そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

7月31日(日)世の中をよくするなんて

2016年07月31日 | 公開

  姑殿は昨夜、とある会議にご出席で、帰宅はかなり遅くなられた。朝食の時、その会議出席者に手渡される交通費、会計担当者が替わったせいで、今までの普通の封筒から、銀行の封筒に入れられていたことを、ずいぶんとお嘆きになる。100均で安い封筒を買って、新しい担当者にお渡ししようかしら…とまで、仰るのである。

  私は、およしなさい、そんなことをしたら、反発されるだけですよ…と、即座に申し上げた。それが、お弟子さんだったり、ラインとして指示を出せる相手ならいざしらず、そうでないのならば、その人の価値観なのだし、それに対しては心の中で軽蔑すればよいのです…と言い添えておいた。もう、お義母さんのお歳になったら、世の中を良くしようなんて、大それたことは思わぬことです。私も、このたび完全に老齢に達したので、そう考えることにしました。世の中は良くなりません。世界も、良くなりません。だから、軽蔑すべきは心の中で軽蔑し、何もせず、にこにこしておればよろしいのですよ。そのかわり、見上げた行いは、心の中で、大いに賞讃すればいいじゃありませんか。

  諦念かもしれない。私はこの世に完全に失望している。ただし、72歳で死のうといちおうの目途は立ててはいるけれども、積極的に手段を選んで死ぬことはない…とも思う(時々電車に飛び込みたい衝動にかられるが、人の迷惑を思えば、足は停まる)。まあ、こんな感覚で現実と折り合おうとすれば、如上のようなことに、なりますわな。

  とある選挙の投票日である。ご立派なごは、もう、あきあきした。かたかたに居給ひたれかし、なんと素晴らしい言葉だろう! 800年も昔に、この言葉はもう書き留められていたのである!

 


7月30日(土)採点、採点

2016年07月30日 | 公開

  なんでうちの学部だけ、成績締め切りが早いんだよ~とぼやいても仕方がない。別キャンパスの学部はお盆明けなんだぞ。ぶつぶつ言いながら採点と、レポート全部にコメントを付ける。まだレポート出して来ない学生がいる。7月31日までは待ってあげるけど、出なければ「不可」付けるからなとメールしたが、返事は来ない、いくら待っても~♬ 南の島に、雪は降らんぞ。

  同居人は、某委員会の委員長であらせられるが、夕刻その会議で、お弁当が出るよし。二人分、夕餉を準備していると、姑殿も会議だとかで、お出掛けになった。

  カレーを作ったんだがなあ。仕方がないので、蛸酢、酢大豆、ズッキーニの糠漬け、きんぴらを気に入りの器に盛り、酒は高取焼の小片口に賀茂鶴を注いで盆に載せて持ち出し、独酌とした。しかし、わびしいこと、このうへなし。妻に先立たれたら、こういうことになるのか。早く死ぬにしくはない。

 


7月29日(金)修士論文口述試験

2016年07月29日 | 公開

  9月修了を申し込んだ留学生の大学院生の、修士論文口述試験を実施する。お二人の副査の教授に研究室へお越しいただき、11:00開始で、50分ばかりかかった。指導教授としては、論のまとまりがいま一つではないかと思う。されど、研究スキルが十分身についたことは、よくわかった。学位を取得して、帰国される人でもあり、水準以上のものと評価をする。

  梅雨明けの今日は、陽射しが強い。しかし、風はある。風があれば、生きて行ける気がする。

  今期の食い収めにと、N坂をのぼって「高七」へ。空いていた。カウンター中央、大女将のまん前に席を占め、冷えた米の汁を1本いただく。「七冠馬」がありますよと大将に言われたが、よしておいた。あなご天の定食を、いつものようにしていただく。いつものようにとは、天つゆ・塩無し、大根おろしだけで、御飯は仏壇のお供えほど、お付けも少なめに薄めてもらい、自家製ふりかけは謝絶という仕儀である。若いお客が、御飯大盛りと、ものすごい大盛りとを注文された。「ものすごい大盛り」はといえば、どんぶりに飯が盛られているのだった。いやはや、若いということは…。

