新自衛隊論(講談社現代新書 2015年)を買ったのですが、パラパラ見ていて宮坂直史防衛大学校教授の「国際テロ対策と日本の役割」が気になったので、記事にします。
>テロ組織というのは、和平交渉をしておとなしくなるかと思うと、必ずそこから分派していって、「平和はイヤだ、戦いたいんだ」という少数派が出てくるという特徴があります。古今東西そうですし、日本のテロ組織も同じで、たとえば赤軍派なども、現在の既定の路線ではダメだと言うグループが現れ、どんどん分かれていって、少数派になり、過激になっていきました。(133p)
>過去40年間に約650のテロ団体がありました。それらがどうやって終焉を迎えたかという個別の事例研究があります。データを集めた統計的研究もあります。(133p~134p)
赤軍派(共産主義者同盟赤軍派(ウィキペディア)>国際根拠地論に基づきパレスチナに向った重信房子のグループは当初赤軍派アラブ委員会(アラブ赤軍)を称し、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)と合流して活動を開始し、一連のハイジャックなど、「P作戦」の国際的展開とでも言うべき活動を行い、「日本赤軍」として独立する)には、パレスチナ解放人民戦線(ウィキペディア)(PFLP)(>1967年に設立されたパレスチナの政党・武装組織。パレスチナ解放機構(PLO)に参加している。>ジョージ・ハバシュによって設立され、マルクス・レーニン主義を掲げ、パレスチナ解放を目標とする。通常、ファタハなどと比較して「急進派」と呼ばれる。エル・アル航空426便ハイジャック事件や同時ハイジャック事件が有名で、アメリカ合衆国やEU、カナダ、イスラエルの各国政府は、テロ組織に指定している)と合流したグループがあって、最近トランプ大統領が昔に決まっていて長年延期されてきたアメリカ大使館のエルサレム移転の法執行を行って、日英仏独なども反対はしましたけれども、反発するパレスチナ側にも欧州も認めるテロ組織はいて、遠くはなれた日本のテロ組織も全く無関係ではなかったという歴史もあります。
ともあれ、ここで取り上げたいのは北朝鮮です。テロを行う組織というのは、通常国家ではありませんが、北朝鮮は拉致問題を始め数々のテロを決行してきたテロ国家であることは周知の事実です(トランプ政権の北朝鮮テロ支援国家再指定はアジアの安全保障政策を考える上で重要な実績だと考えられます)。先日世界の記憶を調べていて気付いたのですが、韓国放送公社の特別生放送番組『離散家族を探す』も世界の記憶に登録されているようです。離散家族(ウィキペディア)の問題と拉致問題を混同することには批判もあるようですが、北朝鮮に拉致された韓国人はやはり存在しているようです(>代表的な事件としては大韓航空機YS-11ハイジャック事件がある。この事件の被害者のうち、11名の乗員・乗客は北朝鮮に抑留されたまま韓国に帰ってくることがなく、客室乗務員のうちの一名が2001年の第3回離散家族再会で母親と再会した。また、1987年に黄海で操業中に北朝鮮側に拉致された漁船トンジン号の乗組員も、第2回、第8回、第9回、第12回、第13回の離散家族再会で韓国側家族と再会をした。2006年6月の第14回離散家族再会では、1978年8月に拉致された韓国人で、日本人拉致被害者の元夫である人物が母と姉に再会したことが話題となった)。>北朝鮮側は国軍捕虜と拉致被害による離散家族問題の発生を現在も否定しており、あくまで本人の自由意志や事故で北朝鮮へ渡ったものと主張している・・・ようで、太陽政策を進めている現在の韓国政府はこうした拉致問題に関して消極的な印象がありますが(文大統領は拉致問題解決に強い意欲を持っている安倍首相とこの問題を話し合うことが望まれます)、それはさておき、北朝鮮のことは世界でも中々類をみないテロ国家であると認識せねばならないと思います。偽札然りですが、兎に角やることがならずものです(当然国連で全会一致で制裁されることになります)。
