そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

6月30日(月)財団の評議員会

2014年06月30日 | 校長は日々是口実

  朝いち演習は、次のテクストの本格的輪読に入る。まだ辞典を使って、演繹的なアプローチをするばかりだが、おいおい、データベースを使い、どのように意味のある用例を検索するかを、実演しながら授業を進めた。ふり当てられた教室のPC環境がよく、データベースに繋ぎっぱなしで授業できるのは有り難い。今年はとにかく、欲張らないことにした。受講学生諸君に、どのような研究スキルを身に付けさせるか、この歳になってようやく計画的に授業が構成できるようになった気がする。

  演習の後始末をして東京駅へ。某財団の評議員会というのに出なければならず、高校へ向かう。乗り換えの通路でざあ様とすれ違った。チケットを買って地下の改札から駅に入り、イぺリコ豚の弁当を買う。飲み物はココナッツミルクにした。

  高校に顔を出したが、お休みの教職員が多い。学校法人の総務部長殿が、評議員会のついでに高校施設の視察をしてくださった。ありがたいことである。1時間ほどあったので、退任のための身辺整理を始める。書類は思いきって、がばっと捨ててしまう。書籍が存外多く、こりゃ宅配便を頼むしかないかな。

  いまどき食える物は何ですか?と職員のTさんにお尋ねしたところ、真竹の筍をたくさん採って来てくださった。いま時分、南の方のT山にいっぱい生えているそうである。里山はまことに豊かであるなあ。

  さて、O山を越えて評議員会へ行く、出席の連絡が届いていなかったらしく、変な顔をされた。異動にともなう役員の交替などが議されたが、私も役職上の評議員であり、9月20日で校長はクビになるけれどどうなりますか?と質問した。心得てご高配いただけるよし。

  終了後、軽く懇親会が催されたので顔を出す。財団の理事でもある地元市長さんから、校長ご苦労さまでしたと労われた。同じく理事の、学校法人前理事長閣下に校長退任をご挨拶すれば、聞いてないぞ!と言われたが、まあ、制度を変えるならうまく行っている今だな…とおっしゃった。しかし、前理事長は高校を快くは思っておられないこと明白で、怖い顔をしておられた。

  中締めで退出、新幹線駅は目の前である。なにせ1時間に1本だから、総務部長殿と一緒に乗る。高校の経営に関して意見交換。正直、大所高所から位置付け直さないと、大変なことになると私は思う。そういう危機意識を、今後維持できるかどうか…。マリキ政権にならぬよう祈るばかりだが、校長やめたら、そんなの関係ねぇ…か? あの仁はたしかE学部だな。部長に筍を3本ほど差し上げた。

  同居人はお通夜で留守。筍をさっそく焼き、また電子レンジで処理して、姑殿と食べてみた。少し苦味があったが、胡麻ドレッシングをつけて食べたら美味かった。明朝は筍御飯にしてみよう。

 


6月29日(日)キャッチの上手い校長先生?

2014年06月29日 | 校長は日々是口実

  輪読研究会のため大学へ行く。注釈の中巻のゲラが出たので、輪読もさることながら、執筆者に校正を送付する作業もある。

  会場をセットしてから、昼飯は「AMA」でカレーセットを食った。昼間の花番さんは、何となくご機嫌斜めであらせられたか? さて、その足で、学校法人傘下の中等教育校の合同学校説明会へ行く。

  校長を務める高校のスタッフに、ユンケルを差し入れる。校長はほんまに気を遣うのだ。ウチは午後の高校の部のトップバッターで、最初の3分だけキャッチを校長が喋り、後は入試主任がppt紙芝居を使って説明する手筈にしておいた。他の校長は皆さんスーツにネクタイ姿だが、このクソ暑いのに、この後研究会もあるのに、そんな姿ではやっていられないから、昨日同居人にプレゼントされた黒い半袖シャツを着て行って、ストローバッグに必要な物を入れて、演壇にのぼる。私は容姿・体型が金日成にそっくりだと言われる。そこで、××の金日成、も無い話で…といういつものツカミで入れば、400人ほど入った会場がどよめいた。しめた、これで、こっちのペースである(なお高校の学校説明会とは、付添いのご父母の心をゲットするのが大切である)。

