そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

6月尽日(木)花束

2011年06月30日 | 公開

 昨夜、東京さぬき倶楽部でうどんを食って、マイ箸を置き忘れてきてしまったことに気付く。京都の「ばんてら」でもとめた五角形の細身の竹箸で、とくに蕎麦を食う時こんなスグレモノはちょっと他に見当たらない。昨年もシアトルに持って行って重宝したが、帰路のJAL便の中でシートの隙間に1本落としてしまい、一騒動あったといういわくつきの品であった。到底割り箸と見分けがつくまいと諦めたが、一応メールで問い合わせたところ、取り置いていただいてあるという。ありがたや。五角というのが識別のポイントだったらしい。五角の箸は実に使いよいのだ。江戸木箸にも五角削りがあるが、材質はやはり竹が一番。全国蕎麦食いの皆さまに責任をもってご推奨申し上げる。

 修士の演習の後、なんだか皆が拙研究室のあたりをうろちょろしているので、何事ならむと思っていたら、花束とロールケーキを頂戴したのだった。

 さっそくコーヒーを淹れ、皆でケーキを食した。Uちゃんが顔を出したが、今は修士課程の5名だけと言って追っ払う。あしからず。

 六月尽日なれど、茅の輪くぐりには行けず。せめては、水無月の夏越の祓する人は千歳の齢延ぶといふなり…と唱える。娘には大神神社から護符が届いていた。なぜ大神神社なのかは、知る人ぞ知る。

 あなたは前から見るのと後ろから見るのとでは別人みたいよねえ、と同居人に言われた。昔から後姿だけはカッコいいと言われたがな。それで、「人のハラ見て我がハラ直せ」ですと。むむむ、返す言葉が無い(本日の体重87㎏)。夕食が遅くなったが、甲州ワインを開けようか?と言うから、そんな臭いものはいらん!と言いつつ、開けて飲んだ。暑くて、背筋が凍るくらいサムいギャグを連発せねば、やっておれん!


6月29日(水)審査会

2011年06月29日 | 公開

 Yさんからメールが来て、4月からご勤務先が変わったとの報告を受ける。蜜蜂学園の図書館関係の非常勤になったそうだ。あそこはねこさんも非常勤に行っているし、同居人の前任校でもある。いろいろとご縁があるなあ。

 夕方から短歌大会の最終審査のお手伝いに行く。1時間ほどで入賞歌が決定。その後、東京さぬき倶楽部でご馳走していただいた。


6月28日(火)戦中派

2011年06月28日 | 公開

 Go,go!記念日なので、いろいろな方からFacebookのコメントやメールをいただく。さて、16:30からの会議は、夕食付き。21:00までかかった。まあ、我が国はいかに危機管理がなっちょらんか…ということだな。あってはならないこと、は、想定しないのだから。

 いま、永沢通雄『日本人はどこで歴史を誤ったのか』をせっせと読んでいるが、「株主(国民)にはほとんど発言権はなく、声の大きいセクトが自分の分野の利害を最優先して突っ走る。明治国家のような緊密な人的結合が弱まったあと、全体の方針をきめる調整役は、カリスマ性のない大正天皇の手には余る。そのあとをつぐ昭和天皇は、政治責任を負ってはならないという立憲君主制の原則を教えこまれ、重要な節目にも発言を控える。感想はもらすが、意思は強制しない」(p196)とは、一体いつどこの話かと疑う。

 要は非常時への対応が問題で、平時が、平時がと官僚的な発言を繰り返すヤカラにムカムカしてくる。「平時だからゼニが飛んで来るんだ!」と野次ったが、すぐには理解してもらえなんだ(おおかわはしぞう)。しかし、あまりに無責任なコトをまくしたてる箇所があったので、下を向いて、ケッ、何言ってケツかる、自分ではやったこともねえクセに…と大きな声でつぶやいたら、その御仁は目を丸くして沈黙した。隣に座っていた畏兄××教授から、後で、あれはよく聞こえたぜと言われた。悪い癖である。××教授とは、戦時中一緒に出征し、塹壕に入って三八式歩兵銃を撃ちまくり、ともに吶喊した仲だからな。非常時はまかせとけ。しかし、こりゃ一種の恫喝なわけで、まるで佐藤賢了みたいだったかも。おいらは和モノの主任だから、迂回と奇襲作戦が得意なのだ。

