そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

6月30日(土)春風亭柳朝師独演会

2012年06月30日 | 公開

 午前中に博士論文の公開審査会。学位請求者は研究キャリア十二分の、A短大の教授先生であらせられた。すっとん狂な質問をして笑われる。午後は本郷の帝国大学で古記録の研究会。地下鉄で本郷三丁目へ移動し、さて昼はどこでりんだもぢるか?

 帝国大学とは反対方向へ少し歩き、壱岐坂上の「森の」へ入る。ニ色をお願いした。とても入りやすいお店だなあ。花番さんもまことに行き届いた応対で、気持がよい。私は蕎麦たぐり用my箸持参なのだが、食い終わったら、お洗いいたしましょう…と気をつかってくだすった。ささっと箸を洗ってくださるのは、「いもや」のおばちゃんと「志ま平」の大将くらいだかならな。このお店、肴もいろいろありそう。しかし、研究会の前なので、酒飲むわけにもいかず残念。

 (本郷通りと春日通りの交差点あたり)

  スカイをば 振りさけ見れば 春日なる 道の屋並みに 出でしツリ―かも  アホの仲間ろ

 研究会には15名ほどが参会し、私は最新の論文抜刷を配った。すると、注の最後の方で、女性研究者のお名前の「子」の字を落としていたことに気付く。ひゃ~、××華子先生、ごめんなさい! お詫び状を書かなければ。さてFさんの報告は結構長引いて、17:00となった。続くTさんの報告は失礼し、退出させていただく。今夕、春風亭柳朝師の独演会へ家族で行くことになっているのだ。

 龍岡門を出て、春日通りを上野広小路までてくてく歩く。バスに乗るのもばかばかしい距離だからな。鈴本には開演30分前に到着したが、同居人が席をとっておいてくれた。ほどなく娘も到着。他には姑殿と義姉上、私の実妹夫妻。

 柳朝師匠、大病手術をなさった快気祝いという体なのだが、「明烏」に「佃祭」と上出来だった。とくに後者は、すんでのことに死にかけて生還したという意味では、深長なものがあったぞなもし。しかし、廓話が上手いよなあ。相貌がなんだか「梅ちゃん先生」の片岡鶴太郎に似てきたような気が…。

 はねてから皆で「さくらい」へ行き、食事をした。予約しておいてよかった! 鈴本がはねたら行きます…でリザベーションが通るのだから、さすがは上野である。オムライス美味しゅうございました。


6月30日(土)妄想暴走 焼肉の歌

2012年06月30日 | 公開

 久しぶりに落語を聴きに行けると思うと、嬉しくて、頭の中で妄想が暴走してしまいますな。もうよそう。

 本日で生レバーは食えなくなるそうだ。焼いて食うべく持って来られたレバーを生のままで食したら、それは客の自己責任かな? 抜け道はいくらでもありそうな気がいたしますな。そこで、焼肉の歌を考えた。これまたインターナショナルの替え歌。おいらは今のところ、左翼教授だからな(日文協には入っておりませんがね)。

    焼け~ 餓えたる者~よ 今~ぞ火は近し~

    鳴るよ我が腹か~ら アサツキは来ぬ

    骨付きのカルビ断つ日 肉は火に焼~けて~

    卓を隔つ我~ら 腕(かいな)延ばし来ぬ~♪

       い~ざ 炙~り焼け いざ 裏返せ~いざ~

       ああ~ロース・タン・ハラミ  我~らが~もの~

       (くり返し)~♪  

   

    万国のレバー( liver≒labor)、凍結せよ! 供さぬ党宣言

 

  巧言 令色 鮮(すくな)し 仁

  タン塩 ホーデン すくなし ジン

  たんしょう ほうけい みじかし チン

 

    朕は国家なり (ルイ14世)  L'État, c'est moi. (トワ・エ・モア

    チンは滑稽なり (ルイは友を呼ぶ)

    コケコッコー  虚仮結構! 

 

  

   たしか昔、「ボーデン スライス チーズ」というのがあったよねェ。

   それをば、「ホーデン スライス チンポ」と言えば、恐ろしや! タマタマの話。(怖

 


6月30日(土)てんで話に…

2012年06月30日 | 公開

 世の中は澄むと濁るの違ひにて…

       ハケに毛がありハゲに毛はなし とはよくできた狂歌だ。

 「佐世保」を、「させほ」と澄むか、「させぼ」と濁るかは、あまり問題ではなくて、「ほぼ」同じということだとか。佐世保といえば、昔の海軍軍港、鎮守府がありましたな。略して「佐鎮」。私が持ってるのは「ソ鎮」。横須賀にも鎮守府があって「横鎮」、怪我をしたときに塗るのは「アカ鎮」。

  …「アカ鎮」じゃなくて、「ヨー鎮」のほうが、語呂としては面白いかな?