  前に担当理事がお話になったが、これがまたすこぶる付きのつまらん話で、鮮やかに、スマートに、軽々と、他の校長は絶対に喋れないような過激な内容を縦板に水。そして、オリジナルグッズを前にお座りのお1人にプレゼントし、あとはU太郎入試主任に任せたぜ(この先生は高校生時代、なんと私に国語を習ったのだそうだ)と、フロアに降りて通路を進み、ホール後方のドアから退出してみせたのだった。なんと拍手が沸いたではないか! 歌舞伎の花道みたような演出である。話の中身なんか、学校案内パンフレットHPを見てもらえば済む。ここはイメージ戦略に徹するのみ。しかし、私の話って、そんなにおもろいのかなあ? 単なる自虐的二流大学教授の、ぼやき節に過ぎない気がするのだがねぇ。

  聞けば、兄貴分高校は、現在の校長先生がまたまたご再任だそうである。ふう、6選めかよ! ご苦労なこっちゃな。さてさて、兄貴分はよほど人材が乏しいのであろう。これを称して、退廃と申すのである。まあ、余所様のご事情だから、凡慮の及ぶところではない(心の中で、そっと軽蔑しておく/笑)。

  研究棟へ戻って、輪読会。担当を発表したが、きちんと読めていなかった。猛烈な雷雨があったが、帰宅する頃には収まった。神楽坂で豆腐を買う。「遠音」は閉店されるそうで、今、セールをやっている。


6月28日(土)ザ行とダ行の交替現象

2014年06月28日 | 公開

  「花子とアン」の人気で山梨の方言に注目が集まっているが、TVを観ていたら、甲州弁のラジオ体操というものを紹介していた。同居人はいわゆる日本語「音韻学者」なのだが、この地方の言葉に見られるザ行とダ行の交替現象を説明してくれたのが面白かった。たしかにラジオ体操でも、そうなっている。

  つまり「カザン」が「カダン」に交替する現象で、旧火山である富士山も、花でいっぱいになっちゃうわけだ。

  歴史的にはバ行とマ行の交替現象が有名で、「けぶり」が「けむり」になるというやつ。私も結婚当初、同居人とスーパーへ買い物に行き、「金儲け商品」をご案内しています!との呼び声に引き寄せられて見れば、「カネボウ化粧品」の特売だった…という体験を持つ。

  家族の者の誕生日祝いにということで、夕食は近所のイタリア料理店へ行く。「T」というお店に予約の電話をしたら、別の店になっている。しかし、電話番号まで居抜きでそのまま。同じような店です…というので、お願いして出掛けると、悪くはなかった。ウニのソースに和えたパスタが美味しかった。

  一緒に助手を務めたN教授にいただいた新作の歴史小説を読んだ。前の、せっかちな捕物帳より数段面白いというか、スケールも大きいし、さすが近世文学研究者だけあって、細部に学識が溢れている(登場人物の台詞は別で、これは仕方が無い)。

  昨日T教授にいただいた論語の本も、改めてこうして読んでみると、琢磨君卓爾先生も、論語から名付けられたんだなあと再認識した。ウチの娘は万葉集で付けたがな。温故知新…そういうことにリスペクトを持たぬ理系人間は、心の底から軽蔑したい。


6月27日(金)神楽坂にて鹿ヶ谷かぼちゃ

2014年06月27日 | 校長は日々是口実

  元ボスであるT教授、それに教務を一緒にやったM教授と、3人で飯を食いに行く。A学部長閣下から、空いていたら飲みに行こうと誘われたが、おあいにくさま、先約ありとお断りした。A閣下のお話ぶりは、なんだか妙に権力者的で、この御仁はまあ、重症の「教務病」であること、衆目の一致するところであろう(怒らないでね)。

  約束の時間に両教授はタクシーで待ち合わせ場所へお越しになったが、一方通行のため大回りになったろう。分かりにくい場所にあるスペイン田舎料理のレストラン(特に名を秘す)へとご案内する。個人的には、3回目の訪問。

