そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

7月31日(日)国際短歌コンクール

2011年07月31日 | 公開

 web試験はさらに続いているが、国際短歌コンクールの表彰式のお手伝いに神楽坂へ行く。本年がくぎりの大会となった。15:00から表彰式、16:00過ぎから祝賀会が行われた。例によって披講の読師をあい務める。

 祝賀会は、Hさんの軽妙な司会で楽しく進行した。うまいなあ。I主宰の関係者には、普通だったら我々一般人には接する機会の無いようなユニークな方々が多い。下冷泉家の係累の御方にも、初めてお目にかかった。

 A師匠がどうして西友…じゃなかったせいゆーになったのかについて、おつれあいがご披露なさっていた。会場大爆笑。

 午前中から19:00近くまで拘束されて、さすがに疲れたが、長引く教授会を思えば、ずいぶんと充実した一日であったと思う。「五十番」で肉まんほかを買って帰宅する。

 案の定、受験中にPCの電源が落ちただの、設問2の解答欄が表示されなかっただの、トラブル発生のメールが送られてくる。はいはい、再提出してくださいね。当方も習熟してきた。最初の頃の大混乱がウソのような試験処理である。


7月30日(土)web試験実施中

2011年07月30日 | 公開

 昨日から学期末試験を1科目、web試験として実施している。「影媛」観ながら試験をしていたわけ。すべてをインターネットで配信している科目なのだが、学期末試験までweb上でやっちゃうという乱暴な教員は、いくらなんでも私くらいじゃないかな? カンニングし放題のように思われるかもしれぬが、案外退廃しないものだ。

 試験をスタートすると問題が開き、指定された資料にアクセスして課された部分を翻字するという方式。所定欄に書き込み、所定時間以内に答案を完成させて提出する仕組みとなっている(時間がきたら自動的にシャットアウトとなる)。例えば、「下記URLにアクセスし、冒頭3行を改行等そのままに翻字せよ」、といった具合。よかったらチャレンジしてみてください。

 http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko20/bunko20_00146/bunko20_00146_p0001.jpg

 採点もものすごく厳しくて、文学部一の「ドはまり科目」ということになっておる。「優」なんぞ何人もつかない。だから、単位だけ楽に欲しいという学生は、もとより科目登録しないわけで、退廃は起こらないことになる。受講者も少なく、200名弱。したがって成績処理も楽ちんだ。

 当初は受験可能な期間を24時間に設定していたが、今年は72時間にしてみた。金土日と設定しておけば、だいたい誰もがそれぞれ都合のよい時間帯に受験できることだろう。何を見てもよいことにしてあるが、誰かを連れて来るのだけは厳禁。といっても、問題が難し過ぎて、よほど読める人を連れて来ないと、カンニングにならないはず。

 7月31日の23:59が終了時間で、8月1日0:00から採点に取りかかるよう、手筈は整えてある。


7月29日(金)影媛

2011年07月29日 | 公開

 馬場あき子氏作の新作能「影媛」を観に行く。国立能楽堂には開演30分前に到着。T氏に久しぶりにお目にかかった。この企画に深く関与しておいでらしい。同居人の同僚教授連の隣の席に座る。G前学長もお見えだったそうだが、お目にかかれなかった。

 狂言の歌垣シーン。懐から短冊をそのまま取り出して兼作の和歌を詠みかけるとは、いかがなものか。馬場あき子氏ほどのお方も、短冊の扱いをご存知ないと見え、ちと残念な演出であった。補綴のT氏のせいかな。まあ、彼が専門の時代には、詠歌料紙としての短冊はまだなかったからな。せめて三つ折りにして取り出せばよかったのに…。もっとも、現代短歌が織り込まれた狂言の細部にリアリズムを求めても、仕方がないか。

  …そうか、短冊の扱いもしらぬ付け焼き刃男という設定であったかも。それなら御免。  

 帰りがけ、雨が降っていた。出口のところで佐佐木幸綱先生とばったり。ご挨拶を申し上げる。パンフレットに寄稿しておられたから、お出でになったのも当然か。

 新宿まわりで帰宅。生トマトサワーを作って、オリーブを肴に一人さびしく飲む。

 


