http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100318-OYT1T01151.htm
2010年3月18日配信
記事の紹介(抄出)です。
大西洋・地中海産クロマグロ禁輸案を否決
委員会では、即時禁輸を提案したモナコの代表が「密漁が横行し、クロマグロは絶滅の危機に直面している」と訴えた。これに対し、日本は「ワシントン条約の管理下では資源の有効利用ができない」などと主張し、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、チリ、トルコ、リビアなどが日本に同調したとみられる。
当初は、討議を重ねた上で21日以降に採決を行う予定だったが、リビアが即日採決を提案。無記名で投票が行われた結果、モナコ案とEU案はともに、採択に必要な3分の2以上の賛成が得られなかった。採決後、モナコの代表は記者団に対し、モナコ案の本会議での再投票を求めるのは難しいとの考えを示した。
大西洋産クロマグロは従来、漁業関係国でつくる大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が資源保護を行ってきたが、ICCATの漁獲枠を無視した乱獲などのため、2000年代に入り資源量が急減していた。このため、環境保護団体などから、野生生物として取引制限するワシントン条約での保護を求める声が強まっていた。
しかし、18日の委員会では、大西洋クロマグロの最大消費国として禁輸反対を求めてきた日本に、マグロの輸出国や途上国などの同調が相次ぐ形となった。
クロマグロは「本マグロ」とも呼ばれる。08年の大西洋クロマグロの日本への供給量は約2万トンで、日本で出回るクロマグロの約半分を占める。
赤松農相は18日夜、記者団に対し「資源管理については日本の積極的な姿勢を各国に訴えてきた。我々が想像した以上の良い結果が出た」と述べ、禁輸案が否決されたことを評価した。今後については「太平洋、インド洋などでも資源管理、調査を行い、日本がリーダーシップを取っていくことが大事だ」と述べた。
(2010年3月18日22時54分 読売新聞)
記事の紹介終わりです。