ゆえにテロ組織の巨大版が北朝鮮と考えるならば、テロ組織に関する研究結果を北朝鮮に対する見方に応用できるかもしれません。すなわち、和平交渉(北朝鮮の意志に関わらず、国際社会は核放棄交渉だと決めていると考えられます)を吞むかどうか「戦いたいんだ」となる少数派が出てくるか否かです。確かに今現在の北朝鮮は核開発で全会一致しているように見えます。ですが、国際社会も北朝鮮の核開発反対で全会一致しています。ですから、北朝鮮に対してはドンドン経済制裁が進むしかありません(某大国や某大国が抵抗しているのも明らかですが、それは時間稼ぎに過ぎず、結局制裁に賛成しています)。苦しくなってくれば、和平した方がいいのではないかと考える勢力が出てくるのは避けられません。そういう時に北朝鮮があくまで「ならば戦う」で全滅・消滅するか、結局核放棄するか最終的に二つに一つの結論にならざるを得ません。狂ったテロ組織なら、「ならば戦う」も否定できませんが、軍事的にテロ組織を壊滅に追い込んだのは前述の本によると7%に過ぎません。まぁ幾ら狂っている組織でも死よりは大体生を選びます。だから「ならば戦う」派は少数派になる訳です。北朝鮮は恐らく韓国の親北政権親北世論及び中国・ロシアのアシストで同情的国際的世論が起こることを期待して、粘っているのだと考えられます。北朝鮮人は南朝鮮人のこと、中国・ロシアのことは良く分かっているのかもしれませんが、日本やアメリカ・国際社会のことが全く分かっていないと考えられます。繰り返される全会一致の制裁を見て何も思わないのですから異常に鈍感ですが、韓国人(特に親北勢力)は自身を守る日米国際社会(国連軍もいます)に気がついていないように見え、鈍感ぶりは決して負けていません。半島人は世界は半島だけでできていないということに気付くべきでしょう。兎も角、日米韓が一致団結して中露を含む国際社会を説得していけば、遅かれ早かれ北朝鮮は93%の確率で平和を選択するのではないかと筆者は思います。このままだと経済制裁が強まっていずれは北朝鮮は壊滅に向かいます。北朝鮮があくまで粘るのは第三の道があると希望を持っているからなのであって、その原因は大体韓国親北政権勢力にあると筆者は見ています。文大統領はもう一度良く考えてみるべきでしょう。日本に言いたいことはあるでしょうが、そうではありません。韓国という国が何処の国と休戦状態で何処の国が首都を人質にとって拉致などテロを繰り返しているかという現在の問題に関するプライオリティが最も高いということに気付くべきなんです。韓国大統領は今生きている韓国人に対して責任を持っています。歴史問題も重要でしょうが、過去の亡霊を重要視し過ぎて今の問題を見失うようでは本末転倒と言わざるを得ません。中国が歴史で韓国に近づくのは、韓国の弱点を熟知しているからなのでしょう。韓国人は今一度北朝鮮を軍事的に支援して分断をつくったのは何処の国か、大本営であり司令塔は何処の国だったかを思い出さねばなりません。敵の大本営と協力してロケット造ってワーイとか言ってる場合じゃないんですよ?(冷戦が解消して浮かれたのは世界中何処もそんな感じだったでしょうが)
>国連のテロ対策に関係する各委員会からは、各国の対策進展状況にチェックがはいります。輸出入の管理、出入国管理、大量破壊兵器の規制等々、どれだけ法整備したか、実際にどれだけできたかというレポートを国連に出すのです。そうすると委員会が分析して、「全くしてない」とか「部分的にはやっている」とか「完全に履行している」などと評価し、できていない国を指導するのです。(137p)
>対策の中身としては、テロ資金規制が重視されています。日本が行っている対策のなかでは、テロ資金規制が一番の脆弱な点だということは、テロ対策に詳しい人ならば誰でも知っています。(138p)
テロ等準備罪が組織犯罪対策でテロ資金対策になると筆者は思いますが(日本の自称まっとうな人達が猛反対しましたが、国際的な批判は特に見られず寧ろ擁護する声が大きかったのも事実です)、2015年の時のこの評価が今どうなっているか筆者は分かりません。まだまだなすべきことがあるなら、北朝鮮問題という国難にあたって、ドンドン遅まきでも進めるべきですが、その辺は専門家の方々の意見を待ちたいと思います。
>インフラの施設防護という対策もあります。~原発を50基以上も持っていながら、内部脅威対策をまったくやっていないのも日本だけです。(138p~139p)
原発の安全対策と言えば、ハードや避難計画が注目されますが、日本人があまり意識できず盲点になっている対策があります。プライバシーに対する意識が高いのか何なのか良く分かりませんが(あるいは地元で顔見知りが働くならそれほど必要でないのかもしれませんが)、兎に角大事なことですから、チェックが必要なら身元調査し、問題ないなら国際的に説明しておく必要があると思います。原発から持ち出されると困るものは多くあるでしょう。そういうところだと認識しておくことが大切だと思います。ちょっと原発に関する最近の社説を見て違和感を感じたので(やはり重要なことでも盲点になっていることは取り上げられないんでしょう)、指摘した次第です。