7月28日(木)研究室で飲む

2011年07月28日 | 公開

 博士課程の研究指導は、事情あって時間j変更。修士の演習は、Hさん今日で終われるものならば…とおっしゃっていたが、15分延長しても終わらなかった。春学期最終日まで目いっぱい行なうこととあいなる。Iさん、「よとともに」について検討しておいてくださいね。「『よとともに』考」という論文が書けるかもしれないぞ(岩佐美代子先生みたい)。

 その後、修士課程のU君の個人研究指導を行ない、博士課程の研究指導を始めたのは17:30頃。Nさんの学会誌投稿予定論文の発表を聞く。修士課程在籍の諸君にも、都合のつく人には陪席してもらった。

 時間がないので、最初から文句をつけ続ける。全体の組み立てはよいと思うが、まだまだ推敲しないと、ど~しようもなかんべえ。だいたい、お前さんは文章が下手過ぎるんだよ。同じことを二度も三度も言うな。略号の凡例を何度も何度も繰り返すのはみっともない。不用意に「古態」と断定して、思い込みぢゃないの? 古筆切の扱いは怖いぞよ。隅々までもっとスマートにまとめないとダメ。…とまあ、こんな具合。一歩間違うとアカハラかもしれん。

 論文の書き方の指導を、根本的に誤っていたかもしれないと思い始めたのは、昨年シアトルでアメリカ式の研究指導を見聞したからだが、まずもってアブストラクトをしっかり書かせるのが、ますます肝要だと考えるようになった。細部をいくら肥大化させて行っても、読まされる方はとても付き合っていられない。論文も結局、プレゼンテーション能力だ。そんなの当たり前か。

 さて、どこかで一杯行こうかと「かわうち」や「AMA」に電話したが、どこも満員とのこと。今日あたり、実質夏休み前最終の科目が多いせいだろう。仕方ないので研究室で飲む。大分の麦焼酎が1本空いた。ただし肴はお菓子ばかり。今日はお菓子の食い過ぎだあ。

 最寄り駅に辿りついて、改札を出たところで突然後ろから肩をたたかれる。娘であった。一緒にコンビニに入り、アイスクリームを買わされる。明後日から四国へ出張だそうだ。


7月28日(木)大人食い?

2011年07月28日 | 公開

 本日の卒論演習は「Cafe GOTO」で行なう。早めにお店に行こうとしたら、道でS学部のS先生とばったり。U学部のT君を知ってる?と仰せなので、優秀な学生ですよとお返事する。お兄さんがSゼミの院生なのだそうだ。狭い世界である。

 お店にあるケーキ全種類を1個ずつ注文して、シェアして食うことにした。こんな注文は開店以来初めてとのこと。今日は10種類あった。で、下掲のような光景に…。回転ずしみたいだな。

 Nさんは一昨日、A師匠のご勤務先のミュージアムにお邪魔して、遅くまでいろいろご指導いただいたいたよし。ありがとうございました。Nさんはイラストも上手である。

 ケーキはすべて食いきった。お昼は何も食べられない。


7月28日(木)ゲストスピーカー

2011年07月28日 | 公開

 昨夕は同居人の帰宅が遅く、いぶかしんでいたら、羽田で旅客機同士の接触事故があって一時封鎖されたんだとか。そんなニュースは出てなかったぞ。さて、島根和牛を土産に帰って帰ったが、大丈夫かいな?…と風評被害の影響を受けてしまう私。

 秋学期に担当するT学部の演習のゲストスピーカー(招聘講師)として、詩人のAさんに来ていただくことになった。萩原朔太郎に関係したお話をお願いする。今日、書類を出しておこう。

 そういえば事務所から、非常勤講師と招聘講師に関して全学統一基準が制定されたから、来年度からそれで運用するよう主任宛の通達が来ていた。非常勤に関しては授業回数の下限が決められたということだが、これは当然といえば当然だな。しかし、大学院修了者に教育履歴をつける必要から、複数担当の科目が増えていたのも確かである。コースの教員に転送。文句が出そうだな。

 さて、明日金曜からオンデマンド授業の試験実施だ。リマインダ―を送信しておく。3日間の好きな時に試験が受けられるというのも、一歩間違えると退廃となろうが、「文学部一のドハマり科目」であり、どうしてもよい成績が欲しい人なんぞは初めから受講しないだろう。書誌調査レポートの締切も来週月曜だから忘れぬように。

