TSUNODAの経営・経済つれづれ草

身近な経営に関すること、経済に関することを思うままに

今日からアクアライン1,000円-高速道1,000円乗り放題スタート-

2009-03-20 07:23:51 | 経営全般
日本全国、1,000円で乗り放題がきょうから、先行してアクアラインでスタートしました。休日のみですが、通常は2,320円ですから、半額以上の割引です。テレビで取材していましたが、かなりの混雑のようです。

 3月28日からはETC搭載車については、土日祭日の高速道路通行料が上限1,000円が本格的にスタートします。麻生内閣の景気刺激策の一つですが、どれだけの効果があるかは疑問符がついていますが、アクアラインの混雑を見た限りではまずまずのスタートとなったのでしょうか。

 この高速道路「1,000円乗り放題」を期待しているのは、商圏の広い大型SCがあるようです。商圏が50キロと言われるアウトレットモールにとっては追い風になるかもしれません。

 また、ETC搭載にも補助金がでるので、カー用品販売店は特需となっているようです。
 
 政治主導の景気刺激策ですが、素朴な疑問として消費をすることはよいことなのでしょうか。そして、なんとしても消費を刺激させる政策はよい政策なのでしょうか。

 

トヨタ自動車が2010年春採用者の採用半減とする

2009-03-20 07:03:46 | 雇用・就職
 トヨタ自動車は、2009年度の新卒の採用計画を発表しました。採用人数は1,400人で、2008年度の採用実績である2,733人と比較して半減となります。2008年度の数字は中途採用や期間従業員を含めた数字であるのに対し、2009年度は新卒のみで数字ですが、期間従業員からの正社員登用を含めた予想が1,800人前後ということですから、採用減少は明らかです。

 一方、中小企業は大手企業の採用減のため、例年より優秀な人材が今春は採用できているようです。来春もどような傾向が続くのではないでしょうか。しかし、地元前橋のある企業は、今春入社の初任給を500円引き下げています。「業績が悪く、在籍社員の定期昇給が難しい。昨春入社とのバランスを取るため、今春入社の初任給を引き下げざるを得ないを得ない」と話しています。

 優勝な人材であっても就職するのは厳しい状況ですし、就職できても給料は下がってしまう厳しい状況が当分の間続く時代なのでしょうか。

春闘軒並みベアゼロ-主要製造業一斉回答-

2009-03-19 07:01:55 | 経営全般
電機、自動車などの主要製造業は、春闘の賃上要求に対して、軒並み「ゼロ回答」をしました。世界同時不況による業績悪化が理由で、労働組合がベースアップを要求しなかった2005年以来の4年ぶりの賃上げなしとなりました。

 定期昇給の扱いをめぐっては、パナソニック、三菱電機が予定通り実施する方針を回答しましたが、日立製作所、東芝、富士通、NEC、シャープは一時凍結です。トヨタ自動車をはじめとする自動車製造業は定期昇給については、予定通り実施予定ですが、年間一時金については満額回答を見送っています。
  トヨタ自動車は、前年253万円に対し今年度は186万円、日産自動車は前年6.1か月が4.2か月というような結果となっています。

 2009年度3月期の決算は、主要製造業は前年度と比較して悪化しており、その結果がそのまま春闘交渉に反映しているようです。

 これらの主要製造業と取引している下請企業、部品製造業もベースアップに関しては厳しい結果が予想されます。

 この結果は個人消費の冷え込みにつながるもので、負の循環に日本経済ははまりこみそうな気配がします。

 しかし、春闘の対象労働者は正規従業員であり、明日にも仕事を失うかもしれない非正規の労働者と比較したら給料が保障され恵まれているのではないでしょうか。

 日本の将来はほんとうに先の見えない状況になっています。気持ちだけでも明るく1日1日を過ごしていくしか庶民には手立てがないようです。
 
 

ユニクロ、ドイツデザイナーのジル・サンダーと商品監修などで契約

2009-03-18 07:00:50 | 経営全般
カジュアル衣料品「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、17日にドイツ高級衣料ブランド「ジルサンダー」を設立したファッションデザイナーのジル・サンダーさんと商品のデザイン監修どに関するコンサルティング契約を結んだと発表しました。