 ううむ、大学教授辞めて、落語作家になろうかしら。今日は午前中博論公開審査の後、午後は本郷で研究会、夕方は春風亭柳朝師独演会へ行く予定。

 


6月29日(金)ばれた!

2012年06月29日 | 公開

 ボーナスが出たので、実は同居人に内緒で、伊賀焼の蹲壺を1つ購入したのである。まあ、花入ですわな。カードで支払うとばれちゃうのでわざわざ現金で払い、家に持って帰れないため研究室に隠して撫で回していたら、そこに突然同居人が入ってきたので吃驚仰天。それ何よ?と詰問された。あわわわわ、隠し事はできないものだな。(汗 これでは浮気の一つもできないよ。(殺される!

  夕方から演劇関係の研究会とのたまもうていた。それまで研究室を貸せということらしい。私も夕方から会合があり、終わったら連絡することにする。さて会合は予定通り終わり、同居人のほうの研究会は少し長引いていたが、待ち合わせて「鷹ばん」で3杯ずつ日本酒を飲む。女将さん、厨房の中でチェーンスモーカーと化しておった。

 帰りの電車の中で、禿~植えたる者~よ 今ぞ毛は来たり~♪ アデラ~ン~スと唱ったら、殴られた。バンコクのおとっつあん、団結せよ! こりゃめでタイ。

 

 


6月29日(金)水無月

2012年06月29日 | 公開

 ガマン専任先生に倣い、昨日、神楽坂にて水無月を買ってきた。本日最終販売日とあった。この菓子は、あくまでも新暦で作っているらしい。

    思ふことみな尽きねとて食ふお菓子    It's me 式部

  明治古典会の目録届く。定家書状、どうでしょうか?

   

    水無月の夏越しの祓へする人は千歳の命延ぶといふなり

 


6月28日(木)短気が出る

2012年06月28日 | 公開

 昼は「九頭龍蕎麦」へあがってみたが、やはりここは呑み屋と考えた方がよさそうだな。お客はずいぶん入っていたが…。ところで、「丸勢」は7月6日で閉店するそうだ。まあ、仕方がないのかなあ。立ち呑みコーナーなど、どう見ても利があったとは思えない。うつぼの唐揚げを購入。閉店まで割引セールをしているよしにて、実にお買い得である。

 博士の研究指導はOさんの萌芽的研究発表を聴く。まったくこのお方といったら、よくもまあこんなすばらしい素材を見つけ出してくるものである! 今回は人物考証的なネタなのだが、最高の中トロ?みたいな感じを受けたぞ。ただし、包丁はもっと磨かないとね。調理の段取りは…はっきり言って最悪だったぞ。

 どうもN先生が厳しいことをおっしゃったフシがあって、フォローしたつもりだったが、逆効果だったかもしれない。帝国大学のかしこきあたりとは違い、ウチのような大学院辺では、指導教員も含めて限られた才能でやりくりしながら皆四苦八苦しているのが実情である。それは、壁には何度もぶち当たるものだわい。そこでへこたれるかどうかだが、それぞれのキャラクターもあるからねえ。自分でやっていておもしろい、いや、おもくろいでもよいのだが、無我夢中で取り組むことのできるテーマなり対象なりにぶち当たれば、幸甚至極。ただし、業績をあげることのみ自己目的化したならば、人文学の研究なんぞやる甲斐がないように老生は思う次第である。しかし、早く意味のある結果を出せと、急かされることの多い当世だ。鈍感であることはまた、大いなる才能といふべし。

 修士の演習は、案の定Oさんにすっぽかされた。仕方がないので私が落語ネタをしゃべって、お茶を濁す。外国人受講生にも分かるように、英語で講義をしたぞなもし。ウチのような二流大学でも、英語で授業をせよという圧力がだんだん増してきた。今の学長は、大嫌い。私はこれを軍事政権と呼んでおるが、次第に専制的な相貌もみせてきたぞ。カダフィならぬカマティ大佐と、ゆ~てやろうかしら。そのうち、ドカンと一発、土管の中で殺されるぞ。そもそも我が大学は、外国語でなく日本語で講義をしますというのを、当初売り物にした学校ではなかったのか…。

 学生の研究会までの空き時間には、K君の学会発表の中間報告を聴く。まだまだ完成の体をなしてはいないが、ずいぶんいろいろ考えを巡らしていることはよく分かった。これを契機に、新境地が拓けるといいですなあ。合掌。