  プリフィックススタイルのコース料理で、前菜とメインを選び、初めからワインに突入。白2本、赤1本で1人ボトル1本宛になったけれど、これで1万円ちょっとなんだから、まことにリーズナブル。鍋がお好きなT教授は、絶対ここの茶飯釜風趣向がお気に召すと思った通りだった。

  T教授は前理事長時代の後半、権力の中枢に居た方である。だから、現政権へと続くその中枢辺の人間模様を、実に熟知しておいでなのだ。いま偉そうにしている御仁連も、次から次とぶった斬りで、愉快痛快奇々怪々(「怪物くん」か?)だった。誰が権力のガリガリ亡者か、利権やか、お話を伺えば、いちいち頷かるる(自発の助動詞)ことばかり。しかし、権力って、そんなによいものなのかなあ? そりゃ、一度その味を知ってしまうと、やめられんのよ…とT教授。だからずうっと役職者を続け、今や何もしてくれない理事となっている人もいるんだなァ。確かに生涯賃金は、ずいぶん違うだろう。ただし、人様の上に立てば、それだけ出も大きいものだから、どっこいどっこいというところか?(私の校長手当は時給500円だったけどね)

  T教授から論語のご本などをいただく。研究者は、研究してなんぼである。行政、政治もほどほどに…だな。私もあと3カ月で校長が終わったら、学究生活に没入することにいたそう。


6月27日(金)円形脱毛症治る!

2014年06月27日 | 校長は日々是口実

  あらら、いつの間にやら後頭部の円形脱毛症が癒えている。原因が解消されれば、覿面ということだな。ああ、よかった。

  久しぶりに注釈の原稿にかかり切る。「忙」とは心を亡くすと書くが、本当である。もう「お役」みたいなものは絶対に引き受けまい。人生の無駄以外の何物でもない。私の専門分野は、とくに世の中の役にも立たぬが、さりとて邪魔になるものでもない。Wさんからご新著をいただいた。こういう啓蒙的なものを、私もひとつ書いてみたいと思う。いかにもこの出版社!というタイトルだわい。

  会食のお約束がどんどん成立していく。今夜は元ボスと鹿ヶ谷、かぼちゃ談義であ~る。

 


6月26日(木)教授から校長へ変身

2014年06月26日 | 校長は日々是口実

  本日の卒論ゼミは、喫茶店で行うことにする.。「Cafe GOTO」集合で、中に今日が誕生日だという女子学生が居たから、ゴトーさんにお願いし、ケーキに1本蝋燭を立て火を点けてもらった。ゼミ生諸君とかなり長時間お話をした後、お昼過ぎになって客も入って来たから、お開きとする。

  郵便局で書籍代を振り替えてから、東京駅へ向かう。イぺリコ豚のなんとやら弁当というのが美味そうだったので、ついつい購入し、新幹線の中で食う。なるほど、値段だけのことはあった。

  ちょうど下校時間の直後だったので、通学路の山道で多くの生徒とすれ違ったが、みな変な顔をして首をかしげている。あらら、教授用の眼鏡をかけたままだった。校長に変身するためには、金日成眼鏡に換えなければ…。山の中で眼鏡を換えた。

  職員会議開始の10分前に到着。すぐ会議室へ行く。30分ほどで終わるはずが、倍かかった。くどい!と久しぶりにフロアから怒鳴られた。まことに面白くないが、ここの教員は皆わたしのことが大嫌いなのだから、仕方があるまい(余所者だから当然だ)。

  議事自体はさくさく進み、多事争論の重要課題は、佳境に入るというか、ようやくにして議論が盛り上がって来た。亡き師匠の仰せの通り、揉めれば揉めるほど世の中はよくなるものなのだな。本日一番重要な議案についても、私の目論見通りというか、うまいこと決着。しかし、このところ、あちらでもこちらでも、シナリオ通りに事が運んで行くのは、自分でも怖いくらいである。

  その後ひとつ問題処理をして、19:00前の新幹線に乗る。ホームで焼酎緑茶割り缶を飲み干すこと常のごとし。前に高校の女子生徒が並んでいたが、構うことではない。さてさて、あと何回この高校に通えばいいか、カウントダウンを始めませうぞ。


6月25日(水)つとめて

2014年06月25日 | 校長は日々是口実

  岸野寛さん作の井戸茶盌に、「都登女天」という銘を付けようと思う。先日、学校法人の理事長閣下が高校へおいでになった際に、この茶盌で呈茶申し上げたからである。その心は…? 分かるかな?