 ジルサンダーのブランドはシンプルで高級感のある商品ですが、シンプルという点ではユニクロの商品にマッチします。高級感という点では、今後ユニクロの商品に価格が高めの商品が登場する可能性があると思います。

 ユニクロは一時、野菜を販売したり、ロンドンなどの海外に進出したり、革新的なことを実施します。柳井会長兼社長は10に1成功したらそれどよしとするという考え方の人です。小売業ですから、日銭が入り、業績もよいですから、内部留保も多く、新しい挑戦が可能になることもあるかもしれませんが、常に新しい挑戦を行っているから成長しているのではないでしょうか。

 10月ことからの商品にジル・サンダーの監修した商品がでてくるようです。常に話題を提供して注目を集めるものユニクロの販売促進戦略なのでしょうか。

 当分の間、ユニクロの快進撃がつづくように私は思います。

 

地元伊勢崎「日立製作所オートモティブ」が茨城へ事業移転

2009-03-17 07:06:20 | 経営全般
日立製作所は16日、生産拠点見直しの一環として、オートモティブシステムグループの群馬事業所第一地区(伊勢崎市粕川町)の生産業務を佐和事業所(茨城県ひたちなか市)へ新年度中の集約すると発表しました。厳しい経営環境が続く自動車機械部門の事業再編で、集約後の伊勢崎市粕川町の事業計画は未定ということで、従業員の不安は高まっています。

 群馬事業所は、1973年に日産自動車関連企業の「ユニシアジェックス」でスタートして、2004年の日産自動車から日立製作所のグループになりました。
 この企業は、地元密着を掲げ、毎年秋には、地域住民に工場敷地を開放してのイベントを実施していました。仕事の関係で、この工場に何回も訪問していました。生産性本部の伊勢崎支部の幹事にもなっていただいていました。

 日産自動車から日立製作所グループに変わったときに、従業員の方が企業が中長期視点から短期視点を重視する経営に変わったと話ていたことを思いだしました。

 現在の景気が続くようだと、今後もこのような事業集約や移転が相次ぐように思います。ほんとうに厳しい時代になっています。

中谷巌が現代の貧困を語る-週刊ダイヤモンド2009.3.12から-

2009-03-16 07:13:24 | 雇用・就職
今なにかと話題を呼んでいる経済評論家の中谷巌氏は今週号の週刊ダイヤモンドで「現代の貧困」について述べています。

 内容は、貧困層を切り捨てれば日本企業は弱体化するということを述べています。日本は戦争を繰り返し、奴隷制度による階級社会を是とした欧米と違い、日本は歴史的に中流階級が国民の多くを占めている。貧困層を切り捨てるのが欧米であるならば、みんなで痛みを分け合い乗り切ろうというのが日本型である。

 虐げられる人びとを放置すれば、国は荒廃し、治安維持のためのコストも膨大なものになり、社会的、経済的なデメリットも計り知れない。企業でも一部のエリートが従業員をこき使うのではなく、社員は平等だから現場が強い。

 企業内から社会までの、こうした広い視点を忘れ、4半期決算ばかりを意識して従業員のリストラするなんて論外だと述べています。

 つい先頃までは、自由市場主義だった中谷氏の転向した後の主張ですが、私はまちがっていないと思います。 

トヨタショック「モノ作り危機」-日経ビジネス2009.3.16から-

2009-03-15 07:06:19 | 経営全般
今週仰の日経ビジネスは、「日本のモノ作り危機」について特集を掲載しています。特集記事の前書きではつぎのようなことが書かれています。

 昨年秋から世界不況が日本の製造業を根底から揺さぶっている。世界最強のトヨタ自動車ですら大規模赤字に沈んだ。1970年代から世界に名を轟かせた「日本のモノ作り神話」も崩壊寸前だ・「聖域なき改革」という掛け声の下で、「失われた10年」を乗り切ったものの、効率最優先の経営が現場を弱体化させ、今も蝕んでいる。このままでは戦後最大の危機を乗り切れず、息絶えるかもしれない。日本の現場力を守り、そして復活させるため「最後に戦い」は始まった。

