TSUNODAの経営・経済つれづれ草

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独立行政法人の優秀な研究者を厚遇とする?

2013-06-01 04:28:34 | 経営全般

 政府の総合科学技術会議がまとめた「科学技術イノベーション総合戦略」の内容が明らかになってきました。

 それによると、研究開発を進める独立行政法人について、国内外から優秀な人材を集めるため、給与水準を見直します。理化学研究所や産業技術総合研究所、科学技術振興機構が対象になります。 独立行政法人は業務の高率化に主眼を置くという主旨で設置されている組織で、給与も国家公務員に準じています。

 総合戦略では、国際競争力の高い人材を高級で雇えるように改めるほか、研究者が外部から獲得した資金に応じて独法の運営費交付金を削減してきたのを除外対象とするものです。 

 5年程度の中期目標で評価していた制度も変えます。研究開発と効率はなじまないという視点での変更で、長期的な助成環境を整えやすくするということです。

 科学技術政策の司令塔となる総合科学技術会議の機能を強化するため、同会議が自ら予算配分権を持つ「戦略的イノベーション創設プログラム」を創設するという構想です。

 この構想ですが、私は役人の作成したものという匂いがします。確かに長期的視点で、研究者を厚遇しての方針転換ですがこのようなことは今までも言われてきたことです。なぜ、できなかったのかの要因がはっきりしません。もっと戦略が明らかになればわかってくるのでしょうが、あまりに遅いという印象です。民間ならもとスピード感を持って対応したのではないでしょうか。

 理化学研究所等の研究員はまさに優秀な人が集まった組織で、そのような優秀な人たちがその能力、発想を発揮できる環境を整えることが日本の科学技術発展に大いに貢献することになるのでしょうが、そんなことはだれが考えてもわかっていたことではないでしょうか。それができなかった要因はなんであったのか?私はこの戦略が今頃でてきて、知りたいと思いました。それは、日本の公的組織の欠陥を考えることになるからです。