  何でも、ご由緒ということであろう。そこを、言葉遊びでひと捻り。ヒントは、古語「つとめて」の意味をお考えいただけば、見当がつくのではないかな?

  事務スタッフの女性から、校長の点前で一服と所望されている。「都登女天」を使って、お点て申し上げることにいたそう。


6月24日(火)校長から教授に変身

2014年06月24日 | 校長は日々是口実

  高校の地元中学の校長先生方との懇談会が16:00からで、新幹線に乗る。その乗り換え駅では、山形県の物販をやっていたから、サクランボの小さなパックをもとめた。高校に着くや、事務所の女性スタッフに、皆さんで…とお渡しする。事務所あっての高校だ。スタッフ1人1粒くらいは行き渡るだろう。校長とは、かくも気を遣うのだよ。職員のTさんに、そろそろ私物をまとめたいから段ボール箱を2つばかり用意してくださいとお願いしておく。明後日選挙が行われて、私の後任の校長候補が、おそらく高校の教諭連の中から選出されることになるはず。ようやくこの学校も「民主化」されるわけで、祝着至極、まあ、どこかの国のマリキ政権みたいにならぬよう、強力な指導者が選出されることを祈るばかりだ。

  地元中学からは、指定校推薦をお願いしているので、下にも置かぬ応対をする。ウチのようなしがない私学に優秀な生徒を送ってもらうためには、ひたすら平身低頭を貫かねばならぬ。昨年要望された事柄は、ほぼすべてそのまま実現したので、その点高く評価してくださった。女子を推薦したいという意向が強い。男女比は2:1なのだが、このジェンダーバランスは、学校法人の方針もあって、見直して行かなければならない。遅れてみえた校長もおいでで、5分遅れで始め、それでも17:00前に懇談を終えることができた。

  18:00前の新幹線に乗る心づもりで駅へ行く。すると、17:30前の列車がちょうど出るところだった。しめた、と飛び乗る。18:30から開始予定だった演習コンパを、19:00スタートに遅らせていたが、18:00前のに乗っても少し遅れる公算だった。それが余裕が生じて大助かり。東京駅でメトロに乗り換え大学へ。

  キャンパスの前で元ボスのT教授、A学部長閣下とすれ違った。メールボックスをあらためてから、「かわうち」へ。既に数名が飲み始めている。男子と女子がきれいに別の卓を囲んでいるのが可笑しかった。好きなだけ飲み食いして、会費1000円なら文句はあるまい。結局、「マスコミ研究会」の男子学生2名がイニシアティブをとってくれたのは流石であった。

  高校の新しい学校案内が仕上がっていた。校長の挨拶文は、腕によりを掛けた。昨年は学校法人本部からクレームがついて、廃棄刷り直しになったから、今年は事前検閲をしていただいた。ところが今度は、高校のスタッフから、「生徒が整列しない」という表現は誤解を生むと懸念を表明された。だって本当に、きちんと整列なんかしないじゃないか!と突っぱねた。ウソはいかん。それでは自民党の都議になっちゃう。表紙も素敵である。女子生徒の脚が長く見える。よく観察すると、制服なんか無い高校であることもよく分かる。


6月23日(月)キャンパス小説

2014年06月23日 | 校長は日々是口実

  柚木麻子のこの作品、あっという間に読んじゃったが、「馬場にある、世界一まずい居酒屋」(p95)の『一球』が、少し先では「文キャン近くの『一球』」(p115)になっているのは腑に落ちない。要するに、『一球』のモデルが「一休」ということなのであろう。「一休」は、ジャック・デリダが来日した際に、高橋允昭先生が連れて行って焼き鳥を食わせたという都市伝説があるが、これは嘘…と允昭先生のご子息である同僚教授T氏に聞かされたことがある。私は允昭先生にフランス語を習ったけんね。しかし、当時は本当に、第二外国語をめちゃくちゃやらされたものである(でも、フランス語を使った体験は、ヘルシンキで2度、平壌で1度だけ。あとは、今校長を務めるの高校の職員会議の合間にフランス語で呟いたら、イギリス人教師のG先生にニヤリとされたくらいだ)。