  「Cafe GOTO」へ行き、昨日のお礼を申し上げる。ロバート・キャンベルさんが、わたしのfbに、このお店のチーズケーキを、「都下一番」と絶賛しておられましたぜと、報告しておく。ゴト―さん、私にお友だちのリクエストを送信。後で承認いたしますわと言って、店を出る。

  同居人は夜まで会議のよし。姑殿の夕餉を準備しなければならない。しかし、まだ早い時間なので、神楽坂の赤城坂を下って、「ギャラリー坂」を訪ね、橋村大作の作品をいろいろ見せていただいた。オブジェや酒器、コップなど、さまざまあった。ペーパーウェイト?に、すてきな作品が二つ。一つは、かの下ぶくれの柏木由紀みたいな御方様に差し上げると、喜ばれるかなあ?と、ふと思った。今しがた修論口述試験を終えた大学院生にも、帰国に際し、何かしら修了のお祝いを差し上げたいものだ。それについても、これは好適なお品かも知れない。

  自宅最寄り駅に着いて、反対の口へ出て、百貨店で刺身ほかを買った。帰宅すると、姑殿が、御飯はどうしましょう?とおっしゃるので、主食は余った麦飯が冷凍してあるのを解凍することにして、20分でおかずを作る。刺身をそのまま台付の皿に盛り、麻婆豆腐を神速で作り、グリーンアスパラはボイルして、酢大豆を小皿に盛り、デザートに桃を切った。酒は2人で2合ほど飲んだが、姑殿は猪口に1杯ほどしかきこしめさなんだから、おおかた私の腹の中へ入った計算だ。オンデマンド試験の最終日で、メールが山のように届いている。


7月28日(木)春学期正規授業最終日

2016年07月28日 | 公開

  明日からは定期試験なので、今学期の正規授業最終日である。卒論ゼミは、「Cafe GOTO」を予約して、仮目次の提出と、学期打ち上げ?の茶話会ということにした。

  「GOTO」は8月8日に開店25周年ということで、早めにお祝いを持って行った。マスターのGOTOさんはチェスの名人?だから、ルーク型の小さなフラワーベースに、向日葵の花を数本。それに、お祝いの短歌を3首ばかり詠み、短冊に書いて、差し上げる。

  卒論ゼミは、全員が顔を揃えた。振り返ってみると、就活だ、教育実習だで、全員一堂に会したのは、今回が初めてだったかもしれない。就活組もだいたい内定が決まり、大学院進学組も、一般受験はこれからだが、だいたい目途はついたという感じである。私はなにしろ、卒論指導教授としては人気が無く、メジャーなところから外れるテーマを皆引き受けるので、闇鍋状態と自嘲しているけれども、まあ、何でもござれということである。改めて見回してみると、それぞれに個性的で、素敵な学生諸君だと思う。

    君たちの 人生の時に 関はれる 事たのしくも 学期は終はる

    カフェの窓の 陽射しの中に 語り合ふ 学生の顔 センセイの顔

    我がことを センセイと呼ぶ 倍近く さき生きてゐる それだけの身を

    文学を 研ぎ究めるを 事とする 世界が変はる 訳も無くして

    人文学 ほどきて言へば いにしへの 人また我と 同じとを知る

  学期末なれば、昼食は「すゞ金」の暖簾をくぐった。もはや、金は尽き果てたり。

 

 

 


7月27日(水)ランチセミナー

2016年07月27日 | 公開

  昼休みに、本年度着任の専任の先生お2人による、第2回ランチセミナーが開催された。肝煎りのM教授から是非参加をとのメールをいただいたし、今回のセミナーには関心もあったから、12:10に会場へ行って、飲み物とカツサンドをいただく。結構、参会者が多かったぞなもし。

  内容は、お1人がクィアスタディーズ。もうお1人は演劇というか、サブカルチャー論、道化論?だった。それぞれ勉強になった。

  帰路は神楽坂へ寄り、「うつわや釉」へ行くと、素敵な皿があった。一番いいのを1枚選んだら、欠けのあるのをもう1枚、無料で付けてくださる。わ~、得しちゃった。「草木堂野菜店」もに寄って、ルバーブと巨大ズッキーニを購入する。


