そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

10月30日(日)松山から帰る

2016年10月30日 | 公開

  学会2日目は研究発表会である。路面電車に乗って、9:00のスタートに間に合うよう会場校へ。私は「委員」なので、すべての研究発表を聴いて、評価書を出さなければならないのである。

  お昼の弁当が、なかなか豪華だった。愛媛らしい趣向で、これはTさんの肝煎りらしい。さすが、さすがである。

 

  発表を全部聴いたので、空港へ移動する。バスであっという間である。まず一杯と、レストラン・エリアに上がろうとすると、声を掛けられた。なんと、隣の研究室のO教授だ。同じ大学を会場に、巡礼を研究する集会が開かれたのだそうだ。「私は、なかつよ」でしたと申し上げると、「ああ、やっていましたね」とおっしゃる。いやはや、狭い世界である。

  レストラン・エリアに上がると、鯛めしのお店で、立川研究機関のT副館長どのと、ガマの油売り大学のC教授が、なにやら召し上がっていた。仲間に入れてもらい、「虎の尾」というお酒と、肴を注文。歓談しばし。

  C教授とは、同じ飛行機だった。羽田に着いて、同居人に連絡すると、山形の学会からの帰路で、あちらのほうが早く家に着く様子だった。晩飯は食っていない、当方、じゃこ天を所持していると知らせて、乗り換え駅で何か買って帰ってもらうことにする。

  明日は朝いち演習から。準備が、全然できていない…(汗、汗


10月29日(土)愛媛大学で学会

2016年10月29日 | 公開

     金曜は午前中の演習を終えて羽田へ移動、なかつよ文学会大会の行われる松山へ。松山には親戚が多い。本家筋は松山に移住しちゃったし、同居人の姉上の次男、つまり甥っ子も住んでいる。その甥っ子と晩飯を食った。なお同居人は、やはり学会で山形大学へお出ましになった。 

    本日は12:00の委員会までに愛媛大学へ行けばよいので、道後温泉に直行する。本館に入り、神社を参拝し(石段が大変!)、洒落たカフェで早めの昼飯を食って会場校へ。まず鈴鹿文庫の展示を観てから、委員会に出る。

    講演会は面白かった。鎮西国立大学のK教授は、私より1つ年上だと思うが、高校~大学時代にお読みになったという書籍がほぼ重なっていた。私の場合はそれに、藤平春男、橋本不美男といった先生方が加わるんだけれども…。

    懇親会も、美味しい日本酒が4本も供されて、素晴らしかった。K先生、Tさん、ありがとうございます!


10月27日(木)樺太土産

2016年10月27日 | 公開

  研究会のメンバーであるT君が、樺太へ行ってきたというので、お土産をいただいた。ウオッカとかチョコレート。研究会の時に、皆でいただきましょう。

  博士課程の研究指導は、A君の学内学会下発表だったが、Tさんと2人で、嵩にかかって批判した。史料の読みが甘い、甘い。修正を要するも、いい発表になりそうな気がする。修士の演習は、贈答歌の相手が女性か男性かで問題になったが、女子大学の院生Yさんの、朋輩の女性説が穏当…ということになった。やはり衆知を集めてテクストを読む意味は大きい。

  元ボスのT教授は、来週、手術をなさるのだそうだ。詳しくは伺わなかったが、お大事に。ちょっと心配だな。

  研究会は、まあ、こりゃ、クラッシック路線ということが確認できたかな。それで、樺太土産を皆でいただく。しかし、ウオッカは空けられず、茅台酒とか、研究室には強い酒ばかり溜まっていく。終了後、6人で「かわうち」へ。「銀盤」の新酒があった。やはり一升瓶1本では足らなかった。店を出ると、千代城内にお勤めのTさんが、お偉い上司の方とお越しになった。一次会は「高七」へ行かれたのだと思う。ご挨拶して、帰路へ。明日は、午前中授業をして、学会出張である。


10月26日(水)愚詠が書の作品に!

2016年10月26日 | 公開

  13:00から会議で、予定通り15:30までかかった。後始末をして、16:00ころ、神楽坂で買い物をする。

  水曜は草木堂野菜店が出店しているので、白銀公園脇のuegumoへ。芋のつるだの、ロシアンケールだの、妙なものを買ったが、牛蒡が美味しそうだったので、これも求めた。jokogumoのオーナーさんも買い物に見えていたから、S太郎ちゃんはお元気ですか?と愛想を言った。そうそう、先日jokogumoで見せていただいた袢纏、同居人や愚娘に似合いそうで、そのまま坂を下りてお店を覗く。朱色で丈の長い袖無しと、黄色で丈の短い袖ありと、大人買いする。できるだけ小さく包んでいただき、まだ早い時間なのでとっとと帰宅した。娘はどうやら、黄色いほうがいいみたいだ。

  書家のW先生が、来月催される個展への出品作に、なんとなんと、愚詠を揮毫されたという。伊勢神宮に奉納した歌である。いやはや、驚きももの木…。


10月25日(火)さもだし!?

