愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

ぞうきんの歴史~雑巾と浄巾~

2012年08月28日 | 衣食住
日本国語大辞典見ていて偶然発見。

雑巾(ぞうきん)って、1400年代の辞典「節用集」には「浄巾」って出てる。

浄らか、もしくは浄める布。

たしかに、ぞうきんのこと「じょーきん」と呼ぶ年配の方がいるなぁ。

いつから「浄」が「雑」になってしまったんだろう?


だいたい木綿布は室町時代には一般に普及していない。

とんちんかんちん一休さんのアニメでは、

よく雑巾がけやっていたが、

あれはその時代、高級品。アニメの設定上、将軍足利義満の時代。

貧乏寺である安国寺ではちょっと無理がある。

といっても、浄巾は禅宗から普及していったとの話もあるので、

一休さんの雑巾がけも可笑しなわけではないのかもしれない。


木綿以前の雑巾。

麻、藤、芭蕉などなど、いろんな繊維があるが、

どれも適してはいないような気がする。


「雑巾がけ」(走るかのような雑巾がけ)という行為自体も、

近代学校建築での廊下や教室といった広い板張り空間の出現とともに

一般化したのかもしれない。ちょっと極端ではあるが。

あとは寺院建築でも、雑巾がけは可能だ。

やはり一休さんは間違っていない?


さらには「雑巾でふく」という行為。

これは木綿以前の繊維の雑巾だと、

繊維が柔らなければ、ふくのは難しい。

というわけで、「雑巾でふく」という行為も

普遍的ではないのかもしれない。


ぞうきん文化、奥深し。














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