7月26日(火)採点、社会人向け講座、画廊、会議・・・

2016年07月26日 | 公開

  社会人向け講座に行く。その前に、昼食は築地の「文化人」で「冷かけとろろ鮑」をりんだもぢる。築地らしい逸品である。このお店、BGMがどうにかなれば…と、いつも残念に思うがな。8月7日、落語と蕎麦の会を催されるというので、花番さんにいかがですか?と勧められる。娘が行きたければとも思うが、カナダだかへ行くと言っていたので、考えますとお返事した。

  八丁堀へと歩き、途中、「九州文化邑」に立ち寄る。店舗がずいぶん縮小されていた。「川辺」はありますか?とお尋ねすれば、720ml瓶が1本だけあったので、躊躇なく購入。ほんとうに、これは、私が今まで飲んできたアルコール類の中で、最高の部類に属する。騙されたと思って、飲んでごらんなさい。ただし、生のまま、すこし冷やし、いいチェイサーを用意すること。どれだけ良い水を使っているか、じ~んときますぞ。

  「川辺」を下げて、社会人向け講座へ。今日は漢字ばかりを読んだ。話としては、かなり面白かったはず。珍しく自分の研究を喋ったので、気持ちもよかった。

  さて、京橋駅の1番地上出入口のところで同居人と待ち合わせて、「京橋画廊」へ行く。荊妻の三味線のお師匠だった御方の、姉上様の個展を拝見に行った次第。すてきなお花の絵だったが、最新作が一番よかった。

  東京駅まで歩き、同居人、昼飯を食べそびれたというので、ワインを1本飲んで軽く食った。それで別れて、私は18:15から大学で会議なので、メトロに乗る。

  いったん個人研究室へ行ってメールチェックすると、web上で実施していた試験にシステムの不具合が生じ、相方の担当者がいったん試験休止措置をとってくださっていた。相方と会って相談し、私が修正して受講者へ連絡し、受験可能期間を延長して対応することにした。おたおたしても、始まらない。

  会議はそれでも、1時間ほどかかった。決めてもらわなければならないことは、決めてもらったので、これで問題に着手できる。

  やらなければならないことが、たくさん積もっている気がする。昨日は大量に試験を実施したが、やっとこさ1科目分の採点を終え、成績処理を済ませただけ。レポート全部にもコメントを付けなければならないし、修士論文の口述試験もある。あ~、忙しい。


7月25日(月)試験、試験!

2016年07月25日 | 公開

  同僚K教授におすそ分けしようと思って用意していた袋を、持って出るのを忘れた。老耄が激しくなっている。午後、非常勤の科目を持っている同居人に、持って来てもらうことにする。ほんとうに情けない。

  本日は「理解度の確認」と言い条、試験が3科目。自学部の2科目は、持ち込み不可で実施。受講者も少ないので、もちろん自分でてきと~に監督して終わり。

  財布の中には千円札1枚しか無く、やってきた同居人から昼飯代をもらう。届けてもらった袋を、K教授にお渡しした。

  昼飯は「たかはし」へ。E博物館の前・現両館長殿が、並んで食事をしておられた。その隣に座る。刺身定食は950円だから、千円でも間に合ったわけだが、剣呑なことであったよ。

  4時限は別キャンパス、S学部の試験だ。こちらは、たった受講者140名の科目なのに、事前に問題の提出を求められ、主任監督員1名、補助監督員3名という体制で、教室へと赴く。まるで、一般入学試験みたいである。

  試験の実務はすべて監督員がやってくれ、持ち込み可で、問題も簡単にしたから、終了時間に最後の1人が提出して、2分後には撤収。答案は試験本部へと運ばれ、ソートして綴じ、渡された。なんと行き届いたサポート体制、気持ち悪くなった。

  ポケモンGOが話題だが、そういえば1時限の試験開始前に会場を確認に行くと、はやばやと男子学生が1人入っていた。ポケモンのことを話題にすると、この教室の教卓のところにも、モンスターがいますよと、見せてくれた。私はこのゲームに関しては、まったくついていけない。天保老人となった自分を実感する。


7月23日(土)とうなすは分かるか?