 終了後、その××教授と「AMA」で軽く飲む。G0,go!記念日なので、おごっていただいてしまった。我が国の領土拡大意思は、誰が見ても妥当なものである。そのうち暴戻××から取り上げるつもりだが、その方向性については××教授からも手放しの賛同を得た。なお国際社会の承認を得べく、今後とも慎重な根回しが肝要だ。来月の教授会でもう一発かますかな。ヘンな会議だったので、戦闘モードに入ってしまったがな。

 帰宅後、K教授から頂戴したスパークリングワインを開ける。今日開けないと、お志に沿えないからね。おいしうございました。N先生、結構なお品(画像右下)を恐縮です。Bさん、ざあさん、Kジュニアから連名で、広沢切集成のご労作が届いていた。古筆切研究の隆盛、おそるべし。


6月28日(火)Go,go!記念日

2011年06月28日 | 公開

 本日はGo,go!記念日??なれば、同居人から、蕎麦でも食べなさいとお小遣いをもらった(鰻はダメよと釘を刺される)。そこで、「木挽町 湯津上屋」へ行く。とにかく分かりにくい路地裏のお店だが、一番乗り。カウンター4席、オープンキッチン式は、改装前「すゞ金」みたいだぞ。

 「天つき」を注文。一杯やりたいところ、社会人講座がひかえているので自重する。ご主人に暑いですねと声をかけると、そうですかあ?と言われた。「志ま平」の大将とは対極的?なキャラクターと見る。初めての訪問だったが、いやはや、「粋」とはこういうお店のことをいうのであろう。お蕎麦の量も多からず少なからず。

 さて、13:00からの社会人講座は、1時間ぶっ通しで歌っていたから、へとへとになった。来週で学期が終了。打ち上げには蕎麦屋に行くんだそうである。

 18:30から大学本部箇所招集の会議に出なければならないので、大学へ。「Cafe GOTO」で冷コを飲む。午後の「GOTO」は、めちゃめちゃ混んでいた。。 

 キャンパス中央棟の建て直し工事が進んでいる。クレーンの上の芸当だあ。


6月27日(月)東京出雲学生会

2011年06月27日 | 公開

 いつものように午前中の授業をこなす。梅雨らしい梅雨空である。和歌に「五月雨の空」という語が出て来たので、窓の外を指させば済んだ。書誌学の講義は模擬実習を実施。江戸中期の写本を教室中にバラ撒いて、書誌調査をしてもらった。対面授業ならではといふべし。

 昼食はちとイケナイ所へ行く。ビールの大瓶を頼んだのが失敗のもと。研究室に戻ってバタバタするも何も出来ず。有楽町へ。

 今日は「東京出雲学生会」の第547回例会だ。明治16年から続いている会合なのだ。12月は義士伝の講談を聴く会と決まっていて、夏の例会は会員の講演となっている。今回は、東大の大学院で神経科学を専攻する博士課程の院生君が話をしたが、予定の倍も喋ってはいかんぞなもし。文部科学白書の「政策課題対応開発における重点化」の筆頭がライフサイエンス分野で、国民の寿命の延伸が目指されているのだそうだ。しかし、年金問題や医療問題などなど、どう考えてもホンマかいな?と思うわな。適当な年齢でポックリ死ぬ研究を、国は重点化すべきではないか…と思ったのは、重点化とはまったく無縁な国文学者のやっかみか。

 男女の脳の違いは?と質問が出た。脳梁(のうりょう)の太さが違うんだそうである。「それで涼しいわけね」と呟いたら、呆れられた。(汗

 しかし、現役は東大生ばっかりで、この会は相変わらず「東大にあらずんば大学にあらず」である。まあ、郷党の集いというものは、どこへ行っても私立大学出身者はバカにされ、肩身が狭いものだがね。あとはなぜだかNHKの関係者が多い。3・11のことを一人ずつ喋らされた。割に有名な元キャスターの大先輩が、「懺悔、懺悔」とおっしゃっている。津波の想定は皆無であったよし。報道機関として「懺悔」なのだそうだ。もう遅いわい。

 玄海原発の許認可のハンコを捺したという先輩もいらして、如何に何も分からず行政は原発政策を進めたかを語っておられた。いざとなったら誰も責任をとらないのは、昭和20年8月15日に経験済みだろうて。いま中国の人々は、政府が中央集権型独裁政権で本当によかったと、皆言っているというが、ホンマかいな?

