TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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08年上場企業の倒産42件戦後最悪

2009-03-10 07:10:48 | 経営全般
東京商工リサーチが9日発表した全国企業倒産集計によると、2008年度の上場企業倒産件数は2月までの11か月間の累計で42件に達し、戦後最多だった2002年度の22件を大幅に上回りました。企業全体の負債総額も12兆9千4百6憶円となり、戦後5番目の高水準となりました。

 内容を見ると、年明け以降の深刻な状況が相次ぎ表面化、1月に4社、2月には7社の上場企業が倒産しています。年度末に向け、業績不振や運転資金不足から大型倒産が出る恐れもあり、倒産の件数、負債総額も増えそうな状況です。

 地元群馬県の上場企業も苦しんでします。毎日公表されている株価でみると、佐田建設は31円、東和銀行は59円と厳しい状況です。それから、管理職を中心に300人の早期退職を募っているサンデンも107円と厳しい状況です。

 県統計課の分析ですと、地元群馬県の景気の山は2008年2月でした。この結果、本県の景気回復は72か月と戦後最長となりました。しかしながら、この期間の生活の余裕を実感できなかったのは、統計課は輸出と民間設備投資が主導となる一方で、賃金上昇を伴わなかったからだと分析しています。

 自動車産業が好調だったのはまさに輸出だったのですが、その輸出が急速に減ってしまったのですから、サンデンが経営不振になるわけです。

 それにしても、好景気の果実(利益)はどこにいってしまったのでしょうか。企株主と企業の内部留保となっているのであれば、中長期視点から「人」を大事に育てる戦略をとる企業が出てきてもよいのではないでしょうか。そのような企業が私は今数少ないように思います。