そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

1月31日(日)大学院の入学試験

2016年01月31日 | 公開

  博士課程の入学試験業務のため出勤する。日曜の出勤は億劫だが、待機時間にかなり内職ができた。3月に出る拙論は、すでに再校を責了で返したのだが、編集部で査閲してくださって、疑問箇所を知らせてくださった。慌てて確認すれば、チェック漏れがある。指示に従って、印刷所へ連絡、有り難いことである。間違いを見つけてくださった編集担当のお名前もお聞きしたから、何か謝意を示さなければ。

  業務は停滞無く終わり、神楽坂でワインを買って帰宅する。歳暮にいただいたローストビーフを解凍して食べた。青く香ばしい生野菜、いささかアクの強い野菜を、ばりばり食いたい。ああ、野生クレソンの香りが、記憶の底から蘇ってくる。


1月31日(日)よしなしごと

2016年01月31日 | 公開

  昨夜は帰宅して、毎日新聞の夕刊を読んだら、第一次世界大戦の青島戦の従軍日誌が発見されたと大きな記事になっていた。ゆかし、ゆかしと読み進めば、中尉がしたためた日誌が、どうして「現場兵士の目を通し」て見たことになるのか、さっぱり理解できなかった。将校は、兵士なんですかい? そうコメントをなさっているのは、近代軍事史ご専門の教授で、だいたい私と同世代の方。軍事専門家が、そんなこと言うはずはないから、こりゃ軍事に無知な若い記者が書いたものに相違あるまい。嘆かわしい世の中になったものぢゃ。


1月30日(土)もものくわいから、構想発表会

2016年01月30日 | 公開

  雪が積もるとの予報だったが、雨で終わってよかった。本日は10:00開始でお昼過ぎにかけて「もものくわい」である。9:00過ぎに大学へ着き、掲示をして会場の教室に直行して暖房を入れれば、すぐ幹事役のSさんがお見えになった。うろちょろしていると、ガマン専任先生もご到来。筒井紘一先生もスロープの上でお迎えして、お荷物をお持ち申し上げる。

  12:30近くに終了し、皆さん、昼食会とのことだが、私は午後の予定がすぐ入っているため失礼する。結局、昼飯は食べられなかった。

  13:00からは、博士学位請求論文の構想発表会。ここで発表しなければ、博士論文は提出できないのである。5名の発表があって、うち3名は副査をさせられる公算大だから、一生懸命に聴いて質問した。それぞれ、水準以上だったと思う。終了時刻も予定ぴったりだった。

  同居人は前任校の同窓会とやらで、夕食は姑殿と二人である。少し時間があったので、神楽坂で降り、「緑の豆」へ立ち寄れば、コピ・ルアクが山のように売られている。しかし、50gが2000円近くの豆を、そうそう飲むわけにもいきません。珍しそうなのを200g焙煎していただいた。また神楽坂の通りをふらふら進み、「フラスコ」を覗くと「haze」が店を出しておいでで、このお兄さんは応援申し上げているものだから、少し高めのを100gだけいただいた。う~む、コーヒー豆だらけになったぞなもし。

  「瑞花」にも寄って、何かすっとするような青いものはないかと物色。クレソンは今しがた売れてしまいました…とは残念無念。正直、クレソンが食いたい。大量に、バリバリ、むしゃむしゃ食いたい気分なのだが…。ルッコラとか、なんとかセロリとか、わさび菜とかを、ぱぱっといただいた。青い野菜を提げてメトロに乗る。

  帰宅すると、姑殿はまだ書道教室(自宅でやっております)のご指導中で、今から飯は炊けないと判断、冷凍してあった炊き込み御飯を解凍した。主菜は、「大野屋牛肉店」で買ってきた鰺フライと男爵芋コロッケで誤魔化す。まあ、20分で夕食をしたためることができたから、そこそこの腕前と自讃しておきませう。

  今日は右往左往の合間に、月曜の「理解度の確認」の問題も印刷しておいた。社会人向け講座のプリントも刷ってあるから、あとは卒業論文の口述試験をこなして、「理解度の確認」を採点し評点を出したら、今学期の始末がつく。もうちょっとですな。


