そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

2月21日(土)

2009年02月21日 | 昔日記
 地下鉄の中で偶然、佐佐木幸綱先生とご一緒になった、隣に座ってお話をする。5月~6月にドイツへいらっしゃるそうだ。ヨーロッパで一番よい季節。各地で講演やワークショップをなさるのだという。和歌披講をいたしますから、連れて行っていただきたい、ホント。

 帰りに落花生が欲しくなり、牛込中央通りを下った。いつもの豆屋さんで550円の殻付き落花生2袋を購入。殻付きはこちらで炒ってはいないそうだが、ほんとうに美味しい。どうしてこんなに美味しいんですか? と尋ねると、豆の鮮度だとか、いろいろ条件があるらしい。お店のおばさんに、あまり食べ過ぎないようにねと、またぞろ注意された。買う度にいつも注意される。どうしてなんだろ?

 大久保通りとの交差点のところにある「青蛾」に寄ってみた。焼物が中心で、短冊などはないようだ。一行物なんぞは要らないよ。面白いことに、この近所から出土した江戸時代の発掘品を、非常に安く売っている。いいのかな? 陶片などもあるが、興味はない。でも、貧乏徳利数千円也には食指が動く。李朝青磁の盃の手ごろなものも…少し歪んでいるせいか滅法界に安い(ような気が)。主人は、一緒にお求めならずずっと勉強いたしますぜ、という。財布の中には珍しいことに、ちょうど慶應義塾の創立者様がおでましになる。ええい、貰っちゃえ、この前パートナーにプレゼントしたヴェネチアングラスのペンダントくらいの値段だもの、とナイショで購入。主人は調子に乗って、三島の茶碗まで出してきたけど、こいつはいけませんでした。天目もあります、と畳みかけられたが、名刺をもらって退散する。財布の中は「たけくらべ」作者のみとなった。

 夕食で早速、李朝を使ってみたら、パートナーに、あんた! それ一体どうしたのよ? とつめ寄られた。いや、その、あの…と誤魔化したが、貴女に差し上げたペンダントくらいの値段のシロモノですから、どうかご安心を。