床屋と眼医者へ
お出かけには傘を忘れずにと、早朝から天気予報のおじさんも娘さんも、繰り返し注意を呼び掛けています。相変わらず大気の状態が不安定で、雷、突風、大雨が突如襲い掛かってくるといった怖い天気予報であります。しかし一昨日のうちに昨日は思い切って出だすことを腹に決めていましたので、空模様を眺めつつ、えいっ儘よと傘を持ってバス停まで向かいます。
先ずは床屋さんです。九州の妹が送ってきた冷麦を進呈します。それよりドアを開けると飼い犬が寝ています。「コラっ、自分の場所で寝ろ」とおやじが叱りますと、すごすごと窓際に行きますが、今度はあたしのそばに駆け寄ってきます。腰をずらすととぼけ顔ですり寄ってきます。おやじが散髪の身支度をしながら叱りますが意に介せず寝てしまいます。可愛いものです。
そんなこんなで次は眼医者、ばかに空いていまして帰りのバスまでかなりの時間があります。近所のスーパーに別段用もないので、床屋で待たせてもらいます。客が一人いてそろそろ終わりにかかっていて、おやじは送って行くといいます。その人をも一緒に送って行くようであります。ベンチのそばに杖が置かれてあったので、足の不自由なご老人らしく、終わっておやじが車を取りに行く間、一言二言世間話をして車に同乗します。店には鍵もかけません。来る客は先刻承知で帰りを待っているシステムで、それは繁盛しない店の証しかも知れません。
途中スーパーに寄り、おやじはその老人を介護しながら買い物の手伝いです。小生ひとり車中で待ちます、二人はほどなく戻りおやじは買い物を積み込みながら、「ハイ、お釣り」、老人は「とっとけ」と一言、車は発車、老人を先に家まで送り届けます。「いつも散髪には送り迎えしているんですよ」とおやじは言い、結構口コミで送り迎えの老人客が増えていると、これも一つの介護と笑います。
小生もいずれはそうなると、その節は頼むと言ってあるのですが、おやじは癌で現在闘病中、かなり深刻な病状と聞いています。前回の診察で医者は首を傾げて入院を示唆したと言います。この先どう事態は展開するのか心配でなりません。
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