うらぱん

うららの天然酵母パン
…旬の酵母12ヶ月…

林弘子さんを偲びつつ・・・

2011年02月02日 | その他
アマゾンで大人買い



林弘子さん、というお名前を認識したのは、多分‘うかたま’という雑誌で。
2008年に連載されていた頃だと思います。
小麦粉と水以外の何も入れないパン種による酵母パン。
クセも酸味もなく、フワフワのおいしいパンが作れるとありました。
ヘェ~?!何それ。と、感動と驚き。
でもその頃は、四季折々の果物やハーブを使って酵母を起すのに夢中でしたので、
実践しようとはこれっぽっちも思わなかったのです。

それでも林さんの著書「水と小麦だけのパン種でつくる酵母パン」という本は手にしていました。

それが、昨年の夏、ふと思い立ち、その究極の種づくりに挑戦することになったのです。
これがまた、初めてにして、しかも猛暑という中で、見事成功。
その後種を継いで、パンを焼いていくうちに、
私はどんどんアバウトなパン作りをしていることに気付きました。

そもそも私はイーストを使うパン作りからスタートしたので、
計量は一番大切なことと教わりました。
ともすればコンマ1の分量も計らなければいけないレシピもあります。
そして時間もきっちり。
イーストはみるみる間に発酵を促進させるので、
ちょっと目を離したすきに過発酵ということが多々。

でも、天然酵母で種を育てていると、とても大らかなパンづくりになるのです。
粉ザックリ・ザックリ、塩チョッチョ、水は捏ねながら様子を見て・・・
後は生地をつまんでまずくなければOK。
しかも発酵は一晩一緒に寝ていれば、朝起きた時に何とな~くできていて、
それでも慌てて作業に入らなくても、用事をしながら半日かけて焼成までもっていけばいいのです。
とっても大胆でゆる~いパン作りになってきました。
(その代わり、時間がたっぷりないとダメですけどね)
酵母さえよい子に育っていれば、とりあえずパンになるのです。

これって、古代オリエントの起源から何も変わっていない、パンの真実!

さて、前置きが長くなりましたが、
その林弘子さんに遅ればせながら夢中になった私ですが、時すでに遅し。
昨年の7月に亡くなられました。
本当に残念です。

林弘子さんはパンづくりにとどまらず、
日常の食づくりを発酵という視点で考え普及させてこられました。
日本の発酵文化をとても大切に考えています。
小麦の自然発酵が何たるかを知るためには、まず日本の伝統的な発酵食を見直しなさい、
とおっしゃってます。
お味噌や漬物、調味料など・・・

私はどちらかというとパンオンリーで没頭してきましたが、
長い間、パンを発酵食としてとらえていなかったように思うのです。
そんなことを考えさせてくれたのも、林弘子さんです。
あぁ、彼女の教室に通いたかったな~

本を読む限りでは、
林弘子さんという方は、とても豪快で、本音トークずばずば・グサリ。
でもお写真の笑顔がとても優しく、生き生きとしていて、
パンのようにフワフワあったかな、お人柄なのではと想像します。
ご自身が、誰にも習わず試行錯誤でパンづくりに向かわれてきたこともあり、
(「発酵食の失敗のなれの果ては、容器にひしめく、ウジ虫→カナブンだった」
というところまで、突きつめたお人です!)
(感服)
習うより慣れろ。つべこべ理屈を捏ねる前に、自分でやってみろっ!とゲキが飛んできそうです・・・
あ~お会いしたかった。



もともと持ていた本はこの2冊。
レシピもたくさん載っていますが、林さんのパンへの思いがぎっしり詰まっています。
新しく手にした本も、これからじっくり読んでいきます。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほんとうにしたいことをする旅 (しゅか)
2011-02-03 21:05:03
最近のうらばんぶりを拝見していると、
イタリアでもフランスでも、やっぱり
”パンの旅”がよいのでは!?
もし、しっかりと日程を確保できたら、
考えてみる必要がありかもです。
パンの旅 (ura-chocolat)
2011-02-04 20:27:54
いいですね~
海外でも、国内でも、テーマのある旅は時間を豊かにしてくれますね。
美味しいパンにはストーリーがある!
新しいパン発見の旅に出かけた~い。

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