愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

はまちの会第1回

2000年11月10日 | 地域史
第1回例会

日 時  2000年11月10日(金)

時 間  19:00~21:00

場 所  八幡浜市総合福祉文化センター 2階ホール

内 容  ①講演「八幡浜市民の歴史的関心について」
        講師 福井太郎氏(八幡浜市文化財保護委員長)
     ②参加者による小発表・情報交換


<福井氏講演趣旨>
福井氏は、長年八幡浜市の文化財保護委員長を務められ、八幡浜史談会でも活躍されている八幡浜の郷土史の第一人者。今回のテーマは「八幡浜市民の歴史的関心について」。
これは、最近、八代にあった菊池家庄屋屋敷や、旧五十二銀行が保存されることもなく取り壊されたり、中世城郭元城も山肌が削られ、元の姿を消してしまったという、地元の文化遺産が無くなりつつあるという傾向があり、それに警鐘を鳴らす意味で、講座タイトルは決められました。
お話の中では、まず、郷土史を実践する際には、歴史学的な手法に忠実であることを強調されました。とくに、文献を基本とし、伝承を史実と扱ってしまう傾向が郷土史には、まま見られるため、歴史学的な態度からすると、文献第一にスタートすべきであることを述べられました。
次に、本題にもなるのですが、八幡浜はかつて「伊予の大阪」といわれ、栄えた町であり、様々な歴史や文化があるにもかかわらず、当時の人々は経済の繁栄に眼がいってしまい、子供や孫に地元の文化を語り継いでいこうという姿勢が弱かったのではないか。
八幡浜は今は斜陽の時期にあるが、自らの文化を振り返ることをしなければ、市の発展はなく、また、それを子供に伝えて行くことが我々大人の使命なのではないかと主張されました。
また、消えゆく地元の文化遺産の保存については、行政に対して批判的になるのではなく、それはまずは市民の問題であり、市民の盛り上がりがあってこそ、行政との関係が派生するのであって、文化財保護が危機に直面した時には、市民がそれぞれ歴史的関心を抱くことが大切だと話し、まとめとされました。
福井氏の話を要約すると以上のようなものでした。
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