 1991年から「失われた10年」が始まり、日本の製造業は淘汰が始まりました。経済産業省の工業統計によると、1991年から2007年の間に金型は7,496社が5,188社、鋳物1,472社が765社、鍛造550社が371社、金属プレス5,103社が3,348社、電気メッキ2,231社が1,422社と製造業の基盤産業が淘汰されてきています。

 そして、今回の世界恐慌です。記事では地元群馬県の金型メーカーの宮津製作所では「既に自動車メーカーから5件も製造を延期する要請が来ている」ことが書かれています。淘汰の上に、さらなる厳しい淘汰が始まっています。

 このモノ作りを支える「ピラミッドの底辺」の崩壊とともに、従業員も高齢化も問題があります。30年前は55歳以上が全体の10%前後に過ぎなかったのが今は30%となっています。技能・技術の伝承が大きな製造業内部の課題となています。

 企業が存続できるかという問題、そしてその企業に内在する人的資源の課題、外部環境では中国などの競争せざるを得ない現実、日本の製造業は課題が山積みというのが私の感想です。

 今の状況は、日本人は優秀で、今までも幾多の困難な状況を克服してきたから大丈夫だゆうようなわけにはいかないのではないでしょうか。
 
 しかし、厳しい現実であっても、将来の子供たちのために私たちは最善の道を探っていかなくてはならないのです。いろいろな政策が自分たちの世代がよければということに偏っていまっていると思うには私だけでしょうか。

失業者に新たな安全網「求職者支援制度」が創設される?

2009-03-14 09:52:41 | 雇用・就職
雇用保険の安全網から漏れた失業者が大量に出ているため、自民党、民主党は失業手当を受けられない人たちに職業訓練中の生活費を支給する「求職者支援制度(仮称)」を創設することで調整に入りました。

 「求職者支援制度」は失業手当の受給が終わっても就職が困難な長期失業舎や、雇用保険に加入していない非正規社員、廃業で職を失った自営業者の再就職などに対して、生活支援と職業訓練を一体的に支援する制度です。雇用保険の枠から外れた人が一気に生活保護になることを防ぐ新たなセーフティーネットとなります。

 こうした制度の創設が考えられたのは、雇用保険に加入していない非正規社員が1千万人に上るほか、失業給付の期間終了後に、長期間、職に就けない労働者が多数見込まれているためです。

 しかし、新制度では生活費の支給には、訓練の受講が条件だがどのような施設で、どのようなメニューを訓練するのか検討すべき課題があります。

 日本でも、職業訓練は「職業能力開発法」に基づき実施されてきていますが、その効果に私は疑問です。それは、日本は企業内訓練でスキルを身につけるのが常態となっているからです。とりもなおさず、終身雇用制度と表裏一体となっていた職業訓練です。

 施設での技能訓練が、どれだけ再就職に有効になるのかがこの制度の眼目になるのではないかと私は思います。 

トヨタ、大学生の就職ランキング首位逃す

2009-03-13 07:21:30 | 経営全般
就職・転職情報サービスの毎日コミュニケーションが12日に発表した2010年卒業予定の大学生の就職人気ランキングで、理系でトヨタ自動車が昨年1位から7位になりました。

 同じ自動車メーカーのホンダが前年10位から11位、日産自動車が39位から57位に順位を下げ、自動車メーカーの人気が下降した結果となっています。ちなみに理系1位はソニーが3位から6年ぶりに1位になっています。2位は前年8位からのパナソニックです。3位資生堂(前年2位)、4位サントリー(前年7位)、5位味の素(前年11位)という結果になっています。

 文系では1位JTBグループ(前年1位)、2位資生堂(前年2位)、3位全日本空輸(前年3位)4位三菱東京UFJ銀行(前年4位)、5位日本航空(前年5位)の順位で前年と同じ順位となっています。

 自動車メーカーの人気が落ちたのは昨今の業績不振の影響でしょうが、自動車産業の人気が回復するのでしょうか。自動車産業も、かつて石炭産業、そして鉄産業、そして私が就職した頃の損保企業、金融業と人気があった産業のように下降していく産業となるかといえば、まだまだ日本のリーディング産業として存在するのではないでしょうか。