  修士課程の演習をやっとこさ水準に持ち上げ、枕草子の諸本論なんて、昔々U教授の代講でやらされていてよかったと思った。学生の研究会も丁寧な調べで、必要なことは全部網に入っていたが、「萩」と「荻」とが混同されていたのには笑った。まあ、一度恥をかけば、一生間違うことはない。

  研究会の後の飲みは、男ばかり5人で「かわうち」へ。明日も」「かわうち」である。青森に宮城と東北勢2名、九州は佐賀が1名(彼は渋谷神道大学)、あとは神奈川と私めは島根で、最初っから日本酒のみでぶっ飛ばす。大将に、今日はずいぶん飲まれましたなあ、1.5升ですぜ!と言われた。皆、水のようにするする飲むからなあ。私の周辺には、日本酒党ばかりが集まってくるみたいだ。

  地下鉄に乗ろうとしたら、A学部長殿に声を掛けられた。もう「死に体」学部長なので、気楽な格好をしておられた。こちらはといえば、校長職の後任者をめぐって最終局面にあり、いささかへこたれ気味なので、癪に障ったが黙っておった。学校法人の部長殿から、ご苦労さま、あなたの功績は小さくないとか言われたのが、せめてもの慰めである。


6月23日(月)欠席者ゼロ!

2014年06月23日 | 校長は日々是口実

  さる方面の圧力に、結局は屈することにして、元の文章の一部を修正するよう担当者に指示する。幸いすぐに処理してくれたので、関係諸方面に報告。これで波風が治まればオンの字だけど…。

  朝いち演習は、欠席者ゼロであった! 月曜の、9:00開始の科目で、受講者が27名も居て、一人も休まないのは、異常である。この大学は、いったいどうなってしまったんだろう? 今日から新しいテクストに入る。まず作者と作品について、概略の解説を2人の担当者に発表してもらった。この作品に関しては、一番たくさん論文を書いているのは、何を隠そうこの私なのだ。大学の専門の授業は、オリジナリティ第一。その点、このテクストを取り扱っていれば、第一人者=私による、日本で最高水準の授業ということになるからね。(笑) 自分の論文をプリントして配布して補足資料とする。

  昼食はついついN坂をのぼった。「高七」の前は既に6~7人待っている。その後から入ってカウンターの端に座り、さっと大将に掻き揚げ付きをお願いする。本日の「高七」は、大繁盛である。カウンターの隣には、小さな男の子を連れたお母さんが座った。「高七」には子供連れの客が実に多い。いかに「大衆的」な店か…という証左だが、これほどコストパフォーマンスの高いお店も滅多にあるまい。

  土曜日に、読もうと思って買った柚木麻子の小説を、酔った勢いでOさんに差し上げてしまったので、また1冊購入した。

  博士課程の研究指導は、UちゃんのN協会大会での下発表の下発表。まあ、おうた文学会などとは違う客層の学会だから、そのことを意識して構成し直すことだな。柚木麻子の小説をみて、これ切ないですよね…と、Uちゃん。たしかに、切ない。


6月21日(土)おうた文学会例会

2014年06月21日 | 校長は日々是口実

  学校法人の部長殿が高校の視察に見えるよしだが、その応対は教頭にお任せして、おうた文学会の例会へ行く。資料展観が行われていることを失念していた。展示室は会場近くなので、会場担当のE学部T教授に、ご案内したらとご注進。

  研究発表3本のうち、真ん中のは不覚にも居眠りをしてしまった。きっと、鼾をかいていたんじゃないかな。

  修士課程OGのOさんが顔を見せたので、T大のN教授とともに「Cafe GOTO]で待っててよ、委員会終わり次第行くからということにした。ところが委員会が紛糾、途中で抜け出して「GOTO」へ行き、通夜へ行くというN教授を見送ってから、Oさん、Tさんと「AMA」で飲む。