 研究会では、まず皆がそれぞれ短冊に慶祝の一首をしたため披講してくれた。御かへしの狂歌、「あなうれし穴があつたら入りたい馬の齢を重ねける身ぞ」。今日の貫之の歌は、旧作の焼き直しみたいで、これまた面白かった。12世紀の歌の作り方とは、あたり前だが、本質的に違うのではないかな。20:00頃まで輪読を続ける。それから、7人ほどで「かわうち」へ。Uちゃんが好調なので、こちらも気分が明るくなった。

 帰宅したら、娘がケーキを買ってきてくれていた。まあ、今夜はいただくのは止しにしておこう。

 メールをチェックすると、中にカチンとくるようなのが1本。火のないところに煙がくすぶるのは、いづくも同じあきの宮島。夜の返信はやばいかなあと思いつつ、激烈な言葉で返事をしたため、送信してしまった。あとのまつり。来週は既に実質休講措置を手配してしまったのに、こんな間際になって何が「諸般の事情」だ! 「従来の慣習」という理由も、私には通用しないからなと、キーボードを打つ指がぶるぶる震えてしまったぜ。いやはや、短気が出ましたわい。まだまだ修行が足りません。


6月27日(水)家事は楽し

2012年06月27日 | 公開

 社会人向け講座の夏学期は来月の2週開始なので、昨日は終日家に居た。そういう時、夕食の準備は当然私の仕事となる。

 野菜が半端に残っていたので、全部刻んでカレーにしてしまう。娘は帰宅が遅くなるため、後から食っても美味いカレーは重宝である。さて、昨夜一番評判がよかったのは、なんと蒟蒻炒めなのであった。

 蒟蒻はあらかじめ冷凍庫で凍らせておく。これを解凍すればスカスカになる。それを一口大の削ぎ切りにし、熱したフライパンで炒りつけ、少量の胡麻油と胡麻ドレッシング、それに味醂で味をつけ、最後に金胡麻をからめた。べとべとにならないよう処理するのがコツかな。下ごしらえに少々手間がかかるが、作り始めたら3分である。

 姑と同居人は、美味い!と驚嘆していた。さもありなむ。ついでにミニトマトのキムチと、新生姜漬も作ってみたが、これも見よう見真似、A駅構内の総菜売り場で見たおかずの再現である。前者はミニトマトをルクエのスチームケースで電子レンジにかけ、キムチの残り汁に漬け置いただけ。後者も、適当な大きさ薄さに切った新生姜を、スチームケースで同様に処理し、寿司酢と味醂を調合した漬け汁にひたして、1時間ほど冷蔵庫に入れておいただけ。

 料理は、人のために作ってなんぼだと私は思う。その点、ふつつかなところのある同居人とは、まことに結婚をした甲斐があったというものだ。そんなことを考えていたせいか、左手の親指の先端に包丁で切れ込みを入れてしまった。久しぶりに研いで使ったのが裏目に出たというか、同居人に恨みをかったものか。

 それにしても、今朝のおかずの鶏肉と根野菜の炊き合わせ、あれは一体何じゃらほい? 肉の中心まで味がしみてないじゃないか! こういうものを「薄味」とも言うまいよ。今日も会議が無いから、夕食は私が作って進ぜましょう。


6月26日(火)支払い完了

2012年06月26日 | 公開

 郵便局に写本の支払いに行く。高額なので、自動支払機では扱ってもらえなんだ。仕方がないので窓口へ行ったら、身分証を出せと言われた。顔パスにはなりませんでな。いやはや。

 なかなかよい写本である。↑ 細字の書き入れ注もあり、そのうち修士の演習の教材に使うことにいたそう。まだ自分の蔵書印は捺していない。帙の外題は、いつものように同居人に書いてもらうことにしよう。

 J堂でいただいた短冊掛けも、四畳半の壁床に掛けて、冷泉家当主のめでたそうなのを三枚見つくろって、引っかけてみたが、こりゃあ実に鬱陶しいわい。


6月25日(月)絶不調

2012年06月25日 | 公開

 午前中の2コマは、ずっとレクチャーしたので、すっかり疲れてしまった。駄洒落の一つも出て来ない。A君が教育実習から戻ったので、昼食に誘う。ハートランドを1本ずつ飲んだ。教育実習の最後に、危うい事態となったそうである。まあ、うまくいったなら治まる御代だ。「Cafe GOTO」で食後の珈琲も飲む。

 さて、特殊演習のほうのA君は、土曜日に英語で研究発表をするそうだ。英語は大変です~と言うから、NYは苺白書大学の院生のくせに変だなあと思っていると、彼の母語はスペイン語なのであった! 修士論文の序文の第一稿を見せてもらう。

 せっかく淹れた珈琲が余ったから、捨てに行こうとしたら、コース室のTAさんたちが欲しいとおっしゃるので、差し上げた。で、しばし話していると、非常勤の講義を終えて同居人がやってきた。一緒に帰宅することに。教員組合の書記局に立ち寄り、通過の署名をする。ほんとうは今夜、拡大中央委員会なのだが…。