 ただ、トヨタの「プリウス」、ホンダの「インサイト」のような次世代自動車が主流になっていかなくては、自動車産業も衰退産業になるのではないでしょうか。
 
 それから、もっと自動車を低価格で販売する価格競争が始まり、そのことが自動車産業に活力をもたらすのではないでしょうか。しかし価格競争は、自動車業界の再編の速度をより一層早めると思います。

 今回の不況を経て、自動車産業は熾烈なサバイバル競争に突入しそうです。 

トヨタの新型プリウス205万円で販売

2009-03-12 07:51:21 | 経営全般
トヨタ自動車は、5月に全面改良して販売を予定するハイブリット車「プリウス」の最低価格を205万円程度とすることを発表しました。現在販売のプリウスより30万円ほど安くなります。

 ホンダの「インサイト」は189万円から販売されており、その対抗のための価格設定です。排気量も現在の1.5リトルから1.8リットルに増やしたので、250万円ほどと予想されていたのですが、205万円程度となりました。

 トヨタは、新型車の販売以降、現在のプリウスについても、法人向けに200万円前後にすることを検討中で、装備は簡素化するようです。

 今までは、自動車の価格が下がることなどはなかったのではないでしょうか。日本のリーディング企業であるトヨタが価格を下げたということは、自動車製造業界にも新たな展開が生まれそうです。

 価格競争は消費者には喜ばしいことですが、自動車部品製造業などには厳しい条件が出され、企業にとってはたいへんな時代がくるように私は思います。

雇用保険料関連法案に財界から異論続出

2009-03-11 07:10:39 | 雇用・就職
麻生首相が雇用保険料の引き下げを10月に表明した平成21年度に労使折半の保険料を1.2%から0.8%にする案が異論が噴出しています。

 雇用保険料の引き下げは、労使の負担軽減を実施して景気浮揚が狙いです。しかし、同じ政府の舛添厚生労働大臣は「月20万円の人が月400円安くなるだけで景気拡大になるか」と疑問を出していました。

 経済界も「今は賃上げより雇用確保。雇用保険の引き下げ分を賃上げ原資にという必要はない」と冷やかです。

 民主、社民両党がまとめた対案は、保険料率は維持しながら、非正規労働者も失業手当を受けやすくするために加入要件を大幅に緩和するものです。非正規社員は現行では、1年以上の雇用見込みが加入要件となっていますが、両党案では31日以上の雇用見込みとなっています。
 保険料の納付期間も現行では自己都合は12か月、会社都合は6か月となっていますが、両党案はすべて6か月にするものです。

 雇用保険は、労働者にとっては雇用のセーフティーネットです。その充実は必要不可欠なものです。麻生首相の保険料率を下げて、景気浮揚策というのは現在の状況下では「まとはずれ」なものです。

 麻生首相の時代を読む感覚はどうなっているのでしょうか。
 

08年上場企業の倒産42件戦後最悪

2009-03-10 07:10:48 | 経営全般
東京商工リサーチが9日発表した全国企業倒産集計によると、2008年度の上場企業倒産件数は2月までの11か月間の累計で42件に達し、戦後最多だった2002年度の22件を大幅に上回りました。企業全体の負債総額も12兆9千4百6憶円となり、戦後5番目の高水準となりました。

 内容を見ると、年明け以降の深刻な状況が相次ぎ表面化、1月に4社、2月には7社の上場企業が倒産しています。年度末に向け、業績不振や運転資金不足から大型倒産が出る恐れもあり、倒産の件数、負債総額も増えそうな状況です。

 地元群馬県の上場企業も苦しんでします。毎日公表されている株価でみると、佐田建設は31円、東和銀行は59円と厳しい状況です。それから、管理職を中心に300人の早期退職を募っているサンデンも107円と厳しい状況です。

 県統計課の分析ですと、地元群馬県の景気の山は2008年2月でした。この結果、本県の景気回復は72か月と戦後最長となりました。しかしながら、この期間の生活の余裕を実感できなかったのは、統計課は輸出と民間設備投資が主導となる一方で、賃金上昇を伴わなかったからだと分析しています。