 


7月27日(水)本日のお弁当は

2011年07月27日 | 公開

 また4時起きで飯を炊いておき、弁当のおかずは30分クッキング。ホウレンソウとゴーヤとコーンの炒め物、牛蒡の煮付け、粉ふき芋(小学校の家庭科で習った料理!)、オムレツ、塩鮭、シラスと糸生姜の合わせ炒めビネガー風味。大根おろしと鯖の水煮(缶詰)は朝食用。

 なんだか黄色っぽい料理ばかりになったような…。(汗


7月26日(火)夜は焼き鳥

2011年07月26日 | 公開

 18:30からの社会人向け講座は、古今和歌集の夏部の終わりを読む。先週はもっぱら「なでしこジャパン」を話題にしたから、我ながらうまく話が繋がったものだ(巻軸の一つ前が「常夏」の歌)。今日は旧暦のは6月26日だから、まさに水無月の終わり。

 講義は19:45に終わり、茅場町まで歩いてまた「URA徳」に入る。いつものお薦め3本ではなく、手羽先を頼んでみた。

お酒は広島の「富久長」を勧められる。「純米吟醸中汲み槽しぼり」というのだと記憶する。杜氏は女性のよし。旨味十分の銘酒である。

 


7月26日(火)家事担当

2011年07月26日 | 公開

 食い物の話は無難だが、同居人に見つかるとえらいことになる。その同居人が松江へ調査に行っちゃったので、朝食および娘の弁当のために飯を炊き、おかずを作るのは私の役目だ。社会人となった娘からは、食費を月3万円入れさせているが、それならば朝晩とお昼の弁当を賄ってよ…という無体な要求をのむ仕儀とあいなった。3万で月の食事が全部賄ってもらえるなんて、夢のような話だぞなもし。

 午前4時起きで炊いたご飯に、出汁巻き玉子、ヒジキと大豆と人参の炊き合わせ、ゴーヤの白和え、おからハンバーグ(こいつは冷凍食品)、剥きトマト、黒豆の甘煮、グリーンアスパラとズッキーニのバター炒め、アップルパイの残り…さあ、好きな物を詰めて行きなさい。夏場の時期が時期だけに、味付けはやや濃いめとした。

 ご飯は別にして、これだけのおかずをちゃちゃっと30分で作れたら、まあまあ主夫としては合格点なんじゃないかな? 万事ルクエのスチームケースのお蔭なんだけどね。しかし、食器がいつも同じで、そろそろ飽きがきたなあ(そういえば昨日の朝いち演習で、発表者は「あきは来て誰が住み捨てし宿なれや…」の「あき」の掛詞を説明してくれなかった。「深草の里」と着地する和歌であり、伊勢物語123段を踏まえていることは発表者も指摘しているのだから、掛詞について分かってもよさそうなものだがなあ…ぶつぶつ)。

 本日15:00に予定していた卒論演習の春学期打ち上げコンパ?は、都合が悪くなった人が出て急遽延期とした(A師匠、本日学生が1人参上いたしますので、なにぶんよろしく)。ところが1名返信して来ないのがいて、やきもきするも、やっと連絡がとれた。木曜の演習自体、コンパ?をする予定の喫茶店でおこなうことにした。いつものように10:40開始。よし、店内のケーキを全種類食ってやることにいたそう!


7月25日(月)編集会議

2011年07月25日 | 公開

 18:00から編集会議。夕食をいただく。  

 20:30までかかったが、頭がうまく回転しなかった。

 不用意に「屈託している」などと書いてしまったたものだから、幾人かの方々からご心配をいただいた。申し訳なし。あんまり大丈夫でもないのだが、まあ、何とかなるでしょう。

 


7月25日(月)鬼の居ぬ間の…

2011年07月25日 | 公開

 朝いち演習は4名に発表してもらい、秋の終わりまで読了。来週は「理解度の確認」の予定だ。続く文献学は、定家本と孤本の話で終始する。

 さて、同居人が松江へ資料調査に出かけたので、鬼の居ぬ間の何とやら、ナイショで「とん太」へ行く。混雑のピークは過ぎていたみたい。カウンターの一番端に座る。

 まず漬物を肴にグラスビールを飲む。大将との話題は、もっぱらサバティカル中のT教授のこと。T教授は学生時代、ずっと「とん太」でバイトをしていたのだ。お付けはワカメにしてもらった。