 うれしや、本日はボーナス仮支給日である! 給与振込口座のキャッシュカードは同居人の管理下にあるので、写本2冊分の代金約30万円をATMでおろしていただき、ありがたく頂戴した。明日振り込むことにしよう。家にたどり着くと、入札の確認書類も届いていた。もしも、万々一落札しちゃったらどうしよう、ぶるぶるぶる。


6月25日(月)社会の中間層

2012年06月25日 | 公開

 文部科学省によれば、私立大学は「社会の中間層を支える人材」を育成する土台なのだそうである。決して社会の指導層、エリート層を育てることが期待されるわけではないという。それらは、もっぱら国立大学のお仕事だ。その点を見誤らないことが、大切だろうね。もともとウチの大学は、反政府の立場の者があい集って作り上げた学校である。我々が学生時代に強調された「野党精神」とは、要するに永遠に与党になれんということでもあるのだが、建学の精神は、厳に保持していくべきだろうと、老生は考えておる。

 立川のK館が、品川に作られるとき、当初私立大学の学生は利用を排除されていたのである。それに猛然異をとなえたのは、我が師匠(「K館について-私立大学関係者の一私見-」『K研究』48 1972年10月)だった。官尊民卑はしかし、いろいろな局面で今も生きている。私はこの秋から某私立高校の校長になるのだけれど、そのあたりをどう考えていくべきか、頭を悩ませている今日このごろ。ねこさんが誕生日を間違えて、早々とお祝いを言ってくだすったが、もう歳だしなあ。残りの人生も、あと15年ほどだ。せめて、娘が結婚する姿を見て、もしもできうれば孫を抱いてから、死にたいものよなう。


6月24日(日)入子点

2012年06月24日 | 公開

 今月2度目のお茶のお稽古である。私は入子点をさせていただいた。茶巾がうまくたためなくて、冷汗をかく。

 お稽古場は、大橋茶寮近くの古美術店内のお茶室なのだが、大量の入庫があったとかで、掛物や短冊帖などをいくつか拝見した。後者は室町中期以降の、それなりの水準のものとお見受けする。三枚が掛けられる短冊掛があり、先生要りませんか?とKさんに言われたので、遠慮なく頂戴した。前回は洋酒をいただいたので、何かお返し?に買わなきゃいけないかなという気分になる(私しゃほんとに気が弱い)。まあ、箱書や掛物の文字を読んで差し上げることも多いから、いいのかなぁ。

 もみ手を、岡山広島辺では「あめらぼ」と称するのだとか。師匠、語源はポルトガル語かとおっしゃったが、もし本当に耶蘇教に由来するなら、ラテン語だろう。ラテン語に詳しいS教授に、今度うかがってみることにいたそう。

 18:00過ぎまでお稽古があって、終了後、師匠を囲み近くのファミレスでビール、ワインをいただく。興あるお話がいろいろ出た。

 帰宅すると、山口へ出張にでかけていた娘は、もう帰っていた。ようやくボーナスが出るからと、送っていただいた写本も、届いていた。いや、いい写本である。阿波国文庫の蔵書印をながめながら、振り込み用紙にところ番地と名前を書き込んだ。


6月23日(土)眼鏡屋へ行く

2012年06月23日 | 公開

 朝いち番で床屋へ行く。私のあと、どんどん予約が入ってきたので、床屋の若大将に、先生は福の神ですと世辞?を言われた。金正恩みたいに短くしてねとお願いしたので、すっきり、しゃっきり。これでシャンプーの使用料も、ずいぶんと節約できそう。

 事務手続きのため出勤した同居人は、すぐ帰ってくると行ってたのに、正午過ぎても一向に戻らない。やっと帰って来たので訳を聞くと、ゲンゴロウ先生が名誉教授の称号贈呈のためおいでになったので、お茶を差し上げていたという。それならば仕方が無い。

 校長職業務用眼鏡は、舅殿の遺品の中から、金正日風フレームを使わせてもらうことにして、レンズを換えてもらいに眼鏡屋へ行く。検眼したら、左目の度数を下げたほうがよいと言われた。私の目は、もう情けない状態で、左右で遠近を見ることを役割分担しているらしい。道理でモノが立体的に見えないわけだ。老眼も進み、跳ね上げ式眼鏡を買おうと思っていると、眼鏡屋のお姉様にご相談すれば、デスクワーク専用のものをお作りになっては?とのアドバイス。では1つとあこがれのカメマンネンのフレームで作ることにした。明後日がボーナス支給日だからな。

 近くのデパートで便箋などを買って帰宅。夕食は、岡山から送っていただいた銘酒を頂戴した。