1月29日(金)修士論文の審査は終わり

2016年01月29日 | 公開

  雨の中、大学の本部キャンパスへ歩く。E研究科の修士論文口述試験である。T教授主査の審査2件に関わり、もう一人は高校教師をしていた時、教員室で机を並べていたO教授である。2本とも水準以上で、前々からよく知っている院生のほうは、かなりよい出来だった。E研究科の評点は、ウチの研究科よりおおむね5点高い感じだが、T教授が何点にしましょう?とおっしゃるので、いや、マックス付けたらどうですかと提案する。主査はあまりいい点にすることを、自分から言い出せないものだから、そこは副査の役割であろう。

  研究科が違えば、手順手続きもいろいろ相違する。評点の出し方も、ウチは協議のうえ主任に届ければよいが、E研究科は厳密で、主査・副査各個に点を付け、平均するらしい。まあ、もちろん、そこは協議が入るわけだが。また、論文のタイトルも、提出後に変更も可能らしい。ウチの研究科では、題目届を確定したら、一字一句変えてはならないはず。万般、先さまの仰せの通りに従う。

  やれやれ、無事終わったわいと、エレベータに乗ろうとすると、I 教授とばったり。一緒に降りた。I さん、たくさん戦闘的なご著書があって、有名な方であり、学内のいろいろな委員会等でご一緒する機会も多いが、B学部はけしからん!とご立腹であった。その件、実は昨日、某教授から耳打ちされていたからで、そうそう、あそこはいつもそうなんですよ、上から目線だし…と申し上げ、では、またと、お別れした。

  年度末も近いが、S閣書店の目録にピンとくるものが載っていたから、図書館の担当課長殿にご連絡申し上げたところ、見計らいで取り寄せてみましょう…とお返事をいただく。まあ、10万円しないから、いざとなったら自腹でと、仮押さえしておいた甲斐があったというものである。

  天候が荒れ模様で、朝の天気予報で早めの帰宅を呼び掛けていたので、早々に帰宅する。近所の魚屋で刺身を買い、八百屋でイチゴを買った。なんだかつーんとした生野菜が食べたい気分で、サラダクレソンとやら、それにセロリも求めてみたが、サラダ何とかは食べやすい品種ということなんだろうけれども、本能は、がつんと来る普通のクレソンをどばっと食いたいものである。日本の食材は何でもかんでも、大きく甘く、あるいはソフトに食べやすく品種改良する傾向が強い。それがよいとは、到底思えない。生物として、がつんとしたものを、時には食したい衝動にかられるのは、こりゃ本能ということかもしれませんな。


1月29日(金)花札演習最終回

2016年01月29日 | 公開

  花札演習の最終回。ゲームをやって、決勝に進出した3名には「雑穀かりんとう」を差し上げた。そして、優勝者にはA+の評価を差し上げる…というのでは余りにもえげつないので、花札グッズを進呈。最後に、全員に授業の感想を述べてもらって、お仕舞いとする。

  昼飯は「たかはし」へ。夕方、E研究科の修士論文の口述試験が入っていて、昼食券が送られてきていたのを行使する。うちの研究科では、とっくの昔にこういうのは廃止したが、E研究科は伝統?を守っておるわいな。余所者があれこれ論評する筋でもないので、ありがたく使わせていただいたという次第。50円足して、鰤刺定食を食した。


1月28日(木)大学院の授業終わる

2016年01月28日 | 公開

 3月に行われる「たひらけく、やすらけき朝の文学研究会」の研究発表者が1人しか決まっておらず、お前の研究室の関係者で誰かいないかと、J教授から問い合わせが来た。誰もいないようなら、おいらが発表いたしましょうか?とお伺いを立てる。「たひらけき、やすらけき朝」の時代じゃなくて、「なかつよ」なんだけど、いいでしょうか?と尋ねたが、いにしへいまの集についての発表だから構わんとのことで、発表することになった。数年来研究をサボっておるから、エンジンをかけねばと思う。

 3時限は博士課程の研究指導。 A君の発表は、考えた順序で話すから、歴史の考証みたいだった。それでは文学の研究にはなりませんぞとアドバイスする。重点を変えれば、かなりいけそうな気した。