7月25日(月)ソースキュリー

2011年07月25日 | 公開

 夕食には故井上宗雄先生の奥様が持たせてくださった「ソースキュリー」を、早速にいただく。用意が出来たところで姑も帰って来たから、久しぶりに家族が揃った。「ソースキュリー」は、具材を煮込むのではなく、トッピングするのだそうである。そこで、鶏肉、ゴーヤ、人参を処理したものをからめ、御飯は「マンナン光」を多めに混ぜて炊いた。

 誰も、一言も発せず、サラサラの「カレー」を食している。さほど辛いわけではなく、材料のよさのみがストレートに感じられるソースである。井上先生がお気に召していたというのも、むべなるかな。いまうにいかうぽつめ。こんなにうまいものは、滅多にあるまい。言葉が出ないほどうまいのである。そして、食いながら、またぞろ少し悲しくなった。

 まだ屈託が消え去ったわけではないが、うまいものを食えば、気が紛れるのも確かだ。人間の身体は、そういうふうに出来ているのだろう。なんだか、あれこれと悲しかった一日が終わり、いま午前2:50、起き出して月曜1限の授業の準備をしている。


7月24日(日)なんだか悲しいね

2011年07月24日 | 公開

 「井上宗雄先生を語る会」の発起人や関係者が集って、総締め括りの午餐会が開かれた。近所がお祭りだったせいで駅まで歩く道が混み、電車に乗り遅れて、代々木上原の集合時刻に少しだけ遅刻する。改札で故先生のお嬢さん方が待っていてくださった。

 井上先生がお好きだったというお店で、結構なコース料理をいただく。画像はオードブル。品数が多い。

 私のいただきましたメニューは、
  シャンペン
  焼きトウモロコシのピューレ入り 冷製コーンスープ
  オードブルの盛り合わせ(8種↑)
  白ワイン(シャブリ)
  地鶏もも肉のロースト スパイス風味 クスクス添え
                白ワインヴィネガートマトソース
  ガトーショコラとアイスクリーム コーヒー

 散会後、K書院のOさん、F大のYさんと新宿まで電車でご一緒する。小田急線の電車内は真っ暗であった。

 別れ際にYさんが、「今日はなんだか悲しいね」とおっしゃった。「語る会」は湿っぽくなくてとってもよかったと、いろいろな方が言ってくださったが、すべてが終わった今日は、確かになんだか悲しいのだ。Yさん、一杯いきましょうか?(まだ15:00だったが)と、よほど言い出したかったけれども、買い物がありますからと申し上げてお別れした(結局何も買わなかった…)。その時、後ろを向いた私は、泣き出しそうな顔をしていたような気がする。

 奥さまからお土産にといただいたのは、そのお店特製の「ソースキュリー」なる、要するに具の入っていないカレーみたいなものだそうだ。井上先生は本当にカレーがお好きだった。ちなみに画像に写っている証券用ボールペンは、「語る会」の受付で使用したもの。会計元締めのW先生が保管しておいて、本日の参会者に記念に配ってくださった。その残りの5本は、手配した私が頂戴した。2本は受け付けを手伝ってくれたUちゃんとK君に差し上げよう。

 …実は今、いささか屈託している。こんな小さなことで傷つくのは、我ながら修養が足らんと思うが、すべてを投げ出して壊れることができたらどんなに楽だろう…と、長いメールの返信を綴りながら、溜息がとまらない。


7月23日(土)古記録研究会

2011年07月23日 | 公開

 本郷で古記録研究会。雑誌13号の掲載予定論文の発表会で、G先生のご都合で13:00の開始となった。会場が分からず右往左往する。赤門の脇の、長細~い建物の地下1階会議室だった。

 18:00まで5人の研究発表を聞く。文学、歴史、国語学、書誌学などテーマもさまざまで、まことに刺激的。充実した雑誌となりそうである。

 いつもの飲み会はパスして帰宅する。最寄駅で別の研究会に参加していた同居人と待ち合わせ、買い物をする。鳥取産の西瓜は迷わず購入。