そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

3月31日(土)結婚記念日

2012年03月31日 | 公開

 新年度から都内の医学部へ通うことになった甥っ子のお祝いのため、同居人と妹の家へ行く。親戚に医者が誕生するのは心強い。天気予報通りに風雨が強まり、電車があちこちで止まってさんざんな目に遭った。

 今日は結婚記念日。教員をしていると、年度末に結婚したという夫婦は案外多いんじゃないかな。赤城神社へお参りした後、「東白庵かりべ」でコースを予約しておいた。そばがきからスタート。

 同居人は赤ワインがいいというので、カリフォルニアはナパ・ヴァレーのメルローにする。途中から私は「やまたのおろち」をもらった。牡蛎の天麩羅は実に美味かった。鴨と葱の炊き合わせは、もう一歩という気がいたしましたがな。ご精進あれかし」い。ご主人が挨拶に出てきてくださったが、仕事部屋の隣の蕎麦屋の大将と容貌がそっくりだった。同業者は似てくるものなのだろうか?

 柳朝師匠からご入院のよし、同居人のところへメールが。どうかお大事に。ご本復をお祈り申し上げます。

 


3月30日(金)古典研究会

2012年03月30日 | 公開

 18:00から古典研究会の会合へ行く。会場が「志満金」の大広間なので、Kさんへの手土産に菓子を持って行ったら、わざわざ出てきてご挨拶くださった。恐縮、恐縮。お床は伊東深水であった。

 

 いろいろ報告を聞き、新会長にはT先生が承認された。Y先生がお見えになる。ほんとうにお久しぶりである。今日の出席者の中では、私が抜群?の若輩者なのであった

 お料理は結構なものだったが、さすがに先日の「竹葉亭本店」に引き続いてなので、鰻重は持ち帰りにしてもらった。


3月29日(木)博論公開審査2

2012年03月29日 | 公開

 それで15:00から博論の公開審査会。私が審査を頼まれたのはS氏の論文だったが、本日先立って審査会が行われたAさんのほうが、研究指導の副担当を引き受けていたのだから、Aさんなら審査を担当するのは自然だが…、主査のT教授のご手配は、ど~にもよ~わからんごとある。まあ、よろしい(結構いいかげんな御仁だからな)。

 副査席?の中央になぜか座ると、右隣(上座)にはウルトラマン教授、左隣には金子みすゞ教授がお座りになった。2時間弱ほどの審査会である。

 口から出任せに、茶道とのアナロジカルな関係は考えられませんかな?と発言したら、その後、それなりの反応があった。能楽と茶道といえばあなた、筒井紘一先生の奥様であらせられるがな。まあ、先日の好日会での薄茶席のご趣向も、能の「羽衣」だった。

 なんとかかんとか審査が終わって、審査報告書の原案は主査にお任せする。帰りに神楽坂で、豆腐珈琲を買う。そうそう、桜の花型のすてきな箸置きがあったので、「うつわや㹨」で衝動買いした。


3月29日(木)博論公開審査1

2012年03月29日 | 公開

 博論公開審査会のために出勤。途中デパートに立ち寄って、新任教員歓迎会のための清酒を購入しておく。ご両人とも関西方面のご出身だから、東京都内の酒にした(1種類しかないがな)。一升瓶が無かったので、四合瓶2本を購入したが、間に合うかな。予算もあるでのう。

 昼食は「maruharu」でドライカレーを頼もうと思っていたら、満員であった。大学周辺はやたら学生が多い。科目登録のガイダンスでも始まったか? 「たかはし」で刺身定食をいただく。御飯は軽めにしてもらった。軽めですね?と、にかっと笑われたぜ。味がちとしつこくなっているような…。


3月27日(火)竹葉亭本店

2012年03月27日 | 公開

 13:00からA君相手の特殊演習。その前に昼食は大久保孝治先生御用達の「maruharu」で摂る。老婦人二人が先客であった。今度ドライカレーというのも試してみるかな。ワインも飲めるみたいだしな。

 今夕は「竹葉亭本店」でご馳走にあずかることになっている。その前に「にほんばし島根館」へ行ってお土産を購入。新物の「めのは」があったので、少しばかり。

 「竹葉亭本店」、いやはや結構なお席でした。痛風の私めには、こりゃ体によかったのか、悪かったのか…?