2016年07月23日 | 公開

  昨宵の柳朝師の落語は、とても面白かったが、「へっつい」は現代の聴衆に分かるまいとご配慮あったものの、「とうなす」も分からんのではないかとと思った。終わってから、妹に尋ねてみると、「冬瓜」のことかと思っていたらしい。いやはや。同居人が柳朝師に、メールでその旨意見を申し上げたようだ。


7月22日(金)大学から神楽坂へ

2016年07月22日 | 公開

  夕方は池袋演芸場で家族と落語を聴くことになっている。さて、昼休みに会議というので、研究室1階下の会議室へ。もはや私の関心だにすらさへ喚起しない、国際的な研究展開に関する会議で、悪いけれど結局、オーソライズの儀式と化している気がする。我々の研究分野は、そうした社会貢献や、大型の外部資金とは、無縁なのだ結局。むなしい気持ちで、3時限が始まるので失礼した。

  新入生演習の最終回。アカデミック・ライティングにとって、最も重要なことは何か?ということを、しつこくしつこく話しておいた。他のことはど~でもいいし、レポートもいい加減で構わないけれど(単位はあげます)、とにかく、これだけ覚えておいてくれたまえと、かなり真顔で話せば、それなりに真剣に聞いてくれた・・・みたいだった。何人か頷いてくれたしな。まあ、教授としても、諸君に多くは望みません。なにしろ、二流大学なんだから(私も二流教授だし)。

  出席処理をして、もろもろ雑務をこなすうちに、変な時間となった。池袋へは飯田橋で乗り換えて行くべしと、まずは神楽坂でメトロを降り、駅前の「本屋カフェ」にあがった。ここで、ランチ向き?のシチューのセットを注文。2度目だが、空いていて、素敵なお店である。ちゃんと儲かっているのかしら?と、心配になる。

  チェックの際に、ちょっといい感じのネックレスが目についたので、同居人へのプレゼントに2本いただく。この間、いささか隔意を生じて、一時は私から離婚しようか?と言い出す仕儀にもいたったのだけれども、何とか関係修復がなって、しかし、傷跡はまだひりひりしている感じである。ひりひりには、気長に膏薬をつけるにしくはなし。というわけで、膏薬を奮発する、と言っても、いくらもしなかったんだけどね。

  そうそう、「haze」の兄さんもお店を出していたから、豆を200gと、一緒に出店のお姐さんから、パピヨンのクッキーをいただく。傍らの円形水溜りに、浮草が一面浮かんでいた。

    あをあをと 世界を覆へ 根無し草 (右往左翁)  

  18:00の待ち合わせまではまだ時間があるから、「ラ・ロンダジル」へも立ち寄った。もう一度見て、すとんときたらいただこうと思う片口があったからだが、すとんとは来なかった。で、店内を見ていたら、美しいガラスの振り出しが・・・。これはいったい、何という美しさだろう。掌にのせれば、心地よい重さ。表面は皹が入っているような模様が付けられおり、光線を通すと、複雑な模様が浮かび上がる。しかも、一面が磨き上げられていて、そこは凹レンズになっているのだろう、中に入れたもの(一般的には金平糖ですな)が、小さく!見えるようになているのだ。何という逸品だろう。こういうものは、出会いがしらに、衝動買いするにしくはない。そんなに高くもありませなんだ。

 


7月21日(木)歌会を催行する

2016年07月21日 | 公開

  卒論演習は参会者が半分で、出席者を相手にかなり突っ込んだ話ができた。来週は春学期の最終回となるので、仮目次を持参して提出するよう指示する。

  昼食はN坂を登る。「高七」は混んでいたが、カウンター席中央の、大女将のトイメンに座ることができた。こりゃ時間がかかるぞと踏んで、ハートランドをいただく。麦の汁はあっという間に空き、やはり米の汁をいただきたくなって、1杯頼むと、大将から2合瓶を渡された。これが、実に美味いお酒でありましたぞなもし。天麩羅のほうは、掻き揚げ付きにしていただく。米の飯は仏様のお供え程度、お付けも薄めてくださった。天つゆ、塩は使わず。大根おろしだけで食すれば、素材天ダネのお味がじみじみと感じられてくる。究めれば、日本食は素材と、水であろう。そうなると、あまり手をかけないものこそが、その真骨頂といえるわけで、切って揚げるだけの天麩羅は、ルーツは西洋料理なんだろうけれども、まさしく和魂洋才の技といふことならむよ。

  15:30から面談2件。銀座「空也」の最中をいただいた。A君からは、今後の論文発表についての相談に与る。土曜の学会発表が好評だったので、一段と自信がついたらしく、頼もしくなってきた。