  授業の合間に神楽坂へ赴き、「jokogumo」「雑穀かりんとう」を購入。先週100個入荷したそうだが、1週間で既に在庫30個を切っているようだ。これは明日の演習の、景品とする。「うつわや釉」にも寄って、お願いしてある水指の箱について打ち合わせる。明日は、紹介して結婚することになったM氏が研究室に挨拶に見えるということで、お祝いに岡本作礼さんの三島片口を包んでもらう。

    ふかき縁かたくちかはむその後は翼並べて天かけり行け 有若亡…物名歌を添えませう。

  修士演習も年度最終回。名所歌合を催行した。いや、歌合というのは面白い。

  学生研究会も、女子大学の学生Yさんに発表してもらう。物語の本文をちゃんと引用してよねとの注文が付く。

  「かわうち」へ行ったのは、博士課程のA君と、修士課程のA君と、私の3人のみ。例によって一升瓶が1本空いた。鰤の刺身が美味しかったので、大将に世辞を言えば、別に鰤が美味いのは店の腕じゃないと、ひねくれたことをおっしゃる。先客に、千代田のかしこきあたりにお勤めのTさんが飲んでいらっしゃった。A評議員閣下が突然入って来られたのにも、びっくりポン。なんだか、むくんでいらしたような…彼もまた、寄る年波か。

 


1月27日(水)ペコちゃん、ポコちゃんの苗字は何か?

2016年01月27日 | 公開

  同居人と美術館へ行き、東京駅構内で酒を買って帰路につく。自宅最寄駅の駅前には、不二屋のストアがあり、ペコちゃん人形がへんてこりんな、ショートケーキみたいなコスプレをさせられていた。あな、いたましや。

  同居人に、「あなた、ペコちゃんの苗字を、ご存じですか?」と問えば、「知らないわ」とのお返事。「お教えいたしましょう。『原』と言うんですよ」、「……」。「じゃあ、ポコちゃんの苗字は?」、「知りません」、「ヒントは、中国系なんですがね」、「???」、「仕方ないな。『陳』と言うんです…」。ここまで会話が進んだところ、道の真ん中で殴られましたわ。(゜Д゜;)

  家に着く前に八百屋に寄って、イチゴなんぞを買ったんだけれど、八百屋の女将さんに、「駅前に出ているペコちゃんの苗字は…」と上記のお話を申し上げたところ、大ウケでした。このネタは、大衆性を獲得していますぞ。

  「何言ってんのよ」と呆れ顔の同居人も、「サンタクロースって、何の『三択』なんでしょう?」と尋ねれば、「それは、ヒレ、ロース、串からの三択でしょ!」と返事なさる程度の教養をお持ちであらせられるんですがね。何しろ、博士(文学)都の乾バカ田大学の称号をお持ちですから。…あ、この部分の話はfictionです。(-_-;)

 


1月26日(火)社会人向け講座

2016年01月26日 | 公開

  先週、自宅に直で持って帰っているはずの、社会人向け講座の資料が見つからなくて焦りまくる。結局、電話の横の棚にファイルごと突っ込んでいた。耄碌といふもさらなり。

  昼食は築地へ行く。「セリスイ―ツ」の前に誰も並んでいなかったから、フィナンシェをいただく。今日は1キロも2キロも買っていったお客があったそうだ。フィナンシェ2キロって、どうやって持って帰るんだろ?

  「文化人」に入ると、カウンターの品書きに「とうふそば」とあった。要するに、かけそばに湯豆腐のかけらが3つ載り、三つ葉と柑子皮を入れて食うというシンプルなもので、なかなか好もしかった。ちと足らん気もしたが、我慢いたそう。

  社会人向け講座は、紀貫之の続きからと、小式部内侍の注を読む。「奈」と「堂」を読み間違えて焦った。用があったので大学へ回ると、N教授が最終講義を終えられ、会議室で懇親会をなさっていた。私は講座があったので、残念ながら失礼をばいたしましたわ。


1月25日(月)天理へ行く

2016年01月25日 | 公開

  天理大学附属図書館へ閲覧に行った。京都駅から近鉄線で天理へ。途中、某駅にて、ホームアナウンスが「トイレが詰まります、ご注意ください」と言うので、訝しめば、「扉が閉まります、ご注意ください」と言っているのであった。