 自動車産業が好調だったのはまさに輸出だったのですが、その輸出が急速に減ってしまったのですから、サンデンが経営不振になるわけです。

 それにしても、好景気の果実(利益)はどこにいってしまったのでしょうか。企株主と企業の内部留保となっているのであれば、中長期視点から「人」を大事に育てる戦略をとる企業が出てきてもよいのではないでしょうか。そのような企業が私は今数少ないように思います。

 

西松建設献金事件で民主党の支持率落ちる

2009-03-09 07:21:39 | 経営全般
西松建設の迂回による小沢民主党代表に対する政治献金が問題になっています。麻生首相の自民党の支持率がこの問題でいくらか回復しました。

 それにしても、日本の政治はどうなっているのでしょうか。政治家は2世が多い職業です。それは国会議員に限らないことです。地方議員も2世、3世が多いです。

 金を集める必要にない、そして地縁、血縁のしがらみのない政治が実現できないものかと思います。

 それにしても建設業は政治に頼らないと仕事が取れないのでしょうか。この連鎖を断ち切ることも必要なのではないでしょうか。

 

人を切らない経営その2-日経ビジネス2009.3.9から-

2009-03-08 09:30:35 | 経営全般
今週号の日経ビジネスは、「人を切らない経営」という特集を掲載しています。
バブル崩壊後からの企業の人事政策が今日の雇用不安を生じさせているという分析です。そして以下の提言をしています。

1 安易なヒト減らしが成長の芽を摘むリスクを自覚せよ。
  →優勝な人材の確保
2 低賃金への誘惑を断て
  →業務改革のインセンティブに
3 正規・非正規の垣根をこわし、均等待遇の実現努力を
  →モチベーション向上へ
4 好調時こそ改革を
  →不況時の耐久力をつける
5 身を削るのはまずトップから
  →社内の危機意識を共有

 要は「人」を経営資源の中核と考えコストとは考えないことではないかと私は思います。
 

人を切らない経営-日経ビジネス2009.3.9から-

2009-03-07 07:53:58 | 雇用・就職
今週号の日経ビジネスは、「人を切らない経営」という特集です。現在、雇用調整がまたたく間に広がっています。厚生労働省の調査によりますと、3月までに失職、または失職する予定の国内労働者は非正規社員で157,800人、正社員で少なくとも10,000人に達する見通しです。

 正社員の場合は、希望退職がブームになっていることが取り上げられています。その例として、地元群馬に工場のあるアドバンテストが掲載されています。アドバンテストではターゲットとした社員に対して何回も面接が実施されているようです。残ることを話す社員に対して、トイレ掃除とか守衛の仕事で、給与もそれに見合ったものになりますと話されるようです。社員をコストと見なし、「価値を見出す源泉」と考えていない企業が多くなってきてしまっているのでしょうか。

 そんななかで、「ひとをきらない経営」を実践している企業として、レンゴーとアルバックの二企業が取り上げられています。

 レンゴーは、グループ工場などで働く派遣社員1,000人を4月から正社員化することにした企業です。大坪社長のインタビューでは「フルコスト主義」を掲げています。「資本」「税」「社会」「労働」への再分配をすべて費用として組み込んで価格を決める考え方です。
 大坪社長は、「これまで製造業は限界利益を追うことばかり考えてきた」と指摘します。限界利益を増やそうとすると、固定費を削ることが有効な手立てとなります。具体的には、賃金の引き下げや、人件費の変動費化です。これによって人はコストになりました。

 アルバックは「選択と集中はしない」がモットーです。近視眼的な収益性を重んじると赤字事業は切り離したほうがいいんですが、レンゴーの諏訪社長は「不要と思うものでも捨てず、引き出しにしまっておく。いつかは役立つかもしれない」と述べています。赤字の研究開発だとしても、長期的視点から捨てない経営です。

 諏訪社長が次のように話しています。「余ったから人を切るとは、随分勝手な論理だ。採用した責任、事業を始めた責任は企業にある」。私は金言だと思います。