  修士の演習は、今学期の輪読テクストを読み終えて、秋学期の担当について相談する。秋は贈答歌を取り上げたい。各自担当希望のものを、申告してもらうことにした。人数も多いし、関心もまちまちなので、あまり締め付けをきつくしてもうまくいくまい。融通無碍に、てきと~にやるにしくはなし。

  続く学生研究会も、歌会というので、詠草の料紙と短冊を用意した。「蛍」のお題は、いささか時節がずれたような気もするが、全員分の折紙詠草を添削する。愚詠はかくのごとし。

    ほのかにも 焚く火のごとも 流転して 飛ぶや夏虫 淵瀬を分かず (右往左翁)

  これは、「ほたるとふ(蛍飛ぶ)」の折句になっておるのであ~る、えへん。

  入れ札をしたが、評価が分散し、最高で4点。愚詠も最高点獲得の4首の中に入って、一応面目をほどこした。

  男ばかり5人で「かわうち」へ。店に入ると、以前校長を務めていた高校の剣道部の諸君が飯を食っていた。大学で稽古だったらしい。引率のT先生は、いつも着物をおめしの英語教師であらせられるが、抱き合って久闊を叙す。Yさんが1升瓶1本と、豆腐料理を差し入れてくださった。もちろん、お酒は1升で済むわけはなかった。体の芯からどっと疲れが出て、どうも私は、居眠りをしてしまったらしい・・・。ほんと、疲れ果てた。

  帰路はメトロで途中までYさんとご一緒した。愚娘の住まいの近くに、お宅がおありだとか。そんなこんなで、あと1週間だ。


7月20日(水)神楽坂で楽しい一席

2016年07月20日 | 公開

  会議日である。「Cafe GOTO」でエスプレッソを飲んで、出撃する。教室会議は、早々に終わった。14:00からの教授会は、長引くとの事前情報を得ていたのだけれども、なんとあなた、17:00を過ぎても埒があかない。エスケープして、神楽坂へと向かう。

  18:00にイタリアンのお店に集合、鹿ケ谷。古い戦友たる、同僚教授の、学部長選挙敗戦慰労会を開く。なにしろ「青島幸男」で3分の1の票数が入ったものだから、大将、ご機嫌うるわしくあらせられた。もう1軒とバーに誘って、楽しい宵であった。私は基本的には、一緒に戦争に行った戦友以外は、信じないことにしておるのじゃ。


7月19日(火)編集委員に就任

2016年07月19日 | 公開

  ある出版社のPR誌の編集委員になるよう、大先輩に命ぜられたので、その会社を訪ねる。研究室に来てくれるとおっしゃるが、今日はどうせ出掛けなければならないし、その通り道にできるし、当方から出向くことにした。

  飯田橋で降りて歩いて、指定の10:00ぴったりに会社のドアを開けた。社長と、編集担当からご説明を受ける。まあ、これも学界への貢献のひとつだと思う。

  昼食は、銀座へ移動し、、ちょっと「司」を覗いてから、「木挽町 湯津上屋」へ行く。11:25に、待ち合いの席に男性が2人腰掛けていた。私の後から女性が1人並んで、暖簾が掛けられた時には、別々の客が4名、順に入って4席あるカウンターが埋まる。私は3番目だったが、一番左の電話器の前に座り、右は女性客に譲った。

  さて、注文はかねて思い定めておったが、4人が4人とも、「冷やかけすだち」を口々に注文したのは、なんとなく可笑しかった。2人目の男性と私は、大盛り(150円増し)にしていたいたんだけどね。

  この時期の東京で、このお店の「冷やかけすだち」は、間違いなく最高の逸品である。蕎麦の上にトッピングされたすだちスライスの薄さといったら、蕎麦やつゆと一緒に、すすっと胃に収まってします。もちろん、絞り汁は十分につゆに加えてあって、その爽やかさたるや、類を見ないみごとさなのである。同じ蕎麦を出すお店は何軒もあるが、スライスが厚過ぎる。たった、これだけのことなのだが…。

  よい気持ちになったので(酒は飲んでおりませんぞ)、「司」へ引き返して、苔の鉢をひとつ買った。歩いて社会人向け講座へ。

  今期の講座は、文字を読むことはそこそこにして、研究の面白さを伝えることに主眼を置いている。受講生には初心者も多く、あまり詰め込んでもと思う。連続受講の方から、南米土産の塩をいただいた。