  さて天理にたどり着けば、明日が天理教教祖130年祭ということで、信者の方が続々と押し寄せている。タクシーに乗ったら、知らないお婆さんが乗り込んで来ようとなさる。そうか、信者さん同士なら行く先は同じだから、乗り合いにするのか!と気が付いたけれども、ちょっと吃驚したわい。

  図書館は他に特別本の閲覧者は無く、鎌倉中期の写本をじっくり拝見できた。やはり実物を見なければ分からないことは多い。調査はさくさくと進んで、早めに辞去する。係の方に、もう帰るのか?という顔をされてしまった。

  少し時間に余裕ができたので、竹田で地下鉄に乗り換え、丸太町で降りて買い物…というか紙屑の物色をする。2枚ほど購入。後で振り込ませていただくことにしたら、ずいぶん安くしてくださった。伝浄弁の古今集切が1万円ちょっとじゃ、これはこれは(しかも、実によい歌の部分)。もう1枚は、ものすごく下手くそな定数歌の断簡だが、こういうのも可愛いと思ったので…。

  店を出ようとしたら、大阪のO先生が入って来られた。T先生がおいでではありませんか?と、古書肆の御主人に尋ねておいでだ。 なんでも王朝継紙の展示を見にお出ましのはずだとか。別のお店では、中国人客が古筆切を爆買いするという話をうかがった。手鑑でもなんでも、丸ごと、ふっかけた言い値で買って行くのだそうである。漢籍は知らず、仮名のものなどは興味を示さないのではと思っていたが、さに非ずということらしい。

  あちこちで少し買い物をして、「ぎぼし」から吹き寄せを松江の老母に送り、新幹線に乗った。雪のせいで結局12分遅れで東京帰着。まあ、あんまり疲れなくて、収穫の多い旅であったよ。


1月24日(日)京都へ来たんだけど

2016年01月24日 | 公開

  10:30から輪読研究会。大姐御Nさんと、古筆切研究のトップランナーKさん、それに私の3人で、秋に出版する(予定の)注釈を進めるが、私が一番遅れている。

  終了後、「jokogumo」へ寄って雑穀かりんとうを3個もとめる。木曜に5個くらい買い来るからとっておいてと、スタッフの方に申し上げておく。かりんとう、かなり売れた様子で、買いに来た客の中には、私のことをお尋ねになる方もあるらしい。このブログ、そんなに読まれているんだろうか?

  大手町へ移動し、切符を買い、新幹線に乗る。車中、E研究科の修士論文を1本読み終わった。雪の影響が出るとアナウンスされたが、京都へは定刻に着いた。ホテルにチェックインし、伊勢丹の地下で弁当やワインを買う。同居人は大阪で文楽を観ている。お仕事の一つなのだ。京都に着くのは10:00近くになるので、夕食を買っておいてと頼まれたのである。ホテルの部屋の真ん前に、京都タワーが聳えている。

  明日は同居人と一緒に、「やまとのふみくら」を訪ねる予定。月曜なれど補講日で、通常授業は無い。ある写本を閲覧すれば、論文が1本仕上がることになる。訪書は楽しい。心がうきうきする。


1月22日(金)雑穀かりんとう!

2016年01月22日 | 公開

  18:00から編集会議。今日は訳ありで、出版社の本社ビルではなく、JR駅近くの某会議室で秘密会議?開催のため、時間に余裕があり、神楽坂で降りてひと駅歩く。「jokogumo」に立ち寄れば、オーナーのKさん(S太郎ちゃんのお母さま)がおいでになり、私の顔を見るなり、「入りましたあ!」とお叫びになった。

  二戸市は相馬屋の「雑穀かりんとう」が、本日入荷したとのこと。これ、ほんとうに美味しくて、このお店を訪れるたびに、今度はいつ入りますか? いつ入りますか?と、尋ね続けてきたのだった。

  「いくらでもあります」とおっしゃるから、5袋大人買いした。1袋、編集会議でご一緒になるF先生に、柿のお返しに差し上げよう。

  メトロで編集会議の会場へ移動。本日が最終回で、積み残しのごちゃごちゃしたことがらを処理、いつもより1時間早く終わったので、楽々帰宅いたしましたとさ。

     

