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日本の奇祭44「安田のシヌグ・うわじま牛鬼まつり・飯坂けんか祭り」

2015年03月30日 | 日本の奇祭

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、沖縄県の安田のシヌグと愛媛県のうわじま牛鬼まつり、

福島県の飯坂けんか祭りです。

 

 

安田のシヌグ(沖縄県国頭郡国頭村安田)

 

安田のシヌグは、国頭村安田で旧暦7月最初の亥の日に当たる日に行われます。

厄払いに重きをおいた豊年予祝儀式で、

国の重要無形民俗文化財に指定されています。

安田村安田公民館内の「アサギマー(拝所広場)」で開催され、

神に無病息災や豊漁を祈ります。

 

シヌグとは兄弟ないし男の祭りという意味があり、

山に入った男たちが神からセジ(霊力)を授かり

1日神となって集落を清めるヤマヌブイのある「ウフシヌグ」と、

集落内で豊作豊漁を祈願する「シヌグンクヮー」が1年交代で行われます。

 

 

3方向から太鼓を先頭に「エーヘーホーイ」の掛け声と共に、

山から集落に降りてきて、その後海岸でお祈りをしたのち、

草木などを脱ぎ、海に浸かり、そして近くの川で身を清め、

集落の人も参加してカチャシーを踊ります。

 

 

行事は1日目の夕方から、神人の祈願の後、

イノシシを射止める狩猟を模した「ヤマシントゥエー」と、

漁を模した「ユートゥエー」が行われます。

 

 

太陽が山に隠れて辺りが暗くなると、アサギマーの中央にかがり火が焚かれ、

荘厳な雰囲気が漂う中、ウシンデークが始まります。

40人の踊り手はかがり火を囲んで輪になって、

神に無病息災などを祈りながら14曲歌い、踊ります。

 

 

訪れた人は豊かな自然に囲まれた安田の宴を楽しみ、

時折響くヤンバルクイナの鳴き声を聞きながら、

集落の賑やかな夜を過ごします。

 

【交通アクセス】

航空:那覇空港から車で一般道を約2時間30分。

車 :沖縄自動車道「許田IC」から一般道で約1時間20分。

 

 

うわじま牛鬼まつり(愛媛県宇和島市)

 

うわじま牛鬼まつりは、毎年7月22~24日に愛媛県の南伊予地方、

特に宇和島市とその周辺地域の和霊大祭において

牛鬼と呼ばれる山車が町を練り歩きます。

 

基本形は亀甲型の本体に、首と尾をつけたものです。

これを数十人の若者に担ぎ上げられ、

子供たちの吹き鳴らすブーブーという「ブーヤレ」(竹ぼら)の音を従えて、

長い首を打ち振りながら練り歩き、家ごとに首を突っ込んで悪魔払いをします。

 

 

牛鬼は5~6mの牛をかたどった竹組の胴体に

丸木で作られた長い首と恐ろしげな鬼面の頭、

剣をかたどった尻尾がついており、

本体は大別して、棕櫚をかぶせたものと、

黒・赤などの布をかぶせたものの二つのタイプがあります。

大きさは棕櫚の方が小さめです。

 

 

「枕草子」には「名におそろしきものーー牛鬼」と記され、

近隣の村にはほら貝を鳴らすような声をあげて走り回る牛鬼を

山伏が退治したという説話もあります。

 

牛鬼は宇和島の夏祭りの主役です。

この時には、宇和島市内のみならず、

山間部や高知県側からも牛鬼の出場があります。

宇和島市の職員で牛鬼保存会がつくられています。

また、秋祭りにおいても牛鬼が出ることがあります。

愛媛県を代表する祭りとして、

新居浜市の太鼓台、西条市のだんじりとともに、

各地のイベントなどに出場することもあります。

 

【交通アクセス】

電車:JR予讃線または予土線「宇和島」駅から徒歩約30分。

車 :松山道「宇和島朝日IC」から国道56号線経由で約30分。

 

 

飯坂けんか祭り(八幡神社:福島県福島市飯坂温泉)

 

奥州三名湯の飯坂温泉にある飯坂八幡神社では、

毎年10月の第1土曜日を中心とした3日間に、八幡神社例大祭が行われます。

この例大祭は、飯坂けんか祭りと呼ばれ、

大阪・岸和田の地車祭り、秋田・角館の飾山ばやしとともに

「日本三大けんか祭り」の一つと言われています。

 

八幡神社の地元にある地域には、上町、さい花、立綱、若錦、横町、

滝之川の6地区がそれぞれ屋台を繰り出し、

午後7時の花火を合図に御旅所を出発し温泉街を練り歩きます。

 

 

神社に到着した神輿と屋台は社殿の周りをゆっくり回った後、

勇壮なかけ声とともに激しくぶつかり合います。

6台の屋台がトーナメント形式でそれぞれの屋台の前棒をぶつけ合い

押し合いをして押された方が負けとなります。

 

 

屋台の中には太鼓があり中で太鼓を叩き続けています。

太鼓が止まったら負けとなるのでどんな事があっても太鼓を打ち続けています。

担ぎ棒をつき合わせた屋台が斜めに傾くと、祭りの興奮は最高潮に達します。

 

同例大祭は五穀豊穣と氏子隆盛を祈願し、

300年以上にわたって行われている伝統行事です。

神輿が神社に戻ると祭りが終わってしまうため、

戻れないよう屋台で妨害したのが、けんか祭りの始まりとされています。

 

【交通アクセス】

電車:JR福島駅から福島交通飯坂線に乗り換え「飯坂温泉」駅下車、徒歩10分。

車 :東北自動車道「福島飯坂IC」から約7分。

 

いかがでしたか。

祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。

長年にわたって受け継がれてきた祭りには、

理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。

たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?



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