 我が郷里は、全国県庁所在都市で唯一原発が置かれている。実家は原発から10㎞だ。10㎞なんかあなた、福島のことを考えたら、脇に住んでいるようなものだよなあ。


6月27日(月)今週の予習

2011年06月27日 | 公開

  朝いち演習の担当学生諸君の発表資料を校閲し、一部手直しする。日曜の23:59までにweb上にアップするよう指示してあるが、ウチの学部生はこのシステムに習熟しているから、皆きちんと提出してくる。今日で「夏」の部が読み終わるはず。総括しなければ。いや~、教材を藤原家隆の和歌にして正解だった。2限の特論は、模擬調査をさせる予定で、その記録用紙の版下も作った。皆、鉛筆と布メジャー持ってくるかなあ? 今回休むと、学期末レポートが書けないと思うので、注意されたし。

 火曜日の講座の予習もやっておく。前回、冷泉家歴代について質問が出たから、配布資料を作成。それから、季節見合いのもので、前々回は持っていかなかった当主の短冊を見つくろっておく。ウチにある短冊帖は、冷泉家歴代と定家様短冊であふれかえっているからなあ。

 さて問題。掲出の為綱筆短冊の歌題は何でしょうか? 三字題。正解はそのうちコメントに書きまする。歌意のキモは「身をしる雨」だが、日本文学web図書館でお調べやす。『歌ことば歌枕大辞典』では、東京外大様がご執筆であらせられる。


6月26日(日)輪読会

2011年06月26日 | 公開

 テキスト後半の輪読を本日から再開する。参会予定者僅少につき正午開始とする。大学へ向かう乗り換え駅で、いかついお兄いさんに「先生!」と声を掛けられる。誰やらむ?といぶかしめば、麻布十番は「萬力屋」の大将だった。聞けば私と同じ市にお住まいだとか。最近、NさんやOさんがお稽古に見えないので、「萬力屋」にはしばらくご無沙汰とあいなっておる。

 日曜の大学だが、同じフロアの研究室には結構先生方がおいでだ。T教授はいつもいらっしゃるし、K准教授やT准教授も見えていた。会議室で3時間半ほど輪読を行なう。3名が担当を発表。今後のスケジュールも相談する。注釈前半の初校は来月には出る予定だそうで、夏休みはその校正で潰れそうな情勢である。

 神楽坂で買い物をして帰宅。「遠音」に立ち寄ったら、蒲田切子の社長さん?が新製品を届けにおいでになっていた。聞けば私と同じくイナ門のご出身だとかで、しばし話し込む。そういえば「萬力屋」の大将もイナ門であった。イナカモンはどこにでもころがっているわいな。

 豆腐と日本酒とチーズとオリーブの実を買う。今夜は鮑の煮貝を切ると同居人が言っておったから、家の近くの魚屋でブリ刺ももとめた。日本酒の選択には、正直、ちいと失敗したわい。


6月25日(土)どげだ会

2011年06月25日 | 公開

 高校の同期同窓会は、表参道の交差点が見える結婚式場が会場。なにしろ国公立大学へ進学したヤツが偉いという、地方県立高校出身者の集まりだから、肩で風切っていたのは農林水産省だった(お前のやっている研究は相変わらず世の中の役に立たんと言われちまったぜ!)。なお、この会の命名者はほかならぬ私めである。お前、文学部教授なのだから、考えろと命ぜられたのであった(ちとは役に立つだろ)。