     よこぐもの あるじのゑ顔 やはらかく 大寒の日を あたたかくする

     くさぐさの 稔(とし)もて作る かりん糖 味のよろしさ たとしへもなし     

     待ち得たる かりん糖なり 食べ過ぎて ふとらぬやうに 心すべくも

     人生の 残り少なき 老いの身に うれし二戸の このかりん糖

 

     うちうちの 掟破りは あらはれて 頭下ぐるが をさのつとめぞ 

     教へぶみ それも商ふ 品なれば 傷見逃さぬ はかり事なれ

     われもまた をさの立場に 就く時は 謝るわざを まづは習ひき

     国ことば 学び教ふる ふみ作り やうやくにして わざを終へたり

 

     我が書ける 論文なれど 世の中の 役にも立たず 人も救へぬ

     やほとせの 昔の人は 如何にして かなもじを書く そを明らめぬ

     補講日の 隙を活かして 月曜に 大和ふみくら 訪ねむと思ふ

     発表に 欠員ありと 聞くからに 心ゆかしく 思ひわづらふ    


1月22日(金)修士論文口述試験

2016年01月22日 | 公開

  修論の口述試験日である。メトロの乗り換え駅ホームに、露文のI教授が立って論文を読んでおられた。後ろから、ワッと脅かせば、主査の論文の最終チェックをなさっていたらしい(まさか、ぎりぎりまで読み終っていないなどということは…)。I教授、サバティカル中であらせられるが、主査たるは仕方がないのである。おいらは副査1本のみで、E研究科で頼まれている本数のほうが多い。

  主査のT教授から5~6分遅れると連絡があり、やや遅れて主査1名、副査2名で試問を始める。私は、結構いい論文だと思ったが、もう一人の副査O教授も、より大きな視野で見るとうんぬんかんぬんと仰ったけれども、評価は高かった。専門分野の沽券に関わると、和歌関係の細かいことがらを2点ほど指摘しておく。

  口述試験が事も無く終わったので、昼飯を食いに出る。さて、どこへと思案して、面影橋の「いもや」が復活してから訪れていないことを思い出して、坂道を登り、ブー通りを西へ。お店は昔と変わらずご主人はまあ年をめされたなという感じなるも、黙々と天麩羅を揚げておいでだ。隣と1つ席を空けて座ったら、女将にたちまち叱られてしまった。えび定食に、あなごを付けて、御飯は少なめ…とお願いする。

  客は全部男性だった。女将が怖いので、ぴりぴりしているのが可笑しかったが、それがまさしくこの店の空気感である。私はMy箸持参なので、割り箸をお返ししたら、久しぶりなので忘れちゃったわ…と女将に言われた。思い出してくださったみたい。

  しかし、こんなコスパのよい天麩羅屋が今どきこの世に存在するとは、信じられない。席は空くことなく、ご繁盛、ご同慶のいたりだ。えび天定食800円に、あなご200円を付けたから、英世1枚ぴったりのはずだが、勘定の段で女将は釣りを渡そうとなさる。ちと耄碌されたか? 安くしていただく謂われはありませんよと申し上げて、ニヤッと笑ったら、じゃあこれをと、塩飴玉を二つ、掌に載せてくださる。お箸持参の褒美なのだが、ずいぶん得をした気分である。


1月21日(木)結局飲みに行って…

2016年01月21日 | 公開

  修士課程の演習は、既に消化試合っぽくなってきたが、本日は和歌懐紙と短冊のしたため方を伝授した。こんなことをちゃんと教えてくれる大学院は、日本中探しても、そうはあるまいよ。結局、明治期に確立した近代的作法に従ったが、懐紙に関しては男女異なるのは仕方が無い。それぞれ、性別に応じて自詠を書いてもらったが、異なるジェンダーのパフォーマンスも心得ておくのが肝要であろう。

  続く研究会は、A君が手慣れた感じで発表してくれた。あと1回行う予定。帝国大学の大学院はとっくに授業が終わっていて、修士論文の口述試験も来月半ばなのだすである。いやはや、半期15回なんてまともにやっているのは、私立大学だけなんじゃないか?