肝焼き、絶品!

 年度末年度始めは、気をつけないと、闇雲に体重が増加しそうである。


3月26日(月)終日輪読会

2012年03月26日 | 公開

 11:00から19:00過ぎまで、終日、論読会をみっちり行う。関西方面から3名、中国地方から1名の参加者があった。

 本日の圧巻?は、「奥山の杉のとも擦る…」という歌の解釈だった。米沢本『沙石集』の特有歌に「奥山の杉の村立ちとも擦れば己が身よりぞ火を出だしける」というのがあるのだが、このもと歌みたいな感じがする。『沙石集』の研究者も、米沢本の歌の解釈が正しく出来ていないのではないかな? 「とも擦る」は、幹や枝が互いに擦れ合うことを言うのだ。いや、これだけで、生きている甲斐があったような気がした。

 キャンパスを出ると、金星と月と木星が縦に並んでいた。

 今日は東京にお泊まりだというYさんと「五郎八」へ。隣席でB学部の教授連が、とも擦りで快気炎を上げておられたぞなもし。


3月25日(日)卒業式

2012年03月25日 | 公開

 昨年は東日本大震災のせいで卒業式が中止になったので、主任としては初めての従事とあいなった。14:00から大学院修士課程、14:30から学部コースの学位記授与を行う。

 引き続いて構内の会議室でワンコイン卒業懇親会。実に簡素で、我が大学らしいと思った。

 研究会で勤務先に出ていた同居人と待ち合わせて帰る。電車内乗り換え駅近くで、変態のおにいさんが、同居人の前にやって来てチンポコを出す素振りを見せたので、二人で唖然とした。同居人には、こういうことがよくあるらしい。

 乗り換えた電車では首尾よく座ることができた。緊張して学位記授与を行ったせいか、腰が痛い。ふと横を見ると、車内に次のような広告が…

 うわ~、やっぱり女性は年をとるのが速いんだなあ! 同居人も、結婚当時は私が2つ半年上だったのに、いつのまにか同い年となり、いまではあちらのほうが4歳年上である。女性の皆々様、お気を付けあずばすよう。…と言ったら車内で殴られた。


3月24日(土)披露宴

2012年03月24日 | 公開

 Nさんの結婚披露宴に出席するため、浅草のホテルへ行く。会場は25階で、スカイツリーが正面にバンと見える、実に眺めのよいお部屋だった。私は新婦の最終的な研究指導担当だったわけだが、新郎の研究指導はT教授で、学部長などをお務めの時にずっと私は教務としてお仕えしてきた。奇縁を感じる次第。左隣には華族大学文学部長のK教授がお座りで、Nさんの学部ならびに修士課程での指導教授であらせられた。

 新婦側の主賓祝辞を命ぜられ、華燭の典を挙げるに際しての所詠はないのか?と尋ねた返事が昨日メールで来たから、その歌を、江戸時代の女房和歌懐紙の書式でしたためて懐にし、S君に発声を頼み乙調で披講した。

   掌でゆりかごのごと護られし父母のもと今日は巣立たむ

う~ん、まあまあ普通の歌でしたな。披露宴で和歌披講を行うと、大概は驚かれかつ喜ばれるので、隠し芸としては悪くない。習いたい方は、こちらへど~ぞ。

 ケーキカットではなく鏡開きが行われるなど、日本酒好きなNさんらしい趣向だった。二次会は吾妻橋を渡ったところのお店で、少し時間があったから、5人ほどで和民に入ったが、最悪!

