足裏からの呼吸
2012/12/13
NHKの教育番組を見ていましたら、能楽師が、外人に能の基本を教えていました。第一は立ち方を説明していました。「日本の呼吸法はアメリカと違います。直立した姿勢で息は足の裏から吸って下さい」と堂々と言っていました。
外人の生徒は、暫くして「足の裏に重力を感じます。重心が足の裏の上に載って姿勢が良くなったようです」
リンパマッサージの麻生先生は、「呼吸を背骨を通すよう意識して呼吸して下さい。背骨の廻りの筋肉が柔らかくなり、膵臓・肝臓など背骨周りの内臓の機能も回復しますよ」
生長の家の修業です。正座して「宇宙の生気流れ入る」と唱えながら、頭頂から息を吸い脊髄を意識しながら、尾てい骨から息を吐くことをしました。
西野式呼吸法を勉強したことがあります
由美かおるさんが講師として言っていました
「人間の細胞は約50回分裂、再生をくり返すという研究結果が出ています。細胞は2年半から3年ごとに再生されるので、細胞の寿命は125歳から150歳ということになります。呼吸法を実践していると、細胞がきれいに再生するようになり、いくつになっても若々しい身体でいられるようになります。」
この細胞を新陳代謝させるシステムを担っているのは前にも書いたミトコンドリアという生物。一つの細胞につき、なんと数百個もいます!ひーー!
ミトコンドリアは食べ物から取り入れた栄養と、酸素を使ってATPという生命エネルギーを作り出したり、ホルモンを作り出したり、神経伝達物質を作り出したりしています。 老化が早い、遅いというのも突き詰めると、持っているミトコンドリア遺伝子の影響が少なからずあるようです。
酸素不足になるとミトコンドリアの働きが一気に落ちて、健康的な細胞を維持する事が難しくなります!
呼吸法とは、要するにミトコンドリアをいかに活性化して上手に細胞を再生出来るかという試みなんですよね。
私は長年演劇をやってきたので、訓練で腹式呼吸をやってきました。
胸式呼吸では空気が肺の一部にしか入りませんが、腹式呼吸は胸郭が広がって空気がたくさん入ります。
それだけではなくて、腹圧がかかるので腸の運動を促進させますし、背骨も前後に動くため脊髄液の循環まで良くなります。
「真に健康な人は足裏で呼吸する」と言ったのは、2000年前の哲学者、荘子でした。実際に呼吸するのは肺であって、足裏でするものでないことぐらいは、いくら古代人でも知っていたに決っています。それでも、あえて足裏で呼吸する者が真の人であると述べているのは、ある種の例えであることは間違いないでしょう。
例えば、大地にしっかり根を張り、重心が臍の下にあり、浮ついたところがなく、どのようなことがあっても動揺することのないしっかりした人生観を持つべきであると、解説する人もいます。そのためには足裏を意識して立つのが一番安定するものである・・・等々。
しかし、足は本当に呼吸しているのです。勿論、酸素を取り込む肺呼吸ではなく、東洋的な表現を借りれば「気」の呼吸と言っても良いでしょう。それは、肉体的、物理的に注意深く観察すれば検出できるものなのです。生命エネルギーの発露と言っても良いのですが、これが足の膨張と収縮という形で表れてきます。そうなのです、足は自律的かつ規則的な膨張と収縮を繰り返しているものなのです。目で確認できるほど大きな動きではありません。しかし、ある足底筋を触れば分かります。呼吸よりやや遅いリズムで力強く膨張し、収縮しているという本源的なリズムを刻んでいるのです。
古代より中国では「気」とは
自然界に存在するすべての物質の最も基本的な構成単位であり、エネルギーの元であると考えられてきました。
そしてすべての出来事や変化は気が動き流動することによって現れる現象としてとらえられたのです。
つまりこの地球上、そして宇宙に存在するあらゆる物質、生命体などは、
すべて気によって存在し、変化し、成長していると考えられます。
そして「気」が無くなったらその物質や生命体は存在できなくなり消滅することになるのです。
私達人間も宇宙から見れば本当に小さな存在ですが、
その存在が可能になっているのも「気」の作用であると考えられます。
「気」というと精神的なもので、具体的なものではない、と私は若い頃から考え、精神修行の一つと思っていましたが、今、マッサージの信仰者になって感じるのは、具体的な、物質的なものであるということです。
身体の中の「気」の流れが滞る時、その部分は重く感じ鈍い痛みを感じます。
マッサージでは、掌から発する「気」とともに身体に刺激を与えることで「滞った気」を正常に流すことが出来ると思っています。
2012/12/13
NHKの教育番組を見ていましたら、能楽師が、外人に能の基本を教えていました。第一は立ち方を説明していました。「日本の呼吸法はアメリカと違います。直立した姿勢で息は足の裏から吸って下さい」と堂々と言っていました。
外人の生徒は、暫くして「足の裏に重力を感じます。重心が足の裏の上に載って姿勢が良くなったようです」
リンパマッサージの麻生先生は、「呼吸を背骨を通すよう意識して呼吸して下さい。背骨の廻りの筋肉が柔らかくなり、膵臓・肝臓など背骨周りの内臓の機能も回復しますよ」
生長の家の修業です。正座して「宇宙の生気流れ入る」と唱えながら、頭頂から息を吸い脊髄を意識しながら、尾てい骨から息を吐くことをしました。
西野式呼吸法を勉強したことがあります
由美かおるさんが講師として言っていました
「人間の細胞は約50回分裂、再生をくり返すという研究結果が出ています。細胞は2年半から3年ごとに再生されるので、細胞の寿命は125歳から150歳ということになります。呼吸法を実践していると、細胞がきれいに再生するようになり、いくつになっても若々しい身体でいられるようになります。」
この細胞を新陳代謝させるシステムを担っているのは前にも書いたミトコンドリアという生物。一つの細胞につき、なんと数百個もいます!ひーー!
