今年(2016)のノーベル化学賞は、Jean-Pierre Sauvage氏(フランス ストラスブール大学)、J Fraser Stoddart氏(アメリカ ノースウェスタン大学)、Bernard Feringa氏(オランダフローニンゲン大学)に決まった。 受賞理由は「分子マシンの設計と合成への貢献」ということで、私の専門である構造有機化学の領域である「超分子化学」の分野で、馴染みのある内容である。 実際に、Stoddart教授とSauvage教授にはお会いしたこともある。 特に、Stoddart教授がUCLAにおられた1997年当時、ちょうど隣りの研究室のA先生がStoddart研に留学されていたので訪問し、1時間程度、研究の話をさせて戴いたのを憶えている。 当時はまだOHP使っていたような気がする。 もちろんこの3人の先生方の研究業績は素晴らしいものであることは間違いない。 しかしながら、以下は全く個人的な意見だが、この分野で大きな貢献をされた研究者の中で、上述の3人に全く引けを取らない人も少なくないような気がする。 例えば、現九州大学特別主幹教授のS先生(A先生の元ボス)は、分子マシンの基本となる多くの超分子的な特性を明らかにされており、今回の受賞メンバーに含まれても、何の遜色もないだけに、非常に残念であった。 全く余談だが、もし、福岡ご出身のS先生が受賞されていたら、今年のノーベル賞は福岡三昧であった。
From Face Book: 2016 Chemistry laureates developed the world's smallest machines.