 二次会会場は、上にへんてこな物体が乗っているビルのビアレストラン。あれはビールの泡だという人と、孫悟空の筋斗雲だという人が多いが、普通に眺むればどうしてもウンコにしか見えまい。そこで、お店の人に聞いてみると、実は炎なのだそうだ。そういえば、お店の名前がそういうフランス語である。余興のビンゴ大会では2番目にビンゴとなって、靴下をもらった。ビンゴだけに、広島産の靴下かもしれない。

 カメラ付き携帯電話を忘れたので、画像はなし。あしからず。

 


3月23日(金)そばがき!

2012年03月23日 | 公開

 演習登録の後始末で、大学へ行かねばならぬ。飯田橋で降り、「丸勢」で「黒麻婆」を購入。昼は「東白庵かりべ」で、この前から気になっていたそばがきを食した。う、うまい! こりゃめっぽうかいにうまいですぞ。所謂そばがきとは概念を異にするといおうか…。騙されたと思って、ぜひお試しあれ。同居人に、結婚記念日はどこか食事に連れて行けと脅迫されたから、「東白庵」を予約した。

 さて、大学へ着き、事務所で諸々の手続きをする。その後、副学部長殿のメールボックスに「黒麻婆」の素を1個献上。先日、落花生5さやで、蜂蜜1壜いただいたことへのご返礼である。

 


3月22日(金)退任助教慰労会

2012年03月22日 | 公開

 夜は本年度で退任する助教の慰労会を催す。教授が定年退職される場合であれば、賑々しくホテルの部屋なんぞを借りて送別会をといことになるのだが、我がコースの助教初任例であり、有志を募っての開催とした。結果、7名の教授連から参加のご意向を承るも、実際には都合のついた6名が参会し、N助教の労をねぎらった。

 会場は「すぎうら」。近場で申し訳なかったが、お許しあれ。


3月22日(木)好日会

2012年03月22日 | 公開

 裏千家東京道場で開催の好日会へ行く。ガマン専任先生にお引き回しいただくべく、8:50に到着。濃茶席の席主はH先生である。菓子席の床は烏丸光広の短冊。虎屋製の薯蕷饅頭はほんのりピンクだった。虎屋の黒砂糖は西表島産のものが使われているとは、ガマン専任先生のご解説である。お庭の梅が美しく咲いておった。

 

  本席は、薩摩一重口の水指の蓋が素敵だった。とにかく近くに座ったので、よく見えたのである。

 さて薄茶席はNさんご夫妻のお席で、羽衣の趣向。寄付には天冠が飾られていて、あっと驚く。本席ではお謡いのさわりも披露された。

 点心は辻留。お酒を一献いただいたが、まあ午前中だからなあ。


3月21日(水)主任フル稼働

2012年03月21日 | 公開

 13:00からコースガイダンスだが、その前にA君相手の特殊演習番外編を11:00から入れていた。もろもろ準備のため研究室でバタバタしていたら、失礼しますと双子の女子学生さんが訪ねておいでになった。故Tさんのお嬢さん方が挨拶に来てくださったのだ。二人ともT学部のご所属で、このたびめでたくご卒業、お一人は研究機関へご就職で、もう一人は大学院進学のよし。学界の先輩であるTさんは桜上水大学教授で、私は専門が極めて近い関係でいろいろご指導いただいたが、はやくにお亡くなりになったのである。いやはや。ご母堂からのご挨拶のお品を頂戴した。

 そこへA君が現れ、煎茶を淹れたが、今日は格別美味しいですねとおっしゃる。お菓子は、少し早いが「たけのこの里」にした。(笑

 さて13:00からコースガイダンス。E研究科のO教授にお越し願い、大学院の案内から始める。続いて5人の教員からの話があって、演習の履修希望を提出してもらって1時間。研究室で仕分け作業。希望が偏っている科目が二つあり、往生した。

  本日は到来物が多数あった。Tさんにいただいたお酒、A教授からは大吟醸ケーキ、副学部長殿からは北京の蜂蜜、B教授からはハワイのクッキー。ありがたや、ありがたや! 蜂蜜は黒金剛を5さや差し上げたお返しだとか。エビ鯛とはまさしくこのことをいふべし。

 


3月20日(火)超訳…とは!