 最初に、ピアノ演奏家(今日は都合でエレクトーン)、声楽家詩人によるミニコンサートという趣向。東日本大震災のチャリティを兼ねる。籤を引いたら一番前の席に当たり、乾杯の音頭をとらされる。詩人のA女史は4冊目の詩集を刊行されたよし。その中から作品を朗読していた。入沢康夫と関係が深い人だ。話していたら、結婚式の司会者が府大のA教授だったとか。「高階家には秘密がある…」のA教授である!(Aさん大学は京都なのだ)。 A氏と2人先斗町辺で酔っぱらって写した携帯の画像をお見せする。いやはや、狭い世界である。H氏のこともよくご存知らしい。今度、私の授業にゲストスピーカーに来てよねとお願いしておいた。藤脇久稔先生の想い出話など、なつかしかったわい。

 KさんやS君はグランマ、グランパになったそうだ。N君はまだお子さんが10歳なので、孫の顔を見て死ねるだろうか…だと。ものすごく若い奥さんをもらったりするからだよ。

 皆の近況を聞くと、大震災の影響はいかに大きかったかが分かる。とくに日本食関係の業界には、未曾有の大打撃だったらしい。その一方、4月から消費は急速に回復の兆候を示しているそうで、明るい話題もあった。宮崎の口蹄疫騒ぎの裏面を紹介してくれたのがいた。全国から獣医が総動員され、大変だったそうなのだが、東国原氏はいかにりっぱな知事だったか、口を極めて褒めていたのが印象に残る。

 2次会は「PENNY LANE」に行く。もちろん、バーボンを飲む。


6月26日(土)冷やしすだち!

2011年06月25日 | 公開

  さて、15:00から大学院受験者のためのガイダンスがあるので、ちと大回りして昼飯は築地の蕎麦屋へ行くことにした。時間がたっぷりあるから、蕎麦前に焼味噌と「刈穂」の冷酒を取り、「冷やしすだち」を注文する。いや~、実に清冽。蕎麦の堅さも絶妙。

 まあ、それでも正午前には店を後にした。昼の蕎麦屋は、どんなに粘ったって20分である。「Cafe GOTO」でウィンナーコーヒーを飲み、で研究室へ。その前に、夏休みの海外学会出張申請書類を事務所に提出した。パリへもロンドンへもローマへも行ったことがないおいらが、エストニアのタリンへは3回か4回目だ。

 K教授から誕生日のプレゼントをいただく。ありがたや。でも、この歳にもなれば、さほどめでたくも無し。

 どうやら広報が徹底していなかったらしく、ガイダンスの参加者はあまり多くはなかった。T教授がべらべらおしゃべりになるから、かなりヤバいことも話すはめになったような…。S大学のA教授のところの学生さんが来ておいでだった。どうしてK教授の研究指導の募集がないんですか?と尋ねられたんだが、隠居モードで困ったもんですとお答えしておく。さあ、これから、表参道で高校の同窓会。


6月24日(金)キャンパス内放射線量

2011年06月24日 | 公開

 キャンパスの放射線量を測定し、ビラにして配布してくださった奇特な御仁がおいでであった。6月17日夕刻の数値のよしだが、0.14~0.19μSv/hといったところ(1ヶ所だけ極端に低い地点があるが、除外)。同日夕刻の東京都発表モニタリングポストの数値は、0・0559~0.0612μSv/hだから、こりゃ3倍高いということになるのかしらん? 早速、教員組合書記局へご注進しておく。まあ、知らぬがホトケといふことならむ。

 この御仁は某運営主任の先生だが、そちらの公費で測定器を購入なさったようだ。ううむ、うちのコースにも必要かなあ。

 「むやみに土いじりなんぞしないよう」学生に伝えよとビラに書いてあった。それで昨日、卒論指導の時、学生に披露したら、そんなの原発事故事前の数値がわからないから意味ないですよと、妙に冷静な反応がかえってきた。このキャンパスには隣にP3実験施設もあるでのう。どうして屋上に風見鶏が2箇所も設置されているかといえば、P3施設方向から風が吹いてきたら逃げろということである。剣呑、剣呑。

 