  帰宅したら、同居人がパワーポイントをいじくりまわしている、明日、脳学会で研究発表をなさることになっているが、間際までのご奮闘。聴衆は素人だから、撥音だのモ―ラだのシラビームだの、語学の専門用を言い立てても分からないぞとアドバイスする。そうしたら突然、ああ、そういうことだ!と大声を上げて、ノムはいったん消滅して復活したんだ!と興奮し始めたから、さあ大変。

  謡本の胡麻を観察すると、そうしか考えられないと言う。なるほど、それは私の専門分野にも関係することであり、まことに興味深い。音韻史の一大発見に間違いない。きょうび、胡麻章の意味をまともに分析している研究者は、同居人くらいなものだろう。いやはや、偉大な配偶者であることよ。胡麻だけに、胡麻化されないようにやってくだされ。

  「機嫌がお悪いのですか?」と尋ねてくださった同僚あり。「お悪い」です! 誰もおいらのことなんぞ、分かってくれない。孤立無援は、高橋和己(何を隠そう、中学生の頃の愛読書だった)か? 喧嘩しようとしているのに、羽交い締めにされた気分だわい。

  土岐善麿と乃木静子の短冊が当たってしまった。支払いどうしよう? まいったな。松江北高の校長になった I 君(高校の同期生)に、学校には善麿(校歌の作詞者である)の自筆はあるの?とfacebookで尋ねたら、あったと思うから捜して見ると返事がきた。いい歌なので、もしなければ母校に寄贈してもいいかなと思う。私はなにしろ、修士課程の院生だった時、善麿の葬式の受付をやらされたからな。

  そうそう、蕎麦好きの娘から、砂場系へ行くならどこ?と尋ねられたから、あほか、まず室町虎ノ門に決まっておろうがな…と返事をしておいた。結局、室町へ行ったらしい。もはや娘に尋ねられるのは、どこの蕎麦屋がいい?ということだけである。早く嫁に行ってくれい。(あっ、こりゃ都議会セクハラ野次と同じか?)

 


6月20日(金)常任委員会

2014年06月20日 | 校長は日々是口実

  なかつよ文学会の常任委員会準備のため大学へ行く。小さなペットボトルを出席委員の人数分購入。結構重かった。議事資料をコピーし、会議室の鍵を借りた。

  1時間前にセッティングを終え、メールチェック。兄貴分高校の校長から会いたいとのオファーが…。当方忙しくて…と、恍けるのも失礼である。言いたいことは明らかだから、そろそろ折れてやりますか。

  常任委員会は1時間かからなかった。次回は8月。秋の大会関係の決定をする。帰宅したら20:00過ぎで、もう食事は済んだというので、冷凍ピラフを解凍して食った。同居人が冷たいのは、日曜に学会発表を控えているせいか。

  いやはや、結局、信頼のおける友というのは、一緒に戦場へ行き、並んで塹壕に入り小銃を撃っていた戦友なのだと思い知る。涙が出るほど嬉しかった。やはり私は、よくも悪くも戦中派である。戦中派といっても、権力の側に行っちゃった御仁もいるが、弾の下くぐった共通体験は、あだやおろそかな事ではない。

  こちらの腹の内は、決して見せないことだ。それが面白いほど、思い通りに行く。しかし、このところ只管「戦略」的思考をめぐらしている自分というのは、まことに下品な人間になったものだなあと思わんでもない。


6月20日(金)朝から喧嘩腰

2014年06月20日 | 校長は日々是口実

  朝から変な電話が掛かってきたので、ついつい喧嘩腰になる。ずいぶん戦闘的だったわよと、目の前に居た同居人に言われた。表現がカンにさわるのは分かる。カンにさわるように書いているからだ。カンにさわったなら、おいらの筆力も相当なものだ。で、どこが悪いのか? 誤解される? 誤解されるように書いているのである。文学研究者をバカにしてはいけない。そうか、あなた方にとっては、人文学なんてものは学問じゃなかったよね。なにしろ金は稼げないからな。

  二言目にはノーベル賞、ノーベル賞だ。この大学の出身者で、一応世評で一番ノーベル賞に近いと言われている人物は、いったい全体どこの学部の出身か!?