2012年03月20日 | 公開

 頼まれ原稿を収録したが刊行されて、今日献本が2冊届いた。余分な1冊は、どなたに差しあげるかな。歌集の成立年をめぐり、すったもんだの挙句である。しかしまあ、超訳…なんて名前を、つけますかなあ…。一般向けだから、仕方がないか。私以外はみな立派な方々が執筆しておいでなので、お薦め本ではある。一応、私もささやかな新説を記してはおりますがね。

  

 同居人は龍門文庫の閲覧のため、関西出張へお出かけになった。龍門文庫は年に2度しか閲覧ができないし、一度に見ることのできる人数もごく限られるため、大変なのである。PCのマイクが壊れたと、大騒ぎして出かけて行った。


3月18日(日)退職記念パーティ

2012年03月18日 | 公開

 定年退職される教授の記念パーティに出席した。さぞかし大規模な会になるのだろうと予想していたのだが、ゼミ生と、ご当人が諸々の役職をなさる上で関係が深かった教職員がごく限られた範囲で呼ばれただけのようで、こじんまりしたよい会であった。奥様とご一緒で、実にお幸せそう。こういうご退職は理想だよなあと感じ入った次第。カメラマン役の女子学生に、先生!と声を掛けられたので、何だ?と聞き返すと、「カフェゴトー」でバイトをしている学生さんなのであった。退職先生のゼミ生とのこと。4年生なのだそうで、最後のゼミ生だな。狭い世界ぢゃ。

 パーティの後、参会者5名ばかりでお茶を飲んでから散会。会場のホテルは、日がよかったのか、ものすごく混んでいた。

 神楽坂で豆腐チーズを買って帰る。「丸勢」の黒麻婆の素は売り切れであった。

 故あって銚子産の漂着琥珀をどうしても入手したいと思い、インターネットで調べると、「ダイヤモンドのこおしょう」というお店で扱っているらしいので、電話してみた。ネットに出ているのは、街角博物館みたいな展示物で、売り物ではないとのこと。お店に行けば手に取って見せてはいただけるらしい。銚子琥珀同好会という会もあるそうだ。山田勝彦 さんという方がどうもその道の有力者らしいのだが、何とか連絡が取れないかなあ。要するに、犬吠埼灯台の下あたりを探せば、漂着琥珀は比較的容易に拾えるということのようである。


3月18日(日)太夫か大夫か

2012年03月18日 | 公開

 先日の編集会議で、私の書いたコラム原稿に人形浄瑠璃文楽の語りを「太夫」と表記したら、大阪からお越しの編集委員から、「大夫」にしないと怒られまっせと指摘された。変だなあ、事前に浄瑠璃も専門分野の一つである同居人に校閲してもらったんだがなあと、訝しく思いながらも、後で確認しますと引き取って帰った。

 文楽の場合、名前に付ける表記は「大夫」である。「住大夫」「綱大夫」のごとし。そして、歌舞伎の竹本は「太夫」なので、これをチョボと称して、まあバカにするわけだな。

 ところが、普通名詞の場合は「太夫」とするのが一般的で、内山美樹子先生のお書きになったものもそうなっている。文楽協会のHPを見ても、名前以外は「太夫」である。

 しかし、文楽公演のパンフレットなどでは「大夫」になっているので、一種の過剰反応が起きてきるのではというのが同居人の見解だった。それでも国立文楽劇場のSさんに尋ねてもらったところ、国立は「大夫」としているが名前から敷衍しているらしく、普通名詞としては「太夫」とするのが常識的だろうとお返事だった。

 点ひとつでも、なかなかに難しい。三味線方も、「尺さわ、半ざわ、本ざわ」といって、「野澤…」の「澤」の字をどう書くかで、ヒエラルキーが示される世界である。

 

 お年玉付き年賀はがきの3等が1枚だけ当たった。賞品が届いたので、あな嬉しや! 青山学院大のH先生のお蔭である。神戸北野亭ビーフシチューが5個。H先生なれば、「煉瓦亭」だったらもっとぴったりなんだがなあ…(分っかるかな~?)。ともあれ、有り難くて涙が出る。