2016年10月25日 | 公開

  社会人向け講座へ行く。昼食は、築地で降りて、「文化人」へ。「焼きキノコ蕎麦」というのが美味そうなので、注文した。

 

  いや、美味かったぞなもし。

  新富町を越えて歩く。途中、いつもの青森のアンテナショップを覗けば、「さもだし」が。ナラタケというキノコの、虫が食っているやつですな。珍しいので、2パックほど求めた。

  社会人向け講座は、先走っていたのを修正し、シラバスに沿って展開するよう調整、終わったらとっとと帰宅し、「さもだし」の下ごしらえ、塩水に漬けて虫出しを行う。小さな虫が、うようよ出てきた。

 


10月21日(金)創立記念日

2016年10月21日 | 公開

  大学の創立記念日。昔々は休講日だったが、今や文科省様のお蔭で、授業実施当たり前である。登校すると、創立者の胸像に花が手向けられていた。誰ぞ死んだのかな?と、錯覚した。

  花札演習の出席者は、半分ほどだった。全員に発言させて、恰好をつける。さて、創立記念日なので、坂をのぼって、穴子を食いに行く。千代田のお城内にお勤めのTさんが、27日に予約を入れていることを確認、女将に趣向をお願いしておく。乞う、ご期待。

  鳥取県中部を震源とする地震があった。同居人は高層棟に居て、ずいぶん揺れたという。鳥取震源で、東京が揺れるとはね。松江も震度4で、老母に電話したら、炬燵に潜り込んで避難したとか。もう炬燵を出しているのか。よほど寒いのかな?

  夕刻、生徒の歌舞伎鑑賞引率という、K女学院の教員になっている研究室OGと、オアゾの丸善で待ち合わせ、カフェで歓談すること1時間あまり。土産にお菓子をくれたから、お返しに里芋を500g差し上げた。いま、学生の研究会に参加してくれている院生が、OGさん勤務先の卒業生で、昨年教育実習をしたという奇縁がある。狭い世の中だ。

  大学へ引き返して、18:00過ぎから会議。


10月19日(水)教授会のタイムレコード!

2016年10月19日 | 公開

  14:00開始の教授会は、15:20に終わる。定例教授会としては、こんなに早く終わった例を、私は知らない。まさしくタイムレコードだ。

  まあ、内容は守秘義務があるから明かせないが、某雛壇教授の事前示唆を受けて発言した。隣のT教授に、やっぱ発言せにゃならんかな?と尋ねると、かぶりを縦にお振りになるから、はいっと手を挙げた次第。そのほか、騒音に対する苦情を発言した方があったが、ケッと思いましたわ。昼休み何だから、学生も騒ぐぞなもし。戦時中を知らん人間の言うことなんぞ、取り合わなくてもよろしいかとと思うが、雛壇はずいぶん丁重かつ低姿勢に、応対しておいでだった。

  研究室へ戻ると、事務所から電話で呼び出される。書類に捺印が必要とのことで、担当の職員の方は、なんと私が校長を務めていた高校のご出身とおっしゃるから、思わずプレゼントを差し上げてしまいましたわ。


10月19日(水)

2016年10月19日 | 公開

  会議日なので、12:15開始の教室会議に間に合えばよいのだが、その前に図書館の展示を観るかと早めに家を出て、JRから乗り継いでトラムに乗る。トラムの終点が、図書館至近なのだ。この間、昨日上野駅構内の書店で購入した小谷野敦先生の新著を読む。「現実は凡庸なものだ」という一文(p176)には、はたと膝を打ってしまった。読み終って、最後の項目が「石原慎太郎」だから、本日の教授会でM教授にお目にかかったら、差し上げることにしようかな。

  図書館の展示は、皇太子も観に来たというが、存外つまらなかった。私の関心のある史料は1点だけで、文書ばっかり(当たり前か)。肖像史料くらい出しておけばいいのに、と思う。

  キャンパスを突っ切ると、椎の実がたくさん落ちていた。ガードマンの方に断って、少し拾わせていただく。食えるものが落ちていると、ついつい拾いたくなる。

  「Cafe GOTO」へ寄る。昨日といい今日といい、なんだか暑い。アイスコーヒーを注文。GOTOさんに、先生、少し太ったでしょと言われてしまった。世間話をするうち、GOTOさん、文楽の三味線弾きを結構ご存知と知る。意外や意外。しかし、小劇場に観に行って、すぐ寝ちゃったんだそうである。