6月23日(木)三条西実隆筆…

2011年06月23日 | 公開

 卒論指導に博士課程の研究指導、修士の演習をこなすこと常のごとし。

 卒論の発表は今日で一巡。夏休み前にもう1回ずつやってもらうことにする。T教授の卒論指導は月1回ですよと言い出す人あり。あそこは人数が多いからね(変な理由)。でも、毎週やらんとホントはいかんのだよと、こんなこと書いて、教務主任殿にでも見られたら、とんでもないことになりそうだな。神奈川県の教員採用試験の過去問を見せてもらった。いや~細かい問題だ。なになに、次の中から間違いを選べ? 藤原為家の著述に六帖詠草はないわいな。もし新撰六帖とひっかけようとしているのなら、やや凝った問題だ。昔むかしのその昔、私が東京都の採用試験に受かった時など、ひどくいい加減な問題だったがなあ。コンパやりましょうよとの声もあがる。ぢゃあ泥鰌鍋でも食いにいくかと提案すれば、私、ドジョウを飼っているので食べられません…だと。蕎麦屋!という人もいたが、蕎麦は苦手との人も。卒論演習にもコンパ補助費が出るのかな?

 続くOさんの発表は、だいぶ整理されてきたが、ちゃんとアブストラクトを書いてよねと注文をつける。事前連絡はあったが、Uちゃん姿を見せず。ちょうどJ教授がいらっしゃったから、K君の奨学金申請書類に副署していただく。

 修士演習のO君の報告は実に丁寧で、なかなかスジがよろしかった。同居人が研究室にやってきた。そこにSの営業さんが登場。三条西実隆筆の××××がありますよとおっしゃる。ン百ン十万。自筆本系なので食指は動かず。でも、図書館に聞いてみるかなあ。朱の書き入れはちょっと気になった。同居人と手をつないで帰宅。

 昨日、蜜蜂大学のN教授へ、近くにある工場からかりんとうを直送したが、無事に届いたらしい。大学院への非常勤ご出講、修論副査ご快諾、また猫さんがお世話になっている事など、こもごもへのささやかな御礼である。ただし、食べ過ぎて太らぬよう、ご注意あれかし。


6月22日(水)暑いがな!

2011年06月22日 | 公開

 うわ~、朝から暑い! 資源ごみの曜日。ペットボトルや飲料缶を分別して出してから、家のぐるりを掃き掃除する。拙宅は角地にあり、脇は公園のため、掃除すべきエリアがやたら広い。

 

 自宅で点前の稽古をしようにも、道具がない、風炉もない。ないないない。

 ワインクーラーに水うちわを載せて、なんちゃっ水指である。水指の蓋なら、「やました」あたりへ行けば既製品があるだろうが…。手ごろな大きさの片口を見立て、なんちゃって建水である(注ぎ口のへこみに柄をかけると安定するから、具合がよい)。風炉は火鉢、釜は大振りの鉄瓶で代用する。老母に風炉と釜を頂戴とねだったら、断られた。どうせならば、風炉用の茶飯釜が欲しいかも。粥茶事なんか、実にカッコいいよねえ(と筒井先生の受け売りぢゃ)。

 学生から質問メール。和歌の通釈がお手上げだと泣きついてきたから、できるだけ丁寧にお返事した。動詞の主語は何か?とうところから押さえるのですぞ。和歌も文である。各パーツを調べる前に、まず文としての理解が大切。そのためには、句切れの認定が第一歩。古典文法わからんヤツは、和歌の解釈はできませんぞ…そうだ、Uちゃんの論文を添削しなければ。すっかり忘れておった。明日までにやっておきます。

 出勤前の娘と同居人が、昨日は人身事故が多かったわよねえと話している。脇から「ジンシン受けがたし、今すでに受く・・・」と言えば、「あら、あれはニンジンと読むんじゃなかった?」と同居人。「ぢゃあ、ルナールだ!」と答えたが、「???」の反応。教養のない人だこと。…とまあ、これが我が家の日常会話である。いや~、疲れますなあ。「人身事故」を「ニンジンジコ」と読むと、なんだか可笑しく響くわい。「赤毛のアン」に対しては、「白髪のジイ」…ときたもんだ。「若気のボン」ということもあるかいな。江戸に生まれたら俳諧師、中世に生まれ合わせたらば連歌師になれたかもしれぬわい。

