に満足するか、我慢して生活しています。何とか生活しようと努力し昨日より今日は少しらくになったと晩酌を飲んでいます。
他人を恨みながら、濁れる水の流れつつ澄むと考えても、濁水は静止しなければ澄みません。海に入って沈殿し澄むと考えるべきでしょう。