  キャンパス図書館へも寄ったが、課長は免許の更新とかでお休みのよし。中央図書館の展示はつまらんと悪態をついて、影印本を借りて、研究室へと上がる。


10月18日(火)社会人向け講座

2016年10月18日 | 公開

   院生のA君にせかされた論文の添削を仕上げて、お送りする。彼の「史観」は、結構私の影響を受けているような感じがするが、いかがか? 指導教授を見習ってはならぬと、常日頃口を酸っぱくして言っているんだがな。

   さて、火曜日は社会人向け講座で、まずは上野に向かう。駅構内の書店やショプをのぞき、メトロに乗って銀座に移動、「木挽町 湯津上屋」の開店3分前に、お店の前に到着する。

  

  開店と同時に入って、つけ天を大盛りでいただく。なにしろ一番乗りだから、ささっと出てきた。正午前にはもう店を後にする。道すがら、青森のアンテナショップがあるので、ミズのこぶと、美味しそうな里芋があったので、購入。ミズはやや悪くなっているとかで、半額にしてくださった。

  「湯津上屋」では、あっという間に蕎麦をたぐったので、講師控室に早い時間入ると、満員だった。次期の打ち合わせなどをなさる先生がおいでだったので、小さくなって待つ。古記録の講座をお持ちの女性の先生と世間話をしていたら、Uちゃんのことをご存じでびっくり。狭い世界である。私はUちゃんの研究指導担当教授だったんですよと申し上げると、あちらも驚いておいでだった。

  さて、講座が終わって事務所に戻れば(教室の隣)、スタッフの女性に、私は先生と誕生日が一緒なんですよ♡と声を掛けられた。なんでおいらの誕生日知ってるのか?と思ったが、事務所のスタッフさんだから、講師のプロフィールは目にするわいなと納得。おや、あなたもジャン・ジャック・ルソーと一緒でしたかと、お返事をした。

  東京駅まで歩いて、八重洲の「京都館」でポイントをカードに付けてもらい、駅構内で酒を買って帰宅する。同居人、会議で帰りが遅くなると仰せだったが、里芋と鶏肉の炊き合わせなんぞを作る。

  娘はヴェトナム出張から帰国して、自宅マンションで休んでいるようだ。ラインでメッセージを送ると、スタンプで答えてきた。まあ、一番忙しい年齢だから、仕方あるまいが、D通のように働き過ぎで死なんようにと、祈るばかり。

  夜、大学院OGのOさんからメールが来る。E研究科T教授の研究室の院生に、Oさんの勤務先で教育実習をした人がいると言ってきたので、まさかSさんじゃないだろうね?と尋ねたら、その通りであった。Sさんは、私が主宰する研究会に、熱心に参加してくれているのだ。いやはや、ほんとうに狭い世界である。今日はなんだか、そんなことばかりを実感した。


10月16日(日)バ行とマ行の交替現象

2016年10月16日 | 公開

  同居人は日本語学研究者であらせられるが、日本語にはバ行とマ行の交替現象というのがある。「けぶり」が「けむり」になる・・・という類いだ。それで、寒くなってきたから、そろそろ「よせなべ」をやりたいねえということを、交替現象で申し上げられたところ、即座に殴られました。分かるかな~?

  誤植は剣呑である。「もちろん」が「もろちん」に誤ったという笑い話は、もはや有名なんだろうけれども、それを同居人に申し上げたところ、今度は、あははとお笑いになった。

  本日は市ヶ谷の高層ビル大学へ、シンポジウムの報告者でお出掛けになった。歴々たる、ヒマそうな日本語学者が、全国からお越しになったとか。私は夕食を作って、ひたすらお帰りをお待ち申し上げていたんだけどね・・・。

  夜は、「よせなべ」の、交替現象を実行した次第。(汗

  あやまち、すな・・・

 


10月15日(土)東京ふたつまつの会

2016年10月15日 | 公開

  「ふたつまつの会」とういうのは、高校の同窓会の名称である。その東京支部?の、年1回の総会が市ヶ谷で開かれた。現在の校長は高校の同期生。本年度が任期最後らしいから、出席した。

  同期ではクラスメイトのS君が来た。8月の松江での同期会、そして先日の「どげだ会」と、ここのところ一緒になることが多い。「どげだ会」では、ともに来年の幹事を仰せつかっている。

  文藝春秋のHさんは1期下だが、S君とご親戚とは知らなんだ。いやはや、狭い世界である。

  S君と有楽町に移動し、駅前のパブで二次会、それから、S君がカナダ人のお知り合いと約束があるというのに同道し、銀座の焼き鳥店へ。いやいや、実に美味かったですわ。この前はS君にご馳走になったし、今日の二次会も出してくれたから、三次会は私が支払いをした。


