率直に言って、私はこのままで普天間問題が上手くいくはずがないと思っていますし、小さな問題とも全然思っていないわけですが、最近はさほど目新しいこともないので、放置していました。しかし、内容的に面白い記事があったので、リンクして、いつもの調子で書き足していきます。
asahi.com 政治 3月3日20時44分 普天間めぐる元米国防副次官インタビュー 主なやりとり
http://www.asahi.com/politics/update/0303/TKY201003030416.html?ref=rss
>普天間は単なるヘリパッドではない。平時、有事を通じさまざまな任務を遂行する多様な航空機に対応する施設だ。長さ500メートルのヘリパッドでは全く不十分だ。
>さらに現在配備されているヘリコプター(CH―46)は就役後すでに数十年もたったもので、近い将来オスプレー(MV―22)に取り換えることになっている。それもシュワブ陸上案では全く対応できない。
>当時防衛庁は、この案(※シュワブ陸上案)は飛行の安全や騒音の問題があるため、地元住民に受け入れられる余地はないと考えていた。現在もそうした問題は依然として存在するうえ、事態はさらに悪化している。※辺野古地区で反対決議が出ている。
何故専門的に問題大有りな(基地は有事の備えです)シュワブ陸上案などを出してきたのか。当事者のアメリカ側とよく話し合っていれば、このような案は出なかったと考えられます。また、日本側の検証にしても当時の防衛庁からのノウハウは蓄積されていないのか疑問と言えます。更に言えば、明らかに分かってもいないのに与党内でベラベラ喋っているのはマイナスでしかありません。
>――日本側には、与党は合意見直しを掲げて選挙に勝ったのだから、政策変更は当然という考えがあります。
>それは米国の問題ではない。鳩山政権が掘った政治的な「穴」に、米国を引きずり込まないでほしい。これまでも、日本の防衛政策をめぐっては、米国を日本政府と沖縄との間の板挟みにさせるという問題があった。今回もそうだ。沖縄との調整をする責任は日本政府にある。
見直しと変更はイコールではありません(まあ文言にはなくとも、民主党は県外とか適当なことを言ってましたけどね)。いずれにせよ、米軍再編に絡む日米間の問題で、日本側の都合だけで思惑通りに進むはずもありません。
また鳩山という人は、これが基本的には日米間の問題であり安全保障の問題であるということが分からないまま、適当に間を取ればいいと思っていたフシがあり、軍事的制約などまるで考えた気配がありません(基地なのに)。
>――撤退したら何が起きますか。中国が尖閣諸島に侵攻すると思いますか。
>どうなるかは全く予想がつかない。しかし、友好国、潜在的な敵国を含めた地域の各国に対して明確なシグナルになることは間違いない。日本と米国は安全保障関係を適切に維持できないということだ。各国は事態の成り行きを注視している。
>実際のところ、豪州やシンガポール、インド、韓国など地域の各国の方が、今の事態を日本より深刻に受け止めている。驚くべきことだ。
中国は経済発展を伴うとはいえ、軍事をドンドン伸ばしてきています。一方日本の軍事費は国際的に低水準(GDP比1%)と言えます。アメリカと協同して守ることが前提なわけです。また、日米同盟は東アジアの安定の要と見られているこそ(アメリカが睨みをきかせることで、平和が保たれている。ライバルの台頭が緊張をもたらすことは疑いありません)、周辺各国が注視しているわけです。
>――東アジア共同体をつくり、地域各国との信頼醸成を進めれば米国の軍事力に対する依存を減らすことができるという考え方があります。
信頼醸成はやるのはいいと思いますが、東アジア共同体はつくれませんし、少なくとも現状つくるべきではありません。歴史認識問題・領土問題といろいろあるのですが、決定的なのは中国と北朝鮮の存在です。一体全体、東アジア共同体を唱えるものは、中台間・北朝鮮の危険性を少しでも考えたことがあるのだろうかと思います。また、当該国の政体・政情不安についても考えなければなりません。EUのマネをするなら、その範囲について検討してみるべきだということです。
>米国政府内の日本に対する不満は広くかつ深いものがある。
以前も書きましたが少なくとも私は、アメリカで普天間が現行案以外という意見を見たことはほとんどありません。私はアメリカが全て正しいとは全く思っていませんが、日本が本質的な議論を避けているのは理解しています。
結局のところ、こうした外交安全保障問題で国民的議論が必ずしも好ましいとは私は思いませんから、責任ある与党政治家の素人放言は即刻中止し(これまで見てきたように明らかに間違っていると考えられる以上、反対は止むをえません)、専門的に日米政府ですり合わせた上で、鳩山政権が責任をもって沖縄の世論を説得すべきだと考えます。