>テロ組織というのは、和平交渉をしておとなしくなるかと思うと、必ずそこから分派していって、「平和はイヤだ、戦いたいんだ」という少数派が出てくるという特徴があります。古今東西そうですし、日本のテロ組織も同じで、たとえば赤軍派なども、現在の既定の路線ではダメだと言うグループが現れ、どんどん分かれていって、少数派になり、過激になっていきました。(133p)
>過去40年間に約650のテロ団体がありました。それらがどうやって終焉を迎えたかという個別の事例研究があります。データを集めた統計的研究もあります。(133p~134p)
赤軍派(共産主義者同盟赤軍派(ウィキペディア)>国際根拠地論に基づきパレスチナに向った重信房子のグループは当初赤軍派アラブ委員会(アラブ赤軍)を称し、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)と合流して活動を開始し、一連のハイジャックなど、「P作戦」の国際的展開とでも言うべき活動を行い、「日本赤軍」として独立する)には、パレスチナ解放人民戦線(ウィキペディア)(PFLP)(>1967年に設立されたパレスチナの政党・武装組織。パレスチナ解放機構(PLO)に参加している。>ジョージ・ハバシュによって設立され、マルクス・レーニン主義を掲げ、パレスチナ解放を目標とする。通常、ファタハなどと比較して「急進派」と呼ばれる。エル・アル航空426便ハイジャック事件や同時ハイジャック事件が有名で、アメリカ合衆国やEU、カナダ、イスラエルの各国政府は、テロ組織に指定している)と合流したグループがあって、最近トランプ大統領が昔に決まっていて長年延期されてきたアメリカ大使館のエルサレム移転の法執行を行って、日英仏独なども反対はしましたけれども、反発するパレスチナ側にも欧州も認めるテロ組織はいて、遠くはなれた日本のテロ組織も全く無関係ではなかったという歴史もあります。
ともあれ、ここで取り上げたいのは北朝鮮です。テロを行う組織というのは、通常国家ではありませんが、北朝鮮は拉致問題を始め数々のテロを決行してきたテロ国家であることは周知の事実です(トランプ政権の北朝鮮テロ支援国家再指定はアジアの安全保障政策を考える上で重要な実績だと考えられます)。先日世界の記憶を調べていて気付いたのですが、韓国放送公社の特別生放送番組『離散家族を探す』も世界の記憶に登録されているようです。離散家族(ウィキペディア)の問題と拉致問題を混同することには批判もあるようですが、北朝鮮に拉致された韓国人はやはり存在しているようです(>代表的な事件としては大韓航空機YS-11ハイジャック事件がある。この事件の被害者のうち、11名の乗員・乗客は北朝鮮に抑留されたまま韓国に帰ってくることがなく、客室乗務員のうちの一名が2001年の第3回離散家族再会で母親と再会した。また、1987年に黄海で操業中に北朝鮮側に拉致された漁船トンジン号の乗組員も、第2回、第8回、第9回、第12回、第13回の離散家族再会で韓国側家族と再会をした。2006年6月の第14回離散家族再会では、1978年8月に拉致された韓国人で、日本人拉致被害者の元夫である人物が母と姉に再会したことが話題となった)。>北朝鮮側は国軍捕虜と拉致被害による離散家族問題の発生を現在も否定しており、あくまで本人の自由意志や事故で北朝鮮へ渡ったものと主張している・・・ようで、太陽政策を進めている現在の韓国政府はこうした拉致問題に関して消極的な印象がありますが(文大統領は拉致問題解決に強い意欲を持っている安倍首相とこの問題を話し合うことが望まれます)、それはさておき、北朝鮮のことは世界でも中々類をみないテロ国家であると認識せねばならないと思います。偽札然りですが、兎に角やることがならずものです(当然国連で全会一致で制裁されることになります)。