ミトコンドリアは食べ物から取り入れた栄養と、酸素を使ってATPという生命エネルギーを作り出したり、ホルモンを作り出したり、神経伝達物質を作り出したりしています。 老化が早い、遅いというのも突き詰めると、持っているミトコンドリア遺伝子の影響が少なからずあるようです。
酸素不足になるとミトコンドリアの働きが一気に落ちて、健康的な細胞を維持する事が難しくなります!
呼吸法とは、要するにミトコンドリアをいかに活性化して上手に細胞を再生出来るかという試みなんですよね。
私は長年演劇をやってきたので、訓練で腹式呼吸をやってきました。
胸式呼吸では空気が肺の一部にしか入りませんが、腹式呼吸は胸郭が広がって空気がたくさん入ります。
それだけではなくて、腹圧がかかるので腸の運動を促進させますし、背骨も前後に動くため脊髄液の循環まで良くなります。
「真に健康な人は足裏で呼吸する」と言ったのは、2000年前の哲学者、荘子でした。実際に呼吸するのは肺であって、足裏でするものでないことぐらいは、いくら古代人でも知っていたに決っています。それでも、あえて足裏で呼吸する者が真の人であると述べているのは、ある種の例えであることは間違いないでしょう。
例えば、大地にしっかり根を張り、重心が臍の下にあり、浮ついたところがなく、どのようなことがあっても動揺することのないしっかりした人生観を持つべきであると、解説する人もいます。そのためには足裏を意識して立つのが一番安定するものである・・・等々。
しかし、足は本当に呼吸しているのです。勿論、酸素を取り込む肺呼吸ではなく、東洋的な表現を借りれば「気」の呼吸と言っても良いでしょう。それは、肉体的、物理的に注意深く観察すれば検出できるものなのです。生命エネルギーの発露と言っても良いのですが、これが足の膨張と収縮という形で表れてきます。そうなのです、足は自律的かつ規則的な膨張と収縮を繰り返しているものなのです。目で確認できるほど大きな動きではありません。しかし、ある足底筋を触れば分かります。呼吸よりやや遅いリズムで力強く膨張し、収縮しているという本源的なリズムを刻んでいるのです。
古代より中国では「気」とは
自然界に存在するすべての物質の最も基本的な構成単位であり、エネルギーの元であると考えられてきました。
そしてすべての出来事や変化は気が動き流動することによって現れる現象としてとらえられたのです。
つまりこの地球上、そして宇宙に存在するあらゆる物質、生命体などは、
すべて気によって存在し、変化し、成長していると考えられます。
そして「気」が無くなったらその物質や生命体は存在できなくなり消滅することになるのです。
私達人間も宇宙から見れば本当に小さな存在ですが、
その存在が可能になっているのも「気」の作用であると考えられます。
「気」というと精神的なもので、具体的なものではない、と私は若い頃から考え、精神修行の一つと思っていましたが、今、マッサージの信仰者になって感じるのは、具体的な、物質的なものであるということです。
身体の中の「気」の流れが滞る時、その部分は重く感じ鈍い痛みを感じます。
マッサージでは、掌から発する「気」とともに身体に刺激を与えることで「滞った気」を正常に流すことが出来ると思っています。