そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

9月9日(日)ジュ・ボケール

2018年09月09日 | 公開
  浴室の前の、洗面所付近、脱衣スペースで、むかし酒場で使われていた古い椅子を台にして、上の棚のものをとろうと乗った途端、いったい何が起こったのか、気がつくと床に落下していた。四本ある椅子の脚の一本が、外れたのだった。

  身体の右側を強打した感じ。右足の脹ら脛あたりの皮がささくれ立ち、打撲擦過傷状態になっている。右股にも二カ所、大きな傷が付いていて、血が流れている。右手の親指からも出血。右肩のあたりも打撲したようで、上半身全体が、箱をぐしゃっと潰したみたいに、なんだか歪んでしまったような感覚がする。登頂部も、何かに当たったようだ。しばらく声も出なかったが、さいわい致命的なこともなくて、寝室まで這っていって、打撲箇所に湿布をする。

  先日は、中学以来の悪友I君が、白血病で亡くなったとの報せを聴いたばかりだ。昨日見舞いにいった友人も、まさか急に、こんなことになるとは思わなかっただろう。この歳にいたれば、何が起こるかわからん。人生百年時代というが、死ぬ者はひょいと死ぬものだし・・・。

  身体は痛いものの、動けはするので、買い物に出る。お釣りをもらって、帰ろうとしたら、店員さんに「お客さま!」と呼び止められた。トレイに5円玉がひとつ、残っていた。「歳はとりたくないものですなあ」と申し上げる。「まあ、ご縁(五円)がありましたな」と言うと、店員さんは嗤った
  いやはや、インチキフランス語、ジュ・ボケール・・・である。ヌ・ボケロン、ヴ・ボケレ・・・と活用するか?

  まことに「残骸」の「残涯」である。セクハラ事件など決して起こさぬように、おとなしく、定年まで静かに過ごすにしくはないな。

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1 コメント

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ご災難 (O番頭)
2018-09-10 12:25:15
落下の場合は、かなり大けがになるのですが、大事に到らず何よりでした。
老母が何ような状況で、脊髄圧迫骨折になり、大変でした。 まだまだ先生のお体は若い証拠です。

お見舞いに行かれた由、Y先生のお加減は如何でしたか?
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