ゆえにテロ組織の巨大版が北朝鮮と考えるならば、テロ組織に関する研究結果を北朝鮮に対する見方に応用できるかもしれません。すなわち、和平交渉(北朝鮮の意志に関わらず、国際社会は核放棄交渉だと決めていると考えられます)を吞むかどうか「戦いたいんだ」となる少数派が出てくるか否かです。確かに今現在の北朝鮮は核開発で全会一致しているように見えます。ですが、国際社会も北朝鮮の核開発反対で全会一致しています。ですから、北朝鮮に対してはドンドン経済制裁が進むしかありません(某大国や某大国が抵抗しているのも明らかですが、それは時間稼ぎに過ぎず、結局制裁に賛成しています)。苦しくなってくれば、和平した方がいいのではないかと考える勢力が出てくるのは避けられません。そういう時に北朝鮮があくまで「ならば戦う」で全滅・消滅するか、結局核放棄するか最終的に二つに一つの結論にならざるを得ません。狂ったテロ組織なら、「ならば戦う」も否定できませんが、軍事的にテロ組織を壊滅に追い込んだのは前述の本によると7%に過ぎません。まぁ幾ら狂っている組織でも死よりは大体生を選びます。だから「ならば戦う」派は少数派になる訳です。北朝鮮は恐らく韓国の親北政権親北世論及び中国・ロシアのアシストで同情的国際的世論が起こることを期待して、粘っているのだと考えられます。北朝鮮人は南朝鮮人のこと、中国・ロシアのことは良く分かっているのかもしれませんが、日本やアメリカ・国際社会のことが全く分かっていないと考えられます。繰り返される全会一致の制裁を見て何も思わないのですから異常に鈍感ですが、韓国人(特に親北勢力)は自身を守る日米国際社会(国連軍もいます)に気がついていないように見え、鈍感ぶりは決して負けていません。半島人は世界は半島だけでできていないということに気付くべきでしょう。兎も角、日米韓が一致団結して中露を含む国際社会を説得していけば、遅かれ早かれ北朝鮮は93%の確率で平和を選択するのではないかと筆者は思います。このままだと経済制裁が強まっていずれは北朝鮮は壊滅に向かいます。北朝鮮があくまで粘るのは第三の道があると希望を持っているからなのであって、その原因は大体韓国親北政権勢力にあると筆者は見ています。文大統領はもう一度良く考えてみるべきでしょう。日本に言いたいことはあるでしょうが、そうではありません。韓国という国が何処の国と休戦状態で何処の国が首都を人質にとって拉致などテロを繰り返しているかという現在の問題に関するプライオリティが最も高いということに気付くべきなんです。韓国大統領は今生きている韓国人に対して責任を持っています。歴史問題も重要でしょうが、過去の亡霊を重要視し過ぎて今の問題を見失うようでは本末転倒と言わざるを得ません。中国が歴史で韓国に近づくのは、韓国の弱点を熟知しているからなのでしょう。韓国人は今一度北朝鮮を軍事的に支援して分断をつくったのは何処の国か、大本営であり司令塔は何処の国だったかを思い出さねばなりません。敵の大本営と協力してロケット造ってワーイとか言ってる場合じゃないんですよ?(冷戦が解消して浮かれたのは世界中何処もそんな感じだったでしょうが)
>国連のテロ対策に関係する各委員会からは、各国の対策進展状況にチェックがはいります。輸出入の管理、出入国管理、大量破壊兵器の規制等々、どれだけ法整備したか、実際にどれだけできたかというレポートを国連に出すのです。そうすると委員会が分析して、「全くしてない」とか「部分的にはやっている」とか「完全に履行している」などと評価し、できていない国を指導するのです。(137p)
>対策の中身としては、テロ資金規制が重視されています。日本が行っている対策のなかでは、テロ資金規制が一番の脆弱な点だということは、テロ対策に詳しい人ならば誰でも知っています。(138p)
テロ等準備罪が組織犯罪対策でテロ資金対策になると筆者は思いますが(日本の自称まっとうな人達が猛反対しましたが、国際的な批判は特に見られず寧ろ擁護する声が大きかったのも事実です)、2015年の時のこの評価が今どうなっているか筆者は分かりません。まだまだなすべきことがあるなら、北朝鮮問題という国難にあたって、ドンドン遅まきでも進めるべきですが、その辺は専門家の方々の意見を待ちたいと思います。
>インフラの施設防護という対策もあります。~原発を50基以上も持っていながら、内部脅威対策をまったくやっていないのも日本だけです。(138p~139p)
原発の安全対策と言えば、ハードや避難計画が注目されますが、日本人があまり意識できず盲点になっている対策があります。プライバシーに対する意識が高いのか何なのか良く分かりませんが(あるいは地元で顔見知りが働くならそれほど必要でないのかもしれませんが)、兎に角大事なことですから、チェックが必要なら身元調査し、問題ないなら国際的に説明しておく必要があると思います。原発から持ち出されると困るものは多くあるでしょう。そういうところだと認識しておくことが大切だと思います。ちょっと原発に関する最近の社説を見て違和感を感じたので(やはり重要なことでも盲点になっていることは取り上げられないんでしょう)、指摘した次第です。