  早く帰宅して為すべき仕事があったが、寒いので、結局いつもの院生諸君と「AMA」へ行く。カレー屋なれど一升瓶があることを確認。一合400円なら、一本4000円で、こりゃ安い。今度来る時は考えましょう(なにしろ3名いれば一升瓶は空くからな)。


1月21日(木)卒論口述試験前倒し実施1件

2016年01月21日 | 公開

  2月初旬の卒論口述試験日に、どうしても都合が悪いという学生からの相談があったので、本日の卒論ゼミの時間に、前倒しで実施することにした。その前にスーパーでみかんを買い、まずはキャンパス図書館へ。とある資料について、担当課長殿とご相談、もう少し値切れたらいいけれど、まあ、無理をすることはないわいな…という結論になった。職員の方々の人数分、みかんを置いて行く。

  それから、事務所へ赴き、昨日の教授会で火の粉を振り払うのにお世話になった職員の方に、みかんをお渡しする。「詳細は聞きました」とおっしゃり、受け取ってくださった。まあ、皆さんで召し上がってくだされ。

  口述試験は、30分ほど掛けた。旅行に行ってきたそうで、お土産のお菓子をいただいたが、博士課程の研究指導の時に、ありがたく頂戴することにいたそう。

  昼食は、昨日は「たかはし」へ行ったから、今日は「汐見」までやや遠出をする。お昼のお膳をお願いして、蕎麦は寒いので「かけ」を選ぶ。それで、懐紙を取り出して食していると、松下利市氏から、「お茶事をなさるのですか?」と尋ねられる。「いえいえ、不調法者です」とお返事申し上げた。「料理に茶は基本です」と、湯木貞一氏の言のごときお話を承る。そして、「一服差し上げます」と、わざわざお薄を点ててくださったのには、恐縮した。いやはや、お懐紙は常に携帯しているものであるよ。

  博士課程の研究指導は、K法師の発表。博士論文を意識した内容だったが、Uちゃんが的確な批評を加えていた。歴史学の勉強も、かなり必要だなと痛感した。


1月20日(水)教授会で即反撃

2016年01月20日 | 公開

  教授会日。14:00開始で、2月の重要業務に関する説明もあったから、神妙にしていた。選挙もあり、M学部長殿が私の隣に座っておいでのY専任講師を立会人に指名して、もう一人…と仰ったから、おいらがやってやろうか?と目で合図をすれば、ご指名が来た。ごく単純な○×選挙だったので、何の面倒もなく開票が終わった。

  今日はさくさく議事が進むかと思いきや、変なところに食いさがる御仁があって、うんざりする。そのうち、私の所属するコースに対する、事実無根の「誹謗中傷」を始めたから、おいらもいささか興奮して、机をバン叩き(予想より大きな音がしたので、自分でも吃驚)、絶対にそんなことはない!と声を荒げる。やっこさん、自分は間違っていないと強弁するので、よし、待っておれと事務所に駆け下り、担当の職員の方に、まことに申し訳ないが、ウチのコースのこれこれのデータを今すぐ出していただけるか?とお願いすれば、あっというまに出してくださった(後で何か届けなくては)。

  そのデータを持って、会議室に戻り、その御仁に突き付け、このデータを見よ、あんたが間違っている!と言って自席に戻る。その後、私が間違っておりました、××教授(私のこと)のご対応に震えがきました…などと発言するから、分かりました、根には持ちません…と発言したけれど、心の中では、ふん、永遠に根に持ってやるぞ!と決意をしたわい。先月、とある会議で、そやつらに野次を飛ばしたら、聞き捨てならん!と絡みやがった御仁である。反撃は速やかに実行するにしくはなし。本当はコース主任が即反撃すべきだが、私と向かい合いの、そやつには背を向けてお座りだったので、戦中派、国民兵役のおじいさんがしゃしゃり出た…という次第だ。教授会は17:30までかかった。

  夕刻からはお稽古事。18:00に教室へ赴くと、A師匠、既に取材を受けておいでになる。本日は動画を観ながらのレクチャーで、勉強になりました。終了後、飯を食って帰ろうと「五郎八」に入れば、お稽古仲間の方が2人おいでで、なんとなんと、ご馳走をしていただいてしまった(これまた、お返しをせねば…)。にしん蕎麦をいただく。もちろん熱いお米の汁も…。