10月12日(水)うさ晴らし

2016年10月12日 | 公開

  朝からさる委員会で、缶詰となる。缶詰ならぬ、弁当を支給される。

  いささか面白からぬことあり。いい加減、真面目にやってよねと思う。しかし、怒ったら負けである。ここは隠忍自重…。さて、そろそろきり上げるかと思い、研究室でPCに向かっていたら、突然パチン!、大停電となる。各研究室の同僚教授、みな廊下に出て来て、どうしたんだろう?と訝しむ。東電の施設の火災による停電だったらしい。

  神楽坂で買い物をする。「草木堂野菜店」で、ありったけの「ずいき」を買い、久しぶりに「jokogumo」へ。岸野寛さん作の、刷毛目の素敵な飯茶碗があった。岸野さんらしいテイストである。うさ晴らし?に、現金購入する。

    腹の立つ ことひとつあり その帰り 飯茶碗ひとつ 新たにもとむ (右往左翁)


10月11日(火)アンジェイ・ワイダ監督の訃報

2016年10月11日 | 公開

  午前中、痛風の病院へ行く。数値最悪。ピロリ退治で向上した身体状況も、完全にリバウンド局面である。

  昼食は、「築地布恒更科」で、「はまぐり蕎麦」をりんだもぢる。そろそろ、温かい蕎麦もいただきたくなる時節到来だ。

  社会人向け講座へ向かう。途中、新富町にある青森のアンテナショップで、「みずのこぶ」を購入す。焼酎のお店にも寄ったが、残念、「川辺」は」売り切れであった。

  講座を終えて東京駅まで歩き、買い物をして帰宅。すぐに夕餉の準備にとりかかった。卵焼きがまことにうまく焼けた。

  夕刊にて、アンジェイ・ワイダ監督の訃報を読む。2003年の8月、ワルシャワの大使館で催されたEAJS開催の歓迎レセプションの際、会場でお見掛けし、サインをお願いしたら、快く書いてくださった。適当な紙を持ち合わせなかったので、とっさに、大使館からの招待状の裏にサインしていただいたが、かえってよき記念となった。合掌。

  同居人のご機嫌、うるわしからず。今度の日曜に研究発表をなさる予定だが、なかなか、思うようにいかぬらしい。お気にさわるようなことを、申し上げて、叱られる。まあ、当方もつらく思うことがら、なきにしもあらずなのだが、今は、あちら様の方が、高い役職に就いておいでだし、何につけ、お立てするのが配偶者の務めと心得るべきなのだろう。(涙


10月10日(月)ありのすさび

2016年10月10日 | 公開

  世間様では祝日だが、文部科学省様のお蔭で、出勤日である。なにせ1時限目から演習なので…と、ラッシュを避けるべく早くに家を出て、駅に着いて、やっと祝日だったと気づいた次第。同居人に電話すれば、ば~か!と言われた。(汗

  先週は休講にしたので、朝いち演習、ふるほん学、研究と、休講の言い訳をぐだぐだ喋ってマクラとする。小三治のようにうまくは行かないが。しかし、スイッチを入れると、大学教授というものは、きっちり90分、自動的に喋りまくれるものだなと、我ながらあきれるばかり…。

  研究というのは、テキストの読みを示しながら、自分の最新の研究を語れる科目といえる。私は大学の中でも傍流筋で、こうした「おいしい」科目には縁がなかったのだが、どんどん人手が足りなくなって、何でもかんでも持たされる、そのはずみで担当することになったものなのだ。3年の必修科目ということもあり、受講者が100名を超えてTAが配当されているが、出席カードの配布・回収は教授自らがやって、web上の付け込みだけお願いするという、TAさんには楽々業務としているのも、出席カードを配る時間の分、喋る必要がないという下心があるのだ。

  そうそう、院生の方に、ドイツのお土産という胡桃割り器をいただいた。きのこ型で、実に可愛らしい。

  私は1、2、4時限と授業があり、女子大学教授の同居人は3時限に非常勤出講している。当初、授業が終わったら娘と買い物に行き、食事を摂るという話だったが、娘の具合が悪くなり、同居人には研究室で待っていてもらって、一緒に新宿に買い物に行った。しかし、目当てのものは見つからず、お酒やお惣菜を買って帰る。しかし、祝日の新宿というのは、人、人、人で、近づくものじゃないですな。(汗

  いろいろなことに押し流されて、ひと日が終わった感じがする。まさしく、「ありのすさび」だなあ。