  怒り心頭に発す。もう、震盪でぶっ倒れそうだわ、わなわなわな。心頭滅却すれば火もまた涼し。しかし、焼け死んではたまらんぜよ。


6月19日(木)編集会議

2014年06月19日 | 校長は日々是口実

  かつて教授会の席上で、××の代官になるなんて恥を知れ!と私を揶揄した同僚教授に、代官の後任は、現地からも任命され得るようになりましたぜとご報告したら、「イラクのマリキ政権みたいにならなければよいが…」というお返事をいただく。社会学者は相変わらず口が悪いや。

  インターホンが壊れたと姑殿がお騒ぎで、業者に来て見てもらったところ、外の機器の線の接触が悪くなっていただけであった。まあ、そんなことだろうとは思っていたがね。

  18:00から教科書会社の編集会議に出る。実は校長を務める高校の教頭も、同じ教科書の編集委員なので、弁当を食いながら学校の打ち合わせみたいなことを少々。来週は地元中学の校長先生方との懇談会が急に入ったのだが、その日は大学の演習コンパを設定していた。30分遅れるが、まあ、何とかなりそう。この土曜には学校法人の部長殿(蔵人頭みたいな御仁。次は公卿になること確実。公卿苦行にならなければよいけれど…)が視察に見えるそうだが、おうた文学会があるので、パスさせてもらうことにした。

  兄貴分高校の校長から、HPの記事について苦情が来たという。ははは、絶対来ると思っていたがな(入れ食いの鯊みたいにかかりやがるわ!)。しかし、学校法人の理事・部長は、私の目の前で確かに「規則違反」と言ったし、どこも間違ってはいない。ケンのある言い方はもちろん、もとより意識的なものである。しかし、ウチのHPの、こんな下の階層までも、兄貴分もまあよく見ていやがることよ。教頭も国語教師なれば、私の執筆意図はよく了解しておられて、うまくとぼけてくださったらしい。兄貴分校長のカリカリしたお顔が目に浮かぶ。(笑

  同僚教授3名で食事をするお店の予約も、会議の休憩時間に済ます。第一候補日に予約できた! 3名というのは、学部長―教務主任―教務副主任、学部長―副学部長―教務主任という組み合わせで行政職を務めた面子である(いずれも真ん中が小生)。教務を一緒に務めると、関係はものすごく深くなる。現在の勤務先で、この関係の上司だった(つまり「女房役」を務めた)T教授を、私はボスと公称して憚らない。学内でいま唯一尊敬しているのは、このT教授だけであって、この方から何事かを頼まれたら、何でもする。少なくとも今の理事長閣下なんぞよりは、数等、数倍徳の高い御方だと思っている(先般の理事長選に出馬されたらよかったのに!…そうしたらおいらも、図書館長くらいにはなれたかも…笑)。

  隣の研究室の、万葉集のT教授から、松江でいい飲み屋は?と尋ねられた。ふることぶみ学会の大会が、松江で開かれるのだそうだ。それならば亡父の実家が社家を務める売豆紀神社にぜひご参詣されかしと、ご案内しておく。松江駅から真南へ、歩いてさほどかからない。ご祭神はシタテルヒメにて、ふることぶみにも所縁があるからな。宮司に連絡しておきます。


6月18日(水)教授会は早く終わって

2014年06月18日 | 公開

  14:00開始の教授会は、3時間かからなかった。学部・大学院の現教務は、そろそろ死に体キャビネットで、そんなに議題も無いからだが、学部長選挙があって、私が推薦人代表となったサイコロのおあ姐さんが圧倒的多数で選出されたから、正直ほっといたした。

  議案の中で、いささかイコンを晴らすべしと嚙みついてやったのが1件。イコンならばロシアだろうと、隣に座っているロシア文学コースの教員連のお姿を眺めながら思ったがね。我ながらアホらしいこだわりでござった。(A学部長には何のことか通じなかったか?)