あなたのことを あいうえお

痒いところを かきくけこ

へぼい将棋を さしすせそ

酒と煙草を たちつてと

お好きなものは なにぬねの・・・

 先般、N師匠から、薄茶は客のリクエストに応じて、濃い薄い、熱いぬるい、大服小服、ミルクの有無(これはウソ)も、ご注文次第と伺った。我が家は皆、濃いめが好きで、ここのところ週の抹茶消費量は、「一の白」30g箱3つが平均値である。画像は研究室用安茶碗。瓦みたいで見所なし、「瓦礫」とでも号するかな。しかし、時節柄いかがなものか。家では私以外誰も点てないから、もっぱら自服。つまらんことこの上なし。


6月21日(火)築地の蕎麦屋へ

2011年06月21日 | 公開

 社会人向け講座の前には、蕎麦屋へたぐりに行く。今日は築地へと足を延ばした。目当ては「築地 布恒更科」。ここの客層は専らサラリーマンである。天せいろ、美味しゅうございました。ゴーヤの天麩羅が、殊ににがくてうまかったぞなもし。しかし、間然としたところのないお店である。また来よう。

 講座を終え、日本橋辺で買い物をする。18:00から編集会議で、時間を潰すのに苦労した。結局「文行堂」で短冊を見ていたら、1時間ほどあっという間に過ぎてしまった。加藤千蔭と冷泉為村の三つ折短冊があったが、状態が悪く、購入は控えた。飛鳥井雅章の書状幅が時節向きでありましたぞよ。

 


6月20日(月)勘違い

2011年06月20日 | 公開

 午後、I さんの個別研究指導を入れていたと思いこんでいたら、それは7月11日だったそうで、ああ、勘違い。R書店の営業さんがひょいと顔を出し、先般の目録に何かご用はございませんかとおっしゃる。同居人が食指を伸ばしていたのは笑点(笑)の入ったE抄だけど、あれは去年の東京古典会に出ていた写本ですねとお尋ねする。値段はまあ安い。去年、よほど入札しようかと考えた時は、倍くらいだと言われたがな。残念ながらもう売れましたとおっしゃるので、これはKOさん好みですねと言うと、な、なんでお買い上げ先がお分かりなんですか!?だと。それくらい分かりますがな。図書館ぢゃないですよと、余計なことまで白状なさるので、こんなのお買いになるのは瓦斯文庫に決まってるでしょ、この筋の写本類は心得ていてふっかけなされと、いらぬ知恵までおつけ申した。上冷泉為綱の和歌懐紙はまだ売れていないそうだ。こうした手はまだまだ安いが、茶席に掛けてもよさそうに思いますがねえ。R書店さん、そういう販路は考えていないとのこと。G荘を見習えばいいのに。私、為綱の定家様結構好きなんだよね。

 さて、午前中の授業の出欠をweb上につけ込み、教組の職場会のため会議室を予約して書記局に連絡(私は現在、職場議長なのだ)、事務所から海外学会出張の申請用紙をもらい…、雑用が一段落したので、早めに帰宅することにした。

 神楽坂に美味い豆腐があるよと I さんに教えたら、自分でも食いたくなり買いに行く。「長寿豆富」とバジル入りハーブ豆腐を購入、ソフトクリームも立ち食いした。それから、「うつわや釉」にたち寄る。

 女主人と世間話にうち興じる。「志ま平」の大将はお喋りだ!ということでは意見が一致した。「でも、くやしいけど、お蕎麦は美味いのよね」ですと。先週、昭和通りの××に行きましたよと言えば、あそこの蕎麦はピンとこなかったよし。たしかに飲み屋さんみたいだったし、客筋が全然違った。私的に今一番ぴったりくるのは「無庵」と申し上げておく。土曜は目白で…と言うと、すかさず「吉祥庵?悪くないのよね」ときた。女主人お薦めは「大川や」だそうである。研究室用にと安い茶碗を1個包んでもらった。廣永窯のお弟子筋のお作とのこと。

 「緑の豆」で、勧められた「マラウィ・フィリルア」を200g焙煎してもらう。それから「香舗椿屋」で白檀を少し買った。焙煎したてのコーヒーの香りが、お香屋さんの店内に漂ってしまいましたわ。申し訳なし。