  同居人は研究者仲間との遅い会食だそうで、姑殿の夕食を準備する。簡単にカレーにした。玉葱とジャガイモを長細くスライスし、ゴーヤも加え、肉は冷凍の骨付き鶏唐揚げをそのままぶち込んでみた。あとは、茹でたグリーンアスパラと湯むきミニトマト、卵焼き、花豆といったラインナップで、お茶を濁す。カレーにすると、ほんとうに手間がかからない。 

    ものをたべ ころもをあらひ みをきよめ ふみよみときて ひびはすぎゆく

    なにごとも なさざるままに いのちをへて はかに いるひの われをおもへり (有若亡)

 




7月18日(月)授業をまとめる

2016年07月18日 | 公開

  来週は「理解度の確認」つまり、ぶっちゃけ期末試験を行うので、本日で演習、講義はそれぞれ締め括りとする。朝いち演習は、そのまま秋学期のクラスにシフトするので、秋は西行を読むぞと、受講生諸君の了解を得たうえで、担当歌を配分した。ふるほん講義は、奥書の読み方、私の最新の研究成果を喋ってまとめとする。

  世間は祝日なのに、大学は授業実施日、同居人の勤務先女子大学は、水曜の授業の見なし実施日なのだそうである。昼飯は「AMA」へ行ったが、混んでいた。隣席に向かい合った女子大生二人が、また男の不誠実について深刻な会話を交わしているのを、聞くとなく聞く。壁に耳あり、ですぞよ。

  S学部の講義については、事前に試験問題を事務所に届けよとの指示で、印刷したものを封印して届けた。持ち込み可か不可を尋ねられたので、いったん不可と返事したが、思い直して可にしていただく。自分の所属学部だと、不可にするだろうが、ねこさんの代講で、あまり無体なこともできんからな。

  講義自体は少し早めに終える。我ながら、こんなにもっともらしいことが、いけしゃあしゃあと喋れるものだと感心する。さて、来週の試験について説明し、質問を受けた。

  時間が早かったので、ちょっと寄り道して冷たいものを飲んでから帰宅。やっとひと山越えた感じ。  


7月17日(日)町内会の夏祭り

2016年07月17日 | 公開

  町内会の夏祭りだ。隣保の班長を仰せつかっているので、従事せにゃならん。班長の集合時刻9:00であったのに、10:00と勘違いしていて、遅刻した。(汗

  子どもの山車に付き添って歩いた。出発の公園にもどり、蕎麦を食べさせていただいてから、子どものアトラクション、スイカ割りゲームの補助に回る。目隠しをして、鉄パイプを持たせて、誘導。小さなお子たちも、喜んでいた。中に、少し耳の不自由な女の子がいたが、みごとに命中、嬉しそうにはしゃいでいるのが、印象に残った。

  大人神輿が担ぎ込まれ、それを見送ってから後片付けにかかる。男手が多く、あっという間に始末がつく。町内会肝煎りの方々も、今年は協力方がスムーズだと、喜んでおいでだった。

  18:30から直会というので、指定の居酒屋に顔を出す。町内会長は、県立K高等学校の校長を長く務められた方で、いわば同業者。その奥様も先生で、拙宅の前がご実家の芸能人の担任をなさったそうである。

  隣で神輿連の直会も始まって、その会長さんが席に見えたから、私の音頭で「会長さんよ、ありがとう」の唄を歌った。「今日もお酒が飲めるのも、会長さんのお蔭です、会長さんよ、ありがとう、会長さんよ、ありがとう~♪」。こういう「賑わかし」は得意である。町内会長に、一首短歌を詠めと言われたから、ボールペンを借りて作り、読み上げると、喝采を受けた。ウチの地域は、相当に民度が高いということならめ。隣に座っておられる薬剤師さんに、詞は作るの?と尋ねられた。何だ?と思えば、作曲をなさるそうで、自分が曲を付けてやるよ・・・と言われた。いやはや、面白い地元である。どなたがおいでか、分からない。

  地域社会の中で、私たちは生きていかなければならない。出身を披露し合ったが、ほとんどが余所からの移住者というのも分かって、面白かった。