asahi.com 政治 3月3日20時44分 普天間めぐる元米国防副次官インタビュー 主なやりとり
http://www.asahi.com/politics/update/0303/TKY201003030416.html?ref=rss
>普天間は単なるヘリパッドではない。平時、有事を通じさまざまな任務を遂行する多様な航空機に対応する施設だ。長さ500メートルのヘリパッドでは全く不十分だ。
>さらに現在配備されているヘリコプター(CH―46)は就役後すでに数十年もたったもので、近い将来オスプレー(MV―22)に取り換えることになっている。それもシュワブ陸上案では全く対応できない。
>当時防衛庁は、この案(※シュワブ陸上案)は飛行の安全や騒音の問題があるため、地元住民に受け入れられる余地はないと考えていた。現在もそうした問題は依然として存在するうえ、事態はさらに悪化している。※辺野古地区で反対決議が出ている。
何故専門的に問題大有りな(基地は有事の備えです)シュワブ陸上案などを出してきたのか。当事者のアメリカ側とよく話し合っていれば、このような案は出なかったと考えられます。また、日本側の検証にしても当時の防衛庁からのノウハウは蓄積されていないのか疑問と言えます。更に言えば、明らかに分かってもいないのに与党内でベラベラ喋っているのはマイナスでしかありません。
>――日本側には、与党は合意見直しを掲げて選挙に勝ったのだから、政策変更は当然という考えがあります。
>それは米国の問題ではない。鳩山政権が掘った政治的な「穴」に、米国を引きずり込まないでほしい。これまでも、日本の防衛政策をめぐっては、米国を日本政府と沖縄との間の板挟みにさせるという問題があった。今回もそうだ。沖縄との調整をする責任は日本政府にある。
見直しと変更はイコールではありません(まあ文言にはなくとも、民主党は県外とか適当なことを言ってましたけどね)。いずれにせよ、米軍再編に絡む日米間の問題で、日本側の都合だけで思惑通りに進むはずもありません。
また鳩山という人は、これが基本的には日米間の問題であり安全保障の問題であるということが分からないまま、適当に間を取ればいいと思っていたフシがあり、軍事的制約などまるで考えた気配がありません(基地なのに)。
>――撤退したら何が起きますか。中国が尖閣諸島に侵攻すると思いますか。
>どうなるかは全く予想がつかない。しかし、友好国、潜在的な敵国を含めた地域の各国に対して明確なシグナルになることは間違いない。日本と米国は安全保障関係を適切に維持できないということだ。各国は事態の成り行きを注視している。
>実際のところ、豪州やシンガポール、インド、韓国など地域の各国の方が、今の事態を日本より深刻に受け止めている。驚くべきことだ。
中国は経済発展を伴うとはいえ、軍事をドンドン伸ばしてきています。一方日本の軍事費は国際的に低水準(GDP比1%)と言えます。アメリカと協同して守ることが前提なわけです。また、日米同盟は東アジアの安定の要と見られているこそ(アメリカが睨みをきかせることで、平和が保たれている。ライバルの台頭が緊張をもたらすことは疑いありません)、周辺各国が注視しているわけです。
>――東アジア共同体をつくり、地域各国との信頼醸成を進めれば米国の軍事力に対する依存を減らすことができるという考え方があります。
信頼醸成はやるのはいいと思いますが、東アジア共同体はつくれませんし、少なくとも現状つくるべきではありません。歴史認識問題・領土問題といろいろあるのですが、決定的なのは中国と北朝鮮の存在です。一体全体、東アジア共同体を唱えるものは、中台間・北朝鮮の危険性を少しでも考えたことがあるのだろうかと思います。また、当該国の政体・政情不安についても考えなければなりません。EUのマネをするなら、その範囲について検討してみるべきだということです。
>米国政府内の日本に対する不満は広くかつ深いものがある。
以前も書きましたが少なくとも私は、アメリカで普天間が現行案以外という意見を見たことはほとんどありません。私はアメリカが全て正しいとは全く思っていませんが、日本が本質的な議論を避けているのは理解しています。
結局のところ、こうした外交安全保障問題で国民的議論が必ずしも好ましいとは私は思いませんから、責任ある与党政治家の素人放言は即刻中止し(これまで見てきたように明らかに間違っていると考えられる以上、反対は止むをえません)、専門的に日米政府ですり合わせた上で、鳩山政権が責任をもって沖縄の世論を説得すべきだと考えます。